オーエスジーが第105回定時株主総会を開く

 オーエスジー(社長=石川則男氏)が、2月17日(土)に同社アカデミー グローバルテクノロジーセンター(豊川市一宮町)で第105回定時株主総会を開催した。

 2017年度は販路拡大を目指しM&Aに取り組み、アフリカに進出するなど新たな販路開拓に注力した。また、国内外で増加する受注に対応すべく国内主力工場におけるスマートライン構築における設備投資を行った。タップの八名工場、超硬製品の大池工場を中心に連続加工が可能な最新の機械を導入した。

 この結果、売上高は、1,201億9,800万円(前期比13.9%増)、営業利益は191億3,700万円(同4.9%増)、当期純利益は139億9,300万円(同38.1%増)となった。

 地域別の経済環境は、欧米は消費、生産、輸出に支えられ堅調に推移した。中国も堅調な個人消費、輸出を中心に持ち直しの動きが続き、その他アジアの新興国は、以前の高い伸びと比べ鈍化したものの一定の成長を持続した。国内においては個人消費の伸び悩みはあるものの、自動車販売、輸出、投資に支えられ、拡大を維持した。この結果、国内は主要ユーザーである自動車関連産業を中心に需要は拡大した。主力のタップ、超硬ドリル、超硬エンドミル及び転造工具の売上が増加し、前期と比較して増収増益となった。米州においては、主要市場の北米で航空機関連産業向けが底堅く推移し、メキシコ、ブラジル他の自動車関連産業向けが好調だったため、増収増益となった。欧州・アフリカでは、既存の売上増加に加え、M&Aによる売上が増加したことにより増収となった。アジアでは主力のタップを中心に売上が増加したが韓国での労務費一時金計上等により営業利益は減少した。

説明をする石川社長
説明をする石川社長
 2018年度は、Aブランドの新製品発売を予定しており、さらなる受注拡大を目指す。また、昨年、設備投資した工場の最新機械とITの最新技術を融合させ、72時間連続加工が可能なスマートラインの構築に努める。さらに再研磨事業、コーティング事業をはじめとするサービス事業にも注力し、世界中の顧客の様々な需要に対応する。これらの取り組みにより2018年度は売上高1,300億円、営業利益220億円を計画している。

 なお、同社の今後対処すべき課題については、「2020年度に売上高1,500億円を達成する」とし、次の諸施策に取り組むとした。

1.大手ユーザーの開拓
 最適な加工方法の提案、最先端技術を取り入れた製品を投入するとともに、対面型販売組織をグローバルで拡充することにより、自動車、航空機産業をはじめとする大手ユーザー開拓を推進する。また、医療分野など今後成長が期待できる市場での顧客開拓を推進する。

2.カタログ品戦略
 主力製品ごとにフラッグシップである「Aブランド製品」のラインナップを拡充することにより、OSGブランドの価値向上を図るとともに、海外販売代理店網の強化に取り組むことにより、ボリュームゾーンでのシェアアップを目指す。

3.海外市場でのシェアアップ
 グローバルで積極的に経営資源を投入し、競合他社との差別化を図るための生産、販売組織の増強を図る。海外においてテクニカルセンターを拡充し、ユーザー対応力を強化する。またM&Aを継続的・効果的に行うことで、そのスピードを高めていく。

 剰余金処分の件、取締役(監査等委員である取締役を除く。)1名選任の件、監査等委員である取締役6名選任の件、役員賞与支給の件が上程され、それぞれ満場一致をもって承認可決し閉会となった。

 なお、本総会に関連して恒例のプレゼンテーションでは、総会開会前に新製品等の紹介、総会終了後には成長戦略について海外動向を中心に報告があった。

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