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建設生産プロセス全体をつなぐ新プラットフォーム「LANDLOG」の共同企画・運用を決定

 コマツ(社長=大橋徹二氏)、NTTドコモ(社長=吉澤和弘氏)、SAPジャパン(社長=福田 譲氏)、オプティム(社長=菅谷俊二氏)は建設業務における生産プロセスに関与する、土・機械・材料などのあらゆる「モノ」をつなぐ新プラットフォーム「LANDLOG(以下、ランドログ)」を2017年10月に建設事業者向けに提供開始することをめざし、7月19日、4社共同で企画・運用することに合意した。

 建設業界が抱える課題として、技能労働者約340 万人(2014 年時点)のうち、1/3 にあたる約110 万人が今後10 年間で高齢化等により離職する可能性が高いことが想定されており労働力不足が大きな課題になっている。各企業は生産性向上を目的とした測量、施工、検査等の建設生産プロセスのICT化を進めているが、建設生産プロセスには様々な専門を有する複数の工事事業者が携わるため、各種データは事業者毎に管理されており、建設生産プロセス全体を一元管理し最適化する上で有機的に活用されていない現状がある。そこで今回、コマツのIoTの取り組みを長年支えてきたNTTドコモ、SAP、オプティムは、これらの課題と社会的ニーズに共通の認識を持ったため、建設生産プロセス全体のIoTの基盤となる新プラットフォームの企画・運用を共同で行うことになった。

 現在、コマツが建設現場向けに展開するソリューション事業「スマートコンストラクション」で運用しているプラットフォーム「KomConnect」は、施工現場毎の建設生産プロセス全体の情報を収集し蓄積、解析する機能をもつ層と、プラットフォームに蓄積されたデータを活用して生産性向上及び現場の安全に寄与するアプリケーションを提供する機能をもつ層の2層で構成している。このうち、情報の収集・蓄積・解析の機能については、4社で企画・運用するランドログにより、施工会社などの要望に応じて様々なアプリケーションプロバイダーにデータを提供していく。従来のKomConnectは建設機械による施工プロセスを中心に構築されたプラットフォームであるのに対し、ランドログは建設生産プロセス全体を包含する新プラットフォーム。

 今後、コマツは、KomConnectの一部の機能を発展的にランドログに委譲し、ソリューションアプリケーションを提供するプロバイダーの1社として建設現場の課題解決に集中して取り組む予定。

日立システムズエンジニアリングサービスが機密情報を海外拠点へ安全・高速・低コストで転送できる セールスを開始

 日立システムズエンジニアリングサービス(社長=帆足明典氏)は、日立システムズ(社長=北野昌宏氏)と連携し、国内拠点はもちろん、海外拠点などとデータを共有する企業向けに、データを一時的に無意味化し、低コストで安全かつ高速に転送する「グローバルセキュアデータ転送サービス」の販売をこのほど開始(10月提供開始予定)した。このサービスにより、国内外の拠点と新製品の設計図情報などの機密情報をセキュアな環境を通じて共有できるようになり、ローカライズした製品の開発や分散開発などを推進できる。

 経済のグローバル化が急速に進展する中で、企業の海外進出が加速しており、特に製造業では、日本の設計・企画部門と、生産拠点となる海外工場や海外の設計部門との間で、CADなどの設計図面データや研究開発データなどを共有する機会が頻繁に発生している。

 機密情報を共有する際、物理的に輸送するのは時間やコストがかかり、メールへの添付や情報共有サーバーを利用した転送では、誤送信やネットワーク上での盗聴、ハッキングによる情報漏えいなどのセキュリティリスクがある。また、これらのデータは大容量になるケースが多く、暗号化したうえでデータ転送する場合でも、情報共有サーバーへのアップロードや、ダウンロードに時間がかかるため、高額なコストをかけて専用線を導入する企業が多く、低コストで安全かつ高速にデータを共有できるサービスが求められていた。

