注目記事 2017年分

 【レポート】「ありとあらゆる加工に対応する」 これが三菱マテリアル 中部テクニカルセンターだ! 

 三菱マテリアル(社長=竹内 章氏)の 加工事業カンパニー(三菱マテリアル常務:カンパニープレジデント=鶴巻二三男氏)は、切削加工ユーザーの技術サポートを目的に、CAM/CAE解析・シミュレーション、切削試験、切削工具の選定とその利用技術の支援、教育研修といった切削工具の総合的なソリューションを提供するとともに、オープンラボとしての機能を併せ持つ「中部テクニカルセンター」を約15億円の総投資額をかけて岐阜製作所内に新設し、6月13日に稼動を開始した。

 充実した設備や先端機器に豊富なデータ、そして加工のノウハウ――。高度な技術を持つスペシャリストを集結し、切削工具の総合的なソリューション提供力を強化する姿勢を前面に押し出した同社の中部テクニカルセンターをレポートする。

「業界発展を図るために粉骨砕身」日本工作機械工業会 新会長に飯村東芝機械会長

 日本工作機械工業会が5月31日、都内のホテルニューオータニで通常総会を開催し、飯村幸生 東芝機械会長が新会長に就任した。副会長の森 雅彦 DMG森精機社長、稲葉善治 ファナック会長、山岡靖幸 神崎高級工機製作所社長、中村健一 中村留精密工業社長は留任、新副会長に山崎智久 ヤマザキマザック社長が就任した。

小宮義則 特許庁長官に聞く――グローバル化と知財戦略 今後の課題

 第四次産業革命という名のもとで、IoT、ビッグデータ、AI等の新しい技術が急速に加速している。様々なものがネットを介してつながることで、新たな価値の創出を生む――それは画期的で斬新なビジネスモデルを生むことにもなるが、その一方で、グローバル化は勢いを増し、企業規模を問わず、熾烈な国際競争に巻き込まれることは必至である。
 
 そこで、競争力強化のための鍵を握るのが、「知財」だ。知的財産権は攻めのビジネスに必要な槍でもあり、技術やノウハウを守る楯でもある。
このような時流を背景に、企業がビジネスを拡大し、利益を確保するためには、どういった手段が必要なのか。第四次産業革命を視野に入れた知財システムの在り方や課題等を特許庁長官である小宮義則氏にお話を伺った。

最先端をゆく! これがマザックの「Mazak iSMART Factory」の全容だ!

 ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏、本社:愛知県大口町)が、最新のIoT・自動化技術を活用して本社工場である大口製作所をスマート・ファクトリー化し、このほど「Mazak iSMART Factory(マザック・アイスマート・ファクトリー)」として稼動を開始、5月8日に記者団に工場を公開した。
 
同社は、1980年代よりフレキシブル生産システムを応用した無人化工場に取り組み、1998年にはITを活用して工場内をネットワークするcyber Factory(サイバー・ファクトリー)」を完成させるなど、いち早く工場の自動化・ネットワーク化を推進しているが、このMazak iSMART Factoryは、従来のcyber Factoryのコンセプトをさらに昇華させたもの。最新のIoT技術を活用して工場内の全ての生産活動をデジタルデータ化し、可視化・分析による改善や基幹システムとのデータ連携、AI技術の応用などによって、生産の自律的な最適化を行う“高度なデジタル製造の実現”を目指している。

 大注目の「Mazak iSMART Factory」の全容と最先端の大口工場をレポートする。

「INTERMOLD2017」で突撃! 機械・工具・周辺機器メーカートップ11人に加工トレンドを聞く

 去る4月12日(水)~15日(土)までの4日間、東京ビッグサイトで開催された「INTERMOLD2016/金型展2016/金属プレス加工技術展2016」は成功のうち終了した。今回のINTERMOLDでは、高精度・高能率加工はもちろんのこと、微細加工分野への提案が目立っていたように感じた。
 
 会期中、タイミング良く会場内でお会いした機械・工具メーカーのトップ11人に、加工のトレンドや取り組みについてお聞きし、その内容をまとめた。
 
 (OKK、キタムラ機械、黒田精工、ダイジェット工業、ナガセインテグレックス、日進工具、牧野フライス製作所、三井精機工業、三菱日立ツール、安田工業、碌々産業)

「INTERMOLD2017/金型展2017 金属プレス加工技術展2017」の見所はココだ!

