ナガセインテグレックス 新技術が詰まったコンテンツを充実! ~全てはお客様のために~ 

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NSF-440WS

 新型コロナウイルスの影響から、主力展示会が国内外を問わず中止となり、開発新製品のお披露目をする機会がめっきり減ってしまったが、ナガセインテグレックス(社長=長瀬幸泰氏、本社:岐阜県関市武芸川町跡部)は、超精密加工を極める加工現場の〝お役立ち情報〟の発信を目的として、動画コンテンツを充実させている。現在、様々な産業が停滞している中においても、期待が高い分野に5Gを背景とする半導体産業が挙げられるが、ここで必要とされるのは、ナノメータの面粗さ、サブミクロンの形状精度を実現させる超精密加工を実現させるマシンである。

 今回、長瀬社長に、動画コンテンツを充実させたいきさつや、今後の展開についてオンラインにてお尋ねし、同社の最新技術についても掲載する。


NAGASEクオリティーを知って頂きたい

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リモート取材に対応する長瀬社長(左)と営業企画室の安澤さん

 ―6月下旬に公開した、研削面のたたき目や、ビビリ目、砥石寿命の低下などにポイントを絞った「バランスベクター」編を拝見しましたが、加工現場にありがちな課題を挙げている点が分かりやすいと評判です。コンテンツの充実を図った経緯を教えてください。
 長瀬 
現在、営業担当者が直接お客様にご訪問させて頂くことができず、補う手段としてコンテンツの充実を図りました。堅苦しくなく、お客様に楽しんで見ていただけるような動画の作成は全て社員が制作したものです。NAGASEのクオリティーを知って頂くためのコンテンツは、業者任せではなく、自分たちの力で構築したいという社内の意気込みもありました。

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ナレーションを担当しているコミリーちゃんの声が可愛い!

 ―バランスベクター編に出てくるキャラクターのコミリーちゃんが気になります。
 長瀬 実はナレーションのコミリーちゃんは社員です。細かいところまで全て社員が制作しました。
 ―動画では、他にも「NSF-440WS編」、「パワーツルアー編」と続くようですが。
 長瀬 ここから先は、NAGASEならでは! という動画が続きます。他社にはない切り口と機能、精度などを開示するので、誰でも見られる状態ではなく、きちんとIDとパスワードを取得して頂いた方だけに見ていただける特別なものになります。
 ―IDとパスワードを取得するために準備することはありますか?
長瀬 入会費・年会費無料の『NAGASE PREMIUM CLUB』に入会して頂ければ見られます。このクラブは、「ものづくり魂」の交流を目的に、超精密加工の原理や知識を学ぶ機会を提供しているものです。会員になると、年1回程度の技術情報誌『INCREDIBLE CONCEPT』を無料配布、セミナーや情報交換懇親会へ招待が受けられるなど、他にも数々の特典が受けられます。今年に入ってからは、新型コロナウイルスの影響で、会員様には従来のような特典をご提供できなかった部分があるので、今回の動画で充実させていきたいと考えています。
 ―今年はコロナ禍の影響で、世間では営業スタイルや勤務スタイルも変化が見られました
 長瀬 IT関連企業は事務所を閉鎖し、100%在宅という企業も出ており、これも世の中の流れかもしれません。Web会議などは、効率が高く移動時間を実務に使えることができるメリットがあり、有効活用できますが、あまりにも極端なWeb化、IT化については、考えるところがあります。
 ―工作機械はものをつくる元ですから、秘密も多くあろうかと思います。部署によりますが、万が一、重要なものが流出してしまったら、という心配に対してどうお考えでしょうか。
 長瀬 やはりいくらシステムが進んでいても、Web会議の内容によっては念には念を入れなければならないと感じています。システムには録画機能もあり便利な一方で、例えば、遠距離のお客様とWeb会議でそれぞれの場所でつないでも、もしかすると画面に映っていないところで、どなたかがいらっしゃるかもしれません。現地にいる営業マンを配置するなどして本社とWeb会議を実施するなど、Webシステムだからこそ気を遣わなければならないことが出てきます。今後はこうしたニーズを反映し、システム会社による安全な会議が実行できるための新たなビジネスモデルが出てくるのではないかと期待をしております。
 ―最近、Web上で製品などを見せるニーズが増加していますが、相手先のWeb環境によって見え方が変わってくる場合があると思います。
 長瀬 
実際に加工をしたワークや、非常に詳細なデータを見て頂きながらご説明するとなると、設備をしている機器も含めて、Web設備環境によっては見え方が違うなどの課題があると感じています。これらの解決に向け、先ほど申し上げたとおり、新しいビジネスチャンスやビジネスモデルが近い将来出てきそうだと期待をしているところです。例えば加工したようなワークを、あたかも実際に人間の目で見るようにしたければ、相当な高解像度の良いカメラが必要になるでしょう。しかし、そういったものはデータ量が多いうえ、膨大なデータを常に通信で送らなければならず、そうなると大容量のデータを速く送る5Gが非常に有効になってきます。そのうち、5Gが当たり前になったときに、〝本当に5Gでいいの?〟と、6G、7G、8Gなども出現しそうで、新しいビジネスチャンスがどんどん出てくる予感がしています。
 ―5G向けやDC向けの需要増で半導体業界の期待値は高く、通信機器の発展は超精密機械を製造している貴社にとってもチャンスですね。
 長瀬
 弊社は世の中が変化したときに強みを発揮する会社です。ブラウン管から液晶テレビへ、蛍光灯からLEDランプに変化したときのように大きな変化が起きると、ありがたいのです。近年急速に進んでいるデジタルを利用した変革により、社会構造自体が変わっております。それに伴い、必要な機器が新たに開発・商品化されていくのは、私たちナガセインテグレックスにとっては、ありがたいことで、お役に立つ仕事をしていかなければならないと感じています。現在、NAGASEならではの加工システムを意識して着々と仕込んでいるところです。

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他社にはない切り口と機能、精度などを開示。まさに技術の玉手箱!

 ―今後の展開を教えてください。
 長瀬
 他社にはない、新しい概念の提案を含め、NAGASEならではの〝とがった商品〟をご提供していきたい。実は30年ほど前から、〝NAGASEの常識は業界の非常識〟といわれつつ邁進してきましたが、超精密加工の原理原則で考えると、今ではそれが業界の常識になりました。すでに30~40年前からご提案し、新たに開発してきた技術でしたが、だんだん常識化して今日に至っております。より当たり前の技術、当たり前の商品として、市場に正しく提供していきたい。超精密加工分野においては、我々が常々申し上げていた風潮に変わってきましたが、資本主義社会の常として、うちもできますよ、うちも前からやってましたよ、というような、〝いわゆる市場〟にもなってきます。やはり、そこは本質をずらさず、超精密加工とはどういうものか、真の生産性向上とは、という問いかけについて、正しい適切な商品のご提供を実施していかなければならないと思っています。
 

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