 こうした背景を受け、同社は日立システムズと連携し、機密情報を安全・高速・低コストで転送できる「グローバルセキュアデータ転送サービス」の販売開始に至った。

▼「グローバルセキュアデータ転送サービス」のWeb サイト
http://www.hitachi-systems-es.co.jp/service/platform/secret-sharing-sol…

【レポート】MF-Tokyoで見たトレンドはコレ! ~ヤマザキマザック、アマダホールディングス~

 塑性加工技術の専門展示会である「MF-Tokyo2017(第5回プレス・板金・フォーミング展)」(主催=日本鍛圧機械工業会、日刊工業新聞社)が、7月12日(水)~15日(土)までの4日間、東京・有明の東京ビッグサイトで開催され、多数の来場者で賑わいをみせた。今回、取材の時間があまりなく回りきれなかったのが残念だったが、以前から気になっていた最新トレンド満載のヤマザキマザックの最新マシンや、アマダホールディングスの自動化ソリューションの詳細をレポートする。

 

ヤマザキマザックは世界に先駆けて開発した次世代発振器を搭載したダイレクトダイオードレーザ加工機が大人気!

来場者も食い入るように見つめており、感心の高さを知ることができる。
来場者も食い入るように見つめており、感心の高さを知ることができる。
 大勢の人がマシンを食い入るように見つめている。視線の先は、次世代発振器を搭載ダイオードレーザ加工機「OPTIPLEX 3015 DDL」。同社が満を持して世界に先駆け、商品化に成功したマシンだ。一般公開したのは、この展示会が初。

 このマシンはダイレクトダイオードレーザ切断用にチューンアップしたもの。DDLは、Co₂やファイバーレーザに比べエネルギー変換率が45%と高く、同じ電力でも効率の良い加工ができるという特長を持つ。また、厚板切断面もファイバーレーザと比較して滑らかな切断面が得られるので、「OPTIPLEX 3015 DDL」は、レーザ加工機の“良いところ取り”をしたようなマシンなのだ。

「OPTIPLEX 3015 DDL」の一般公開は今回の展示会が初!
「OPTIPLEX 3015 DDL」の一般公開は今回の展示会が初!
 ダイレクトダイオードレーザ発振器――というと、今までなんとなく馴染みが薄かったのだが、この発振器で作られたレーザは、直接プロセスファイバーに統合され、高品質なレーザビームを作り出す、という仕組みである。このレーザはエネルギー効率が良いうえ、金属への吸収率が高いので、高速・省エネ加工が実現できるというわけだ。焦点距離にも幅があり、長時間の加工でもレンズが熱で膨張したり、焦点が変化しても加工が継続できるメリットも見逃せない。

 一般的にレーザ加工は、板厚や材質が変わる度に作業者がその都度段取り作業や調整作業を行う。作業者の介在する工程が多く存在するということは、生産リードタイムが長いことを意味する。実際、一般的なレーザ加工機では作業者による段取り作業が約60分。このようなレーザ加工のデメリット部も「OPTIPLEX 3015 DDL」にかかれば、段取り作業の自動化により、なんと“約1分”に短縮できるというではないか。作業者の段取り作業や加工時間のバラツキを極限まで減らし、効率の良い作業を簡単かつ瞬時に行うことができるとなると、まさに“時は金なり”。工程短縮&時短により、投資効果を実感できることはありがたいことだ。

 「価格は高価だが、レーザ加工において死角はないマシン」と実に頼もしいマシンであった。ちなみにこのタイプのマシンは他にはない。

 幅広い切断条件を持ちながら、スピーディでハイクオリティな品質を実現する新しいタイプのマシンとして、今、まさに大注目の「OPTIPLEX 3015 DDL」。“旬な”マシンを一目見ようと、大勢の来場者が押しかけていた状態だった。

QRコードをマーキング
QRコードをマーキング
 同社のブースでは、金属にQRコードがマーキングされたしおりを配っていた。これは、同社の高精度ファイバーレーザ加工機「SUPER TURBO-X」で実際つくったもので、ブース内でも加工をしていた。

 なお、今回、このQRコードをスマホカメラで取り込めば、加工の様子を動画配信しているという新しい取り組みがあった。同社ではただいまフェイスブックも活用中で、一般的な報道では見られない細かな部分も配信している。

アマダホールディングスはIoTの活用で顧客の利益の創造に貢献! 最先端をゆく工場構築のための扉を開く鍵はココにあり!

