岡本工作機械PSG会が「2018年度 東部支部連絡会」を開催

 岡本工作機械製作所(社長=石井常路氏)が去る2月8日、新横浜国際ホテル マナーハウス南館で「2018年度PSG会東部支部連絡会」を開催した。

 同社の現況報告のほか、①自動化への取り組み、②多彩な平面研削盤のラインナップ、③超精密円筒・内面への取り組み――の3つのテーマに沿って説明があった。また、毎度人気を博している伊藤 暁 取締役常務執行役員技術開発本部長の特別講演もあり、大いに盛り上がりをみせた。

今期売上げ目標320億円に挑戦!

現況報告をする秋山国内営業部長
現況報告をする秋山国内営業部長
 はじめに秋山美治 執行役員兼国内営業部部長から開会のあいさつと現況報告があった。
 それによると、「2018年度は好調に推移しており、受注、売上げ共に前期を上回る予定で、今期の売上げ目標は320億円に挑戦している。」と勢いのよい姿勢を示した。

同社(連結)の2018年1月-12月における受注伸び率は、対前年比内需129.9%、同外需137.1%となった。また、2018年の国内地域別の受注額増減率について、東部(首都圏、北関東、仙台、静岡)は50%(対前年度比UP)、中部(名古屋、富山)は22%(同横ばい)、西部(大阪、広島、福岡)は28%(同若干の減少)となった。

 秋山国内営業部長は、「西部エリアは若干のダウン、中部エリアは横ばい、東部エリアは5%の伸びを示したが、この要因は静岡営業所が開設をして2年を迎え、地元に定着してきた。」との見方を示した。

 機種別については、「この2年間で機種別の勢力分布はあまり動きがない。」としたうえで、「一般機械は市場的に拡張を見たというところ。」とし、金型関連については、「モーターコア等金型メンテ用需要にのっとり、門形の研削盤がうまく市場に乗った。この市場においても、高性能、高能率の加工を求められており、可変静圧およびリニアモーター部門の仕様を有し、機上測定を実現したことが市場に認知された。」とした。また、半導体関連については、「セラミック業界は今後も引き続き、2019年も間違いなく伸びていく。」と好調ぶりを強調した。

伊藤技術開発本部長による特別講演は今回も多いに盛り上がった。
伊藤技術開発本部長による特別講演は今回も多いに盛り上がった。
 それぞれの担当営業マンが、「自動化への取り組み」、「多彩な平面研削盤ラインナップ」、「超精密円筒・内面への取り組み」について説明をした。

 伊藤 暁技術開発本部長による「“5G”で世の中が変わる ~新時代のオリンピック!! 最新技術で楽しみ方が変わる!!」をテーマにした特別講演は、激化する米中貿易戦争がもたらす日本への影響や、5Gで変わる産業構造、これからの技術と5Gの関連等を詳細に説明し、ものづくりの未来像を示す内容に聴講者も興味津々、メモをとる姿も多く見られた。

研削盤は日本のものづくりの最終工程を支える機械

力強いあいさつをする石井社長
力強いあいさつをする石井社長
 石井社長が閉会のあいさつをした。この中で石井社長は日頃の感謝の意を表したあと、「現状では、世界の工作機械業界での研削盤のシェアは約5%と言われているが、日本工作機械工業会の中で、研削盤が占める割合は、7~9%となっており、日本市場はより高精度のものが必要とされている傾向にある。研削盤は加工工程の最終を担う加工機であり、日本のものづくりの最終工程を支えている機械だと考えている。ぜひ皆さんと共に、研削加工の比率を高め、日本の高精度のものづくりに貢献したい。」との考えを示した。

 また、中期経営計画について触れ、「2016年4月から2019年3月に至る中期経営計画の『Mission GX』の最終年度に当たる。売上高320億、営業利益8%、海外販売比率60%を目指す。2年目の昨年は、売上高288億、営業利益20億を達成できた。」とし、最終年度の今期上半期実績について、「売上高157億9,200万円、営業利益は13億7,600万円、経常利益は11億800万円となった。前期比で売上高は20億5,000万円(15%増)営業利益5億7,900万円(72.5%増)。」と報告をした。

 また、同社の売上セグメント先期実績では、研削盤を中心とした工作機械が売上高288億のうち151億円(50%)。半導体製造装置が54億円(20%)。広島の関連会社である岡本工機が製造している歯車が54億円(20%)。Okamoto Thaiが製造してる鋳物が29億円(10%)となっている。岡本社長は、「先期より半導体デバイスの増産のために、300mmウエハーが伸びているのに伴い、弊社の半導体製造装置の売り上げも伸びており、売上の中に占める比率も高くなりつつある。」とした。

 地域別売上高の推移については、「今期上半期は、日本が52%と若干下がったが、今後も日本国内を伸ばすとともに、アメリカ、アジアを伸ばしていきたい。」としたうえで、売上高と、受注高と受注残高の推移について、「幸いに先期より高い受注高に恵まれて、2018年9月末での受注残高は296億円と、高い受注残になっている。上期の売上は、売上、営業利益とも、ほぼ数値目標の50%をカバーしている。数値目標、売上高320億、営業利益26億円は、ぜひともクリアしたい。」と期待感を滲ませた。
 
 同社の生産は本社安中工場をマザー工場として、タイ、シンガポールに拠点を有しており、中国でも2年前から生産を開始している。販売拠点においては国内10拠点、海外では、北米、欧州、中国、タイ、シンガポールに販売拠点をグローバルに設けている。「安心して全世界に販売をしていただきたい。」と万全体制だ。

懇親会で親睦を深める

業界のトレンドを話す渡邊営業本部長
業界のトレンドを話す渡邊営業本部長
 場所を移して懇親会が開かれた。冒頭に渡邊哲行 取締役常務執行役員営業本部長が日頃のお礼を述べたあと、「先月は政府も戦後の最大の回復・拡大局面となった。経済成長率は低いもののうれしいニュースと思っている。景気が上がってくると最初に増えるのは旋削関係だと言われていた。研削盤が最後に上がってくることもあり、研削盤が売れ始めると、そろそろ景気が落ちるなというジンクスが昔はあった。ところが、リーマンショック以降、比較的受注が好調に続いており、弊社の現状も受注が高水準に取れている。なぜ今、変わってきたかというと、研削盤は25年から30年、特に大型になるとそのくらいユーザー様に使われる。研削盤が金型業界、工作機械業界等に要求される精度が非常に厳しくなってきており、更新需要が増えてくるという見方がある。また、半導体製造装置ならびに半導体業界が工作機械の波と一緒に上がってきている。装置に使われるための新素材がどんどん出てきている理由もあるようだ。今後は電子部品や半導体も変化していくだろう。」旨を述べた。

 乾杯の発声を岩崎逸三 共和工機会長が行った。懇親会は抽選会が行われるなど和やかな雰囲気の中で、参会者は親睦を深めた。宴もたけなわの頃、散会した。

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