不二越が高性能SGタップシリーズに新ラインナップを追加

タップシリーズ
タップシリーズ
不二越(社長=本間博夫氏)が、タップ市場の拡大を受け、このほど高性能SGタップシリーズに新ラインナップを追加した。

自動車、電機・電子、航空機産業などの世界的な需要の拡大に伴い、タップの世界市場は2010 年対比で約1.3 倍の成長を示し、今後も、さらなる伸張が見込まれている。一方、加工現場では、コスト削減に向けたタップの長寿命化や、生産効率アップを目的としたサイクルタイム短縮など、多様なニーズが高まっている。このような背景のもと、同社ではタップ新シリーズの市場投入をした。

これまで同社は、高精度で高効率な穴加工を実現する超硬ドリル「アクアドリルEXシリーズ」を拡充し、高い評価を受け、ドリルのマーケットシェアを拡大してきた。ユーザーからは、穴加工の次工程となる“めねじ”加工でも、新たなタップの開発ニーズが高まり、当社は、今年3 月に、タップ新シリーズとして、高級粉末ハイスとSGコーティングを施工した高性能「SGタップシリーズ」と高バナジウムハイスと高剛性設計を採用したコストパフォーマンスに優れた汎用長寿命「Nタップシリーズ」を市場投入、好評を博している。

また、薄肉止まり穴加工など、有効ねじ長を確保したい用途に対応するため、新たなラインナップとして、「SGスパイラルタップ ショートチャンファ※」を新たに発売。これまで、加工が難しいとされてきた薄肉止まり穴へのねじ加工を容易にすることで、加工現場の生産性向上とコストダウンに貢献していくとしている。

※ショートチャンファとは
タップ先端の斜めに切り取った部分(チャンファ/食付き)を短くしたもの。一般的なタップの食付きが、ねじ2.5~5 山分なのに対し、ショートチャンファは1.5 山分。薄肉(ねじ穴底部に余裕がない場合)などに用いられる。

新製品の概要

(1)狙いの市場
自動車・自動車部品、航空機など、量産加工、難削材加工ユーザー。

(2)特長
① 薄肉厚と有効ねじ長の確保の両立
アクアドリルEXフラットと併用することで、薄肉止まり穴加工時の肉厚部を最小限に抑えつつ、SGスパイラルタップ ショートチャンファで有効ねじ長を最大限にし、薄肉厚と有効ねじ長の確保を両立。部品の軽量化などに貢献するとともに、従来、ドリルによる下穴加工後に必要だったエンドミルによる座ぐり加工を省略することで、工程集約・コストダウンを実現。

② 最高峰の長寿命
不二越独自の高級粉末ハイスとSGコーティング、および食付き形状の最適化により、切削抵抗が大きくなるショートチャンファでも、他社同等品に対して、加工穴数が約1.3~1.6 倍となり、長寿命化を実現。

③ ねじ加工の安定化
刃先、溝形状の最適化により、高剛性と切りくず排出性を両立。切削速度の変化による加工状態・切りくず形状の変化が少なく、安定加工を実現。被削材、加工機械、広範囲な切削条件で、優れた性能を発揮。


寸法範囲:M2~M24 全26サイズ
参考価格:代表型番 M6(並目) 全長 62mm 2,440 円/本(税抜)
代表型番 M24(並目) 全長 120mm 24,400 円/本(税抜)

同社では2016年度のタップ全体売上高 12億円を目指すとしている。

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