DMG森精機 増収増益・増配! 工程集約・自動化・デジタル化戦略が奏功

 DMG森精機(社長:森 雅彦氏)は、2021年12月期(1月~12月)の連結決算を発表した。

 同社の当期における業績は、売上収益3,960億円(前年度比21%増)、営業利益231億円(同2.2倍)税引前当期利益196億円(同3.8倍)、親会社の所有者に帰属する当期利益135億円(同7.7倍)となった。

 当期の連結受注額は期初から順調に拡大し4,560億円(前年度比63%増)となり、過去ピークの2018年度比で86%の水準まで回復した。2020年度より日本から展開した小規模商談会を2021年度にはグローバル展開し、工程集約、自動化・フルターンキー化、デジタル化が着実に浸透していき、同社戦略の中心となって成果を上げている。

 地域別では、日本が前年度比89%増、欧州が同104%増、米州が同51%増、中国が73%増、アジア他が同42%増と、全地域とも伸長した。産業別でほぼ全産業が好転し、なかでも、半導体装置、EV、宇宙関連、医療関連、金型関連向けの需要が大きく増加した。また、脱炭素化に向けた陸上風力・洋上風力発電関連の需要が出始めたほか、期後半からは民間航空機向け需要にも動きがみられるようになった。

 同社は、経営理念にもあるとおり、工作機械・独自領域・内製コンポーネント・周辺機器などのハードウエア及びソフトウエアと、加工システムの構築・高効率な加工プロセスの提案・保守保全・ファイナンスなどのサービスを組み合わせた最善の加工オートメーションを提供し、顧客の生産性向上に貢献することを目指している。本年1月には「DMG森精機製造株式会社」を設立し、伊賀・奈良工場の製造機能を分社して、同社グループの更なる企業価値の向上を目指すという。また、日本国内では、従来2拠点で行っていた工作機械の組立を伊賀工場に集約する一方、奈良工場を工作機械業界最大のシステムソリューション工場にしていく。海外ではエジプト・カイロでの工場建設に出資しているほか、天津工場の建屋の増設、上海近郊の平湖での新工場建設を進めている。

 一方で、同社は、「よく遊び、よく学び、よく働く」を経営理念に掲げ、従業員の健康な心身から生まれる活力が、企業の持続的な発展成長にとって重要な経営資源の一つであると位置づけ、有給休暇の完全取得や在社時間制限内での効率的な働き方を推進している。

 次期の見通しについては、受注の増加を見込んでおり、開発・製造・販売・修理復旧の各分野での活動を通じ、さらなる企業価値の向上に努めていく。その通期業績(連結)予想は、売上収益4,300億円、営業利益400億円、親会社の所有者に帰属する当期利益250億円を見込んでいる。また、次期配当金についても、1株当たり年間60円の配当を予定。なお、米ドルレートは110円、ユーロレートは130円を想定している。
 

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