三菱日立ツールが新商品ラッシュ! 春の新作6商品はコレだ! 

 三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)が、このほど6種類の新商品を市場投入した。
 春の新作は、①高硬度材の高能率仕上げ加工を実現するABPF形用インサート強S字「SHタイプ」、②金型加工の大幅な加工時間短縮を実現するインサート式異形工具「GF2T形」、③高能率仕上げ加工用刃先交換式異形工具シリーズ「GP1T形」、④高硬度金型の大幅な加工時間短縮を実現するソリッド異形工具「GS4TN」、⑤多コーナー仕様の刃先交換式ラジアスミル「アルファ ラジアスミルRD16B形」⑥金型の冷却穴における応力腐食割れを抑制するSR加工用超硬ドリル「WHSR形」。

高硬度材の高能率仕上げ加工を実現するABPF形用インサート強S字「SHタイプ」

 アルファボールプレシジョンF ABPF形用インサートは、独自のねじれ刃形状(強S字)であるSTタイプ・SCタイプ・SFタイプを商品化し、鋳物・鋼・高硬度材の仕上げ加工用途に高い評価を得ている一方で、プレス金型分野に代表される高硬度材(60HRC)やフレームハード部、あるいは修正金型での溶接部(肉盛り)の加工では、前工程の工具の摩耗や熱処理変寸により加工代が不均一になりやすい傾向にあった。そのため仕上げ工具にかかる負担も大きく加工能率を向上させることが困難だったうえ、工具寿命にも課題があった。こうした問題解決のため、同社では、この様な不安定な高硬度材の仕上げ加工に特化した強ねじれ刃形のSHタイプを新材種TH303と組み合わせ発売するに至った。

 60HRCクラスの高硬度材の高能率加工(中仕上げ~仕上げ)、修正金型の溶接部、フレームハード(部分焼入れ)された箇所の安定加工や強断続加工、焼入れ前の中仕上げ~仕上げ加工に威力を発揮する。

●特長
 ① ソリッド工具同様の先端S字刃形を採用すると共に強靭化された新刃形は取り代の不均一な加工でもビビリの少ない高品位な加工が可能。
 ② 耐熱性と耐摩耗性に優れる平滑な高硬度被膜を持つ新材種TH303は高硬度材の高能率・長寿命加工を実現。

●仕様
・SHタイプインサート(φ6~φ30):全8アイテム

●価格
¥4,000~¥9,810(消費税別)

金型加工の大幅な加工時間短縮を実現! インサート式異形工具 GF2T形

 今回、異形工具のガレアシリーズにおけるインサート式工具に、大径サイズを含めた新商品GF2T形を追加発売した同社。インサートは2コーナが使用できる設計にしており、経済性も高い工具になっている。

 最近ではCAD/CAMの進化に伴い、複雑な形状の工具による高能率な加工が可能になった。この工具は最新のCAD/CAMを活用し、加工するピッチを大きくして加工能率を大幅に向上することを目的としてつくられた高能率工具である。従来の工具を用いた加工では、加工時間を短縮するための方法として送り速度を上げることを提案されてきたが、加工する形状が複雑な場合などでは、機械の送り速度が追従しないなどの問題から狙い通りの加工時間の削減が実現できないケースも発生している。この工具は加工ピッチを大きくすることができるため、このような課題も解決して狙い通りの加工時間の削減が可能になった。また、突出しの長い加工などでも工具剛性が高いことからビビリの少ない高品位な加工を実現する。プレス型の勾配面などの高能率、高品位加工や、5軸加工機だけでなく3軸加工機での使用も可能である。

●特長
 ① 外周側に大きなRサイズに設計したインサート形状により、加工ピッチを大きくしても良好な加工面粗さを実現する。
 ② ユニークなインサートの拘束方法により2コーナ仕様のインサートが実現した。
 ③ 最新のTH3、PN2コートを採用しており、様々な被削材を長時間に渡って加工する事が可能。

●仕様
 ・モジュラータイプホルダ(φ20~φ40):全4アイテム
 ・インサート:全2アイテム

●価格
 ・モジュラータイプホルダ(φ20~φ40):40,600~67,600円(消費税別)
 ・インサート:1,700円(消費税別)

高能率仕上げ加工用刃先交換式異形工具シリーズ GP1T形

 
  加工効率の向上と加工面品位の向上の両立は実現しがたい大きな課題だった。たとえば、加工能率を上げるためには送り速度をアップさせることが有効だが、加工形状が複雑になると機械の送り速度が追従せずに思ったより加工能率が向上できない場合もある。こうした課題解決のために今回同社が発売した加工ピッチを大きくとれるバレル工具/GP1T形は、送り速度に影響されることなく加工能率を向上させることができる。また、従来工具と同じピッチの条件でGP1T形を用い加工すると加工面品質の更なる向上が可能になる。この工具は5軸加工による金型仕上げ加工全般に威力を発揮する。

 同社では、「近年バレル工具を5軸で制御できるCAMソフトウエアが増えてきたことにより、“加工時間を短縮するか?”、“加工面品位をさらに改善するか?”といった仕上げ加工の要求に合わせた新たな加工提案ができるようになった。また、GP1T形は工具半径より大きなバレルR刃と先端R刃を併せ持つことにより隅部とその隣接面を工具交換なしで加工することが可能になり加工段差を抑えることができるようになった」としている。

