フランスから「水素化マグネシウムを利用した固体水素貯蔵技術」がやってきた!

110328マクフィー1パスカル・モーベルジェ 最高経営責任者(CEO)固体水素の貯蔵技術をリードするマクフィー・エネルギー社(McPhy Energy)は、日本の水素供給の分野でトップシェアを誇る岩谷産業と4キロの固体水素貯蔵ソリューションを提供することで合意した。

同社は、水素化マグネシウムを使った革新的な固体水素貯蔵技術を産業化、商業化することを目的に2008年に創立された。この技術は特に水素の商業利用、再生可能エネルギー市場に向けて開発されたもので特許の権利を所有しているが、これらは仏国立科学研究センター(CNRS)とフランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)がジョセフ・フーリエ大学との提携により培われた8年間の研究成果であるとしている。

システムの特長は、水素は水素化マグネシウムの形で貯蔵され、圧縮する必要がなく、その結果、安全で完全なリサイクル化が可能な水素貯蔵ソリューションとして高いエネルギー効率を得ていることである。

「昨年の国際水素・燃料電池展示展で岩谷さんと初めてお会いしました。そしてその1年後の今に契約の運びに至ったのです」と話すのは同社の最高経営責任者(CEO)のパスカル・モーベルジェ(Pascal MAUBERGER)氏。

岩谷産業の専門家は、初会合から契約までの1年間、仏国立科学研究センター、フランス原子力・代替エネルギー庁研究所(CEA)の研究施設を訪れ、マクフィー社のシステム評価を行ってきた。岩谷産業水素部門は「われわれは安全、安価、高い信頼性がある水素を供給し、今後日本が目指す水素化社会をリードする。マクフィー社が提供する水素貯蔵ソリューションはこのビジネスが抱える大きな問題に対して説得力のあるソリューションになる」としている。

「日本の水素事業をリードする岩谷産業が弊社の固体水素貯蔵システムを精査の対象に選んでくれたことは非常に名誉なことだと考えています。今回の出来事はダイナミックで最も重要な日本の水素市場に初めて進出することを意味しており、世界の有望市場で業界リーダーと共同しながらビジネスを勧めて行く弊社の戦略にとって重要なマイルストーンになるものです」(パスカル氏)

水素の貯蔵が抱える問題を固体水素で解決する

110328マクフィーここに水素が60リットル入っているエネルギーの媒体としての水素は、貯蔵の効率性、コスト、安全面を考えなければならないが、水素は産業への応用に際して通常、「気体」もしくは「液状」で貯蔵されており(宇宙機器の推進方法で知られる応用)、この2 つの貯蔵技術は、実際に使用するにあたって多大のエネルギー消費を必要とするなど数々の問題を抱えている。
たとえば、トラック輸送のために水素を35 Mpa (350 bar) に圧縮するには、ガスに含まれる全エネルギーの20%が消費される。液状での貯蔵は、さらにコストが割高になるなど、特に、水素の液化、保存、20 K液状で利用は、非常に複雑な手段と多額の投資を必要とするのだ。

「水素マグネシウム(MgH2) は、以前から知られているが、マグネシウム上での水素の吸着反応と脱着反応が非常に遅いため、その利用が妨げられていました。今回、国立科学研究センター(CNRS) と弊社 の共同研究により、水素のコンテナからの出し入れ作業のために必要な時間を数時間単位から数分単位に短縮することができ、さらに貯蔵タンクの設計により、エネルギーの減少を最小限におさえた作業が可能になりました。安全でシンプル、コンプレッサも不要になるのでコスト削減にもなります」(パスカル氏)

マクフィー社が開発したモジュール設計の貯蔵タンクはエネルギー効率の水素貯蔵が可能になる画期的なシステムである。

同社では圧縮無しのコンテナシステムで、1~60kgまでの商品ラインナップを提案している。