【年頭所感】「グローバルな競争力向上を目指す」 日本歯車工業会 会長 澤田 豊

 平成29年の新春を迎え、謹んでお喜びを申し上げます。
最近の景気動向ですが、世界経済の好転を想定した株高・円安が進み、また、原油価格の上昇に伴う歯車需要も見込まれ、穏やかな景気回復基調は当面続くものと思われます。 
一方、中長期的には、グローバルリズムの大きな流れの変化の中で、自国優先政策へどの様に対応して行くかが重要になってくるものと思います。当工業会としましては、グローバルな競争力向上を目指し、次の3点をキーに事業展開して行きたいと考えます。

 まず最初に、新しい技術の創出と応用です。技術的に完成していると見られていた歯車分野ですが、今、大きな変化点を迎えています。それは、加工法の進化により汎用機で歯車加工が可能になったこと。また、高速3次元計測により、出来栄えが速く正確に解る様になった事が契機です。これらにより、従来加工できなかった歯車が加工できるだけでなく、生産性、品質の画期的向上が図れ、生産ラインの姿が変わっていくものと思います。

 次に、現場力の向上です。歯車加工は現場のノウハウで成り立っています。データ化すべき所は上記で進めますが、商品を差別化するノウハウは競争力そのものです。これらノウハウの蓄積とレベルアップを「困り事相談」として支援して参ります。

 三つ目は人材育成です。当工業会は、ギヤカレッジと言うトップレベルの講師陣と豊富な実習を有する他に類を見ない教育システムを九州大学より受け継いでおります。これを永続させ発展させることが、将来に渡り競争力を高める根幹と考え、力を注いでまいります。

 機械工業の要素部品である歯車は、今後も、商品の信頼性と出来栄えを制する重要部品でありつづけると思います。当工業会はグローバルに競争力のある歯車を提供していく、と同時に、会員企業にとって魅力を実感できる工業会にしていきたい。関係各位のご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。おわりに、皆様にとって良い年になりますよう祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。

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