【レポート】「JTF2019(ジェイテクト・テクニカルフェア2019)」を開催

 ジェイテクト(安形哲夫氏)が「Just for your best」をテーマに、11月13日(水)~15日(金)(10:00~17:00)の3日間、同社刈谷工場をメインに「JTF2019」を開催した。前日の12日には開催に先立ち、見どころなどを記者団に説明した。

 今回のプライベートショーは労働人口の減少、自動車産業の変革、AIの活用等、時代の構造変化に伴い、製造現場の方々への“困りごと”を共有しながら、具体的な解決策を提案するのが狙い。

ものづくりを時代に導くキーテクノロジー「TAKTICA(タクティカ)」

191126jtekt1説明する加藤常務 加藤信仁常務取締役(以下加藤常務)は、工作機械・メカトロ事業のコンセプトについて、「私どもは自動車産業に育てられて今日までやって来た。現在、あらゆる産業が変革を迎えている。ものづくりイノベーションカンパニーとして、3つのイノベーションを提供し、変革の時代において、お客様のものづくりに貢献したい。」として、方向性を次の通り述べた。

 (1)顧客の製品改革に貢献する「プロダクト・イノベーション」
 (2)ものづくりの効率化・省人化を促進する「スマート・イノベーション」
 (3)人の成長をサポートし、能力を最大化する「マネジメント・イノベーション」

 加藤常務は、「時代の構造変化が進んでいる。変化の中でイノベーションを実現し、ものづくりを次世代に導くために、私たちが持っているキーテクノロジーを『TAKTICA』と名付け、お客様に貢献したい。」と、新たな技術を打ち出した。

 ものづくりを次代に導くキーテクノロジーの『TAKTICA』は、次の意味を持つ。

191126jtekt2

 これらは、ものづくりを支える基盤技術“TEC”に、知能化“SMART”を加え、その先にある“BEYOND”までも技術でものづくりに貢献したいという思いが込められている。

 今回の「JTF2019」では、開発を進めてきた様々な『TAKTICA』をそれぞれの工作機械に搭載している。

自動化・知能化の進化で良品を出し続ける・止まらないシステム

191126jtekt2省スペースが魅力 今回の「JTF2019」の大きな訴求は、“自動化・知能化の進化で良品を出し続ける・止まらないシステム”。

 まずは、自立型研削システムのCBNカムシャフト研削盤「GC20S, GL32S + 壁掛け走行ロボット搬送システム」を拝見。マシンは、エンジンの小型化に対応し、高性能でありながら小型化を実現させることで工場スペースの有効活用に貢献している。具体的には、GC20S2台、GL32S1台の場合、フロアスペースを35%減、ラインスペースを21%減。同社によると、クラス最小のフロアスペースかつ、クラス最速のサイクルタイムを誇るとのこと。小型で高速・高精度のキモは、温度変化に対するロバスト性向上だ。熱変位を監視して寸法のバラツキを低減している。また、設備の自動化にも注目。今回、保全性が高いライン構築ということで、フレキシブル性が魅力だった。姿勢自由度の高い搬送装置「TRANSPIDER」は、姿勢自由度の高い多関節ロボットを使用しており、安全柵レスで工作物を窓越しに視認できた。

 参考出品の“進化し続ける自立型研削システム”は設備の知能化をアピール。研削理論や設備性能、熟練者のノウハウなど、知識の多様なつながりを表現し、最適な加工条件を導き出す。

191126jtekt3拡張現実で段取りをアシスト! 航空宇宙産業、輸送用機械、建機、エネルギー産業等の分野に活躍する同時5軸マシニングセンタ「FH630SX-5A + 立体パレットプールシステム」が展示されていた。魅力は、最短工具で高能率加工ができること。クラス最大工作物を柔軟に加工できることも同社の5軸加工機の強みだろう。量産型システムに最適とのことだ。

 ここで驚いたのは、AR(拡張現実)で段取り作業をアシストするというデモを行ったこと。参考出品だったが、治具/工作物と3D段取りデータをiPadに重ねて表示していた。段取り図がバーチャル指示で分かりやすい! 必要な情報と正誤がひと目で分かる仕組みなので、誰でも、素早く簡単に正確な段取りができる仕組みだ。

191126jtekt5 続いて、どんなギヤでも高能率複合加工ができるギヤスカイビングセンタ「GS200H + 協調ロボット搬送システム」を拝見。こちらは全ての工程をワンチャックで高精度加工するという高能率がウリだ。今回は参考出品だがオペレータの代わりに自動化対応をしているデモを見ることができた。ビジョンで工作物を識別し、ロボットが扉を開けて工作物を着脱している。ロボットは簡単に設置できるうえ、オペレータと同一エリアで作業ができる“安全柵レス”が特長。しかもロボット台車は手動で移動も可能だ。こうした仕組みは、休日時の生産対応や必要な時に設置して使用できるというフレキシブルさが嬉しい。

 他にも、いつまでもより良く使用できるために多彩なメニューを提案する「ライフサイクルサポート」や、ミニマムコストから始められる「JTEKT - IoE ソリューション」など見どころが豊富だった。