三菱日立ツールへ 日立ツールが臨時東日本日立ツール会を開催

日立ツール(社長=田中啓一氏)が3月4日、ホテル日航東京で東日本の特約店・代理店を対象とした「臨時東日本日立ツール会」を開催した。

昨年、三菱マテリアル(社長=矢尾 宏氏)は、日立金属の子会社である日立ツールの株式の51%を取得し、日立ツールは本年4月1日付けで三菱マテリアルの連結子会社となると発表したが、これに合わせてこのほど日立ツールの社名を三菱日立ツールに変更し、増田照彦 三菱マテリアル常務執行役員 加工事業カンパニープレジデントが社長に就任する人事を発表している。田中啓一 日立ツール社長は退任。

合併後も技術開発に注力

業績見通し報告をする田中 日立ツール社長
業績見通し報告をする田中 日立ツール社長
田中社長があいさつ並びに業績見通し報告を行った。この中で田中社長は、「4月1日より当社は三菱マテリアルとの合併により会社名が三菱日立ツール株式会社となる。市況は消費税率引き上げの影響から国内は悪化がみられたものの海外経済の回復・円安・原油価格下落などにより緩やかな回復を示した。当社においては、『Hi-Pro2』のコンセプトのもと、AJコート等の新商品を軸に積極的な営業展開を図り、売上高は前事業年度比3.0%増の見込みだが、物流センター設立等により営業利益は0.2%減の見込みとなる」と説明した。

「合併後も開発技術に注力していく」と延べた田中社長。使用していたロゴマークは社名をいれずに引き続き使用するとした。また、2015年中期計画の骨子について、(1)グローバル対応(グローバル市場においてニッチトップ戦略を展開〈金型・難削加工分野〉)、(2)新製品開発の加速及び生産技術の強化(素材・形状を再強化)、(3)営業の強化・売り方の変革(①エンドユーザー重視の仕組みの構築と実行、②海外拡販を睨んだ人材配置、③ソリューション営業:ツール版ソリューションセンターの開設)、(4)固定費削減――とした。

田中社長は、「今後は三菱グループの中でわれわれの強みを活かしていくと信じている」と述べた。

メイドインジャパンのものづくり力を国内外に発信

あいさつする次期社長の増田 三菱マテリアル加工事業カンパニープレジデント    
あいさつする次期社長の増田 三菱マテリアル加工事業カンパニープレジデント    
続いて、4月1日より三菱日立ツールの社長に就任する増田照彦 三菱マテリアル 常務執行役員 加工事業カンパニープレジデントが、「18才で東京に出てきて22才で三菱金属に入社し、それから40年が経った。工場で10年、営業で20年、本社関係で10年の合計40年。22才から超硬工具一筋でやって来た。当時は大井町に東京製作所があった。そこで超硬工具のつくり方を聞いた。ダイヤモンドに次ぐ硬さのタングステンをコバルトに包んで――という部分に超硬合金の魅力を感じた。会社の中では優秀なタングステンにあたる人がたくさんいる。秀でた人を包み込んでネットワーク化して、他に代わる者がいない存在感のある人間になりたいと思った」と自己紹介後、商流について触れた。それによると、①海外は日立ツールが進出していないところは協業する、②国内は日立ツールの強みを活かした取り組みを強化する――とした。

最後に増田 三菱マテリアル常務執行役員は、「ともに夢を見ながら、三菱も日立もない、メイドインジャパンのものづくり力を国内外に発信したい」と力強くしめくくった。

続いて日立ツールが提唱する加工方法『Hi-Pre2』及び新製品について、赤松猛史 日立ツール 成田工場 開発センター長が説明をした。

『Hi-Ptr2』はHigh Precision Pre-finishingの略である。加工全体の最適化に注目したもので、“機械加工だけでなく、磨き・調節まで含めたトータル工程でメリットを出そう”というコンセプトのもと、加工精度を考慮し、トータルの時間を短縮する狙いがある。高付加価値商品による加工方法の改善・提案を行う。

このコンセプトにのっとった新製品『AJコーティングシリーズ』は、高いAl含有の新コーティング膜で、新素成系の採用と結晶組織を適正化することにより、耐摩耗性と耐チッピング性を改善している。また、耐溶着性に優れた低摩擦のコーティング最表層を採用することで被削材の溶着が低減し切削抵抗が低下、これらにより工具の超寿命化を実現し、次工程の負荷が低減できる商品である。

第二部の懇親会は坂井俊司 NaITO社長による乾杯の発声でスタートした。

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