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8月分超硬工具主要統計

 超硬工具協会がまとめた2015年8月分超硬工具主要統計は以下の通り。 【超硬合金重量】472トン(前年比100.8)。 【超硬工具生産額】切削工具200億3100万円(前年比105.9)、耐摩工具27億7500万円(同93.3)、鉱山土木工具7億8700万円(同109.3)、その他工具3億9600万円(同86.1)、焼結体・工具19億200万円(同106.4)、合計258億9100万円(同104.2)。  【輸出入】輸出95億9900万円(前年比106.8)、輸入60億1300万円(同103.8)。 【超硬工具出荷額】切削工具202億6800万円(前年比104.3)、耐摩工具27億4000万円(同93.1)、鉱山土木工具8億8300万円(同110.4)、その他工具3億9500万円(同99.7)、焼結体・工具20億76万円(同103.9)、合計263億6200万円(同103.1)。 【刃先交換チップ】生産2675万個(前年比102.6)、出荷2660万2000個(同99.6)。

不二越が高性能SGタップシリーズに新ラインナップを追加

タップシリーズ
タップシリーズ
不二越(社長=本間博夫氏)が、タップ市場の拡大を受け、このほど高性能SGタップシリーズに新ラインナップを追加した。

自動車、電機・電子、航空機産業などの世界的な需要の拡大に伴い、タップの世界市場は2010 年対比で約1.3 倍の成長を示し、今後も、さらなる伸張が見込まれている。一方、加工現場では、コスト削減に向けたタップの長寿命化や、生産効率アップを目的としたサイクルタイム短縮など、多様なニーズが高まっている。このような背景のもと、同社ではタップ新シリーズの市場投入をした。

これまで同社は、高精度で高効率な穴加工を実現する超硬ドリル「アクアドリルEXシリーズ」を拡充し、高い評価を受け、ドリルのマーケットシェアを拡大してきた。ユーザーからは、穴加工の次工程となる“めねじ”加工でも、新たなタップの開発ニーズが高まり、当社は、今年3 月に、タップ新シリーズとして、高級粉末ハイスとSGコーティングを施工した高性能「SGタップシリーズ」と高バナジウムハイスと高剛性設計を採用したコストパフォーマンスに優れた汎用長寿命「Nタップシリーズ」を市場投入、好評を博している。

また、薄肉止まり穴加工など、有効ねじ長を確保したい用途に対応するため、新たなラインナップとして、「SGスパイラルタップ ショートチャンファ※」を新たに発売。これまで、加工が難しいとされてきた薄肉止まり穴へのねじ加工を容易にすることで、加工現場の生産性向上とコストダウンに貢献していくとしている。

※ショートチャンファとは
タップ先端の斜めに切り取った部分(チャンファ/食付き)を短くしたもの。一般的なタップの食付きが、ねじ2.5~5 山分なのに対し、ショートチャンファは1.5 山分。薄肉(ねじ穴底部に余裕がない場合)などに用いられる。

新製品の概要

(1)狙いの市場
自動車・自動車部品、航空機など、量産加工、難削材加工ユーザー。

(2)特長
① 薄肉厚と有効ねじ長の確保の両立
アクアドリルEXフラットと併用することで、薄肉止まり穴加工時の肉厚部を最小限に抑えつつ、SGスパイラルタップ ショートチャンファで有効ねじ長を最大限にし、薄肉厚と有効ねじ長の確保を両立。部品の軽量化などに貢献するとともに、従来、ドリルによる下穴加工後に必要だったエンドミルによる座ぐり加工を省略することで、工程集約・コストダウンを実現。

② 最高峰の長寿命
不二越独自の高級粉末ハイスとSGコーティング、および食付き形状の最適化により、切削抵抗が大きくなるショートチャンファでも、他社同等品に対して、加工穴数が約1.3~1.6 倍となり、長寿命化を実現。