カメラがうまく構えられないほど大勢がプレゼンに夢中! 「V-factory」への理解を深めた。
カメラがうまく構えられないほど大勢がプレゼンに夢中! 「V-factory」への理解を深めた。
 今回、東7ホールでのアマダホールディングスの存在感といったら! 同社ではIoTを活用した「V-factory2017 つながるモノづくりによる利益の創造」をテーマに掲げ、「V-factory」の優位性を披露、最新のIoTマシンを展示し、高付加価値を求めるユーザーに“加工工程改革”を分かりやすく説明をしていた。もちろん同社のブースは溢れんばかりの人だかり。カメラを構えるのも一苦労だった。余談だが、プレゼンを聴いた来場者への誘導もピカっと光る。来場者を飽きさせず、次のプレゼンまでの道筋をつくる配慮に、「さすがはアマダ!」と感心してしまった。

 さて、同社が提供していた「V-factory」は、顧客のマシン稼動を支え、工場の情報をつなぐIoTプロダクトと顧客と同社をつなぐIoTサポートから構成され、板金加工の全行程をバックアップする頼もしいシステム。同社では、新たに開設する「アマダIoTサポートセンタ」を通じて、①マシンを止めないサポート、②バックアップサポート、③ビッグデータの活用による生産性向上を実現するとしていた。

 新たなビジネスモデルの到来を象徴していた「V-factory」。いつでもどこからでも工場の稼働状況をデータやビジュアルで受け取ることができるうえ、マシンの稼働状況やメンテナンスデータをサーバーに蓄積、これをサポートセンタで集中管理することで、分析をすることができるというメリットがある。万が一、マシンに障害が発生したときも、リモート接続により、サービススタッフを迅速に手配してくれるので安心だ。

プロジェクションマッピングでピックアップするパーツを色分けでお知らせ。
プロジェクションマッピングでピックアップするパーツを色分けでお知らせ。
 “仕分けを間違えない仕組み”にも注目したい。
 プロジェクションマッピングを使い、ピックアップするパーツを色分けして知らせてくれるのだ。“仕分けナビ”でパーツの詳細情報も確認でき、光インジケーターで配膳先が分かる。文字情報で確認できるのだから、現場にとってはありがたい。あれこれ考えることなく、所在がひと目でわかるというのはミスの減少にも繋がるので、生産性のない時間の無駄も排除することができる。

ENSIS 3015 AJ
ENSIS 3015 AJ
 今回新製品として展示されていたのは、ファイバーレーザマシン「ENSIS 3015 AJ」。この製品は1台のマシンで薄板から厚板まで切断が可能であるという特長をもつ。ビーム制御技術により、薄板では、エネルギー密度の高い極細ビームで高速切断加工を実現、一方の厚板では、カーフ幅の太いビームで、溶融物がアシストガスで除去できる隙間を形成する。つまり、レーザビームの形状をコントロールし、板厚に応じて最適なビーム形状を自在につくり出すという画期的なマシンだった。


 なお、同社では8月25日(金)~26日(土)の2日間、アマダ・ソリューションセンター(神奈川県伊勢原市石田200)で、「MF-Tokyo2017 アンコールフェア」を開催する。

 今回見逃してしまった方や、もう一度じっくり拝見したい、という方は、同社のホームページにアクセスし、申込みをすること。

▼ホームページはコチラ
http://www.amada.co.jp/

持続可能な宇宙空間へ! 宇宙ゴミの除去サービスを開発するアストロスケールがANAやオーエスジーなどから約28億円を調達 ~グローバル展開に向けて民間企業と資本提携~

