注目! ダイジェット工業のサーメタル「CT500」 

絞りダイス。これでアルミ缶をつくる。
絞りダイス。これでアルミ缶をつくる。
 超硬合金といえば硬くて耐摩耗性に優れているので、切削工具や金型などに採用される重要な材料だが、近年、超硬の材料である希少金属のタングステンが高騰しており、超硬=高価である――という側面を持っている。そこで超硬合金やセラミックスと同じ硬さと耐摩耗性を誇る材料があれば製造現場のコスト削減に貢献できると考えたダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)の新素材のサーメタル「CT500」に注目したい。

 同社が昨年発売したこの素材は、ステンレス鋼・アルミニウムの絞り加工・しごき加工、耐熱合金の精密熱間鍛造金型や高温環境化で使用される部品・型ならびにこれら加工・工具に最適な新しい炭窒化チタン系複合材料である。


 

高温化における耐酸化性に優位! 900℃でも質量はほとんど変化せず!

写真上の劣化した超硬合金に比べ、下にあるサーメタルは高温下における耐酸化性による劣化がほとんどない。
写真上の劣化した超硬合金に比べ、下にあるサーメタルは高温下における耐酸化性による劣化がほとんどない。
 サーメタル「CT500」は、HV硬さ13.5GPa、破壊靭性値10.0MPaと超硬合金、セラミックスと同じレベルであり、さらに耐摩耗性と耐欠損性のバランスが良いという大きな特長を持つ。ステンレス鋼やアルミニウム合金との摩擦が低く、焼付きの発生を抑制。900℃の大気中においても耐酸化性を維持し、高温条件でも安定使用が可能なのだ。700度以上の高温大気雰囲気において硬さ、曲げ強度の低下が小さいのも魅力である。炭窒化チタンが主成分であるため比重は5.6.これは超硬合金の1/3程度と非常に軽量であり、低熱伝導であるため、高温の被加工材の冷却を抑制し、セラミックスでは製作困難な複雑形状製品にも独自技術で対応できる優れモノなのだ。
 
 コストパフォーマンスをお考えの方は、サーメタル「CT500」を試してみるのも一案だろう。

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