③ ねじ加工の安定化
刃先、溝形状の最適化により、高剛性と切りくず排出性を両立。切削速度の変化による加工状態・切りくず形状の変化が少なく、安定加工を実現。被削材、加工機械、広範囲な切削条件で、優れた性能を発揮。


寸法範囲:M2~M24 全26サイズ
参考価格:代表型番 M6(並目) 全長 62mm 2,440 円/本(税抜)
代表型番 M24(並目) 全長 120mm 24,400 円/本(税抜)

同社では2016年度のタップ全体売上高 12億円を目指すとしている。

オーエスジーが「加工現場の問題解決!」をテーマにセミナーを開催

オーエスジー(社長=石川則男氏)が機械、ソフト、工具、測定器のトータルソリューションによる『加工現場の問題解決』をテーマにヤマザキマザック、アイコクアルファ、オーエスジーの3社によるテクニカルセッション&セミナーを開催する。

セミナーではマザック筑波テクノロジーセンタにある最新鋭の設備を用いた実機による加工デモや、各社専門スタッフによる加工相談会を特設ブースにて行う。

会場では、最新機械・ソフト・工具各種の展示品を多く取り揃えており、「他では見られない貴重な体験を、『見て・触って・納得』していただきたい」としている。
詳細は下記のとおり。

■日時: 平成27 年11 月6 日(金) 13:00 ~ 20:30
■会場: ヤマザキマザック株式会社 東京筑波テクノロジーセンタ
〒305-0841 茨城県つくば市御幸ヶ丘39 TEL:029-856-3111 
■セミナ& 切削実演:
昼の部 14:00 ~ 15:40
夜の部 18:30 ~ 20:10
「スムーステクノロジーがもたらす新たなものづくり」 ヤマザキマザック(株)
「IT ツールによる切削加工の効率化」 アイコクアルファ(株)
「高付加価値を生み出す最新工具と最新システムの紹介」オーエスジー(株)
※セミナーは事前申込制となる。
※セミナー切削実演以外の時間は自由に見学できる。

■お問い合せ先
オーエスジー株式会社 茨城事務所 TEL:029-354-7017

会場への地図

三菱マテリアルが高硬度鋼旋削加工用コーテッドCBN材種「BC8120」並びにグラファイト加工用CVDダイヤモンドコーティングエンドミル「DFシリーズ」のアイテムを追加して販売を開始

三菱マテリアル(株)加工事業カンパニ-(カンパニ-プレジデント=鶴巻二三
男氏)がこのほど、高硬度鋼旋削加工用コーテッドCBN材種「BC8120」と、グラファイト加工用CVDダイヤモンドコーティングエンドミル「DFシリーズ」のアイテムを追加して販売を開始した。

旋削加工用コーテッドCBN材種「BC8120」

この製品は、高硬度鋼旋削加工においてコーティング及びCBN母材を新開発・採用することにより、抜群の耐摩耗性と高い刃先靭性を発揮する材種。特に自動車部品など高硬度鋼の断続的な旋削加工では、汎用性に優れ工具交換の低減による生産効率向上を実現する。
このほど「BC8120」の発売と「BC8110」のアイテム追加により「BC81シリーズ」と
して高硬度鋼の旋削加工用CBNインサート使用範囲が大幅に拡大した。

高硬度鋼旋削加工用コーテッドCBN材種「BC8120」の主な特長は、以下の通り。

① 新開発TiAlN系コーティングは耐溶着性を向上させコーティング剥離を防止。CBN素材との付着強度が強く、耐摩耗性と耐チッピング性を向上。

② 新開発“超微粒バインダー”と微粒CBNを分散することで、クラックの進展
を抑制し、切削時の突発欠損を防止。

③ 独自の焼結技術をさらに進化させた「新紛体活性焼結法」はよりCBN焼結体
内の純度を高め、幅広い加工領域で安定した加工を実現。

【品名/型番】高硬度鋼旋削加工用コーテッドCBN材種BC8120:191型番 / BC8110:追加 38型番
【標準価格】4,740円~12,800円
(代表型番) NP-CNGA120408GA4(BC8120) 9,920円(税込価格10,714円)/NP-TNGA160404FS3 (BC8120)  6,760円(税込価格7,301円)/ NP-VCGW160404FS2 (BC8120) 5,810円(税込価格6,275円)