 宇宙機の安全航⾏の確保を⽬指し、スペースデブリ(宇宙ゴミ)除去サービスの開発に取り組むアストロスケール (本社:シンガポール、創業者兼CEO=岡⽥光信氏)が、7月14日、既存金融投資家に加え、ANA ホールディングス(社⻑=⽚野坂真哉氏)、オーエスジー(社⻑=⽯川則男氏)などから、2500万ドル(約28億円)の出資を受けたと発表した。

 現在2つの人工衛星を開発するアストロスケールは、来年初旬までに微少デブリ計測衛星「IDEA OSG 1」を、2019年前半にデブリ除去衛星実証機「ELSA-d」の打ち上げを予定している。今回の資金調達により、英国子会社の設立・拡充に加え、グローバル市場へ対応するとしている。同社では新たなマネジメント体制のもと、国際競争力を高め、宇宙協力分野のさらなる拡大を目指す。

 アストロスケールの岡田CEOは、会見の席上で、従来、スペースデブリ問題が解けなかった理由について、「技術やビジネスモデル、世界的な枠組み・規制をどうするのかが解けなかった。アストロスケールは4年経ってこれらの問題を解く道筋を見つけた。あとは実行あるのみ」と話した。

 現在、交通管制、天気予報等にも必要なのは衛星だが、こうした宇宙産業の発展に伴い、宇宙ゴミ(デブリ)問題が深刻になっている。役目を終えたロケットや人工衛星は、宇宙空間で衝突し、さらに細かくなったデブリが増えていく。岡田CEOは、「宇宙空間には、1センチ以上のデブリが軌道内に約75万個存在し、地球の軌道上の衛星や宇宙機を脅かす深刻な問題となっている」と述べ、「宇宙はこのままいくと持続不可能になる」と危機感を示し、デブリ除去サービスの必要性を訴えた。同社では、ビジネスモデル、技術、規制・条約を同時に解決する民間企業の立場から、同サービスの技術実証や事業化を促進している。

 宇宙飛行士の山崎直子氏も応援にかけつけ、デブリの恐ろしさと危険性について語ったあと、「日本の技術が、今後全人類のためにある宇宙とより良くしていくことを期待している」と声援を送った。

 長峯豊之ANAホールディングス副社長は宇宙にかける思いと今回の経緯について、「ANAグループは2015年に、今後の10年を視野に入れた長期戦略構想を発表した。次は宇宙へ、というフレーズを書かせて頂いた。この先10年間でエアライン事業としてやれることは全てやりきる、そうした成長戦略を描いた上で、次にあるのは宇宙だということを当時グループ全体に発信した。ANAは創業してから今年で65年になるが、この間、培ってきた航空機の安全かつ安心なオペレーションにおいての経験とノウハウは今後拡大していく宇宙事業に活かせるのではないか。そんな思いのもと、今回参画をさせていただいた」と述べた。

 大沢二朗 オーエスジー常務は、「オーエスジーは製造業の根底を支える切削工具を製造している企業だが、今から2年前にフランスで岡田CEOに出会い、宇宙のゴミが大変なことになっていると知った。現在、ものづくりの業界は大きな変革期を迎えている。自動車業界を例にとると、従来ガソリンエンジンだったものは今後、EV化されるだろう。今まで当たり前だったことがなくなり、今まで無かったものが生まれてくる。それが宇宙産業だと思っている。弊社は製造業でありファンド会社ではない。われわれは宇宙産業の架け橋でありたいと思っている。大きな夢をみなさんと一緒に目指していく」と宇宙産業への思いを話した。

 アストロスケールの岡田CEOは、「デブリ除去サービスは、宇宙利用の持続性確保に加え、宇宙空間における運行管理に不可欠である。ANAの長年にわたる安全運行を堅持する知見や、グローバル市場を手動するエアライングループとしての経験を事業へ活かしたい。また、世界33カ国に拠点を構え、自動車・航空機産業をはじめ、世界のものづくりを支えてきたオーエスジーは、高品質な切削工具の提供のみならず、デブリ除去衛星の量産に多大な貢献をもたらす」との考えを示している。

