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アマダミヤチが交流インバーター式溶接電源「MIB-300A/MIB-600A」を新発売

 アマダミヤチ(社長=辻岡寿康氏)は、交流インバーター式溶接電源「MIB-300A/MIB-600A 」を発売する。この製品 は、アマダミヤチ独自の電流制御技術により、抵抗溶接でもっとも普及しているといわれる交流式の既存の溶接トランスを活用することが可能な溶接電源。これにより置き換えなどの導入コストを削減し、さらに高精度・高分解能な電流制御技術により、従来機と比較した場合、より熱効率に優れたヒュージングを実現する。また、交流インバーターの採用により、ワークの磁化を抑制することで鉄粉等の付着を防ぎ、ペルチェ効果(異種金属間溶接で、一方向に直接電流を流した時に片方の電極に熱が偏って発生する現象のこと)を抑制、電極の片減りや溶融部の不揃いを軽減する。

「MIB-300A/MIB-600A」の 主な特長

(1) 2次側定電流制御機能を追加
 2次側定電流制御は、センサー(トロイダルコイル)により、2次側の電流を検出し、常に一定の電流を流すように制御する。溶接電流を直接チェックしながら制御するため、溶接トランスの1次側の電流検出と比較し、精密な電流制御が得られる。

(2) パルセーション設定回数アップ
 通電中に一定の通電時間と休止時間の組み合わせを任意の回数繰り返し実行するパルセーション機能により、ワークへの急激な入熱を抑え、溶け込み量のコントロールが容易になる。また、繰り返し設定回数が従来機の約2倍となり、より精密な設定が可能。

(3)インタラプト機能、アップスロープ/ダウンスロープの設定範囲が拡大
 溶接中に一定の溶け込み量に達した場合、外部の変位センサー等から信号を受けて通電を一時中断し、優先される別の処理を行うインタラプト機能と、溶接電流を徐々に流し、徐々に停止させるアップスロープ/ダウンスロープ、これらの設定範囲が、従来機の2段通電から3段通電に拡大。溶け込み量を細かく制御し、ワークの過度なつぶれ込みを防止することで、接合品質をより向上させる。

ダイジェット工業が「After JIMTOF新製品キャンペーン」を実施中! 3月31日(金)まで

 ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)が、ただいま数量限定の「After JIMTOF新製品キャンペーン」を実施中である。期間は本年3月31日(金)まで。

 キャンペーン対象商品は、①「マックスマスター」、②「エクストリームダイメイト」、③「SKSエクストリーム」。

●頑固一徹コース
 対象商品は、「マックスマスター」、「エクストリームダイメイト」

 超硬シャンク「頑固一徹」1本+チップを10個購入=モジュラーヘッド1ヶサービス!

●チップコース
 対象賞品は、「マックスマスター」、「エクストリームダイメイト」、「SKSエクストリーム」

 チップを規定数購入すると=本体一台サービス!

アンガー・マシニング・ジャパン 販売拠点事務所を移転

 アンガー・マシニング・ジャパン(社長=垣内鎭夫氏)は、このほど販売拠点事務所を移転した。なお、新事務所は従来通り三井物産マシンテックの一部を借用する。新住所:〒105-7134 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター34FT E L:直通03-6757-3730F A X:03-6757-3739

2017年1月分工作機械受注総額は1037.4億円 日工会 

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2017年1月分の受注実績は以下の通り。2017年1月分工作機械受注総額は、1037.4億円(前月比△7.3% 前年同月比+3.5%)となった。受注総額は3カ月連続の1,000億円超。前年同月比も2カ月連続増加。 内需は377.5億円(前月比△17.9% 前年同月比△4.6%)で、8カ月ぶりの400億割れ。営業日減や補助金待ちなどにより前月から減少。外需は659.9億円(前月比+0.1% 前年同月比+8.7%)で、主要3極はアジアのみ前月比増加し、外需計は前月から微増。2カ月連続の650億円超。前年同月比は2カ月連続増加。 国内外ともに慎重な動きもあるが、1月は季節要因で前月比減少。今後の為替動向や各種政策に関連する動きを注視。

