工作機械の最新要素技術で切削・研削能力を実演 牧野フライス

牧野フライス製作所(社長=牧野二郎氏)が、2月16日~18日の3日間、同社厚木事業所でプライベートショー「加工技術展」を開催した。

加工現場では、切削や研削などで製作される部品の材質が多様化し、形状は複雑になっているうえ、加工能率を上げることが求められている。今回、同社ではこのような時流を背景に工作機械における最新の要素技術を紹介し、切削・研削などでの効果を横形マシニングセンタ「a51nx」・「a61nx」をもって実演した。

予想がつかないからこそどんな加工も対応できるマシンを

a61nx
a61nx
この「a51nx」・「a61nx」の最大のウリは50番主軸と同等の加工性能である。日本は大量生産品の仕事が減少しつつあるが、その一方で、より特殊なものや、新素材に対応した加工などの研究開発など、製造現場ではどんな仕事があるのか見通しが立ちにくくなってきた。このような時代だからこそ、ユーザーに「どんな加工にも対応する工作機械で優位性を持って欲しい」としている。

今回は、代表的な素材としてアルミやFC、FCDを取り上げ、切削能力の実証を行った。また、各軸の加減速性能、工具交換スピードなど、マシニングセンタに必要とされる動作を検証し、非切削時間の短縮を示した。工具の長さに合わせて、ATCシャッタを最短幅で開閉(特許出願中)、ツール・ツー・ツールは0.9秒、チップ・ツー・チップ「a51nx」は2.2秒(MAS測定方式)、「a61nx」は2.4秒(同)で工具交換時間の短縮を実現している。また、次工具を最小2.9秒で準備し、加工時間に影響しないよう、マガジン側のATCスタンバイ位置で工具破損検出を行う。さらに大量に発生する切りくずの速やかな処理能力や保守性にも優れている。

D500
D500
他にも部品加工での高い生産性を実現できる「D500」が展示されていた。同時5軸加工といえば、各種の過給機や燃焼室、流体機器などに使用されるインペラやタービンブレード、ブリスク、スクリューなどの回転翼だが、アルミやステンレス、チタン、ニッケル合金などに対応する豊富な主軸バリエーションが特長だ。クラス最速の加速性能を誇る傾斜軸、回転軸とのマッチングにより、加工時間を大幅に短縮することができる。この「D500」はインペラ加工時間を同社従来機比で50%短縮し、スムーズTCP搭載により、時間短縮と加工品位向上を同時に実現している。

今回、牧野フライスではユーザーの加工ニーズに焦点を合せた展開で来場者を魅了していた。


D500でインペラを加工
D500でインペラを加工

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