 

DMG MORIが業界初テーブル一体型バイス ビルトインバイスの販売を開始

ビルトインバイス実物イメージ
ビルトインバイス実物イメージ
 DMG MORIがこのほど業界初テーブル一体型バイス ビルトインバイスの販売を開始した。

 この製品は、6月20日(火)~24日(土)の5日間、弊社伊賀事業所にて開催されたIGA INNOVATION DAYS 2017で受注を開始して以来、早くも高い評価を得ている。
ビルトインバイスとは「マシンバイス」と「サブテーブル」の合体により加工空間を最大限に活かすことに注力した汎用治具システム。機械内スペースを最大限活用したいという思いから、2016年11月よりナベヤに協力を依頼して開発をしてきた。従来の、テーブルの上にバイスという考え方から、テーブル自体にバイスを組込むという新しい発想で、Z軸方向に1.6倍、体積で2.7倍の加工範囲拡大し、下に沈み込ませるようなワークの固定方法により、重切削における安全性や精度向上を実現した。

 

130vビルトインバイス搭載イメージ
130vビルトインバイス搭載イメージ
また、重量が従来の1/8以下である10kgにまで削減され、オペレータにも優しい設計となっており、段取りの際の取り扱いも容易になった。バイス部は可動部と固定部の分離、テーブル部は直交するT溝で構成され、軽・中切削加工でできる角物、板物ワークを対象としている。各種オプション部品を活用することにより、より変種変量生産の高効率化にも貢献する。

●標準仕様
 ①ワークの締付がバイス感覚でできる。(専用ハンドル付)
 ②ワークの浮上りにくい機構を採用している。
 ③部品位置を替えることによりワーク固定はX方向とY方向の使い分けができる。
 ④従来のバイス同様の多連仕様ができる。(長尺品対応)

●かさ上げ仕様
 オプション部品の活用で対象ワークの守備範囲が広がる。
 ①ワークのかさ上げ(50mm)ができる。
 ②各種口金で薄物、異形状のワークにも対応可能。
 ③上(Z方向)からの押さえも可能になる。
 ④薄物ワークの穴あけ負荷に対する対応も万全。

 販売は年間100セットを予定している。
 定価は税抜き640,000円(標準セット)

ヤマザキマザックがブレーキディスクなどの量産加工に適したコンパクトかつ高性能な立形CNC旋盤「MEGATURN 400」の販売を開始

 ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)は、ブレーキディスクなどの量産加工に適したコンパクトかつ高性能な立形CNC旋盤「MEGATURN 400」の販売をこのほど開始した。

 この製品は、高性能ビルトインモータ主軸を搭載し、両面同時加工が可能なバランスカットユニットやドライカット仕様、加減速特化型主軸なども取り揃え、様々な形状のブレーキディスクを高速・高精度に加工するのに適している。

 量産ラインの構築においても、クラス最小レベルの機械幅(1,690mm)と後方への切屑排出構造により、横並びや対向配置など柔軟かつ小スペースな機械レイアウトが可能で、人間工学(エルゴノミクス)に基づいた旋回式の操作パネルにより操作性を向上させ、機械背面にバルブ・潤滑装置を集中配置するなど日常の保守点検を容易にした。また、LEDライトの機内照明による省エネや潤滑油と切屑・切削水の完全分離で廃棄処理頻度を減らすなど環境保全にも配慮している。CNC装置は、タッチパネル式の「MAZATROL SmoothG」、またはコンパクトな「MAZATROLSmoothC」のいずれかの選択が可能。

 同社では、「MEGATURN 400はブレーキディスクだけでなくφ400mmまでの様々な加工アプリケーションに対応し、お客様の多様な量産加工ニーズにおこたえします」としている。