1月分内需

 377.5億円(前月比△17.9% 前年同月比△4.6%)。・3カ月ぶりの400億円割れ。・前月比3カ月ぶり減少。前年同月比は2カ月ぶり減少。・JIMTOF効果の剥落や補助金採択待ちにより減少。① 一般機械  135.6億円(前月比△21.7% 前年同月比+1.3%)  うち金型   15.5億円(前月比△43.3% 前年同月比△42.4%)② 自動車   134.8億円(前月比△16.2% 前年同月比△6.9%)   うち部品   94.0億円(前月比△12.4% 前年同月比+6.1%)③ 電気・精密 38.3億円(前月比△28.1% 前年同月比+23.3%)④ 航空機・造船・搬送用機械 16.7億円(前月比+24.0% 前年同月比△61.3%) 

1月分外需

 659.9億円(前月比+0.1% 前年同月比+8.7%)・2カ月連続の650億円超。・前月比3カ月連続増加、前年同月比2カ月連続増加。・欧州、北米は前月比2ケタの減少も、アジアが2割以上増加し、外需計は前月から微増。①ア ジ ア:327.0億円(前月比+21.5% 前年同月比+30.8%)・東アジア:270.2億円(前月比+28.6% 前年同月比+35.8%)〈台 湾〉30.0億円(前月比+35.5% 前年同月比+64.1%)〈中 国〉207.0億円(前月比+35.0% 前年同月比+43.3%)・その他アジア56.9億円(前月比△3.9% 前年同月比+11.4%)〈タ  イ〉14.9億円(前月比△37.8% 前年同月比+66.6%)〈イ ン ド〉18.1億円(前月比+29.9% 前年同月比Δ47.8%)②欧 州:145.2億円(前月比△18.9% 前年同月比+2.5%)〈ド イ ツ〉25.2億円(前月比△27.2% 前年同月比△38.8%)〈フランス〉27.3億円(前月比+18.4% 前年同月比+57.2)③北   米:168.1億円(前月比△15.8% 前年同月比△18.0%)〈アメリカ〉145.8億円(前月比△17.4% 前年同月比△12.0%)〈メキシコ〉 15.3億円(前月比+3.2% 前年同月比△51.7%)

「今年は工業会の機能をさらに強化」日本機械工具工業会が賀詞交歓会を開く

 日本機械工具工業会(会長=本間博夫・不二越社長)が1月12日、東京・港区の第一ホテル東京で新春賀詞交歓会を開催した。

 新年のあいさつに立った本間会長は、「当工業会は一昨年の2015年6月にスタートし、早いもので1年半が経過した。会長方針として2つのことを私が会長の間にやろう、と決めたことがある。その1つは、コンプライアンスである。コンプライアンスは工業会活動の大前提となるものである。昨年12月に理事会において競争法コンプライアンス規則を承認いただき、他の工業会には劣らない体制が出来上がったと自負している。もうひとつの方針として、会員の皆様のグローバル化、海外進出を支援しようと考え、推進部隊として国際委員会をつくり、まずは海外見本市の視察や講演会などの取り組みを企画実施している。改めて会員の皆様のグローバル化を方針として掲げた背景をお話しすると、近い将来、日本国内の工具の需要は減少していくんだろうという危機感があった。われわれ工業会の最大の需要先は裾野の広い自動車関連のお客様だが、EV化、トランスミッションが減速機へ置き換わる。そうなると切削工具は減少していくであろう。昨年の11月には某自動車メーカーはEV車に大きく舵を切った」と、危機感を示したうえで、「勝ち残って行くには、われわれは海外市場に販路を求めていかなければならない。しかしながら会員の皆様が独自にそれをやろうとすると、時間や工数もかかってしまい、決して簡単なことではない。今年は工業会としての機能をさらに強化し、会員のサポートをより強く徹底する。皆様の海外進出、海外展開の一助となるよう取り組んでいく」と力強く述べた。

