「世界の一員としてのグローバル化の推進を」 建機工 

野路会長
野路会長
日本建設機械工業会(会長=野路國夫氏)は、1月10日午前1時より東京プリンスホテルで新年賀詞交歓会を開催した。
冒頭、野路会長が参会者にお礼の言葉を述べたあと新年の挨拶をした。挨拶の概要は次のとおり。
「昨年は辛い年でありました。われわれ建機工の会員各社もご苦労をされたと存じます。今年は元気で明るい年になることを皆さんと一緒に期待したい。さて、われわれを取り巻く環境は建設機械の産業は長い目でみれば、まだまだ成長産業です。アジアをはじめ新興国のポテンシャルは大きいものがある。ここ3年ほどリーマンショック、東日本大震災、欧州の財政危機、最近では中国の急減速、超円高と、本当にショックばかりあるような3年半ではなかったかと思います。先の見通しをよく聞かれますが、なかなか読みづらく、先がどうなるか分からない時代になったかと思っています。しかし、われわれがやるべきことは変わりません。建機工として3つの課題をあげます。一つめは国内の復興需要を成し遂げなければならない。東北地方の復興を通じて将来、日本経済の再生に繋がるためにわれわれは努力していかなければと思います。特に建設機械は復興復旧にはなくてはならない機械ですので、皆さん、建設機械が足りないということのないように円滑な供給、あるいはアフターサービス、あるいは福島地域では除染の問題等ありますが、皆さんで知恵を出して、われわれはサポートしていきたいと思っています。二つめは昨年、節電・ピーク電力の抑制かと思います。われわれ建機工も国内生産拠点が多くありますが沢山のエネルギーを使っております。ぜひ皆さんで知恵を出しながらピーク電力の抑制に努めてまいりたいと思います。三つめは、なんといってもグローバル展開です。今年は国内市場はしばらく復興需要ですが、北米の市場も少しずつ回復軌道にのっております。新興国につきましては、まだまだ成長のポテンシャルが大きい。われわれ建機工も高い技術力をもっております。われわれの周囲には技術力の高いパートナーもたくさんいらっしゃいます。環境、安全をキーワードにして良い商品を開発し、全世界に供給する。そして海外市場で利益をあげて、その利益を日本に戻して研究開発を行っていくことが、よい商品をつくっていくという好循環を生む。そのように進んでいきたいと思っています。

工業会の経営のパラダイムの七つを一昨年上げましたが、この中で東北の復興を通じまして、よき企業・市民としての社会の貢献、節電・ピーク電力の抑制を含めて環境保護・省エネへの貢献、全世界へのグローバル展開をすることによって、世界の一員としてのグローバル化の推進、これらはわれわれ建機工の経営パラダイムにあります。これらを重点に皆さんと一緒に力を合わせて頑張っていきたい」

日本はネットワーク・技術力・資本力で優位

上田局長
上田局長
来賓を代表して上田隆之(「隆」は「生」の上に「一」が入る)経済産業省製造産業局長が、「昨年一年間は六重苦とも七重苦しともいわれるほど大変な年でありました。特に大震災においては復興が大きな課題でありました。建設機械工業会の皆さま方の力を得まして私どもが予想した以上に様々な復興が進みつつあるということでございました。この場を借りて皆様方のご努力に感謝を申し上げたい。さて、私どもは二つのことをお考え頂ければありがたいと思います。一つは復興需要は本来短期的なものではございますが、約18兆円が補正予算を中心としてついているわけでございます。この復興需要を日本経済の成長力、成長そのものに転換していくということが、国内政策の大きな柱であると考えています。二つ目は建設機械は今の日本経済を担っている最先端の分野でございます。世界中いたるところで日本の建設機械がありとあらゆるところで活躍し、これが日本の輸出産業の稼ぎ頭になっている。EUの問題等、様々な問題はありますが、このアジア、中東を含む世界の需要を国内の需要の中に取り組んで、世界の成長を日本の成長の糧にしていくということを一層推し進めていただきたいと思う次第であります。現在、日本だけでなく、EUもアメリカも日本もそれぞれの国が大変難しい状況であります。円高もさらにこのベースが続くという方もおれば、今年はどこかのタイミングで円安に振れるというご意見もございます。様々なことに対応していく必要があるかとは思いますが、ポテンシャルという意味では、皆様方の業界で持っておられる、ネットワークや技術力、資本力、ありとあらゆるものを考えますと、全ての国がチャレンジする中で、この国がそんなに簡単に負けるわけがないと私は確信しております。政府はさらにTPP等、難しい問題もありますが、私どもは常に一歩前に出る政策を展開していきたいと思っております。ぜひ皆様も一歩前に出る経営をお考えいただければ幸いです」とあいさつした。

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