日進精機が岡谷市21経営社研究会と交流

 

SDGsを視野に入れた活動 BtoBからBtoCも手掛ける

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社内を見学中

 最近では製造業もSDGsに向けた取り組みがトレンドだが、日進精機も新事業として生分解性プラスチック&バイオ素材エコグッズを販売している。伊藤社長によると、「生分解性プラスチックは、使用する際には従来の(化石資源由来)プラスチックと同様の機能を維持し、使用後は微生物の作用によって分子レベルで化学変化を起こし、最終的にCO2と水になって自然界へ循環していく。但し、難成形材料で流動性が悪く、射出成形機および金型構造や(成形の)条件出しに技術とノウハウの蓄積が必要となる。」と説明した。

 大樹生命のノベルティとして使用された生分解性プラスチック製タンブラーの原料はコハク酸由来のポリブチレンサクシネート(PBS)で、FDA(米国食品医療品局:Food and Drug Administrationの略称)の食品接触物質の届出であるFCN(Food Contact Notificationの略称)の認証などを取得している。来年の春には現在建設中の新工場にて、超臨界発泡射出成形技術(MuCell®)を用いた、ポリ乳酸由来樹脂(PLA)の薄肉成形(t=0.6mm以下)に挑戦する。 PLAは、トウモロコシやサトウキビなどを原料とする植物由来の生分解性プラスチックとして知られており、その生成から分解に至るまで、地球温暖化の原因とされる化石資源由来の二酸化炭素の量を増やすことがない。

 バイオ素材も地球に優しい。食品ロスに対する認識が高まる中において、同社では食物残渣にも目を光らせ、サトウキビやコーヒーの残渣などを練り込んだタンブラーなどを製作している。これらの食品ロスの削減やそれらの有効活用に貢献する同社の取り組みは、まさにSDGsの目標12にある「持続可能な生産消費形態を確保する」テーマに沿ったものであるといえよう。

DXにも邁進

230823top4 「不良品は絶対に出さない!」という思いのもとでDX化を推進している日進精機。

従来は外観検査の結果を手書きで記録用紙に記入していた。それを別の検査員が回収し、その後、電卓を使った手計算をし、さらにExcelに打ち込んで各種資料を作成していた。この工程だけでもかなりの時間がかかっていたが、今ではスマートフォンとクラウドを活用するに至っている。スマホに作業員がデータを入力するだけで資料が自動作成できる仕組みだ。文字入力はなく、選択式でロットナンバーや数量を入力してデータを送信するだけで即時にデータが反映される。また、過去30日分の検査結果がリアルタイムで工場内のディスプレイに表示されるようにもしており、検査メンバーも良い意味での緊張感と目的意識をもって作業にあたっている。

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