●特長
 ① バレルRをテーパー状にして先端部をボール形状としたことで2種類の切れ刃が1つの工具で使用可能になった。
 ② 2種類の切れ刃を工具交換無しで使用することができるので、工具交換による加工段差が出にくくなった。
 ③ 現在発売されているアルファボールプレシジョンF「ABPF形」のホルダに取り付け可能なので加工用途に応じ、鋼/超硬シャンクタイプのホルダでも使用することができる。
 ④ 新開発の「TH3」「PN2」コーティングの採用により従来品に比べ長寿命になった。

●仕様
 ・モジュラータイプホルダ(φ12~φ30):全5アイテム
 ・インサート:全10アイテム

●価格
 ・モジュラータイプホルダ(φ12~φ30):18,800~38,500円(消費税別)
 ・インサート:9,930~14,800円(消費税別)

高硬度金型の大幅な加工時間短縮を実現! ソリッド異形工具 GS4TN

 今回、異形工具のガレアシリーズに、ユーザー要望の高いソリッドエンドミルが新登場。最近はCAD/CAMの進化に伴い、複雑な形状の工具を用いた加工が可能になってきた。この工具は主に高硬度材を用いた金型の中仕上げ、仕上げ加工において従来ボールエンドミルに対しての加工時間を大幅に削減することを目的とした商品。具体的には、加工するピッチを従来ボールエンドミル比で3倍等に大きくすることで加工時間の短縮を実現する。また先端部の小さなRと外周部の大きなRを使い分けることで、広い加工面から隅部まで一本の工具で加工する事ができる。これにより工具本数の集約が可能となり、工具交換により発生する加工段差を極力小さく抑える事が可能になった。40~50HRCクラスの高硬度材の高能率加工(中仕上げ~仕上げ)やダイカスト型、プラスチック金型、プレス型などの高能率、高品位仕上げ加工に威力を発揮する。

●特長
 ① 高硬度材の金型において、ビビリの少ない高品位かつ高能率な加工を実現する切れ刃設計のソリッド異形工具。
 ② 先端のRと外周のRを金型加工に適したサイズに設計。1本で複雑な形状の加工に対応する。特に5軸加工に適している。
 ③ 最新のTH3コートを採用しており、高硬度材を長時間に渡って加工することが可能。

●仕様
 ・バレルR 12.5~50 全5種類

多コーナー仕様の刃先交換式ラジアスミル アルファ ラジアスミルRD16B形

 近年、部品加工の市場では加工材料の難削化に伴い、より「工具の長寿命化」「加工の高能率化」などの要望は増加している。この分野では円形インサートを用いたラジアスカッターが多用されている一方で、従来の両面仕様の円形インサートでは逃げ面はネガティブ形状(逃げ角0°)であることから、切削抵抗が高いことや、加工形態に制約があるなど悩ましい課題があった。

 これらの課題解消を目的として新たに開発したのが、多コーナー仕様の刃先交換式ラジアスミル「アルファ ラジアスミルRD16B形」。この商品は最新のプレス成型技術の活用により両面仕様のインサートながら逃げ面はポジ形状に成形されたことにより低切削抵抗化を実現すると共に傾斜切削が可能なラジアスミル。また、独特なインサート拘束形状により確実な回動防止を可能とし、合わせてインサート交換時の操作性を向上させた。タービンブレードの荒加工やステンレス鋼、Ni基超耐熱合金等の部品加工に威力を発揮する。

●特長
 ① 最新のプレス成形技術により両面仕様のインサートながら逃げ面はポジ形状に成形され、低切削抵抗化と傾斜切削を可能にしたラジアスミル。
 ② 独特なインサート拘束形状により確実な回動防止とインサート交換時の操作性が向上した。
 ③ 最大16コーナー使用を可能にし、高いコストパフォーマンスを実現した。
 ④ コーティング材種JP4120,JM4160,GX2160の適用で、特に難削材加工に長寿命である。

●仕様
 ・ホルダ(φ32~φ100):全14アイテム
 ・インサート:全6アイテム

●価格
 ・ボアタイプホルダ(φ40~φ100):53,700~122,000円(消費税別)
 ・シャンクタイプホルダ (φ32~φ40) :35,900~56,400円(消費税別)
 ・インサート:1,700~3,000円(消費税別)

金型の冷却穴における応力腐食割れを抑制するSR加工用超硬ドリル「WHSR形」

 金型の寿命を決定する要因の1つである冷却穴の応力腐食割れは、ドリルの先端形状に沿った形の穴底(角立ち)や穴壁面の加工傷を起点として発生する。この対策の1つとして、Rガンドリルや先端をR形状に追加工したハイスドリルで穴底をR形状にすること(SR加工)が挙げられるが、これらの工具は切削能率が低く、工具寿命が短いことが問題となっていた。これらの問題解消を目的としたのが今回新開発したSR加工用ドリル「WHSR形」である。この工具は冷却穴の穴底および穴壁の仕上げ加工に特化したもので、金型寿命を向上させるSR加工の高能率・長寿命化を実現する。ダイカスト型・プラ型の冷却穴のSR加工(穴底R加工)や穴壁面の仕上げ加工に威力を発揮する。

●特長
 ① 切れ味と強度を両立した刃形を採用し、加工傷や加工面のうねりを低減しつつ、工具の欠損も抑制する。
 ② 高剛性溝形状とダブルマージン形状を採用し、加工中のビビリを抑制する。
 ③ オイルホールと専用シンニングを採用し、切りくずの排出を向上させ、穴壁の面粗さが向上する。
 ④ 高硬度超微粒超硬とATHコートを採用し、焼入れ前~後まで幅広い鋼材で使用できる。

●仕様
 ・穴深さ8D、20D、30D×工具径各14サイズ(φ3~φ12):全42アイテム

●価格
 ・¥20,500~¥123,000(消費税別)

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