 続いて片岡隆一 経済産業省製造産業局産業機械課長が、「機械工具は工作機械とともに製造業を支える非常に重要なエレメントである。自動車、航空機、情報家電のありとあらゆるものをつくる礎でもある。時代の変化とともに技術革新が日進月歩であるが、日本の屋台骨を支えているといっても過言ではない自動車業界での動きが日本のものづくりに確実に大きな影響を与える。自動車だけではなく航空機エンジンも削るだけではなく、3Dプリンタでものをつくっていこう、という動きも出ている。様々なものづくりが革命的に大きく広がっていく。第四次産業革命というとまだまだ混沌としている部分があるというのが正直なところだが、これがどんどん進んでいくと、皆様方が造られた製品が実際組み込まれて動いている工作機械や産業機械の稼動方法も変わるだろう。そこによって造り出された製品のネットワーク自体も大きく変革をしていくことと思われる」とあいさつした。


 
 乾杯の発声は牛島 望 副会長(住友電気工業常務)が行った。宴もたけなわの頃、石川則男副会長(オーエスジー社長)の中締めで散会した。

ジェイテクトがCNC円筒研削盤 インドで現地生産・販売を開始

 ジェイテクト(社長=安形哲夫氏)は、CNC 円筒研削盤をインドの研削盤メーカー最大手であるMICROMATIC GRINDING TECHNOLOGIES 社へ技術供与を行い委託生産を開始、1 月26 日より販売を開始した。

 現在、年間約1,800 万台といわれるインドの二輪市場は、2025 年までには約2,300 万
台に迫ると予測されている。二輪車の部品加工に欠かせない高精度の円筒研削盤を現地生産することで、盛り上がるインドの二輪市場を支えていく方針。

 販売は、「TOYODA」ブランドの円筒研削盤としてジェイテクトの現地法人( TOYODA
MICROMATIC MACHINERY INDIA)がインド市場に限定して行う。また、主要部品である「といし台」等は日本から供給し、他の構成品(カバーやベッド等)は現地調達する。

 なお、同社では目標販売台数を2017 年は10 台、2018 年以降は年間15 台としている。

■MICROMATIC GRINDING TECHNOLOGIES 社 概要
設立:1973 年
所在地:インド ガジアバード
社長:K.DHAND
従業員数:約500 名
事業内容:円筒研削盤、特殊研削盤の製造・販売

インドの研削盤メーカーでは最大手(インド国内での円筒研削盤シェア約50%)

ヤマザキマザックが全世界で80カ所目となるサポート拠点が米国ダラスにオープン! 

ダラステクニカルセンタ外観
ダラステクニカルセンタ外観
 ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)が、全世界80カ所目となる新たなサポート拠点「ダラステクニカルセンタ」を、このほど米国テキサス州ダラスにオープンした。

 これまでも同社は米国テキサス州において、オイル産業を中心とした顧客向けに「ヒューストン テクニカルセンタ」を1982年に同州南部に開設、その後1999年に「サウスウエスト テクノロジーセンタ」として機能を拡充し、2011年には施設の拡張や人員増強などサポート体制の充実を行ってきた。

 一方、同州北部にも航空機関連をはじめ、自動車、医療、化学製品、半導体関連の巨大企業が集積しており、現在好調のこれら産業の顧客に対し、ビフォア・アフターサービスのニーズが高まっていることから、今回、ダラスに同州で二カ所目のサポート拠点となる「ダラステクニカルセンタ」を開設したとしている。

 総延床面積約750㎡の施設には、最新工作機械を展示する約400㎡のショールームの他に、トレーニングルーム、事務所などを備えており、プログラミングトレーニング、加工実演、テストカットなどの実施および新製品・新技術を紹介する定例イベントを開催する。

 今回のオープニングに際して、同社米国現地法人Mazak Corporation社長のMr. Dan Janka(ダン・ヤンカ)氏は、「ダラステクニカルセンタの開設により、テキサス州北部地区の航空機、医療、自動車、建設などのお客様に最新の工作機械を直接見て頂き、生産技術、加工アプリケーションなどを速やかに提案することが可能となります。それらの顧客サポートを通じてテキサス州でのマザックのプレゼンスをより高めていきたい」と抱負を述べている。

 同社では、「サポート拠点は、顧客の身近な場所で、最新の工作機械による加工実演、加工技術支援や設備合理化の相談などのビフォアセールスと機械購入後の各種トレーニングやアフターサービスを提供する施設。今回新設のダラステクニカルセンタを含めた全世界80カ所のサポート拠点から、世界中のお客様に万全なサポートとソリューションを提供していきます」としている。