MEGATURN 400の優位性

1. ブレーキディスクの加工に最適な仕様と特別装備
 1)高出力・高トルクのビルトインモータ主軸
 高出力26kW(40%ED)、高トルク467N・m(15%ED)のビルトインモータ主軸を搭載。

 2)各種防塵対策とドライカット対応(オプション)
 ・主軸エアカーテン、X/Zウェイカバーダブルワイパー化、防塵密閉型チャック(オプション)、金属製シュータ(オプション)、集塵機ダクト準備(オプション)
 ・ドライカット対応(オプション)
 3)ブレーキディスク両面を同時加工するバランスカットユニット(オプション)
 ブレーキディスクの加工において、高精度な両面平行度の実現と加工時間を大幅に短縮するバランスカットユニット。

 4)加減速特化型主軸(オプション)
 加減速特化型主軸(オプション)を選択すれば、主軸加減速時間を削減。

2.最小スペースで量産ラインの構築が可能で、作業性も向上
 量産ラインの構築も、クラス最小レベルの機械幅(1,690mm)と後方への切屑排出構造を採用し、横並びや対向配置など柔軟かつ最小スペースで機械レイアウトが可能。

3.操作性と保守性
 1)人間工学(エルゴノミクス)に基づき操作性と保守性を重視したデザイン
 人間工学(エルゴノミクス)に基づいた旋回式の操作パネルにより操作性を向上させ、機械背面にバルブ・潤滑装置を集中配置するなど日常の保守点検を容易に。

4.省エネと環境保全
 LEDライトの機内照明やドライカット仕様(オプション)による省エネ、潤滑油と切屑・切削水の完全分離で廃棄処理頻度を減らすなど環境保全にも配慮。

●主な仕様

・販売価格
SmoothC搭載17,800千円(税別)
SmoothG搭載18,800千円(税別)

MTTRF年次総会を開催


 DMG森精機(社長=森 雅彦氏)が主要な支援会社として運営に参加している、アメリカ政府認可公的非営利慈善団体の工作機械技術研究財団(英文名:MTTRF-Machine Tool Technologies Research Foundation-)の年次総会が、2017年7月6日から7月7日の2日間、米国カリフォルニア州サンフランシスコにあるインターコンチネンタルマークホプキンスホテルで開催し、世界各国の工作機械の研究者約70 名が参加した。

 総会は、DMG森精機の森社長が「DMG MORI トータルソリューションプロバイダーとして」をテーマに講演したあと、今後の工作機械の開発や加工技術に大きな影響を与える最先端の研究成果が発表された。

 同社では、「今後も工作機械に関する革新的技術の研究開発を行う大学及び公的研究機関を対象に、工作機械の提供など研究助成活動を世界的な規模で進めてまいります」としている。

※MTTRF(Machine Tool Technologies Research Foundation:財団法人工作機械技術研究財団)
 2002年10月にDMG森精機(当時:森精機製作所)が基本財源を拠出して設立された米国政府公認の非営利財団法人。理事長はカリフォルニア大学デービス校及びバークレー校の山崎和雄教授、理事をDMG森精機社長の森雅彦氏が務めている。

【注目の展示会】「メカトロテックジャパン(MECT)2017」主催者企画展示 ~宇宙ビジネスで求められる加工技術を紹介~

前回の様子
前回の様子
 メカトロテックジャパン2017(以下:MECT2017)を主催するニュースダイジェスト社(社長=樋口八郎氏)は、MECT2017の主催者による企画展示コーナー「コンセプトゾーン」(※1)で、民間のベンチャー企業からの参入が相次ぐ宇宙ビジネスを切削加工技術の視点から紹介する。