 4 月12日(水)から4 月15 日(土)までの4日間、東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1)で「INTERMOLD2016/金型展2016」(主催:日本金型工業会、運営:テレビ大阪)、「金属プレス加工技術展2016」(主催:日本金属プレス工業協会)を開催する。今年は前回開催を上回る461社・団体、891小間の開催規模となり、各社の見所満載といったとこだ。製造現場ドットコムでは一足早く注目メーカー各社の新技術や目玉製品を公開する。

 (アマダマシンツール、イワタツール、栄工舎、オーエスジー、岡本工作機械製作所、OKK、キタムラ機械、黒田精工、ジーベックテクノロジー、ソディック、ダイジェット工業、ナガセインテグレックス、日進工具、BIG DAISHOWA、不二越、ブルーム-ノボテスト、牧野フライス製作所、三井精機工業、三菱日立ツール、安田工業、碌々産業)

マキノの名古屋支店が新しくなった! テクニカルセンタも併設! ~「信頼を追求し続けてゼロフォルトを目指す」 牧野フライス製作所 名古屋支店長 萩原智久氏に聞く~

 牧野フライス製作所(社長=井上真一氏)の名古屋支店(住所:名古屋市守山区花咲台2-301)が、技術サポートおよび販売・アフターサービス体制を拡充し、新技術・新製品の提案拠点とすることを目的に本年、名古屋市名東区内にあった名古屋支店を同市守山区内のテクノヒル名古屋内に移転し、同建物内にテクニカルセンタも新設した。主力の金型分野に軸足を置き、自動車部品の量産ラインを含む自動車分野への販売を強化するとしている。
 
 萩原智久 名古屋支店長に意気込みと新しくなった名古屋支店・新テクニカルセンタについて、中村 寛 加工技術本部カスタマーサポートグループマネージャには最新の技術動向について、それぞれお話しを伺った。

アマダスクールが「第29回優秀板金製品技能フェア」の授賞式を開催 ~厚生労働大臣賞はナサ工業、経済産業大臣賞は浜部製作所が受賞~

 職業訓練法人アマダスクール(理事長=末岡愼弘氏)が、「第29回優秀板金製品技能フェア」5部門の入賞作品を選定し、3月4日にアマダ・246ホールで表彰式を行った。

 「優秀板金製品技能フェア」は、板金加工技術並びに技能の向上を測るため1989年から毎年開催されている。現在は5つの部門で毎年5月から作品を募り、審査を経て、翌年3月に表彰式を行っている。審査はアマダ・ソリューションセンターの来場者、日本塑性加工学会会員、精密板金工業会・シートメタル工業会役員、別途選出されている学識経験者で構成される審査委員によって行われ、各部門の優秀作品には金・銀・銅の各賞のほか、厚生労働省、経済産業省、中央職業能力開発協会、日刊工業新聞社、アマダから賞が贈られた。

 今回は昨年と同じく「単体品の部」「組み立て品の部」「高度溶接品の部」「造形品の部」「学生作品の部」の合計5部門で作品を募集した。今年は技能賞以上の優秀作品は84点となった。

【トップインタビュー】タンガロイ 木下社長に聞く ~加工現場を魅了する高能率工具を生み出すための企業努力とは!?~

 タンガロイ(社長=木下 聡氏)は、昨年、同社の長い歴史の中(今年で88年)でも最大のキャンペーン『TUNGFORCE(タングフォース)キャンペーン』を世界規模で展開し、生産性の高い最新工具を市場投入して話題を呼んだ。新型工具や各製品ラインをさらにグレードアップし、旋削加工、転削加工、突切り&溝入れ加工、穴あけ加工とあらゆる加工に対応するインサートの材種と形状で、工具の長寿命化を実現するとともに驚異的な加工能率を可能にした切削工具の数々は、昨年11月に開催された「JIMTOF2016(日本国際工作機械見本市2016)」でも大きな注目を集めた。
 工作機械の隠れた能力を引き出すことに重点を置いている点も見逃せない。たとえ機械が古くても加工の生産性を向上する切削工具の数々は、加工を商いとしている者にとっては魅力的な製品であろう。

 精力的に技術革新を行っている同社に対し、最近、イメージが明るくなったとの声をよく聞く。同社の取り組みに着目し、木下社長にお話しを伺った。

【注目の町工場】努力が実を結び、確かな腕が信頼を呼ぶ! マルミツテクノのココがスゴイ!

 最近は規模の小さい工場を町工場と呼ぶ風潮があるようなので、分かりやすくするため町工場とタイトルに付けたが、マルミツテクノ(社長=花園智康氏、福岡県粕屋郡須恵町)のある場所は町ではない。博多の街からほど近い福岡空港を抜けると、すぐさまのどかな田園風景が広がる。なので、厳密に言えば、町工場ではなく郡工場といったところだろうか。

 花園社長を含めて3人で切り盛りしているマルミツテクノの仕事っぷりは、まさに少数精鋭。コンサルも付けずにISO9001を花園社長自ら取得するという勤勉ぶりもさることながら、営業努力も怠らないという徹底ぶり。加工に対して貪欲な追求心を剥き出しにして仕事に挑むその姿は、まさに努力の人という表現がぴったりだ。リーマンショック等の苦難を乗り越えて現在、元気よく設備をフル稼動させ、タービン翼、回転翼、熱間打刻印等のほか、九州大学先端医療イノベーションセンターとの共同開発で、ノズル部のみでナノレベルの泡を液体に発生させる研究を行っている。