工作機械技術振興財団が「第39回工作機械技術振興賞」贈呈式を開く

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 工作機械技術振興財団(代表理事=鈴木直道氏)が、6月18日に東京都千代田区の東海大学校友会館で「第39回工作機械技術振興賞」を決定し贈賞式を開いた。この賞は、工作機械技術に関する論文の中から、新規性、独創性、産業への応用性等を勘案し、優秀な論文に対し、論文賞と奨励賞を表彰するもの。

180717工作機械技術振興財団2あいさつをする鈴木代表理事 主催者を代表して鈴木代表理事が、「この賞は今から39年前、牧野フライス製作所の創業者である牧野常造氏が持ち込みをしてスタートしたもので、39年も継続していることはとても重要なことだと思っている。研究開発こそ、産業の将来を担っているとぜひとも認識していただきたい。日本はものづくりの国。その時々の時代に変化をしてもものづくりをしてこられた。この賞では、学生の独自性を持った研究開発に助成したいという制度がある。ここにおられる先生方もぜひ、学生に若いうちから日本のものづくりの将来を担うということで、研究に熱中していただけるようにご指導いただきたいと思っている。」とあいさつをした。

 伊藤 誼 審査委員会委員長が審査報告をしたあと、引き続き、牧野二郎 副代表理事から工作機械技術振興賞贈賞が行われた。

180717工作機械技術振興財団4経済産業省 片岡 産業機械課長 続いて、試験研究助成証書授与のあと、来賓を代表して片岡隆一 経済産業省製造産業局産業機械課長が、「機械産業の中でも特に工作機械は、マザーマシンともいわれる基幹中の基幹、根本中の根本だと思っている。皆さま方の諸先輩の活動などを通じて、日本の工作機械、あるいは世界の工作機械、あるいは世界のものづくりの底上げに貢献してきたことに改めて敬意を表したい。日本のものづくりは少子高齢化との戦いになるが、非常に広範な分野で研究が行われている。IoT、コネクテッドインダストリーの分野が世界を大きく支え、半導体製造装置やその先の情報通信機械を支える、そうした高度精密加工を担っていく。極めて限られた面かもしれないが、日本のものづくり、製造技術は、皆様の努力が結実していくと思っている。」と述べた。

 第2部の講演会では、「導電領域制御による複雑形状穴の電解加工に関する研究」をテーマに 東京農工大学大学院 夏 恒 教授が、「パウダージェットデポジション(PJD)法の歯科医療技術への展開の道筋」をテーマに、東北大学大学院 佐々木 啓一 教授がそれぞれ講演をした。

 場所を移して懇親会が開かれた。厨川常元 砥粒加工学会会長が、「技術の本質に向かって挑戦し、簡単に実現できないような、吹っ飛んだ高い目標を掲げ、特に若い学生研究者の方々頑張って下さい。」と祝辞を述べたあと乾杯の発声を行った。
 宴もたけなわのころ散会した。

第39次工作機械技術振興賞・論文賞

(●論文題名、著者名/所属機関、<掲載誌>)
●「チタン合金加工における油滴挙動に着目した高潤滑水溶性切削油剤の開発」
・杉原達哉、藤原航太、榎本俊之/大阪大学大学院
・山本修太郎、山本 敬、向 恭平/(株)ネオス
<砥粒加工学会誌 Vol.61.No.4,2017 p.197-203>

●「Influence of rotary axis on tool-workpiece loop compliance for five-axis machine tools」
・河野大輔、守谷優樹、松原 厚/京都大学大学院

●「センサレス切削力推定における誤差因子の影響」
・山田雄基、柿沼康弘/慶応義塾大学
<日本機械学会論文集 Vol.83,No.851(2017) [DOI:10.1299 /transjsme.16-00098]>

●「Design of ECM tool electrode with controlled conductive area ratio for holes with complex internal features」
・米 大海/計測エンジニアリングシステム(株)
・夏 恒/東京農工大学大学院

●「an optical lever by using a mode-locked laser for angle measurement」
・清水裕樹、工藤幸利、陳 遠流、伊東 聡、高 偉/東北大学大学院

●「パウダージェットデポジション(PJD)における粒子破砕挙動と成膜メカニズムに関する研究」
・水谷正義、久慈千栄子、大久洋幸、西村俊亮、水谷公一、赤塚 亮、佐々木啓一、徐 少林、嶋田慶太、厨川常元/東北大学大学院
<砥粒加工学会誌 Vol.61,No.1,2017 p.28-33>

●「ナノ秒パルスレーザを用いたナノ多結晶ダイヤモンド製ノーズRバイトに対する走査線加工技術」
・仙波卓弥、天本祥文/福岡工業大学
・角谷 均/住友電気工業顆(株)
<日本機械学会論文集 Vol.83,No.851,2017[DOI:10.1299/transjsme.16-00573]>

第39次工作機械技術振興賞・奨励賞

(●論文題名、発表者・研究協力者/所属機関、<発表学会>)

●「3DプリンタとPELIDの複合システムによるELID研削用砥石の開発と評価」
・(学)谷野登生、伊藤伸英語、益子雄行/茨城大学
・梅津信二郎/早稲田大学
・大森 整、加藤照子/理化学研究所
<砥粒加工学会>

●「鉛フリー真鍮の小径穴あけ加工に関する研究~γ相が切り屑排出性に及ぼす影響~」
・(学)坪口凌悟、(学)山田雄大、(学)山村巧己、加藤秀治/金沢工業大学
<日本機械学会 北陸信越>

●「粉末床溶融結合法における造形ひずみの低減に関する研究」
・(学)西本拓矢、(学)又吉ジョナサン、楢原弘之、是澤宏之/九州工業大学
<日本機械学会 九州>

●「固体高分子電解質を用いた溶液フリー電解加工」
・(学)西口嘉人、村田順二/近畿大学
<日本機械学会 関東>

●「チタン切削時の改質切削液の効果」
・(学)川田斐斗、櫻井文仁/群馬工業高等専門学校
<日本機械学会 関東>

●「レーザ再溶融を用いた金属粉末積層造形法における残留空孔分布および結晶方位制御」
・(学)松本昴士、柿沼康宏、小池 綾、佐藤洋平/慶応技術大学
<精密工学会>

●「人の視覚特性に基づく形状解析ツールの開発」
・(学)八木雅彦、佐藤隆太、白瀬敬一/神戸大学
・尾田光成、中山野生/(株)牧野フライス製作所
<精密工学会>

●「運動誤差とセンサのイズに対してロバストな表面形状計測システム」
・(学)鳥居有沙、吉岡勇人、新野秀憲/東京工業大学
<日本機械学会 関東>

●「複合材料構造体の最適設計による省エネルギー型工作機械の開発」
・(学)内田悠斗、(学)柏原翔一、木崎 通、光石 衛、杉田直彦/東京大学
<精密工学会>