黒田精工がユーログループと提携・北米に合弁会社設立

黒田精工(社長=黒田浩史氏)がこのほど、世界的ラミネーションメーカーであるユーログループと世界的規模で提携したと発表した。

これにより、同社がユーログループに対して金型の提供および当社独自の型内積層技術を供与する一方、同社およびユーログループの世界的製造・販売ネットワークを使ってグローバルにラミネーション製品(モーターコア等)を販売していくことになる。また、ユーログループの全世界のラミネーション拠点における金型の保守サービス等を当社が提供することも今後検討するとしている。

提携の一環として、アメリカ合衆国テネシー州パリスに、モーターコア等のラミネーションを行う合弁会社(Eurotranciatura U.S.A., LLC)を設立。当該合弁会社への出資比率は、当社10%、ユーログループ90%となる。当該合弁会社は新たに工場を設置するのではなく、米国のコンプレッサーメーカーの既存のラミネーション部門を買い取る形とし、既に新体制の下で操業を実施している。売却元のコンプレッサーメーカーへの部品の供給は、ラミネーション部門の買い取り後も長期契約に基づき継続し、これが合弁会社のベース事業となる。同社およびユーログループの北米における顧客に対する製品の供給を合弁会社から行うことにより今後は合弁会社の規模を拡大していく計画である。

今回の合弁会社に対する出資に当たってユーログループの出資母体をEurotranciatura Mexico S.A. de C.V.とすることにより、米州でのもう一つの有力生産拠点であるEurotranciatura Mexico S.A. de C.V.とEurotranciaturaU.S.A., LLCとの有機的運営が可能となる。同社は従来から、金型およびラミネーション製品の製造販売を日本国内およびマレーシア・中国において展開しているが、今後世界的に成長が期待されるハイブリッド自動車等のエコカー向けモーターコアを始めとして、ユーザーの海外でのラミネーション製品調達の要請が高まっていることを受け、今回、提携および北米合弁会社の設立により、欧米を含む世界的規模での製造販売ネットワークを強化することを狙いとした。また、今後高効率モーターの製造のために、金型とラミネーションの技術の一層の連携と深化が求められる中、今回のユーログループとの提携で関連技術の更なる高度化を実現し、同社金型事業のビジョンである「高効率積層コアのスペシャリスト」を目指して更なる体制の強化に努めていくとしている。

<参考:ユーログループ(Euro Group)概要>
世界最大手のラミネーションメーカーの一つ、本社はイタリアのミラノ市。イタリアの他、ロシア、チュニジア、メキシコにラミネーション工場を有し、順送金型・他機能ノッチング・ブランキング等の各種工法による高速精密ラミネーションおよび積層ならびに高圧アルミダイキャスト・らせん巻き・溶接・接合・シャフト圧入等の周辺工程を手がけ、車載・空調用小型モーターから大型産業用モーターや風力発電機・ポンプ・トラクションに至る幅広い最終製品向けのラミネーション製品をグローバルに製造し販売を行っている。設計・工法で多数の特許を保有。中国においては2013 年に伊藤忠丸紅鉄鋼㈱と合弁でラミネーション製品の販売会社を設立し事業を展開している。傘下の子会社を束ね顧客に総合的エンジニアリングサービスを提供するとともに回転機械の設計・効率の技術的進化を目指す。
「EURO efficiency team 」をイタリアを本拠に形成。
グループ従業員は1200 名、売上高・利益等は非公開。

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