ここから未来が動きだす。~これが「JIMTOF2016(第28回日本国際工作機械見本市)」のトレンドだ!~

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 日本工作機械工業会と東京ビッグサイトが、本年11月17日(木)~11月22日(火)までの6日間、東京ビッグサイト全館を使用してJIMTOF2016(第28回日本国際工作機械見本市)を開催するにあたり、10月5日に都内のメルパルク東京で最終的な開催の概要、出展物の見所や傾向、会期中の公式行事予定、併催イベント、企画展示などについて発表した。製造現場ドットコムでは一足早く、会見の様子を含め、協賛団体が発表した業界の見所やトレンドを掲載する。

JIMTOFは工作機械関連の世界に冠たる見本市

161019top1石丸 日本工作機械工業会専務理事 石丸雍二 日本工作機械工業会専務理事は10月5日の会見上で、「JIMTOFは1962年に大阪で第1回が開催され、それ以来、今回で第28回目になります。この間にさまざまな編成を経て、今日では世界有数の工作機械技術ショーになりました。最近では工作機械関連に関してアジア各国をはじめ、さまざまな新しい国際展示会などが開催されていますが、それでもなおかつJIMTOFのレベルが世界に冠たるものがあるのではないかと自負しています。現在、世界の製造現場では、IoTを活用した生産体制、インダストリー4.0、あるいは第四次産業革命という流れにあるとおり、さまざまな新しい動きが始まっています。ITを存分に活用した繋がる工作機械などは、ひとつの新しい展開でありましょう。先だってシカゴで行われたIMTSでは、IoTや自動化、引き続きアディティブマニファクチャリング等の大きな展示がありましたが、自動化や複合化技術が新しい技術の潮流としてあると思います。工作機械はものづくりの基礎ですから、こうした新しい技術の開発の潮流に遅れずについていかなくてはならない。また、時代に先駆けて新しい技術開発を行っていかなければならないと強く感じる次第です。ノーベル医学生理学賞を受賞されました大隅良典先生のお話では、人がやっていないことをやるんだ、地味なことでも着実にやり続けるんだ、ということが大事であることを述べられました。工作機械の技術開発におきましても、日本は先駆けて世界がやっていないことをやる、目立たなくても着実にやり続けるんだ、という気概が、今後の日本の工作機械産業を支える非常に重要な要素であろうと強く考える次第であります」と述べ、今回のJIMTOF2016の開催にあたって、「新しい工作機械づくりの潮流を感じて頂ければ、と思っています。今回の展示会では、日本をはじめとする世界21カ国・地域から969社から出展を得ることができました。この規模はJIMTOF史上最大の5518小間になっています。ハイエンドマシン、先端テクノロジーを発信して、充実したサービスも提供していきたい。また、併催行事として、世界から工作機械関連の研究者・技術者が集う国際工作機械技術者会議や、各種講演・セミナー、また、企画展示の充実を図っていきます。恒例の学生を約600名、全国から集めて工作機械のトップセミナーを開催します。JIMTOFを機会にマザーマシンとしての工作機械の重要性を広く国内外に発信していきたいと思っています」と期待を込めてあいさつをした。

161019top2及川 東京ビッグサイト常務 続いて及川繁巳 東京ビッグサイト代表取締役常務が、「今回の開催テーマは、“ここから未来が動き出す”。キービジュアルでは、それぞれの歯車がメタリックな地球上を噛み合いながら回ることで、工作機械業界における日本と海外とのつながりと産業の発展を表現しました。また、“ここから未来が動き出す”のキャッチフレーズは、その繋がりと発展を実現するために、JIMTOFが行動を起こしていく、という強い姿勢を表しています。今回の開催規模は、これまでの全ホール加えまして今月に竣工する東新展示棟を利用した10万㎡の全館利用は初めてJIMTOFとして使用していくことになります。中でも、今回、海外からの出展社は増加し、全体の比率として約2割を占めます」と、述べ、目標来場者数については、「前回を上回る14万人うち、海外からは1万1000人ということを目標にしています」とした。

PR活動については、先日開催されたシカゴでのIMTSをはじめとして、9カ国、10の展示会で記者会見、PR活動をし、また、国内においても、主要な都道府県の行政機関や商工会議所等へ300件ほど協力の依頼をし、国内企業へのPRを実施した。さらに現在、フェイスブック、Twitter、公式のSNSを立ち上げ、情報発信を続けている。

