三菱日立ツールが「東日本三菱日立ツール報告会」を開く

 

 三菱日立ツール(社長=菊池 仁氏)が、去る6月14日、同社成田工場 グローバルソリューションセンター東部ステーションで「東日本三菱日立ツール報告会」を開いた。




あいさつをする増田相談役
あいさつをする増田相談役
 本年4月に社長を退任した増田照彦相談役が、「4月から相談役となった。ちょうど4年前の2015年に、三菱でもない日立でもない、こんな会社が1つあってもいいよね、と目指して三菱日立ツールの物語がスタートした。弊社スタッフの一人一人が、そして機械工具商社様のお一人お一人がプライドを持って相手方のプライドも尊重しながら、それぞれの持ち場、立場で継続して人事を尽くして頂いた。その結果、三菱でもある、日立でもある、それぞれのいいところだけを組み合わせた、こんなに凄い会社が出来上がった。2年前には“金型業界にイノベーションを”と新たなブランド『MOLDINO』も立ち上げることができた。この4年間、社長として本当に楽しく過ごすことができた。皆さまにお会いできてとても嬉しかった。」と振り返り、感謝の意を表した。

説明をする菊池社長
説明をする菊池社長
 続いて菊池社長が、「1961年に、当時は三菱金属だったが現在の三菱マテリアルに入社して35年間、三菱マテリアルの工具事業に携わってきた。三菱日立ツールは、三菱マテリアルグループの工具の事業を担う会社の1つで、その中でも特に金型工具に特化して“とがった会社”になることをミッションとして与えられている。」と自己紹介をしたあと、「この4年間は、増田前社長のリーダーシップのもとにさまざまな取り組みに力を注いできた。その結果が功を奏して、2018年度の受注、販売とも過去最高となった。この記録を更新できたのは、ひとえに今日ここに集まっているお取引先様のおかげである。」と感謝の意を表した。

 2019年度の取り組みについては、「長期的な視点に立ち、設備投資については高水準なものを継続していく。また、その内容についても増産だけではなく、検査の自動化、品質管理への投資、あるいは昨今の労働力不足ということもあり、省人化の観点で設備投資も行っていく。また、機械設備のみならず、根源となっている製造、開発は言うまでもなく、営業サービス体制の充実のためにも人材への投資を計画的に行い、その上で皆さまのお役に立てるような人材を育成していく。」と意欲を示した。また、サービス面の強化のための設備投資として、「2018年度は、成田工場に併設する形でグローバルソリューションセンター東部ステーションを昨年11月から開設した。既に野洲で同様の設備があるので、これで野洲、成田の東西2拠点で金型加工についてソリューションを提供する拠点が整備されたことになる。」と説明をした。

 菊池社長によると、グローバルソリューションセンター東部ステーションのコンセプトは、教育の実施であり、金型加工のソリューション発信基地、あるいは研修等の教育の場として活用することと、CAD/CAM、ホルダー等の周辺機器メーカーとのコラボレーションを活性化するという目的があるとのこと。組織面では、金型に特化するとの方針を打ち出し、金型向けの戦略を考え、実行に移すために本年4月に“金型戦略室”を東京に設置している。

 製造面については、世界的な同時不況のリーマンショック後に工具需要が急減した理由から2009年に休止した魚津工場を再開・再稼働する。なお、魚津工場は1936年に魚津製作所として稼働した非常に歴史のある工場で、今回、生産能力を短期間に増強するため、再稼働することを決定している。再稼働の予定となる時期は2020年秋頃。これで同社の国内生産工場は、成田、野洲、魚津の3箇所となる。菊池社長は、「タイで一部、小規模に生産しているが、ほとんどの工具は日本でつくっているので、ものづくりの基盤を支える工具メーカーとして高性能かつ高品質なメード・イン・ジャパンにこだわりたい」と述べた。

営業本部概況

十倉取締役営業本部長
十倉取締役営業本部長
 営業本部概況報告を十倉直樹 取締役営業本部長が説明した。それによると、「2018年は、上期までは右肩上がりで推移していたが、下期は海外、特に中国の落ち込みがあったものの、2018年度は2017年度に対して売上、受注でプラス5.3%の成長だった。海外比率も当初42%だったものが2018年には50%となった。引き続き国内、海外とバランスをとりながら邁進していきたい。」と意気込みを示した。

 19年度については、「国内金型市場を深耕していくということで、これは従来から会社の方針ということで掲げている。特に、経営資源を金型市場に集中配分していく。営業としては要員あるいは組織等、金型市場をにらんだ投入を図っていく。また、国内と海外の連携強化をしていく。特に日系メーカーが海外に進出しているため、国内との連携を取りつつ日系ユーザーとの強化、フォローを特に進めていく。さらに、新製品の早期の市場浸透についても注力する。残念ながら2018年度は既存品の生産、あるいは注残解消に追われ大型新製品が投入できなかったが、今年度は8品種の新製品の投入を予定している。」と説明をした。

 小櫻一孝 国内営業部長が、「昨年は旺盛な注文を頂いた。今年度は既に発売済みの2商品を加え、合計8つの新製品を発売予定だ。皆様のお力を拝借し、速やかに市場への浸透を図りたい。」と協力を仰いだ。また、ソリューションセンターの活用について触れ、今年度は4月より2カ月間で成田工場東部ステーション14件71名、野洲工場内西部ステーション67名が来場したと説明をした。

見学の様子
見学の様子
 井上稔朗 理事 製造本部 成田工場長が製造本部概況報告を行い、設備投資等について詳細を説明したあと、「最近の金型事情とMOLDINO的活動拠点東部ステーションの紹介」を日畑忠広 事業戦略本部 グローバルソリューションセンター長が説明をした。

 続いて2018年度の販売表彰が行われた。販売実績は標準品と特殊品の累計実績によるもので、今回は特別優秀賞1社、優秀賞5社、敢闘賞8社、躍進賞2社の16社が表彰されたあと、工場見学や実演が行われたあと、場所を移して成田市内のホテル日航成田で懇親会が開かれた。坂井俊司 NaITO社長が乾杯の発声を行い、開宴した。宴もたけなわの頃、散会した。

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