DMG森精機 伊賀事業所 第3精密加工工場 稼働開始 ~大物鋳物部品の切削、研削加工に対応~

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第3精密加工工場 外観


 DMG精機は、このほど同社グループ最大の生産拠点である伊賀事業所に、工作機械のベット・コラムなど、大物鋳物部品の加工を行う第3精密加工工場の稼働を開始した。

 伊賀事業所では、これまで2棟の精密加工工場にて内製部品の加工を行っていたが、今回新設した第3精密加工工場は5軸・複合加工機の需要増加による大型高精度・高品質部品の生産増加への対応や、内製化および工程集約による品質向上、生産性向上をさらに推進するのが狙い。

 同社は、製品の品質向上、開発から生産までのリードタイムの短縮、需要の好不況の循環に左右されない製品の安定供給などを目的に、かねてより主軸やボールねじ、タレットやATC、スケールなどキーコンポーネンツの内製化を促進してきた。2023年から開始した「中期経営計画2025」においても、グローバルで安定的に製品を供給できる体制の強化を目標としており、精密部品の内製化にグループ内で生産する最新の工作機械や周辺技術、デジタル技術などを導入できることが同社の大きな強みとなっている。

 第3精密加工工場では、同社フロンテン工場(ドイツ・バイエルン州)で生産された超大型5軸加工マシニングセンタ「DMU 1000 SE」を3台導入し、同社の工作機械に使用するベット・コラムなど大物鋳物部品の加工を行う。現在2台目の設置が完了し、5月から本格稼働する。

 2025年に導入予定の3台目には研削仕様を追加し、これまで他社製の専用機で行っていた研削工程の工程集約を自社製の機械で実現する。従来使用していた、他社製の大型5面加工機5台と大型研削盤4台の合計9台を、同社製の「DMU 1000 SE」3台に置き換えることで工程間のワーク搬送や段取り替えの時間や加工時間が短縮される。

 また、機械台数の削減に伴う中間在庫や工場スペースの削減によって、GX(グリーン・トランスフォーメーション)につながる。同社はMX(マシニング・トランスフォーメーション)を推進しており、DXを用いて工程集約、自動化を積極的に促進し、GXを実現する同社拠点は、訪問する顧客に対し、具体的にMX導入について体感できるショールームの役割も担っている。

■第3精密加工工場 概要
 所 在 地 : DMG森精機株式会社 伊賀事業所内 (三重県伊賀市御代201)
 建築面積: 5,698㎡(延床面積5,616㎡)
 建屋構造: 地上1階
 操業開始: 2023年8月 建物完成、2024年5月より本格稼働
 総投資額: 約25億円(建物)、約30億円(機械)
 生産内容: ベット・コラムなどの大物鋳物部品の切削・研削加工
 生産能力: 年間約14,000トン分の鋳物加工(DMU 1000 SE 3台導入後)

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導入された2台の超大型加工機「DMU 1000 SE」


 

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