シュマルツが3D 吸着クランプシステム「SSCB」をリリース

 真空機器専門メーカーのシュマルツが、このほど曲面や凹凸のあるワークに対応し、位置を保ちながら安定性の高い吸着搬送およびクランプを可能にする3D 吸着クランプシステム 「SSCB」を開発した。

 従来の吸着パッドは吸着時のワーク位置が保障されず、精度が求められる搬送やクランプのアプリケーションには不向きだった。「SSCB」 は吸着パッドと位置決めピンが一体化しており、パッドのみでの吸着時に問題であった揺れや位置のばらつきをおさえる。位置決めピンは圧縮エアによってロック/アンロックでき、任意の高さに変更可能なため、あらゆる製品に汎用的に対応することができる。ワークそのものを基準にピンのポジションを転写したり、3D データを用い、ロボットの動作によってピンのポジションを設定することも可能。

 これまでメカクランプや基準ピン、ガイドなどを使用し専用に製作していた搬送ハンドやクランプ治具は、「SSCB」を用いることで簡素化・汎用化することが可能。とくに、多品種・小ロット生産の加工や溶接工程での専用治具を用意するコストや段替え時間を大幅に削減する。

 吸着パッドには耐摩耗性・耐裂性に優れたバルコラン製のパッドを使用しており、鋭い鉄板のエッジにあたっても切れにくく長寿命。また、2.5 段のじゃばらがあるため、ワークにしっかりと追従する。

 位置決めピンのセットアップが容易な一括ロックタイプと、位置決めピンの許容荷重がより大きい個別ロックタイプの2タイプをラインアップしている。

 主な特長は、① 吸着・固定時の安定性と高い位置決め精度、② 位置決めピンを任意の高さに設定できるため、あらゆるワークに対応可能、③ 圧縮エアのみでピンの固定ができるため、素早く容易にセットアップ――である。

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