日本機械工具工業会が平成28年度日本機械工具工業会賞の受賞者を発表

 日本機械工具工業会(会長=本間博夫氏)はこのほど、平成28年度日本機械工具工業会賞の受賞者を発表した

 今年度の受賞者は業界功労賞(2名)、技術功績賞(15件)、環境賞(環境大賞1件、環境特別賞2件、環境活動賞13件)が受賞した。
表彰式は本年12月12日(月)、東京都内の世界貿易センタービルにて開催する。

業界功労賞(2名)

〇故大澤輝秀氏(オーエスジー株式会社)
昭和13年2月3日生まれ 享年78歳

■企業経歴
平成 4年12月 オーエスジー株式会社代表取締役社長
平成19年 2月 オーエスジー株式会社代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)
平成28年9月20日逝去

【功績の概要】
 氏は、平成5年5月日本工具工業会常任理事に就任以来、理事長1期2年、副理事長2期4年、常任理事・理事4期8年と合わせて14年に亘って日本工具工業会の役員を務められた。常任理事時代は、27年間と永きに亘って理事長を務められた大和田元理事長退任後、工具業界の経験がまったく無かった小柳理事長の体制をサポートされた。
 平成11年5月には副理事長に就任、1期2年務められた後、平成13年5月には日本工具工業会の第7代理事長に就任された。氏の国際感覚あふれる知見・経験を生かされ、工業会の国際化推進、環境委員会の設立、賛助会員制度の導入など、数多くの実績を残された。WCTC(世界切削工具会議)開催のきっかけは、氏に米国切削工具協会から話が持ち掛けられたものであり、日本の工具業界が世界に発信していくべき場であるとの氏の思いから、第1回目からの参加が決定したものである。


〇倉阪克秀(住友電気工業株式会社)
昭和21年11月1日生まれ 満70歳

■企業経歴
平成20年6月常務取締役
平成22年6月専務取締役
現在、顧問

【功績の概要】
 氏は、平成21年6月理事長に就任。当時は前年9月の米国リーマン・ショックに端を発した世界同時不況化にあり、会員の負担軽減のため、「未曽有の不況化における緊急避難的措置並びに負担金10%削減」という方針のもと、協会の事業やコストの見直しを推し進められた。
 一方、協会運営の基本である全員参加の理念に則り、各委員会、各地区会員懇談会を充実させるとともに、技術開発の重要性を訴え、技術交流(発表)会、『技術功績賞』の拡充や表彰制度の実施と内外への広報、ISO13399会合への積極的な参加と当該規格の各国の現状調査及び国内での講習会の実施、平成25年日本開催の世界切削工具会議(WCTC)の準備をはじめとした国際化への対応、環境への取り組み強化、環境調和製品の拡大奨励、製品素材別GHS対応SDSの更新と英訳版の発行、特許委員会への模造品問題の提起、など協会運営の活性化や国際化、環境や模造品問題への対応に取り組まれた。
 また、経済産業省再委託事業である資源循環推進調査委託「3Rシステム化可能性調査事業超硬工具のスクラップの回収促進事業」について、資材委員会に研究会を立上げ、資源循環型社会構築に希少資源再利用の立場から尽力された。

技術功労賞

「ヘッド交換式エンドミル専用コレットの開発」オーエスジー(株)
「多刃ダイヤフェースミルの開発」兼房(株)
「高能率モジュラードリルDRA型の開発」京セラ(株)
「マルチエッジ正面フライスカッターコロミル745の開発」サンドビック(株)
「高能率汎用フライスカッタDFC型の開発」住友電工ハードメタル(株)
「高硬度材加工用『ワンカットボール70』の開発」ダイジェット工業(株)
「耐熱合金旋削加工用材種AH8005/8015の開発」(株)タンガロイ
「鋳鉄旋削加工用材種T515の開発」(株)タンガロイ
「倍速切削ガンドリルDeepTriDrillの開発」(株)タンガロイ
「新規工具材種『BIDEMICS』の開発」日本特殊陶業(株)
「チルト式2枚刃バリ取り工具の開発」富士精工(株)
「ナノ微粒WC-M2C焼結体TJS01の開発」冨士ダイス(株)
「高能率仕上げ加工用刃先交換式異形工具シリーズ」三菱日立ツール(株)
「鋼旋削用CVDコーティング材種MC6015の開発」三菱マテリアル(株)
「超硬合金加工用ダイヤモンドコートドリルUDCMXの開発」ユニオンツール(株)

環境賞

(1)環境大賞 京セラ(株)八日市工場

(2)環境特別賞
①「地球温暖化防止」 (株)タンガロイ
②「廃棄物対策」 (株)不二越

(3)環境活動賞

①「コンプレッサー台数制御による省エネ」オーエスジー(株)
②「熱源更新によるエネルギー削減」京セラ(株)
③「集中ろ過装置導入による水使用量削減、産廃削減」京セラ(株)
④「太陽熱を利用した廃液減容プラントの開発」住友電工ハードメタル(株)
⑤「補助金を利用した照明LED化による電力費削減」住友電工ハードメタル(株)
⑥「洗浄機捨て水の再利用による排水削減」日本特殊陶業(株)
⑦「研磨粉の脱油を行うことによるコスト削減(有価物化)」(株)不二越
⑧「コンプレッサーシステム更新による省エネ活動」富士精工(株)
⑨「黒染め作業回数低減による資源の節約」富士精工(株)
⑩「焼結炉のドライポンプ化によるポンプ油使用量削減」三菱日立ツール(株)
⑪「公共水域への排水負荷削減(高濃度廃液の産廃化)」三菱マテリアル(株)
⑫「所内照明器具LED化による電力削減」三菱マテリアル(株)
⑬「トップランナー方式モーター使用による効率化の確認」(株)彌満和プレシジョン

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