及川東京ビッグサイト常務は、「より多くの方の来場意欲を喚起するため、充実した併催企画の実施や、商取引機会の創出の促進をします。人工知能に関する講演をはじめとして様々な魅力ある講演を予定し、商取引機会の創出策としては、マッチングシステムの完備に伴いジェトロ及び、東京都中小企業振興公社との共催で海外代理店バイヤー・代理店商談会の実施をいたします。また、来場された方々へのサービスの向上として、新設された第8ホールを活用して、レストラン、休憩所の拡大を図りました」としたうえで、前回に大好評だった『フードフェステバル』で、魅力的な食事場所を用意すると説明した。また、海外の出展社、来場者に向けたインターナショナルラウンジの開設をする。

各工業会の発表した見所とトレンドはコレだ!

(1)日本工作機械工業会
 JIMTOFのメインターゲットとなる国内市場をみると、老朽化設備の更新需要やものづくり補助金を始めとする各種政府支援策の後押しによって設備投資への動きが顕在化しつつある。出展各社とも、製造業の未来を切り拓く技術と製品を提案し、新たな産業革命を起こすべく、会場には生産性を高度に高める機会・機器、すなわち宇マートマシンとIoTを融合させた様々なソリューションが出展される。
 今回の出展動向は以下のとおり。

■IoT時代のものづくり
 あらゆるものがインターネットとつながるIoTや人工知能の発展を見据え、変革のキーワードとして「つながる工場」を意識。工場の生産ラインに設置されている工作機械やロボットがインターネットで接続され、稼働状況や加工プロセスを機械同士が通信し、製造工程を最適化する。また、つながった設備からのデータを収集・分析をする。最終的にはマスカスタマイゼーション(大量生産と同じ低コストによる、個々の顧客ニーズに合わせた多品種多量生産)に結びついていく。昨年開催されたEMOミラノ、本年9月に開催されたIMTSでも、IoTに関する出展が目を引いた。    JIMTOF2016でもその動向が注目される。

■付加加工(Additive Manufacturing)との融合
 生産プロセスに変革をもたらす新技術として3Dプリンタに代表される付加加工(Additive Manufacturing)技術が注目されている。付加加工には、①工作機械のような除去加工では不可能な形状を成形できる、②粉末状の金属をレーザー照射して溶かしながら積層していくので、原材料のロスが少ない等の優位性がある。反面、加工精度は切削加工に及ばない――という問題点もある。以前は切削加工のような除去加工と積層造形加工の付加加工は相反するものだと言われてきたが、最近ではこの2つを融合した新たな形態の工作機械が開発されている。切削加工と積層造形加工との複合化は、新技術として注目されており、前回のJIMTOFでもハイブリッド工作機械が出展されて話題となったが、今回はさらに進化した製品が見られることと期待されている。

■自動化技術の発展
 自動化技術は、これまで高度なセンサーやロボットを駆使して大きく発展してきたが、最近ではロボットを用いた自動化技術が注目されている。自動車業界を中心とした完全自動生産化の流れを受けて、生産工程にロボットを利用して各種作業を自動化する流れは今後も拡がっていくと予想。そのためにロボットを組み込むことを前提とした工作機械や人と協働するロボットが注目されている。JIMTOF2016でも新たな自動化技術が多数見られるであろう。

■5軸マシニングセンタ、ターニングセンタの進化
 これらの機械では、工程集約を行い、リードタイムを図ることができ、航空機、自動車、金型などの分野で多く使用されている。これらの工作機械へ歯車加工機能等を複合化したさらに進化した5軸マシニングセンタやターニングセンタの出展が期待される。

■最新工作機械技術の発信 ~第17回国際工作機械技術者会議(IMEC)の開催~
 工作機械技術の高度化が世界の製造業の発展に影響を及ぼすという重要な役割を担う工作機械の技術向上を目的として世界中から工作機械関連の研究者、技術者が集い、第17回国際工作機械技術者会議(IMEC)が開催される。
 11月20日(日)、21日(月)に「ものづくり革新の萌芽技術を探る」を総合テーマに、国内外の研究者・技術者から15の興味部会テーマについて講演が行われる。また、JIMTOF期間中、新しくできた東8展示ホールで開催されるポスターセッションには、国内外の研究機関から67にのぼる最先端の工作機械関連研究成果が発表される。11月19日(度)、20日(日)の2日間は各研究機関による研究内容プレゼンテーションも行われる。

