キング工業が歯科医師会と協力し被災者を支援

広沢製作所(社長=廣沢 實氏)のグループ企業で歯科用医療機器の製造・販売を行うキング工業(茨城県つくば市寺具1395-1、社長=廣澤清氏)は、東日本大震災で避難所生活を強いられている被災者にいち早く自社の「デンタルクリニックショールームカー」を派遣し、地域住民に貢献している。

広沢グループでは災害支援の一環として、東日本大震災発生当初から関連会社が総力を挙げて被災地の支援に乗り出している。

グループの一翼を担うキング工業は、歯科用医療機器をはじめ、業務・家庭用耐火金庫、スチール家具、自動車部品等の製造・販売を行っているが、被災地の東北地区にはキング工業の歯科用医療機器を使用する歯科医院も多く、地震発生直後から電気、水道などのインフラが寸断、多くの診療所が診療困難に陥っている。

こうした状況にキング工業では、宮城県歯科医師会に自社の「デンタルクリニックショールームカー」の提供を打診。これを受けた歯科医師会では、斉藤 修東北大学病院教授が窓口となり、被災者支援に向け「デンタルクリニックショールームカー」を七ヶ浜国際村(宮城県宮城郡七ヶ浜花渕浜字大山)をはじめ、各地の避難所に歯科医師とともに派遣し、避難場所で患者の治療にあたり、子供からお年寄りまで多くの被災者に喜ばれている。

移動場所で診療所と同様の治療を

車内で治療を受ける子供も一安心
車内で治療を受ける子供も一安心
今回提供した「デンタルクリニックショールームカー」は、キング工業が3年前に自社製品の拡販用として投入したもの。歯科医院が治療の際に必要とするユニット、インスツールメント、水、エア、照明など大半の機器が車内にコンポーネントされ、移動場所で診療所と同様の治療が行えるようになっている。

避難場所の七ヶ浜国際村には、およそ300人近い人々が避難所生活を送っており、宮城県多賀城市のホワイト歯科クリニック・藤 秀敏歯科医師をはじめ、山形県歯科医師会からも協力を得て、関係者が交代で診療にあたり、地域患者の支援を続けている。

今回の東日本大震災は、いまだに余震が続くなど、被災地が広域にわたるほか、復興には長い歳月も予測され、被災地では歯科治療ができずに困っている患者も増加している。

キング工業では訪問診療関連製品として治療に必要なツールをオールインワンでパッケージにした、持ち運びに便利な「かれん」シリーズなども製造していることから被災地での歯科治療に役立てたいとしている。

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