イスカルジャパンが「2019UTS(ユーザーテクニカルセミナー)」を開催 ~高生産性によるコストダウンと成功事例を紹介~

 イスカルジャパン(社長=岡田一成氏)が6月7日、同社神戸テクニカルセンター(神戸市中央区港島南町)で、「2019UTS(ユーザーテクニカルセミナー)」を開いた。

 同社は毎年、高能率加工が実現できる新製品を開発して顧客に紹介をしており、好評を博しているが、今回は6年ぶりにテーマを“LOGUQ(ロジック”に一新。昨年開催されたJIMTOF2018では、さらに高能率、高生産性により加工のコストダウンを実現するイスカル最新工具シリーズとして大々的に発表している。今回のUTSでは、大注目の“LOGIQシリーズ”を中心として、最新イスカル工具と特殊複合ツールの紹介とデモンストレーション並びにユーザーのユーザーによるイスカル製品の具体的な成功事例を紹介した。同社では、「コストダウンと生産性向上を通して、生産性、収益アップのヒントに繋がるものと確信している。」としている。

ユーザーが発表することでより信憑性の高い豊富な事例が特長

 岡田社長はあいさつの中で、UTSセミナーの目的を「イスカル工具を通じての情報交換の場としてユーザー自身で成功事例を発表していただくことにしている。通常メーカーのセミナーというと、商品や事例の紹介が一方通行になりがちだが、ユーザーに発表していただくことにより、このセミナーの事例が加工に皆様の参考になるものと確信している。」と述べたあと、イスカル社と同社の拠点があるイスラエルとイスカルジャパンについて説明した。

 岡田社長は、「イスラエルは中東の国で、石油も出ない資源も少ない人口800万人ほどの小さな国。イスラエルの言葉に“神はアラブに石油を、ユダヤに知恵を与えた”とある。このように小さな国イスラエルの資源は、なにか――というと、知恵。つまり独創的なアイデア。イスラエルDNAは現状を良し、としない発想と技術、製品の開発力だといわれており、労働人口1人当たりのエンジニア数は、1万労働人口当たり140人を超え、米国の80人レベルを遙かに上回り、世界1位となっている。今日ではIT分野、AI、サイバーセキュリティ、コンピュータサイエンス、バイオテクノロジー、製薬、農業技術などにおける技術革新をもたらし、米国のシリコンバレーにちなんで、中東のシリコンワディと呼ばれるに至っている。イスラエル発のテクノロジー、製品としては、CTスキャナー、USBメモリースティック、フラッシュメモリー、内視鏡カプセル、データセキュリティのファイアーフォール、最近では国産自動車メーカーも採用している自動運転画像認識のモービルアイ社もイスラエル発の技術となる。」と、イスラエルの現状について語った。

画期的なイスカル製品がズラリと並ぶ
画期的なイスカル製品がズラリと並ぶ
 「イスカル社は1952年にイスラエル北部の町ナハリヤで創業した小さな工具メーカーだったが、1978年にユニークなアイデア工具として世界初の自己拘束式突切工具セルフグリップの開発成功以来、毎年ユニークな新製品を多数、金属加工業界にお届けして現在、世界第2位の超硬切削工具メーカーに急成長してきた。」と岡田社長。この急成長の背景については、「我々の製品に対するお客様のご理解とご採用による成長及び機械加工業界におけるさらなる生産性アップのビジネスポテンシャルが高く評価され、2008年にはイスカル社は創業以来の一族経営から、世界トップの著名な投資家ウォレンバフェット率いる米国バークシャーハサウェイの傘下に入り、2013年には完全子会社化された。バークシャーハサウェイ社の強力な財政支援を受け、今後も工具メーカーとして思いきった製品開発を推奨し、成長を目指せる経営環境が整った。」と話し、1994年に開設されたイスカルジャパンが本年創立25周年を迎えることができたと報告し、感謝の意を表した。

 イスカル製品の基本コンセプトは、「イスラエル発のDNAであるユニークなアイデア生かしての“Fast Metal Removal(高能率加工)”」という岡田社長。具体的には、加工時間の短縮と機械の稼働率のアップにより大幅な生産コストの削減を実現することだ。生産コスト削減の実現のため、昨年10月に6年振りの新製品LOGIQシリーズ工具の発売を発表してから、継続した高能率加工工具を提案している。

 今回のセミナーでは、コストダウンと生産性向上を目的としたLOGIQシリーズを始めとする高能率加工をユーザーと担当者が詳しく事例を説明したあと、デモ加工を行った。

来場者も興味津々のデモ加工

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