【注目のマシン】キタムラ機械が5年の月日を費やし開発した大型同時5軸制御立形マシニングセンタ「Mytrunnion―7G」がいよいよ発売! 

 キタムラ機械(社長=北村彰浩氏)が、創業1933年以来、80年以上の工作機械製造の集大成として、このほど5年間の開発期間を費やした新製品・大型同事5軸立形マシニングセンタ『Mytrunnion(マイトラニオン)―7G』の販売を開始した。

 「マイトラニオンは1、3、4G、5と4機種ありますが、今回開発した『Mytrunnion―7G』はテーブル径が1000mm。従来テーブルが630mmだったのが一気に1000mmになりました。ワーク最大径は1170mm。大きくても動きが遅いわけではなく、高速軸送りを可能にした新しいテーブル機構も採用しました。フルストロークで位置決め精度がプラスマイナス2µ、繰り返しが±1µ、これをフルストロークでやるという画期的なマシンです」と北村社長。

 同社が1984年に発売して以降、今日までFMCとして最大の800セット以上の納入実績がある同時5軸制御横形多面加工FMC『Mytrunnion(スーパーセル)』シリーズといえば世界中の顧客から高い評価を博しているが、2002年に発売を開始した同時5軸制御立形マシニングセンタ『Mytrunnion』シリーズは、テーブル径がφ120mmの『Mytrunnion―1』、同305mm角の『Mytrunnion―3』、同φ400mmの『Mytrunnion―4G』、同φ630mmの『Mytrunnion―5』に続き、今回発売するテーブル径φ1000mmの『Mytrunnion―7G』を加えたことにより、キタムラ機械の5軸制御マシニングセンタは全9モデルとなった。

大型同時5軸制御では稀な“全軸フルストローク”! クラス最大級の高剛性トラニオンテーブルでワーク最大径φ1170mm、最大重量2000kgを誇る

クラス最大級のトラニオンテーブル
クラス最大級のトラニオンテーブル

 30年以上にわたる5軸マシニングセンタの開発の歴史で培ったノウハウを集結して開発したこのマシンは、オーバーハングの少ない門形構造と5軸制御の傾斜軸を両端で支持するクラス最大のφ1000mmの高剛性トラニオンテーブルにより、ワーク最大径はφ1170mm、最大重量2000kgを誇る。大型加工物を5軸加工で高速、高精度、重切削加工を図りたい航空宇宙やエネルギー関連、大型金型など幅広い産業向けに開発したとのことだ。

 摩擦係数が小さく高加減速性に優れた高剛性摺動面構造は、大型機械では最高速の毎分50mの高速早送りを実現し、傾斜軸、旋回軸の5軸制御駆動部には、バックラッシが無く俊敏な高速軸送りを可能にした新しいテーブル機構を採用した。最大の特長は、大型同時5軸制御機では稀な“全軸フルストローク”において位置決め精度±2µ、繰り返し速度±1µを実現したこと。

 北村社長は、「切削工具も全部の角度で最適ではない。最適な角度で削るためにはテーブルで動くタイプが有利なんですよ。長時間にわたる高速高精度微細加工はもちろん、クラス最大出力の40kw、最大切削トルクN・mの主軸電動機と同社独自の4段変速ギヤ主軸による毎分12000回転の高速・高剛性主軸とで、アルミの高速加工からチタン、インコネルの難削材の大型加工物の複雑形状加工や高速重切削加工を実現します」と話した。

 新しいアイデアにも注目したい。作業性、操作性、接近性を図るため、正面、操作面、天井部の3方向が開放できるフレームレス自動開閉天井カバーにより、大型加工物の段取りが容易になり作業者の負担を大幅に軽減でき安全性を高めている。切削油を使うので、大抵の工作機械は密封され天井は開かないように出来ているが、大物ワークをテーブルに載せやすくするために上からもモノが入れられるように、という配慮があるのだ。

 また、制御装置には、『Machining Challenges―Simplified』(マシニングセンタを誰でも使えるものにする)使いやすさを追究し、演算処理能力を従来の25万倍、クラウド操作にも対応した、同社独自開発の第4世代CNC装置『Arumatik―Mi』を搭載し、従来にない大型5軸マシニングセンタの俊敏性を高めている。

 この俊敏性は、従来比5倍の演算処理速度と最大で従来比25万倍以上の512GBハードディスクドライブにある。プログラム加工時間が100時間を越す大容量のプログラムでも分割せずに一括処理が可能となるうえ、USBメモリーからも同様の直接運転も可能だ。また、クラウドからのプログラミング導入や複数台の同時稼動などインダストリー4.0にも対応し、生産設備のフル活用を可能にするという、まさに期待の制御装置なのだ。

ラクラク簡単操を説明する北村社長
ラクラク簡単操を説明する北村社長
 最新知能化技術である熱変位補正機能『IAC(インテリジェントアドバンスコントロール)』(2001年特許取得済)、加工の最適条件を探る切削監視機能『キタムラモニタリングシステム』、作業者が安心して5軸操作を可能にする衝突防止機能などを搭載し、スマホ感覚のラクラク簡単操作が実現したのも魅力的である。

 工作機械はどんどん進化している!

moldino_banner

 

 

intermole2024_大阪