「AIやIoTが身近な存在に」日本金型工業会東部支部が新年懇親会を開催

 日本金型工業会東部支部(支部長=加藤忠郎氏)が、1月20日に東京台東区の上野精養軒で新年懇親会を開催した。

 第一部は、徳川記念財団理事で政治経済評論家、翻訳家、作家としても活躍している徳川家広氏を講師に迎え講演会が行われた。

 第二部の新年懇親会であいさつに立った加藤支部長は、「昨年は難民の問題が深刻化し、米国はトランプ新大統領、韓国では大統領が弾劾されたりするなど激変の年だった。今年も厳しい年になるだろう。今年の干支は丁酉だが、丁というのは草木が伸び盛るという意味があるそうだが、酉はサンズイがあると酒になる。器の中で熟するという意味がある。まったく違う意味のようだが、それが一緒になると、非常に矛盾した状態になるそうだ。60年前の同じ丁酉の年にどんなことがあったのか、と調べてみたところ、ソ連が初めての人工衛星を打ち上げた。東海村の日本原子力研究所では日本ではじめて核分裂状態の臨界を達成した。トヨタは米国へ自動車の輸出を開始したなど発展的な動きがあった年となったようだ」と述べ、金型業界については、「AIやIoT等など、すぐには関係ないと思っていたが、最近、センサーの発達等、かなり身近な存在になってきている。インターネットを金型ビジネスに応用することを考えていかなければならない」との見解を示した。

 来賓を代表して、蘆田和也 経済産業省製造産業局 素形材産業室室長が、「素形材産業について、ものづくり産業の基盤産業だと思っている。個人的なことだが、私自身、昨年の6月まで4年間、JETRO上海事務所に駐在していたが、その時、現地ではまだまだ日本企業の生産管理や技術力に対するニーズは高いなと実感した。また、中国製造2025は、中国は製造大国になったが製造強国にはなっていないので、今後は製造強国を目指すんだ、という政策なのだが、そのターゲットはドイツでありアメリカであり、日本である。日本に戻ってから、素形材産業の皆様と交流をさせていただいている中で、企業規模問わず、わが国の素形材産業は極めて高いものづくり力である」とあいさつをした。

 続いて金型業界を代表して、牧野俊清 日本金型工業会会長が、「機械統計は11月までがでているが、大きな流れとして金型産業は少しずつではあるが上がっている。素形材全体として去年の前半はあまり良くなかったが、昨年の9、10、11月のデーターをみると、自動車の生産台数が増加している要因もあると思われるが上昇に変化している。今年は11月に日本金型工業会は60周年を迎える。現在、マスター認定制度を勧めているが、その実行をする。皆様のお力を借りて、良い年になっていけば良いと思っている」と、あいさつをした。

 平成28年卓越した技能者発表受賞者(現代の名工)の表彰が行われ、キヤノンモールドの植武春彦氏が表彰されたあと、新入会員の紹介が行われた。

 乾杯の発声は井上真一 牧野フライス製作所社長が行った。宴もたけなわのころ、森谷長治副部会長の閉会のあいさつで散会した。

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