CIMTOF2011は多数の中国企業が5軸マシニングセンタを展示

4月11日(月)~16日(土)の6日間、中国北京市順義区・中国新国際展覧センターで開催された「CIMTOF2011」。展示場面積は東京ビッグサイトの1.4倍、出展者数は約1300社を誇る。(写真=日本工作機械工業会提供)

このほど日本工作機械工業会がまとめた「CIMTOF2011」の動向では、中国の工作機械産業の動向は、第12次5カ年計画において規模の追求から品質重視へと転換している。従来の生産拡大路線から生産技術水準の向上、サービス面の強化を重視しており、中国市場で注目すべき主要ユーザー産業は、「航空機」、「自動車」、「船舶」、「発電機」など。工作機械メーカーもこれらユーザーニーズに合わせる必要があり、今後も海外企業による投資を積極的に受け入れたいとの意向だ。特に中国国内で生産できない高精度工作機械については、政府も関税等で優遇措置を講じているとしている。

成長著しい中国経済を背景に、建設機械、農業機械、鉄道車両およびエネルギー産業向け等の工作機械の展示が多く、大型機械も多数展示。第11次5カ年計画の重点政策の成果として、多数の中国企業が「国家科技重点事項」である5軸マシニングセンタ等や前回同様大型機を多数展示しており、位置決め精度の向上も顕著である。日本企業は、3軸及び4軸の横型マシニングセンタや複合加工機を中心に展示。欧州企業は5軸マシニングセンタや複合加工機のほか、インフラ需要等に対応した大型機械を展示していた。
活況ある展示会の中で、中国側は、「生産ボリュームよりも技術力で勝負ができる製品づくりがしたい」としているという。

中国市場はWTO加盟を機に完全開放市場の移行

国際事務局長会合で話し合われたまとめは、以下のとおり。


中国
中国市場はWTO加盟を機に以前の閉鎖市場から半開放市場、そして完全開放市場への移行を進めている。関税は0.1年以降6度引き下げを行い、現在平均9.8%。知的所有権を含めてWTOルールを順守している。経済発展のために、海外投資をさらに呼び込む必要があり、今後質・量ともに拡大させていきたい意向を示した。貿易は輸出入均衡が政府方針(指示)であり、2010年の工作機械販売は、一般機械、自動車、航空機など需要産業の成長に伴い前年比+40.6%と旺盛。うち輸入機械の占める割合は40%程度である。国内生産能力の過剰を抑え、設備投資は量から質への転換が求められている。また、2011年の工作機械産業の生産率は前年比+10%程度を見込んでいる。

アメリカ(AMT)
住宅投資は正常化までいまだ数年を要しており、2011年も引き続き落ち込む見通しだが、航空機、自動車投資が持ち直し、中小企業の投資も徐々に増加しており、製造業は回復していくと予想している。

ドイツ(VDW)
2010年の受注額は前年比+85%(内需:同+75%、外需:同90%)。2011年1~2月の受注額は前年比2倍レベル。受注残持ち月数は8カ月分あり、2011年の工作機械生産額は総受注額の48%を占め、ドイツの工作機械産業にとって最大のマーケットである。今後数年間、中国向けの受注は高水準で推移していくとみている。

韓国(KOMMA)
韓国経済は世界金融危機後、順調に回復している。設備投資は、造船、自動車、半導体、ディスプレーなどで増加基調にある。2011年は経済成長率が若干鈍化するがIT関連、自動車などの投資は引き続き好調に推移して工作機械の生産額は前年比+8%、輸出は同20%の見通し。

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