グラファイト加工用CVDダイヤモンドコーティングエンドミル「DFシリーズ」アイテムを追加

非常にもろく、可燃性のため切削熱にも注意が必要なグラファイトの加工用として、硬質で耐摩耗性に優れるCVDダイヤモンドコーティングエンドミルは、放電加工用の電極加工をはじめ、銅合金・アルミ・FRPなどの加工で活躍しているが、このほど刃長のミドルタイプに全長が長いアイテムとロングネックボールタイプのアイテムを追加し、グラファイト加工の選択肢を拡大するべく追加発売した。

グラファイト加工用CVDダイヤモンドコーティングエンドミル「DFシリーズ」の主な
特長は、以下の通り。

① 天然ダイヤモンドに匹敵する結晶成分を有し、グラファイト加工で抜群の耐摩耗性と長寿命を実現。

② R刃と外周刃をシームレス形状にすることにより、R精度に優れ良好な仕上げ面を実現。

③ 6シリーズ全137アイテムの豊富なラインナップによりグラファイト加工の第一選択として、さまざまな形状加工に対応。

【追加型番】
・DF2MBR0300  32,800円(税込価格  35,424円)
・DF2MBR0300N100A150  35,300円(税込価格  38,124円)
・DF2MBR0500N140A180 58,000円(税込価格  62,640円)
・DF2MBR0600N150A200 80,100円(税込価格  86,508円)
・DF2XLBR0075N400 22,400円(税込価格  24,192円)

ダイジェットが「ミラーボール用ラジアスチップGRM形」と「フィニッシュジェットミル」に新タイプ2種類を新発売!

ダイジェット工業(社長=生悦住 歩氏)が、このほど加工面粗さの向上や磨き時間の短縮を実現するラジアスチップ「ミラーボール用ラジアスチップ GRM形」を新たに市場投入し、好評を博している超仕上げ用フライスカッタ「フィニッシュジェットミル」に高能率超仕上げ仕様のFJM-F4形と隈削り仕様のFJM-BD形の2種類を追加ラインナップした。

ミラーボール用ラジアスチップGRM形

金型の仕上げ加工の際、その製品が外装部の場合などは、高品位な面が必要となるため切削加工の後に磨き工程が入る場合が多い。仕上げ加工をボールエンドミルで行うと平面部の加工はボールエンドミルの先端中心部で行うことになり、切削速度が”0”となるためムシレやすく綺麗な面とならない。そのような課題解決のため、今回、加工面粗さの向上、及び磨き時間の短縮を実現するラジアスチップを開発した。

特長は以下のとおり。

●加工面の面粗度が良好
ラジアス形状を採用、チップの中心部を使用しないため加工面にムシレが発生しにくく面粗度が良好。

●低回転の機械でも高能率加工が可能
ボールエンドミルに比べ外周側で加工するため、低回転の機械でも実切削速度が下がらず、また平面部加工の際には切削幅が大きく取れ加工能率が向上。

●3 次元加工にも対応
通常のラジアスチップよりコーナR を大きくしているため、起伏の激しいワークの3 次元加工にも対応。

●チップが長寿命
高硬度材には新PVD コーティング『新DH(ダイジェットハード)コート)』と高硬度材用超微粒子超硬合金の組合せによる新材種『DH102』を採用し長寿命化を実現。一般鋼などには汎用性の高い材種『JC8015』を揃える。

炭素鋼、プリハードン鋼、工具鋼、ステンレス鋼、焼き入れ鋼、鋳鉄の平面削り、ポケット加工、曲面加工、ヘリカル加工等の仕上げ加工に威力を発揮する。

サイズは、φ16、φ20、φ25、φ30、各サイズ材種DH102 とJC8015 の計8アイテム。
価格は、9,300 円(φ16)~ (※標準価格、税抜き)

