オーエスジーが賀詞交歓会並びに故大澤会長の銅像披露式を開く


 オーエスジー(社長=石川則男氏)が1月15日、同社アカデミー内のゲストハウスで、「OSG全国合同賀詞交歓会」並びに「故 大澤輝秀会長 銅像披露式」を開催した。

地球を右手に、左手に宇宙を持っている。
地球を右手に、左手に宇宙を持っている。

 賀詞交歓会に先立ち、ゲストハウス前に建てられた故 大澤輝秀会長の銅像がお披露目された。銅像の制作にあたって発起人である石川社長が、「オーエスジーは今年創立80周年を迎える。大澤会長は元気な頃に、80周年を迎えるにあたり記念誌を発行したいと考えていたのだが、すでに75周年に記念誌を発行したこともあり、80周年には会長の銅像でも建てたら良いのではと提案したところ、会長は、不要だ、と返答した。その時はまだまだ健在だったので銅像なんてやめてくれ、という気持ちだったのではないかと思う。オーエスジーが80周年を超えても、本日お集まりの皆様と一緒に発展させ成長できるようにと75周年の時に、三澤憲司先生に作品をつくって頂いたが、この時、80周年を超えてもなお成長し続けるように、という会長の思い入れがあったように思う。そこで今回、三澤先生には会長にオーエスジーの行く末を見守って頂けるようなイメージで銅像を制作して頂いた。」と経緯を語った。

記念撮影をする石川社長(中)、彫刻家 三澤氏(右)
記念撮影をする石川社長(中)、彫刻家 三澤氏(右)
 続いて、彫刻家の三澤憲司氏が、「現代美術、コンテンポラリーアートを行っている立場上、具象彫刻をあまりつくったことはない。しかしコンセプトを考えると彫刻が独自のブロンズの胸像ではなく、この広場にもしあるとしたならば、どんな形が良いか考えた。会社の方向や会長の思考が地球から宇宙に向かっている。地球会社オーエスジーが宇宙の仕事をしていきたいということで、夢を宇宙へとコンセプトが決まった。地球を右手に、左手に宇宙を持っている。そして75周年の時に設立した作品を眺めているというスタンスで制作し、この場所がひとつとなった“テリー(会長の愛称)ガーデン”として成立するようにした。訪ねてきた皆さんを微笑みながら迎え入れる、隣に座ったら、『おう、よく来たな。みんなウェルカムだ!』といっている表情につくりあげた。」制作秘話を話した。

過去最高益を更新 1300億円を目指す

あいさつをする石川社長
あいさつをする石川社長
 賀詞交歓会では、石川社長があいさつをした。この中で石川社長は、「2017年11月期の決算内容について、連結売上高1201億円(対前年同期比+13.9%)、営業利益191億3700万円(同+4.9%)、経常利益191億4400万円(同+7.5%)、親会社株主に属する純利益139億9300万円(+38.1%)、ROE13.5%となった。」と説明、「売上高と純利益は史上最高の業績をあげることができたのも本日ご参集の皆様のお陰である」と感謝を述べた。

 製品別では、「タップが12%伸びた。超硬エンドミルが11%、超硬ドリルが19%伸びた。大手ユーザー向けの受注品も好調だったが、Aブランドのタップ、ドリル、エンドミルが大変大きく伸びた1年だった。」とし、2018年11月期の業績予想については、「連結売上高1300億円、営業利益220億円、純利益135億円、設備投資金額は110億円を予想している」とした。

 石川社長は、「人口減少社会が到来している。日本人1人あたりのGDPは約3万9000ドルで世界では第22位とのこと。企業は1人あたりのアウトプットと生産性を高めなければならない。オーエスジーは今も昔も受注第一主義である。受注無くしてはなにもはじまらない。受注環境を改善、向上するための投資は惜しまないことを皆様に約束する。現在は世界で33カ国に子会社を持ち、うち17国で現地生産を行っている。世界中でユーザー開拓の活動を行っているが、試作品等小ロットの生産は増加する一方である。」と現況を説明したあと、今後の展開について、「大口ロットと多品種小ロットに柔軟に対応するスマートライン・スマート工場を構築することでお客様の要望への期待に応えるオーエスジーを追求する。世界に展開する子会社の受注・売上・在庫状況をオンラインでビッグデータ化し、マザー工場に展開するスマートラインで効率よく生産体制を目指している。先ほど、110億円の設備投資と述べたがそのうちの60%は日本の親会社を含めて投資をする。オーエスジーが第一のパートナーとして選んで頂ける企業を目指している。」と意気込みを示した。

山善 長尾社長
山善 長尾社長
 得意先を代表して、長尾雄次 山善 社長が、「こうして新春の皆様の顔色を拝見すると昨年にも増して明るい雰囲気ではないかと思う。オーエスジーでは過去最高益をたたき出し更新され、自己資本比率も70%というところまで積み上げられている。本年は3月には創立80年を迎えられ、二重の喜びである。今年はIoTやAIに代表されるような圧倒的なテクノロジーの進化はわれわれにも大きな変革を求めてくるに違いはなく、怒濤のようなスピード感で押し寄せてくる気がしている。今年は犬年だが、ドッグイヤーであり7倍速度で進んでいかなければならない。ダーヴィンの進化論では大きく力の強い者が生き残るのではなく、変化に対応したものが生き残るという理論だが、スピード感をもって変化に対応してゆけばビッグチャンスが生まれる。」と力強くあいさつをした。

 長尾 山善社長、村井正夫 東京山勝社長、矢野茂雄 滝川物産社長、山出谷武俊 山勝商会社長、石川社長、大沢伸朗常務の鏡開きのあと、乾杯の発声を三橋 誠 テヅカ社長が行った。

閉会のあいさつをする大沢常務と80周年記念ロゴ。
閉会のあいさつをする大沢常務と80周年記念ロゴ。
 宴もたけなわのころ、山下隆三 山下機械 会長が中締めを行ったあと、大沢常務が、「オーエスジーの賀詞交歓会をもってまた新しい1年が始まるという身が引き締まる気持ちであり、素晴らしい天気の中で皆様をお迎えできたことは非常に喜ばしく思っている。会長が去って早いもので1年が過ぎ、今日新たに記念すべき銅像が披露された。創業の地であるアカデミー内のゲストハウスは会長の深い思い入れがこもった場所。こうした場所で本人がいつでも皆様をお迎えするという素晴らしい銅像を建てることができ、三澤先生をはじめ皆様に感謝を申し上げる。」と感謝の意を表し、80周年記念ロゴの説明をした。

 3つの輪を重ねる形で80の数字をロゴにしたもの。同社のブラジルの社員がデザインしたもので、3つの輪には、Mast(やるべきこと)、Can(やれること)、Will(やりたいこと)で掛け合わせることで従来から重要にしてきた譲らない品質、68年のアメリカ進出を皮切りにしたグローバル展開、そしてイノベーションを表している。

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