DMG森精機 年度連結受注5,000億円から5,200億円に増額修正!

 DMG森精機(社長:森 雅彦氏)は、2023年12月期第2四半期(1月~6月)の連結決算を発表した。

 当第2四半期連結業績は、売上収益2,495億円、営業利益226億円、税引前四半期利益197億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益149億円となった。

 当第2四半期の連結受注額は、前年同期比7.9%減の2,758億円となったが、期初想定以上の受注水準を確保した。5軸加工機、複合加工機などの工程集約機を中心に自動化、フルターンキー化、DX(デジタル・トランスフォーメーション)、GX(グリーン・トランスフォーメーション)を実現するMX(マシニング・トランスフォーメーション)への需要が引き続き堅調だ。顧客への付加価値提案力が向上し、機械1台当たりの受注単価が56.8百万円(2022年度平均:49.8百万円)へと大きく上昇したことが要因となった。また、連結受注の約20%を占めるサービス・補修部品の受注額も前年同期比15%増と寄与した。

 地域別受注は、前年同期比、欧州(構成比:52%)が5%減、米州(同:18%)が13%減、日本(同:12%)が15%減、中国(同:12%)が3%増、アジア他(同:6%)が22%減となった。産業別の需要は、宇宙、航空、医療、EV(電気自動車)、エネルギー関連が引き続き堅調に推移している。

 年度の連結受注見通しについては、当第2四半期の堅調な受注状況を踏まえ、期初計画の5,000億円から5,200億円へと増額修正を行った。機械本体の受注残高は、2022年12月末の2,540億円から、2023年6月末には2,820億円まで増加し、2023年12月末の受注残高は2,550億円程度を見込んでいる。豊富な受注残が引き続き来期以降の業績安定化に寄与するものと思われる。

 一方で同社は、5軸加工機での基礎から高度な加工まで幅広いトレーニングを提供する場として、DMG MORI ACADEMYを金沢、浜松で開所し、2025年にかけて、全国5か所に研修施設を新設する計画を進めており、今後仙台、岡山、福岡での開所を予定している。各拠点で提供する実機でのトレーニングとデジタルアカデミーを組み合わせることで、より効果的な教育を実現する。工程集約や自動機によるDX、省資源化を進めるGXの実現に向け、MXを推進するという。

 また、日本全国の高等専門学校と提携し、2023年8月より「デジタルものづくり実践講座」の提供を開始した。経済産業省の補助金により実現し、高等専門学校における最新の工作機械の知識や操作経験の不足に対応するものである。講義、自己学習、実習授業の3つの形式で構成され、学生が工作機械業界の現状と未来や切削加工現場で安全に働くためのコツを学び、実際に加工・自動化体験を行う。本講座を通して、将来の製造業を担う人材育成にも注力する。

 同社は、2023年から2025年を期間とする「中期経営計画2025」でも掲げられているとおり、工程集約・自動化・DX・GXにより、顧客へより付加価値の高い製品、システム、サービスを提供することを目指している。顧客の加工ニーズへのソリューションを一気通貫で提供できる企業としての基盤強化に取り組んでいく。
 

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