AG社との統合加速 ~DMG森精機が2016年度第2四半期決算説明会を開く~

説明をする森社長
説明をする森社長
 DMG森精機(社長=森 雅彦氏)は、8月5日、2016年12月期 第2四半期(2016年1月1日から2016年6月30日)の連結業績について、東京グローバルヘッドクォータで森社長出席のもと記者会見が開かれた。会見は、テレビ会議方式で名古屋会場と同時に行われた。

 同社の第2四半期の売上収益は1853億2000万円、営業利益は34億800万円、税引前四半期利益は23億円4000万円となり、四半期利益は19億7300万円となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益が7億2500万円、四半期包括利益の合計額は△258億3700万円となった。

 なお、同社は2015年12月より決算日を3月31日から12月31日に変更しており、これに伴い、第2四半期(2016年1―6月)の比較期間を前年同期間(2015年1-6月)としている。また、昨年4月よりAG社を連結対象としており、比較期間の一部(2015年1-3月)にはAG社の数値は含まれていない。また、比較期間にはAG社を連結対象会社としたことにより発生したAG社株式評価差益(段階取得に係る差益)372億9600万円が含まれている。

 同社グループは、2016年4月6日にAG社の株式12,108,437株を追加取得し、持ち株比率は76.03%となった。グループの結束強化と経営資源の有効活用のために、同社連結対象会社であるDMG MORI GmbHとAG社との間でドイツ連邦共和国の法令に基づくドミネーション・アグリーメントの締結準備を進め、本年7月15日にAG社の株主総会で承認を得た。これにより工作機械事業を一層発展させ、企業価値の最大化に努めるとしている。

 同社の事業環境はソリューション提供の強化を推進するとしており、周辺機器パートナーとのオープンイノベーションにより生産設備のトータルソリューション提供を行っている。自社開発インターフェイス、ソフトウエアなどから収集する膨大な情報を解析し、同社が蓄積してきたノウハウと組合せ、顧客の加工をサポートする「テクノロジーサイクル」を充実させて全世界で開催される展示会やオープンハウスで紹介している。また、インダストリー4.0への対応も加速しており、社内工場の製造効率改善のために伊賀事業所をスマートファクトリーと位置付け、発注、作業工程、品質、在庫の管理体制の構築を進めている。

 製品開発については、最も競争力のある標準機「CMX Vシリーズ」の発表を予定している。この機種は全283種類におよぶオプションを標準化し、顧客の多様なニーズにカスタマイズができるうえ、テクノロジーサイクルの搭載も可能。今年9月から受注を開始する予定である。

 受注環境について、国内市場は、円高進行やユーザーの補助金待ちなどもあって、前半の受注力は強さを欠いていたが、7月に補助金が採択されたことで受注状況は回復した。下期にはJIMTOF2016の開催もあり、国内需要は堅調に推移すると見込んでいる。
 北米市場は、代理店ビジネスモデルから直接販売・サービスのビジネスモデルに変革を進めており、ほぼ北米全域が直販体制となる。現在、ソリューション提供も軌道にのりつつあり、北米受注は順調。
 欧州市場も底堅く推移し、イギリスのEU離脱問題はあるものの、需要は大きな混乱なく順調に推移する見通し。
 中国市場については受注が横ばいで推移しているものの、自動車産業向けの自動化設備が堅調となっており、中国の経済高度化の中でシェア拡大を推進していく。台湾、ベトナム、インドでの受注は健闘しているが、概ね底打ちしたものと考え、今後の回復を見込んでいる。

 同社では、今後も顧客ニーズに応える、より高機能で信頼性の高い、投資価値のある製品を市場投入していくとしている。

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