年頭所感(森雅彦 森精機製作所社長/石川則男 オーエスジー社長)

世界中の多様化する要望に応えるため、使いやすい機械の開発に努める
●森精機製作所 社長 森雅彦

新年明けましておめでとうございます。
昨年は東日本大震災という大きな災害にみまわれ、さらには急激な円高、高い法人税、TPP(環太平洋経済連携協定)をはじめとする貿易自由化の遅れ、労働規制、温室効果ガス抑制のための環境規制の強化に加え、東日本大震災後の電力の供給不足も加わり六重苦と呼ばれ、企業にとって非常に厳しい1年でした。その中でも日本の工作機械産業は、知恵を出し合い、改善改良を重ねることで成長しております。このような厳しい環境の中でも成長を持続している工作機械産業は日本の産業の中で競争力のある産業と思います。本年も昨年と同様に、厳しい1年になると予想されますが、このような厳しい環境を乗り越えていかねばなりません。

工作機械の価値は3分の1が製造(工場)で、3分の1が顧客ニーズに合わせた新たな加工技術の提案、3分の1が長期にわたるサービスや修理によって生み出されます。
当社においては、本年度よりスタートした中期経営計画「GQ-C-SI 123」達成のために、厳しい環境の中でも売上を達成することができる強い組織である「強靱な営業・強靱な工場」を実現させ、グローバル化・国際化と大上段に構えるのではなく、自然に外国人とチームを組み、多様性を生かして仕事をするような企業になるように「DMGとの協業」を進め、お客様に納入した機械を10年・20年の長期間にわたりサポートするため、今後も強固な財務体質・緻密なパーツ供給を維持していくために、製品と業務の品質を一桁向上させる「一桁違う品質」を目指します。
また、急激な円高に対しては、欧州購買と北米工場(2012年7月操業開始)での生産により、費用のドル化・ユーロ化を進め、為替リスクの軽減を図ります。

特にギルデマイスター社との協業においては、出資比率の相互の引上げにより、より強い企業体となりました。当社におけるグローバル化とは、ギルデマイスター社との協業をいかに実りあるものにするかに尽きます。昨年9月から、ドイツにおいて共同販売・サービスを開始し、本年には欧州全域に広がり、ロシア・中国・南米を除く全世界での協業体制が整い、春からはギルデマイスター社と現場交流プログラムを開始します。また、両社の協業強化だけでなく、お客様から見て更に使いやすい機械の開発に努めます。

世界中のお客様の多様化するご要望に、末永くお応えするソリューション力と俊敏な対応力をつけるために切磋琢磨して参ります。
本年も、変わらぬご支援、ご愛顧を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

「着実に前へ」
●オーエスジー 社長 石川則男

2012年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
また、東日本大震災、福島原発事故で被災された方々に慎んでお見舞い申し上げますと共に、被災地の一日も早い復興を心より祈念申し上げます。
世界経済はリーマンショックを経てようやく回復の足取りを見せておりましたが、わずか2年弱で欧州金融不安が高まり、再び不透明な状況に陥りました。

また長期化する円高は製造業の努力の範囲を大きく逸脱しており製造業の空洞化は日本経済最大の課題と言っても過言ではないと思われます。

そのような中、企業に求められているのは市場の変化、顧客の変化に対応する機動力であり、顧客のニーズを捉える力が試される時代であると思います。

当社は長期的な視野に立ってグローバルでの顧客への対応力と最適地生産の強化に取り組んでおり、2012年も着実に前に進みたいと思います。顧客への対応力は、グローバルレベルでのサービス体制の強化に加えて、現地生産を強化すべく、アジアだけでなく欧米でも大きな投資を計画しています。メーカーの生命線は、新製品開発でありどのような製品も必ず進化する余地があると思います。日本国内は、特に製品開発部門への投資を今まで以上に積極的に行いたいと考えます。
最後になりますが、日本経済の益々の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして年初のご挨拶とさせていただきます。

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