(2)日本工作機械輸入協会
 今回のJIMTOF2016では、会員企業39者が471小間のスペースに最新の技術を導入した輸入工作機械・周辺機器・切削工具等を展示する。
 多様な輸入工作機械の中でも環境・省資源・省エネルギーに配慮し、アプリケーション・ソフトに優れた機械、高精度・高能率な多機能複合加工機、微細加工に適した高精密機械等を展示。また、高精密加工をサポートする、ソフトが充実した各種測定器、世界的に広く用いられているCAD/CAMシステム、複雑な形状の精密加工において、高速切削で長時間の使用を可能にする各種切削工具と工具研削盤、および多種多様な加工に対応した治具等、欧米の先端技術水準の高さを来場者に披露する。さらに工作機械分野で急成長をしているアジア諸国の製品も出展して、ユーザーの多様な要請に応えるようにしている。

(3)日本端圧機械工業会
 出展各社とも時代に合致した機械や技術力を提案し、来場する工作機械ユーザーにPRする。また、同会主催で来年7月開催の「MF-Tokyo2017第5回プレス・板金・フォーミング展」は「その先の未来へつなぐ、ものづくり」を副題とし、出展社を募集している。

(4)日本精密機械工業会
 日本のものづくり、ひいては世界の人々の安全・安心・文化的社会の発展に貢献する工業会として、「超精密 ソリューショングループ」を目指し「超精密へのあくなき挑戦」をテーマに東1ホールに23社175小間、西2ホールに2社(1社、東と重複)12小間、合計24社187小間を出展する。
 同工業会では、「JAPAN MADE」認証制度をスタートし、「日本でのものづくり」「日本製」を世界の市場でより強くアピールしていくことを決定し実施しているが、今回のJIMTOF2016では、「超精密ソリューショングループ」を目指すことを共通のテーマに掲げ、会員各社がそれぞれユーザーの要求を満たすべく、精度、効率、スペースなどを具体的に追求した多くの機械、機器を展示、実演する。また、「日本人の匠技」をテーマに開催した「ものづくりコンテスト」の優秀作品も同工業会主催者事務室前の東-1で展示する。

(5)日本機械工具工業会
 日本機械工具工業会は2015年6月、「わが国機械工具産業の健全な発展を図り、もってわが国産業経済の発展を寄与すること」を目的に、ともに1948年創立した旧日本工具工業会と旧超硬工具協会が統合し、発足した工業会である。今回のJIMTOF2016は統合後、日本機械工具工業会として初めての展示会となり、西1ホールに65社(アトリウム2社含む)・437小間の規模で展示される。機械加工にニーズはますます多岐に亘り、高度なものとなっている。会員企業は特殊鋼から超硬合金、CBN/ダイヤモンド等での最適材質の選定、最適形状設計、最適コーティングを駆使して世界最高レベルの機械工具の技術開発に務めているが、今回の出展製品はその技術開発の成果であり、加工現場の改善・進化に役立つものが並ぶ。各社のブースでは切削工具の実演、大型画面を通じて高精度、高能率化した出品物を来場者に間近に見学してもらうことで、来場者には機械工具メーカー各社のコンセプトを理解できるようにしている。さらに環境問題や高齢化社会に対するソリューションも提案する。
 なお、同工業会は出展68社が特に注目してもらいたい機械工具製品や素材を網羅した冊子「機械工具の見どころ」を提供する。西1ホールのアトリウムに工業会事務局ブースを設け、無料配布する。また、2015年5月に発刊した「切削工具の手引書」、2008年8月第2版発刊の「全面改訂版超硬工具用語集」をそれぞれ1,500円で有償配布する。

(6)日本工作機器工業会
 JIMTOF2016では、会員53社が西2ホールに420小間と過去最大の規模で最新の技術・製品を展示する。

 ■部分品
 ボールねじ、直線運動用案内は、近年の高速、高精度化の進展に伴い要求される機能も多様かしており、それらの要求に対応した製品(メンテナンスフリー、省力化、高剛性化、高精度化、軽量化、コンパクト化、低騒音化、環境対応化など)が出品される。スピンドルは小物加工に最適な小型高速回転のビルトインモータタイプのスピンドルなどが出品。また、工作機械や各種産業機械向けの軸受け、最新サーボモータ向けの軸継手(カップリング)、超薄型無励磁ブレーキ、高精度締結要素部品、ガイドを直接クランプし、ステージのブレーキ・一保持を行う製品なども出品される。

