DMG森精機 通期営業利益率10%達成、「中期経営計画2025」好発進!

 DMG森精機(株)(社長:森 雅彦氏)は、2023年12月期(1月~12月)の連結決算を発表した。

 当期における連結業績は、売上収益5,395億円、営業利益542億円、税引前当期利益479億円、親会社の所有者に帰属する当期利益339億円となった。

 当期の連結受注額については、前年度比4.1%減の5,200億円となった。5軸加工機、複合加工機などの工程集約機を中心に自動化、フルターンキー化、DX(デジタル・トランスフォーメーション)、GX(グリーン・トランスフォーメーション)を実現するMX(マシニング・トランスフォーメーション)への需要が引き続き堅調だ。MXを中心とする顧客への付加価値提案力に加え、円安の影響もあり、機械1台当たりの受注単価が61.9百万円(2022年度平均:49.8百万円)へと大きく上昇。また、連結受注の約20%を占めるサービス・補修部品の受注額も前年度比16%増と寄与した。これらはMX戦略が顧客に浸透してきたといえる。

 地域別受注は、前年同期比、欧州(構成比:55%)が3%増、米州(同:21%)も3%増と、これら両地域が堅調に推移した。一方、中国(同:8%)が20%減、アジア他(同:5%)が17%減、日本(同:11%)が25%減となった。産業別の需要は、宇宙、航空、医療、半導体製造装置関連が堅調に推移している。

 2024年度の連結受注見通しについては、5,200億円を見込んでいる。機械本体の受注残高は、2023年12月末の2,470億円(2022年12月末:2,540億円)と高水準を維持している。豊富な受注残に加え、サービス、補修およびグループ会社など、安定収益部門からの売上が来期以降の業績安定に寄与する見込みである。

 また、同社は2024年1月に倉敷紡績(株)が保有する倉敷機械(株)を連結グループ化した。倉敷機械(株)のCNC横中ぐりフライス盤を同社の製品群に加え、高品質なアフターサービスやソリューションを提案できるエンジニアを確保する。このことは今後のMX戦略において非常に重要であり、倉敷機械とのシナジー効果を追求し、グループの持続的成長と企業価値向上に努めるという。

 一方、人材育成の面では、顧客に同社実機を用いた加工トレーニングを提供する場として、「DMG MORI ACADEMY」を浜松、金沢、仙台に開所し、2024年には岡山、福岡で開所予定となっている。また、高等専門学校生向けに5軸加工機など最新の工作機械の知識や操作経験を提供する「デジタルものづくり実践講座」および5軸加工技術の普及と高度専門技術者の地位向上を目的とした資格制度「5軸加工技術検定」の提供を開始した。今後も様々なコンテンツや制度の提供を通じ、将来の製造業を担う人材育成を支援する。

 同社は、「中期経営計画2025」(2023年~2025年)にもあるとおり、工程集約・自動化・DX・GXにより、顧客へより付加価値の高い製品、システム、サービスを提供すること、またそれらを通じて地球環境保護にも貢献するとともに、MX戦略による持続的成長をめざし、顧客の生産性向上とサステナブルな社会の実現に邁進する。

 次期(2024年12月期)の業績見通しについては、開発・製造・販売・修理復旧の各分野での活動を通じ、さらなる企業価値の向上に努め、売上収益5,400億円、営業利益570億円、親会社の所有者に帰属する当期利益350億円を見込む。また、年間配当金は100円/株と連続増配を予想している。なお、米ドルレートは140.0円、ユーロレートは150.0円を想定。
 

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