初年度の販売目標を3,000万円としている。

フィニッシュジェットミル FJM-F4形、FJM -BD 形

荒刃2枚と 仕上げ刃2枚の組合せにより、中仕上げ工程を省略可能な超仕上げ用フライスカッタ「フィニッシュジェットミル」に高能率超仕上げ仕様のFJM-F4形と隅削り仕様のFJM -BD 形を追加した。


通常のFJM形は荒刃2枚と仕上げ刃2枚であるが、FJM-F4形は仕上げ刃4枚のため、切込み深さ0.1mm以下の場合において通常のFJM形に比べ送り速度2倍の高能率加工が可能となり、同等の面粗さが得られる。従来品では、別途仕上げ刃用のカートリッジを購入する必要があった。


通常のFJM形及び上記FJM-F4形はチップを組込んだ際、底面部に大きなRを付けているため隅部の加工では取り残しが生じていたが、隅削りが可能な仕上げ用カッタ「バックドラフト」用のチップを使用するカートリッジを組み込むことにより隅削りを可能とした。

■FJM形/FJM-F4形/FJM-BD形共通項目■
●従来の超仕上げ加工専用フライスカッタと面粗度は同等。
●カートリッジ方式採用により、容易に正面振れが調整可能。また、カートリッジ交換のみで使用用途に応じて容易に仕様が変更できる。
●多彩なチップバリエーションで加工環境に応じて最適なチップが選定可能。

主な用途は、炭素鋼、合金鋼、鋳鉄、ステンレス鋼、プリハードン鋼などの平面超仕上げ加工。

サイズと販売価格は、本体φ80:123,900円~φ250:190,000円(標準価格、税抜き)。
※チップは従来と同様

初年度は3,000万円の販売を見込んでいる。

日立建機がZW30-5B ミニホイールローダを発売

日立建機株式会社(社長:辻本 雄一氏)は、新型ホイールローダZW-5 シリーズとして、ZW30-5B(標準バケット容量0.4m3、運転質量2,795kg)をこのほど発売した。

ZW30-5B は、国土交通省排出ガス対策型建設機械3 次基準(指定申請中)に適合したミニホイールローダで、従来機の操作性、安全性を踏襲しながらも、作業性能、オペレータの快適性など、ホイールローダに求められる点を改良し、ユーザーニーズに応えている。
国内向けに合計で年間1,500 台をの販売を見込んでいる。
主な特長は以下の通り。

1.時代にマッチした環境性能
・国土交通省排出ガス対策型建設機械3 次基準に適合。(指定申請中)
・「国土交通省超低騒音型建設機械」。(指定申請中)

2.優れた操作性と安全性の高い運転空間
・パワートレインには実績のある信頼性が高いハイドロ・スタティック・トランスミッション(HST)システムを採用し、アクセルワークひとつで車両の速度を制御することが可能。
・乗降口の左右にグラブハンドル(手すり)と大型ステップを装備し、乗降性の向上を実現。
・シートベルトを標準装備。
・キャノピ仕様の他、安全性の高いROPS/FOPS キャブをオプション選択可能。

3.多彩なオプション装備
・大きなごみが浮遊している作業環境向けに、ラジエータダストスクリーンをオプション設定。
・盗難を抑制するNS キーを標準装備。さらに盗難抑止効果の高い電子キーロックをオプション設定。
・畜産用バケット、亜鉛メッキバケット、各種除雪プラウ、フォークなど、利用条件に応じたアタッチメントを用意。
・ZW30-5B は旧型機と互換性があり、バケットやプラウ、フォークなどの手持ちのアタッチメント(LX20-3の一部およびLX20-7 とZW30 の全て)をそのまま有効活用することが可能―――など。