■工作物保持具
 チャックは治具交換を最大限に抑えた省段取り、高把握性の賞品、防塵対策により高耐久性を実現した製品、省メンテナンスに優れた製品、ユーザーの希望に沿って設計・会お初される特殊仕様の製品などが出品される。そのほか、アルミ・ステンレスなど非磁性ワークの吸着作業において、容易なセッティングを可能にした真空チャック、歪み撮り加工用電磁チャックが出品される。回転センタは、高精度高品質のローリングセンタ、各種用途に対応するカスタムメイドのセンタ類などが出品される。

■工具保持具
 高把握力、高バランス、小型化、スリム化等を実現したNCツーリング、焼ばめホルダ及び焼ばめ装置等が出品される。省エネルギー・環境対応をはじめ様々なユーザーニーズに応じるために開発された製品やマシニングセンタ、複合加工機の周辺機器技術などのトータルツーリングシステム化を図った製品、難削材加工用に開発された製品、高機能ツールプリセッタなどが出品される。

■付属機器
 割出アタッチメントは、高精度、高速回転、高剛性、高クランプ力、コンパクト化など多様化するユーザーからの要求に応じた各種CNC円テーブル、高精度、多機能化、高耐久性を実現した精密マシンバイス、ワーククランプ等が出品。また、工作機械の温度管理に対する多様なニーズに応える液温自動調整機、機械が使用される環境と条件に適した給脂を実現するオイル潤滑装置、クーラントユニットを集結したユニット型クーラントポンプ、治具パーツ、各種カバー、ミスト除去装置、集塵機等が出品される。

(7)日本精密測定機器工業会
 同工業会は第一回目のJIMTOFから協賛・出展しており、今回は西3ホールに会員24社より163小間の規模で展示する。3次元座標測定機、表面粗さ測定機、輪郭形状測定器、真円度測定機の他、ノギス、マイクロメータ、ダイヤルゲージ、ねじゲージなどのスモールツールなど最新の測定機器を多数展示する。搬送ロボットと速的機器とを接続した自動化設備やものづくりのIoT化に対応するシステム等の展示も行う。

(8)研削砥石工業会
 研削砥石の総合メーカー、専門メーカー10社が西ホールに57小間の出展。

(9)ダイヤモンド工業協会
 砥粒メーカー、工具メーカーなどの会員各社が最新の技術を駆使し被削材に対応下ダイヤモンド/CBN砥粒及び工具を多数出品する。砥粒では、ダイヤモンド/CBN工具の性能をより発揮させる製品等、工具では自動車・軸受け、機械工具関連、電子・半導体関連向けの研削・切削・切断工具である部材加工工具、微細加工用工具で鋸刃寿命向上、薄肉化、ナノ多結晶ダイヤモンド採用等、様々な製品を展開する。

(10)日本光学測定機工業会
 光あるいは画像を利用して測定する非接触3次元測定機を展示。測定方法には測定物の大きさ、形状、要求精度により三角測量方式、同軸測定方式、レーザレンジファインダ方式、面計測方式があるが、来場者には展示各社の展示品がどのような方式で測定しているのかを比較してもらいたい。 また、表面粗さ測定機も精度、測定方法も見所のひとつ。その他各種の顕微鏡及びいろいろな測定機器も展示する。

(11)日本フルードパワー工業会
 今回は会員企業12社が最新の技術結愛製品等を実演・展示する。出展各社は、「環境対応」、「省エネルギー化」をコンセプトに、ユーザーニーズに対応した各種の油空圧機器等および同関連機製品並びに各種産業機械に使用される機械油・切削油・潤滑油等について需要業界へ広くアピールする。

(12)日本試験機工業会
 力・硬さ・振動・圧力・熱・温度・湿度・光・腐食・摩耗等を試験因子とする興行的試験装置に関するわが国を代表する企業5社が展示する。

(13)日本歯車工業会
 今回のJIMTOF2016には会員企業から5社が出展。それぞれ歯車単体、歯車装置、歯車計測機そして歯車工具等様々な製品の最新技術を見ることができる。