■ダラステクニカルセンタの概要

所在地 : 935 South Kimball St. Southlake, Texas , U.S.A.
延床面積 : 約750㎡ (内、ショールーム約400㎡)
施設概要 : ショールーム、トレーニングルーム、事務所 他
展示機 : 計4台

DMG MORIが独・フロンテンでオープンハウスを開催中

フロンテン工場外観
フロンテン工場外観
 DMG森精機(社長=森雅彦氏)は、2月14日(火)~18日(土)の5日間、同社ドイツ・フロンテン工場にてDMG MORIフロンテンオープンハウスを開催する。

 ドイツ・バイエルン州に位置するフロンテン工場では、5軸加工機を中心に金型、航空、宇宙、医療分野で活躍する工作機械を生産している。

 今回のオープンハウスでは、「DMG MORI スマートファクトリー」をテーマに、8,500㎡を越えるスペースに欧州初披露のDMU 50 3rd generation、LASERTEC 75 Shapeを含む80台以上の最新鋭工作機械を展示する。また、CELOSやテクノロジーサイクルを用いてDMG MORIの革新的な技術と同社が提案するIoT / Industry 4.0を披露する。
 なお、期間中の5日間で全世界から約9,000人の来場を予定している。

 フロンテン工場オープンハウスの見どころは以下の通り。

■DMG MORI スマートファクトリー
IoT / Industry 4.0に対応したネットワーク化と デジタル・マニュファクチャリングを提案する。

■最新機種を展示
DMU 50 3rd Generation、 LASERTEC 75 Shapeなど欧州初披露機種を含む、計80台以上を展示する。
■CELOS
独自のオペレーティングシステム「CELOS」により、生産システムおよび自動化ソリューションを統合・管理することで生産ラインが効率よく連携する様子を紹介する。

■自動化システム
Robo2Goを始めとする、自動化生産を実現する統合ソリューションを紹介する。

三菱日立ツールが続々と新製品を投入! 「エポックDスレッドミルPT・NPTねじ用」、「エポックディープボールエボリューションハード-TH3」、「AX2040」

 三菱日立ツール(社長=増田照彦氏)が、続々と新製品を投入している。
 このほど発表したのは、① 超硬ねじ切りカッタシリーズに管用テーパねじ用として「エポックDスレッドミル PT・NPTねじ用」、②新たに開発した最新コーティング“TH3コーティング”を施した高硬度鋼加工用ボールエンドミル「エポックディープボールエボリューションハード-TH3」、③ ステンレス鋼乾式高速ミーリング加工用インサート材種「AX2040」の3商品。

管用テーパねじ用「エポックDスレッドミルPT・NPTねじ用」

 金型の冷却穴には金型の冷却穴には管(くだ)用テーパねじが多く使用されており、その用途から耐密性が求められているが、従来の管用タップは加工面のむしれが発生しやすく、水漏れの発生が問題になっていることを受け、同社では、むしれのない良好な加工面が得られる「エポックDスレッドミルPT・NPTねじ用」を開発した。

 従来の超硬タップやハイスタップは寿命が非常に不安定であり、金型材料に用いられる高硬度鋼の加工では、折損によるワークへの折れ込みが問題になっている。現在同社が発売している「超硬ねじ切りカッタシリーズ」は、高硬度鋼を安定して加工することができ、金型製造リードタイム短縮などの効果を得られるとして評価が高い。さらに従来のタップと比較して切りくず排出性に優れることから良好な加工面も得ることができ、好評を博している。
この製品の特長は以下の通り。

 (1)金型材料に用いられる高硬度鋼の安定加工を実現する。
 (2)従来のタップで発生しやすい、水漏れの要因となる加工面のむしれを低減する。
 (3)下穴のない状態やタップよりも小さな下穴径でも加工可能で、工程の集約や短縮を実現する。
 (4)管用ねじの加工でご要望の多いPT・NPT規格をラインナップ、幅広いねじ加工に対応することが可能となった。

【仕様】
エポックDスレッドミルPT・NPTねじ用
PT規格用(1/16~1インチ:6アイテム)
NPT規格用(1/16~1インチ:6アイテム)

【価格】
エポックDスレッドミルPT・NPTねじ用¥21,600-~¥87,800-(消費税別)