セコ・ツールズが SteadyLine® 防振バー対応の 粗加工用および仕上げ用ボーリングヘッドを発売

セコ・ツールズは、このほどEPB® 610 粗加工用ボーリングヘッドと EPB 620 ラジアルタイプ仕上げ用ボーリングヘッドを新たに発売し、Steadyline™ 防振システムの 汎用性をさらに拡張した。特許取得の GL 接続が特徴のこのヘッド新製品は、Steadyline 旋削バーと組み合わせて使用することにより、最大 10xD の深さのある加工用途で、Steadyline バーを静的旋削と回転ボーリングの どちらにも使用できる。

EPB 610 粗加工ボーリングヘッドは径 36 ~ 69mm に対応し、堅牢な設計で難加工材の重旋削粗加工にも十分耐久する。コンパクトな EPB 620 仕上げ用ボーリングヘッドは径 34 ~ 69mm に対応し、細かいピッチのマイクロ調整スクリュが装備されているため、ヘッドを高い精度で調整できる。Steadyline 防振バーと一緒に使用して、10xD のボーリング加工でも、Ra

高精度の GL 接続ですばやく簡単に取り付けて設定できるため、準備時間を短縮する。GL 接続は内蔵クランプリング 1 個でしっかりとすばやくロックでき、工具ヘッドを引き込んで、安全で安定したテーパ面接触を可能にする。旋削加工については、この接続には 2 つの 180°のポジションを持つポリローブテーパ接触面があり、これがツールの刃先を上向きまたは下向きに配置して、効果的に切り屑を処理する。

日立建機グループが豪雨被害地に支援

日立建機グループは、このほど関東・東北地方で発生した台風18号の影響による記録的豪雨にあった被災地の復興のために500万円の支援を行うと決定した。なお、この支援は社会福祉法人中央共同募金会を通じて行う。

不二越が自動調心ころ軸受の新シリーズを市場投入

不二越(社長=本間博夫氏)は、材料から部品、そして製品までを一貫生産する総合機械メーカーとして、独自性の高いボールねじサポート軸受や薄肉軸受などの高機能な産業機械用軸受の開発・販売をすすめており、自動調心ころ軸受については、減速機や製鉄設備を中心に、世界最高クラスの高負荷容量が評価され、国内シェア約2割を占めている。

このほど同社では新たに自動調心ころ軸受のラインナップとして「EXQシリーズ」と「EXS1シリーズ」の2シリーズを追加した。国内外の産業機械市場における高性能化ニーズに対応し、マーケットシェアの拡大を狙う。今年9月から世界同時発売し、2017年度には自動調心ころ軸受全体で1.3倍(2014年度対比)の売上げ拡大を目指すとしている。

自動調心ころ軸受「EXQシリーズ」

(1)狙いの市場
製紙・製鉄設備、建設・農業・鉱山機械、減速機など、産業機械分野全般。

(2)市場ニーズ
自動調心ころ軸受は、球面形状の軌道ところにより、調心性を有し、他の軸受と比べ高負荷容量、かつ取扱いが容易なことから、幅広い産業機械分野で採用されてきた。近年は、産業機械の高性能化を背景として、更なる高アキシャル荷重(※)と、高速回転への対応ニーズが高まっており、幅広い産業機械分野での高負荷・高速化に応える製品。

(3)特長

●耐アキシャル荷重性の向上
内部形状の最適化により、従来品に対し、耐アキシャル荷重性能を最大25%向上。従来、自動調心ころ軸受の使用が困難とされた高負荷領域での使用を可能にした。

●許容回転速度アップ
ころの回転状態を安定させ、軸受の発熱を小さくしたことで、従来品対比で約10%増の世界最高クラスの許容回転速度を実現、産業機械の高速化・高効率化に対応し、生産性向上に貢献。

●200℃対応
熱安定化処理を標準とし、高温下(200℃まで)での使用環境にも適合。
●高い耐衝撃性能
保持器の耐衝撃性能を大幅に向上させた「EXQ-V仕様」を設定し、鉱山機械をはじめとした過酷な使用環境下にも対応。

