〈年頭所感〉DMG森精機/オーエスジー/日立建機

「全世界においての市場シェアを拡大」
●DMG森精機株式会社 取締役社長 森雅彦

新年明けましておめでとうございます。

 昨年は、日本においては補助金政策が呼び水となり、老朽化した設備の高精度多軸化への更新需要がさらに高まりました。為替が比較的安定して推移したこともよい材料となりました。世界の各地域においては、10月頃までは順調に推移してきた需要動向も、欧州でのテロなどによる情勢不安、石油価格下落などが先行きの不透明感を強め、現在は踊り場的な状況にあります。

 当社は、2009年から業務・資本提携してきたDMG MORI AGと、2015年4月より連結グループとなり、合わせてIFRSの適用と決算期の変更を行いました。これまでDMG MORIとして、販売・サービスや製品開発を共同で行ってきましたが、さらに決算書においても一体となったことを社会や投資家の方にお見せすることができるようになりました。連結グループ化により、お客様との信頼関係や社員の一体感がより強まることを期待しています。

 7月には、伊賀事業所に世界最大となるグローバルソリューションセンタを新規開設し、それに合わせて開催した伊賀INNOVATION DAYS 2015では多くのお客様にご来場いただき、大変盛況な展示会となりました。

 1月に、奈良に新設したターンキー工場が稼動します。自動車を中心とするお客様のグローバル展開に迅速にお応えする体制を強化してまいります。また、ターンキー工場の完成により、全世界の工場のフロアスペースとしては18,000台が確保でき、建物の設備投資としては完了しました。本年は連結ベースでの社員の教育や米国におけるセールス・サービス会社の革新によって、2020年ビジョンにある売上高6,000億円の達成を目指してまいります。①共同開発により統合が完了した製品そのものにおける品質、②お客様仕様の周辺機器とオプションの品質、③組み込みソフトウェア品質の改良、を徹底的に行います。また、規模を生かしたサプライヤーとの新たな取り組みにより原価低減を継続します。このような取り組みで、為替変動や地政学的リスクの増大により、需要不透明感が高まる中で全世界においての市場シェアを拡大していきたいと考えております。

 本年も、世界中のお客様に、優れた品質の製品を最善の納期とサービスでお届けすべく、努力して参ります。変わらぬご支援、ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

「高水準の投資継続」
●オーエスジー株式会社 代表取締役社長 石川則男

 2016年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

 昨年の日本経済はアベノミクスの第3の矢が、消費税増税の停滞感を打ち破るには力不足の感もあり、伸び悩みました。それに加えて7月以降の中国経済の失速がアジア諸国の足を引っ張る形となり、日本ばかりか世界経済も強い足取りとは言えない1年となりました。しかしながら昨年12月16日に行われた米国FRBのゼロ金利解除は、米国経済の回復の強さの表れと受け止められ、好意的に捉えられると共に、2016年は世界経済の回復の年になるのではとの期待感を生みました。日本経済も企業業績の改善、賃金の持ち直しの効果が徐々に表れ、ゆるやかながらプラス方向に進むことに違いありません。

 そのような中、当社は中期的な展望に基づき、自動車産業、航空機産業向けの超硬工具事業の増産を図るために2016年も高水準の設備投資を継続いたします。特に日本で生産を行う高付加価値製品の能力を20%増強します。海外でも、メキシコ、インド、タイといった新興国への投資も継続し将来の需要増に備えたいと思います。不透明な時代ですが、スピードこそが対応力と考え、スピード経営を実践する2016年にしたいと決意を新たにしております。

 最後になりますが、日本経済の益々の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして年初のご挨拶とさせていただきます。

「期待以上の商品やソリューションなどを提供」
●日立建機株式会社 執行役社長 辻本雄一

 あけましておめでとうございます。2016年の年初にあたり一言ご挨拶申し上げます。
昨今の世界経済は、北米や国内のマクロ経済状況は比較的堅調なものの、中国経済の減速や資源価格の下落による資源国や新興国経済の減速、また、世界各地で発生しているテロや感染症など地政学的リスクも拡大しており、先行き不透明な状況が継続しています。

 建設機械市場をみると、国内では排ガス規制前の駆け込み需要の反動減、中国の需要の大幅減速、インドネシアをはじめとする東南アジアなど新興国市場の低迷、さらには鉱山機械需要のさらなる減速などがあり、また、好調だった北米や欧州の需要にも陰りが出るなど非常に厳しい状況となっています。
このような中、新しい年2016年を迎えましたが需要回復の兆しは見えず、さらなる減速も予想される状況です。

 しかし、10年20年の長い目で見れば、建設機械市場は必ず回復し発展していくものと確信しています。一方、市場のグローバル化はますます進展し、それに伴い、お客様や地域のニーズはますます多様化していくものと思われます。

 日立建機グループは、需要減速の状況の中、まずは足元をしっかり固めるとともに、日本をはじめグローバル市場において、お客様や地域のニーズを的確に反映し、製品開発、販売、サービス、レンタル、中古車事業等、建設機械ビジネスのバリューチェーンすべての分野を強化していきます。また、日立グループ各社ともさらに連携を深め、あらゆるシーンでお客様の期待以上の商品やソリューションなどを提供してまいります。

 最後になりましたが、2016年が皆様にとって平和で穏やかな明るい年であることを祈念しまして年初のご挨拶とさせていただきます。

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