DMG森精機が伊賀事業所に最新鋭超大型5軸加工機を2台導入

外観
外観
 DMG森精機が、このほど同社伊賀事業所に最新鋭の大型5軸加工機 「DMC 340 FD」を2台導入した。新たに「DMC 340 FD」を導入した伊賀事業所は、Industry 4.0に対応した生産体制を実現する最新鋭の設備を備えている。「DMC 340 FD」などの大型機と、ツールプリセッタやパレットプールなどの自動化システムを構築する周辺機器との間をネットワークでつなぎ、同社独自開発の組込みソフトウェアで制御して、工具や加工スケジュールなどの情報を一元管理している。

港での荷下ろし
港での荷下ろし
 「DMC 340 FD」は同社のグループ会社のドイツDMG MORI AKTIENGESELLSCHAFTのフロンテン工場で生産しているパレットチェンジャ付の大型5軸加工機で、ダイレクトドライブ技術を搭載した最高回転速度120 min-1のターニングテーブルを搭載しており、旋削とミーリングの複合加工が可能。例えば、5面加工機と立形旋盤を使用して別々に加工していたワークを工程集約し、「DMC 340 FD」 1台だけで完成することができる。

 主軸最高回転速度12,000 min-1*、最大出力52 kW*、最大トルク430 N・m*の主軸を搭載しており、航空機部品や船舶部品、工作機械ベッドなどの大物ワークを高能率に加工する。主軸最高回転速度6,300 min-1、最大出力44 kW、最大トルク1,550 N・m のギヤボックス主軸ユニット「5X-torqueMASTER」*も搭載可能である。

 機械構造には、高剛性の3点支持一体型ベッドを採用している。静的精度の経年劣化を抑制することができるため、5面加工機特有の煩雑なジャッキ調整作業の頻度を削減し、作業者の負担を軽減する。
*=オプション

伊賀事業所 据付の様子
伊賀事業所 据付の様子
 伊賀事業所では、5面加工機を使用していたが、5面加工だけでなく、同時5軸加工による工程集約が可能な「DMC 340 FD」を導入することにより、生産性が大幅に向上する。
従来の5面加工機は、カバー無しの設計で切りくずや折損した工具刃先が飛散する懸念があった。また、小径ロングやアングルタイプのアタッチメント主軸では構造上、最高回転速度の制約もあったが、「DMC 340 FD」は、フルコンプリートカバー設計により、安全面でも向上するとともに、従来機では難しかったセラミック工具を用いての高速主軸による鋳物の高速加工を行うことができるため、実切削時間を短縮できる。また「DMC 340 FD」は、傾斜ミーリングヘッドを有しているため、アタッチメント交換が不要で、60/30/40 m/min(X/Y/Z軸)の早送り速度による高速な工具交換と合わせて、非切削時間を大幅に短縮している。
機械性能の向上と非切削時間の短縮により、従来の5面加工機と比較した場合、トータルの加工時間を約49 %*削減することができた。

 日本国内で、「DMC 340 FD」が稼働しているのは同社の伊賀事業所のみとなり、実際の生産に使用されている設備機であると同時に、高能率・高精度加工を実際に見学できる展示機にもなっている。また、「DMC 340 FD」がドイツから日本に輸送され、伊賀事業所に据付されるまでのドキュメント映像は同社の動画サイトに公開している。

↓動画サイト↓
https://www.youtube.com/user/MORISEIKI

[ ] オプション
*1:DMC 340 Uの場合は10,000 kg
*2:チェーンマガジン工具 60 本収納の場合

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