「厳しいレアメタル事情に苦しむ中小メーカーのお手伝いをしたい」 超硬工具協会

超硬工具協会が、6月3日に通常総会を開催し、役員改選の結果、新理事長に田中啓一氏(日立ツール社長)が就任した。これに伴い6日に開いた記者会見上で抱負を語った。

現在超硬工具協会は正会員37社、準会員7社、賛助会員23社、会員総数67社が加盟している。超硬工具出荷額は平成22年度に入ると4~6月気679億円(前年比174.7%)、7~9月期(同149.6%)、10~12月期720億円(前年比127.9%)、1~3月期734億円(前年比119.7%)と推移した結果、改正需要見通しの2800億円を達成し、3年ぶりに前年度実績を超えている。ところが、3月11日に発生した東日本大震災の復旧復興はいまだ災害の全容解明も進まない状況と、自動車および部品産業の被災により生産停止とその影響による自動車産業の生産ストップをはじめ、福島第一原子力発電所等の停止による今夏の電力使用の削減など、需要産業の生産活動は難しい状況にあるとしている。

平成23年度の事業計画の中に需要見通しが見送られている理由を田中理事長は、「当工業会は年2回見通しを発表しているが、今回、需要見通しアンケート調査を実施している時期と重なって震災が起きてしまった。地区懇委員から需要見通しは困難であり、想像がつかないと意見が寄せられた。最大の需要業界である自動車の生産活動も停止などかつてない状況下もあって、正式に当初需要見通し策定を行わないことを決定しました。下期にわたっては発表できると思います」と述べた。

レアメタルの高騰について問われると、「現在経産省のバックアップもあるが、各社独自の対応をされている。経産省はレアメタルを少なく使った製品に補助金をつけた。中小メーカーにとってはそれらの書類が不慣れな場合、事務作業についてもお手伝いをして、なんとかレアメタル事情の厳しさを助けていけたらと思っています」とした。

最後に田中理事長は、「これから専務理事をはじめベテランの方に助けていただきながら努力をしていきたいと思います」としめくくった。

●プロフィール
田中啓一。神奈川県出身。昭和24年12月生まれ。昭和47年3月慶應義塾大学経済学部卒業後、同年4月 日立金属入社。平成14年2月 Hitachi Metals America,Ltd.取締役社長、平成18年4月 日立金属事業役員海外事業企画センター長、平成18年4月 Hitachi Metals America,Ltd.取締役会長、Hitachi Metals Europe Gmbh取締役会長、同年9月 宝鋼日立金属軋輥(南通)有限公司董事長、平成21年4月 日立金属執行役員常務 営業センター長、平成22年6月 日立ツール代表取締役社長(現任)

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