三菱日立ツールが続々と新製品を投入! 「エポックDスレッドミルPT・NPTねじ用」、「エポックディープボールエボリューションハード-TH3」、「AX2040」

 三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)が、続々と新製品を投入している。
 このほど発表したのは、① 超硬ねじ切りカッタシリーズに管用テーパねじ用として「エポックDスレッドミル PT・NPTねじ用」、②新たに開発した最新コーティング“TH3コーティング”を施した高硬度鋼加工用ボールエンドミル「エポックディープボールエボリューションハード-TH3」、③ ステンレス鋼乾式高速ミーリング加工用インサート材種「AX2040」の3商品。

管用テーパねじ用「エポックDスレッドミルPT・NPTねじ用」

 金型の冷却穴には金型の冷却穴には管(くだ)用テーパねじが多く使用されており、その用途から耐密性が求められているが、従来の管用タップは加工面のむしれが発生しやすく、水漏れの発生が問題になっていることを受け、同社では、むしれのない良好な加工面が得られる「エポックDスレッドミルPT・NPTねじ用」を開発した。

 従来の超硬タップやハイスタップは寿命が非常に不安定であり、金型材料に用いられる高硬度鋼の加工では、折損によるワークへの折れ込みが問題になっている。現在同社が発売している「超硬ねじ切りカッタシリーズ」は、高硬度鋼を安定して加工することができ、金型製造リードタイム短縮などの効果を得られるとして評価が高い。さらに従来のタップと比較して切りくず排出性に優れることから良好な加工面も得ることができ、好評を博している。
この製品の特長は以下の通り。

 (1)金型材料に用いられる高硬度鋼の安定加工を実現する。
 (2)従来のタップで発生しやすい、水漏れの要因となる加工面のむしれを低減する。
 (3)下穴のない状態やタップよりも小さな下穴径でも加工可能で、工程の集約や短縮を実現する。
 (4)管用ねじの加工でご要望の多いPT・NPT規格をラインナップ、幅広いねじ加工に対応することが可能となった。

【仕様】
エポックDスレッドミルPT・NPTねじ用
PT規格用(1/16~1インチ:6アイテム)
NPT規格用(1/16~1インチ:6アイテム)

【価格】
エポックDスレッドミルPT・NPTねじ用¥21,600-~¥87,800-(消費税別)

最新コーティングを施した高硬度鋼加工用ボールエンドミル「エポックディープエボリューションハード-TH3」

 近年、金型材料の「高機能化」「高性能化」に伴い、金型材料は高硬度で難削化が進む一方である。精密金型などで求められる精度は年々向上し、顧客の高精度加工の要望は増加しているその一方、高硬度鋼の加工では工具摩耗が激しく工具寿命が短い、ワークの削り残り量が多いなどの課題が存在する。

 これらの課題解消を目的として、同社では新たに開発した“TH3コーティング”を施した高硬度鋼加工用ボールエンドミル「エポックディープボールエボリューションハード-TH3」を市場投入した。

 新開発の次世代コーティング「TH3」は、現在幅広くユーザーに使われているTHコーティングの第3世代のコーティング。「TH3」は高硬度鋼の加工において優れた耐摩耗性を発揮し、また、高硬度鋼加工に適正化した刃形と高精度加工を追求した工具設計により、長寿命で削り残り量の少ない高精度な加工を行うことが可能になる。高硬度鋼を使用している各種金型(プラスチック金型、鍛造金型、プレス金型など)のリブ溝加工や隅部分の仕上げ加工など小径深彫り加工全般に威力を発揮する。
 特長は以下の通り。

 (1)新開発の次世代コーティング「TH3」を採用し、高硬度鋼の加工において優れた耐摩耗性を発揮する。
 (2)高硬度鋼加工用に適正化したダブルフェイス形状を採用し、工具の摩滅を抑制する。
 (3)高精度加工を追求した工具設計により、ワークの削り残り量を低減する。

 【仕様】刃先R:R0.05~R6全206アイテム
 【価格】¥4,680~¥23,100(消費税別) 
 (※R1.25~R6、計39アイテムは2017年 5月20日以降に発売予定)

ステンレス鋼乾式高速ミーリング加工用インサート材種「AX2040」

 タービンブレードに代表されるステンレス鋼の荒加工は、加工コスト低減を目的として乾式高速加工が用いられているが、ステンレス鋼は、一般鋼や炭素鋼に比べ被削性が悪い傾向にあり、被削材の溶着や加工硬化による工具刃先にチッピングが発生しやすい状況である。また、乾式高速ミーリング加工時では、工具刃先が高温にさらされ工具損傷の進行が速く、工具寿命が低下するという現象が問題とされている。

 同社が開発した「AX2040」は、靭性の高い超硬母材に耐摩耗性と耐熱性に優れる窒化アルミニウムチタン(AlTiN)系の主層に加え、上層に高潤滑性に優れる窒化アルミニウム(AlN)系の新CVDコーティング皮膜を採用したことで、ステンレス鋼の乾式高速ミーリング加工で生じる摩耗の進行やチッピングを低減し、工具の長寿命化を可能にしている。まずはタービンブレード加工に適した刃先交換式工具「アルファラジアスミルRV形」に採用しこのほどの発売に至った。
 特長は以下の通り。

(1)耐熱性に優れる新コーティング皮膜を採用
Al含有量の高い窒化アルミニウムチタン(AlTiN)系の新CVDコーティング皮膜により、乾式高速切削で生じるヒートクラックの進行を低減した。

(2)高潤滑性に優れる新コーティング皮膜を採用
潤滑性に優れる結晶構造の窒化アルミニウム(AlN)系の新CVDコーティング皮膜を上層に採用したことにより耐溶着性を改善した。

(3)耐欠損性に優れる新コーティング皮膜と超硬母材を採用
耐チッピング性に優れた柱状組織からなる新構造のCVDコーティング皮膜と靭性の高い超硬母材の採用により、耐欠損性を改善した。

(4)寿命
析出硬化型ステンレス鋼(SUS630硬さ30HRC)の乾式高速ミーリング加工において、従来品と比較して2倍の工具寿命を実現した。

【発売件数】
8アイテム(RPMT形、RPHT形2種類)
搭載カッター:アルファラジアスミルRV形
インサート形状:R形状
インサート直径:φ10・φ12
インサート精度:M級・H級

【価格】
¥910~¥1,500(消費税別)

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