 これまで、国が中心となり限られた企業だけで進められてきた宇宙ビジネスは、昨年11月に成立した宇宙活動法の施行で、民間のベンチャー企業による宇宙ビジネスへの参入が活発化している。同コーナーでは、テーマを「NEWFRONTIER(ニュー・フロンティア)宇宙求められる加工技術」とし、ロケットや人工衛星を低コストで打ち上げるために必要な加工技術にスポットを当て、会場内に設置した工作機械で最新の人工衛星やロケットの部品を加工実演する。また、月面探査機「SORATO(ソラト)」や小型ロケットなど、新時代の宇宙ビジネスに挑む民間企業の取り組みも紹介。会場内の特設ステージでは、宇宙ビジネス成功への秘訣をテーマに特別セミナーも開催する。

コンセプトゾーン概要

◇テーマ:NEW FRONTIER宇宙 求められる加工技術
◇開催場所:ポートメッセなごや1号館内特設会場
◇実施期間:10月18日(水)~21日(土)
◇展示内容

ゾーンA:最新の人工衛星部品を削る(協力:アストロスケール、オーエスジー、安田工業)

宇宙ごみ(スペースデブリ)除去を目的に2013年に設立された「アストロスケール」(※2)。同社が来年初頭に打ち上げを予定するデブリ観測用人工衛星「IDEA(イデア)OSG1」の最新部品(アダプター=ロケットと人工衛星の結合部品)を5軸マシニングセンタで加工する。

ゾーンB:宇宙で活躍する町工場の技(協力:由紀精密、DMG森精機)

 売上高の約30%が宇宙関連という神奈川県茅ケ崎市の町工場「由紀精密」(※3)。従業員33人の町工場になぜ、宇宙の仕事が舞い込むのか。会場では、由紀精密がMECTのために新たに設計したロケットエンジン(スラスター)のインジェクターを複合加工機で加工。宇宙関連企業から選ばれる技の秘密に迫る。

 その他会場内には、新時代の宇宙ビジネスに挑む企業などをワークや模型展示とともに紹介する。
 ① 月面探査機「SORATO(ソラト)」(協力:ispace)
 ② ロケット「MOMO(モモ)」(協力:インターステラテクノロジズ)
 ③ ロケット「イプシロン」(協力:IHI)
 ④ 人工衛星「DESPACH(デスパッチ)」(協力:多摩美術大学)

(※1)コンセプトゾーン
 工作機械にまつわる最新加工技術を1号館特設会場で実演展示することで、来場者に少しでも仕事のヒントをつかんでもらい、国内製造業を活性化することが狙い。前回展では「軽量化革命Mg!」と題し、最新マグネシウム2種の加工を会場内で実演した。
(※2)アストロスケール
 衛星軌道上に浮遊する使われなくなったロケットや人工衛星、スペースデブリ(宇宙ごみ)の除去を目的に大蔵省(現財務省)出身の岡田光信氏が立ち上げた宇宙ベンチャー企業。本社はシンガポール。デブリ観測用人工衛星「IDEA(イデア)OSG1」を2018年初頭に打ち上げる予定。
(※3)由紀精密
 神奈川県茅ケ崎市の「研究開発型町工場」。従業員は33人。2012年に経済産業省主催の中小企業IT経営力大賞優秀賞を受賞。翌13年にはがんばる中小企業・小規模事業者300社にも選ばれた。宇宙航空開発研究機構(JAXA)や宇宙関連の大手企業と取引があり、売上高の約30%を宇宙関連が占める。

■MECT2017概要
 1987年にスタートした、工作機械を中心とするFA技術専門展。西暦奇数年の秋に名古屋市港区のポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で開催される。奇数年のFA展としては、国内最大規模。通算15回目となった2015年展では、444社・団体(1,915小間)が参加、94,124人が来場した。
●会場:ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)
●開催期間:2017年10月18日(水)~10月21日(土)の4日間
●会場時間:10:00~17:00※20日(金)は19:00までナイター開催、最終日21日(土)は16:00まで
●主催:株式会社ニュースダイジェスト社共催:愛知県機械工具商業協同組合
●出展対象製品:工作機械、鍛圧・板金加工機、射出成形機、機械工具、鋸刃、切削工具、工作機器、測定機器、試験機器、研削砥石、研磨材、油圧・空圧・水圧機器、歯車・歯車装置、環境・安全対応機器装置、CAD/CAM/CAE、制御装置・関連ソフトウエア、産業用ロボット、搬送装置、洗浄機械装置、品質管理・安全・試験認証機関、新素材、マイクロマシン、ナノテクノロジー関連など