(4)ラインナップ
軸受外径52mm から280mm までの109 型番を展開。

【※アキシャル荷重(負荷)とは】軸受の回転軸と平行にかかる荷重。スラスト荷重とも呼ばれる。

(補足)
大型機械設備などの一般産業機械では、軸のたわみが大きく、また構造上、取付誤差が生じやすいことから、回転軸に垂直にかかる荷重(ラジアル荷重)に加え、アキシャル荷重にも対応する自動調心ころ軸受が用いられることが多い。

スラスト自動調心ころ軸受「EXS1シリーズ」

(1)狙いの市場
射出成形機を中心とした産業機械。

(2)市場ニーズ
スラスト自動調心ころ軸受は、射出成形機、竪型ポンプ、船舶のスクリュー部など大きなアキシャル荷重を受ける部位で使用されてきた。射出成形機については、駆動方式の電動化に伴い、消費電力削減、環境負荷低減、メンテナンスフリー化がすすめられ、さらに近年は生産性向上に向けた高速化・急加減速化への動きが高まっていることを背景に、射出成形機の電動化による高速化と、メンテナンスフリー向け。

(3)特長
●許容回転速度のアップ
保持器の形状最適化と表面処理、ころ端面の精度向上により、回転時の抵抗を大幅に低減し、低昇温を実現することで、従来品対比で約30%増の世界最高クラスの許容回転速度を可能にし、射出成型機等の高速化に対応。

●グリース潤滑への適合
保持器形状の最適化などにより、回転時の挙動を安定させるとともに、保持器ガイド部へのグリース供給を円滑にし、低昇温を可能にした。これにより、オイル供給装置などが不要になり、環境対応、メンテナンスフリー化に寄与。

●長寿命
内外輪の軌道及びころ形状を最適化することで、接触面応力を均一化。高サイクルの使用環境においても、従来品に対し約2倍の長寿命化を実現。

(5)ラインナップ
軸受外径130mm から320mm までの14 型番を展開。今後、軸受外径150mm から270mm までの8 型番についても、順次展開予定。

日本初!“梱包から包装”へ! ~DMG MORI製品の輸出梱包に自社オリジナルシートを採用~

フラットトラックコンテナに積載された荷姿
フラットトラックコンテナに積載された荷姿
DMG森精機は、日本から世界各地に向けて工作機械を輸出する際に、自社ブランドロゴ「DMG MORI」掲載の自社製シートで工作機械を“包装”するという新しい取り組みを9月から開始した。

工場から出荷された工作機械は、海貨事業者の倉庫に搬入され、主に海上輸送に適した梱包を施して船積みされているが、海上輸送に通常多く使われる箱型のドライコンテナに入らない大きさのものも多く、特殊なフラットラックコンテナというコンテナに積載して輸送する。フラットラックコンテナには、屋根と2面の側壁がないため、外部環境から工作機械を守るための鉄製の枠内にいれ、その上から防塵・防滴のためのシートをかけている。

このシートには、一般的にブルーシートが使用されているため、どの貨物も同じような外観になるため、海貨事業者にとっては、どのような製品が中に入っているのか外観から判断することはできず、精密機械といっても他の貨物同様の扱いを受けているのが現状だった。このような背景のもと、同社では、「お客様からご発注いただいた大切なDMG MORI製品を、お客様のお手元まで大切にお届けしたいという思いから、海貨事業者と協議の上、自社シートを製作した」としている。ブランドロゴ「DMG MORI」を掲載するとともに精密機械であることを明確に表示、さらに荷扱上のケアマークを充実させて取扱上の注意を強く喚起するようにした。

自社製シートの対象は現在のところ、日本で生産された工作機械でフラットラックコンテナに積載するサイズのものとなる。このフラットラックコンテナに積載する貨物の梱包シートをメーカー自らがマネジメントすることは日本で初めての取り組み。今後は、ドライコンテナに積載可能な工作機械や、国内のお客様にお届けする工作機械、また、DMG MORIグループが全世界で生産・輸出している工作機械についても、同様の考え方に基づく取り組みを順次導入するとしている。

梱包後の荷姿(従来との比較)