最新コーティングを施した高硬度鋼加工用ボールエンドミル「エポックディープエボリューションハード-TH3」

 近年、金型材料の「高機能化」「高性能化」に伴い、金型材料は高硬度で難削化が進む一方である。精密金型などで求められる精度は年々向上し、顧客の高精度加工の要望は増加しているその一方、高硬度鋼の加工では工具摩耗が激しく工具寿命が短い、ワークの削り残り量が多いなどの課題が存在する。

 これらの課題解消を目的として、同社では新たに開発した“TH3コーティング”を施した高硬度鋼加工用ボールエンドミル「エポックディープボールエボリューションハード-TH3」を市場投入した。

 新開発の次世代コーティング「TH3」は、現在幅広くユーザーに使われているTHコーティングの第3世代のコーティング。「TH3」は高硬度鋼の加工において優れた耐摩耗性を発揮し、また、高硬度鋼加工に適正化した刃形と高精度加工を追求した工具設計により、長寿命で削り残り量の少ない高精度な加工を行うことが可能になる。高硬度鋼を使用している各種金型(プラスチック金型、鍛造金型、プレス金型など)のリブ溝加工や隅部分の仕上げ加工など小径深彫り加工全般に威力を発揮する。
 特長は以下の通り。

 (1)新開発の次世代コーティング「TH3」を採用し、高硬度鋼の加工において優れた耐摩耗性を発揮する。
 (2)高硬度鋼加工用に適正化したダブルフェイス形状を採用し、工具の摩滅を抑制する。
 (3)高精度加工を追求した工具設計により、ワークの削り残り量を低減する。

 【仕様】刃先R:R0.05~R6全206アイテム
 【価格】¥4,680~¥23,100(消費税別) 
 (※R1.25~R6、計39アイテムは2017年 5月20日以降に発売予定)

ステンレス鋼乾式高速ミーリング加工用インサート材種「AX2040」

 タービンブレードに代表されるステンレス鋼の荒加工は、加工コスト低減を目的として乾式高速加工が用いられているが、ステンレス鋼は、一般鋼や炭素鋼に比べ被削性が悪い傾向にあり、被削材の溶着や加工硬化による工具刃先にチッピングが発生しやすい状況である。また、乾式高速ミーリング加工時では、工具刃先が高温にさらされ工具損傷の進行が速く、工具寿命が低下するという現象が問題とされている。

 同社が開発した「AX2040」は、靭性の高い超硬母材に耐摩耗性と耐熱性に優れる窒化アルミニウムチタン(AlTiN)系の主層に加え、上層に高潤滑性に優れる窒化アルミニウム(AlN)系の新CVDコーティング皮膜を採用したことで、ステンレス鋼の乾式高速ミーリング加工で生じる摩耗の進行やチッピングを低減し、工具の長寿命化を可能にしている。まずはタービンブレード加工に適した刃先交換式工具「アルファラジアスミルRV形」に採用しこのほどの発売に至った。
 特長は以下の通り。

(1)耐熱性に優れる新コーティング皮膜を採用
Al含有量の高い窒化アルミニウムチタン(AlTiN)系の新CVDコーティング皮膜により、乾式高速切削で生じるヒートクラックの進行を低減した。

(2)高潤滑性に優れる新コーティング皮膜を採用
潤滑性に優れる結晶構造の窒化アルミニウム(AlN)系の新CVDコーティング皮膜を上層に採用したことにより耐溶着性を改善した。

(3)耐欠損性に優れる新コーティング皮膜と超硬母材を採用
耐チッピング性に優れた柱状組織からなる新構造のCVDコーティング皮膜と靭性の高い超硬母材の採用により、耐欠損性を改善した。

(4)寿命
析出硬化型ステンレス鋼(SUS630硬さ30HRC)の乾式高速ミーリング加工において、従来品と比較して2倍の工具寿命を実現した。

【発売件数】
8アイテム(RPMT形、RPHT形2種類)
搭載カッター:アルファラジアスミルRV形
インサート形状:R形状
インサート直径:φ10・φ12
インサート精度:M級・H級

【価格】
¥910~¥1,500(消費税別)