【株式会社ニュースダイジェスト社】
代表者:代表取締役社長樋口八郎(ひぐち・はちろう)
本社:〒464-0075名古屋市千種区内山3-5-3
概要:1964年の創業以来、工作機械の専門誌《月刊生産財マーケティング》を中心に、FA業界向けの図書を多数出版。

【愛知県機械工具商業協同組合】
代表者:理事長伊藤高潤(いとう・こうじゅん=春日鋼機株式会社代表取締役会長)
組合員:249社賛助会員:105社(2016年10月現在)
所在地:〒456-0032名古屋市熱田区三本松町16-8
概要:愛知県内に所在する、機械工具(工作機械、周辺機器、工具、測定機器等)商社の協同組合。情報共有だけでなく、勉強会や若手経営者の育成・交流に力を入れている。

▼公式WEBサイト▼
http://mect-japan.com/2017/

セコ・ツールズがカッタの性能を高める両面丸駒チップを備えたボディ設計を導入

 セコ・ツールズは、このほどR217/220.28 カッタに両面丸駒チップを備えた全く新しいボディ設計を導入した。これにより、コスト効果の高い性能を発揮し、生産性が大幅に向上する。既存の R217/220.29I シリーズを補完する新たなチップ材種で、 R217/R220.28 カッタではネガチップの位置決めをポケットシートの 2 ヵ所に配置しているため、直径上 にもう 1 枚チップを取り付けることができ、R217/R220.29I 比で切削性能が向上し、生産性が大幅に改善 される。さらに、このポケットシートではチップ交換が安全かつ簡単に行えるため、時間を節約し、トラブルを抑えることができる。

コマツがトリンブル社と建設現場の地形現況データの相互交換・接続サービス実現に向けた共同開発を開始

 コマツ(社長=大橋徹二氏)は、米国Trimble Inc.(以下「トリンブル社」)と、両社のクラウド型プラットフォーム(コマツ:「KomConnect」、トリンブル社:「Trimble® Connect™」)間で、このほど3次元地形現況データの相互交換・接続のサービス実現に向けた共同開発を開始した。

 コマツは、IoTによる建設現場向けソリューション事業「スマートコンストラクション、以下本サービス」を2015年より日本で展開しており、クラウド型プラットフォームKomConnect上で建設現場に携わる人・モノ(機械、土など)についての様々な情報をICTでつなぐことで、現場の「見える化」を進めている。国土交通省が推進する「i-Construction」の本格化などに伴い、サービスはこれまで国内3300現場に導入され、顧客の現場の生産性向上に寄与している。

 一方、トリンブル社はコネクテッドサイトソリューションを展開し、現場全体の生産性に関わる材料別の土量や土の運搬、締固め結果、建機の稼働状況を可視化することでスピーディーな意思決定やコミュニケーションの円滑化を図る。Trimble®Connect™は、顧客のデータ共有や組織間のコラボレーションを加速。トリンブル社製品群以外の多様なデータを管理することも可能である。

 これまでコマツのKomConnectは、Trimble ®Connect™に対し、取り扱う情報の種類が同じ場合でも規格などの違いから相互間のデータのやり取りが困難だったが、コマツとトリンブル社による共同開発でこの課題を解消し、両社のクラウド型プラットフォーム間で3次元地形現況データの円滑な相互交換・接続サービスの実現を目指す。コマツは、これによりプラットフォームのオープン性を拡張させ、これまでつながっていなかった他社メーカーの建設機械の施工結果を共有することが可能となり、ユーザーの利便性が大幅に向上する。