「決めたことを一生懸命やるしかない!」オーエスジーが賀詞交歓会を開く

 オーエスジー(社長=石川則男氏)が1月16日、愛知県豊川市のオーエスジーアカデミー内のゲストハウスにて「2017 OSG全国合同賀詞交歓会」を開催した。

 新春のあいさつに立った石川社長は、「現在、世間の話題はトランプ新大統領がどんなことをするんだろう、ということだろう。先日行われた記者会見でもマスコミと激しい言い合いになってしまった。NAFTAで北米の自由貿易のあり方が問われそうだ。弊社も昨年、メキシコのグアナフアト州に二つ目の工場を稼働させた。メキシコでの自動車産業の発展に対応していこうと考えていた。メキシコは米国への輸出比率が78%もある。こうした中で、自動車部品はメキシコで造って、農業生産物のようなものは米国からメキシコに出荷されている。今回、トランプ大統領の話を聞いていて、オーエスジーとしては、自分たちの意見をしっかり持たなければいけない、と感じた。われわれがメキシコでどんなことをしていたか、というと、非常に古い工場で従業員は100人ほどだったメキシコのタップメーカーのロイコ社を買収したのが1994年。その後、このロイコ社の業績をみてみると15年間くらいは順調とはいかなくて赤字の年もあった。しかしながら、ここ5年くらいで、オーエスジーのメキシコ事業が一気に花開いて、非常に大きな利益を生む事業に生まれ変わった。それは日本の自動車メーカーを中心とする自動車生産がメキシコで大きく花開いたということ。そこで思ったのは、いろんなことが世の中で起きており、対応していくことはそれなりに重要だが、海外事業のようなものは中長期的に自分たちの意志をもってやらないと、なんともならないものだ、ということ。トランプ氏がどうするかは私には到底計り知れないが、このタイミングで私たちは堂々と決めたことを一生懸命やるしかない」と心境を述べ、2016年11月期の決算内容について触れた。

 その中で石川社長は、「残念ながら、為替の影響により7年ぶりに減収減益という決算になった」と説明、売上高55億6100万円(前年度比△5.7%)、営業利益182億4600万円(同△15.5%)、経常利益178億1300万円(同△17.2%)、親会社に帰属する当期純利益は101億3400万円(同△19%)となった。

 今期については、「本日お集まりの皆様の力添えをいただきながら、もう一度史上最高の売上げを目指したい」と力強く述べ、次の3つを重点政策とした。

 ① Aブランドの製品をさらに拡充させる。
 ② 世界のグローバルセンター(テクニカルセンター)によってローカルへの大手ユーザーへのアプリケーション対応力を強め、開拓する。
 ③ ここ2年でM&Aを加速させたが、シナジー効果を高める活動に注力する。

 2017年度は売上高1165億円、営業利益195億円、親会社に帰属する当期純利益115億円を目指す、とした。

 

「リスクのあるところにチャンスあり」

 卸売代行店・特約代理店を代表して、山本政美 山善 副社長が、「主力の代理店が参加されているが私どもも皆様方と一緒になって今年もオーエスジー製品の拡販に最大限の努力をしていく。石川社長より決算の報告がされたが、要因は上期の急激な円高によるものと推測される。今期は国内も回復してくると思われる。また、海外も為替が円安に振れており、今まで苦戦した中国、ASEAN地域も底を打ち、上昇の期待ができる。今期の目標をぜひ達成していただき、新記録を期待している。私どもも目標達成のため最大限の努力をする所存である。今期も目標達成のための拡販企画をどんどんお願い申しあげる。トランプ氏はどのようなカードを切ってくるか、まったく予測不能だが、一喜一憂しても仕方がない。リスクが懸念されるが、その一方で、リスクのあるところにはチャンスがある」とあいさつした。

 石川社長、大沢伸朗 常務、山本 山善副社長、村井正夫 東京山勝社長、矢野茂雄 滝川物産社長、山出谷武俊 山勝商会社長の活況ある鏡開きが行われたあと、三橋 誠 テヅカ社長が乾杯の発声を行った。

 余興のなまはげ太鼓の音色とパフォーマンスに会場内は賑わった。宴もたけなわのころ、山下隆蔵 山下機械会長が中締めを、〆のあいさつを大沢常務が行い散会した。