DMG森精機 経営効率UPでフル回転!

 DMG森精機(社長:森 雅彦氏)は、2016年12月期の連結決算を発表した。

 当期の業績は、売上収益3766億31百万円、営業利益19億61百万円、税引前当期損失10億64百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失78億26百万円となった。これは欧州の工作機械メーカーAG社との完全経営統合に伴って、事業および資産を見直し、重複資産の整理やノンコアビジネスからの撤退により、その一時費用を当期に計上したものである。これで経営統合に関する特殊な会計処理や費用処理は完了したことになる。

 このドイツ法に基づく登記が完了したことにより、同社とAG社の経営資源が一本化した完全一体経営が可能となった。機種統合、部品共有化、顧客管理システムおよびサービス・パーツシステムの共有、グローバル生産能力の最適活用等で、劇的な経営効率化が期待できる。

 当期における地域別の動向および受注状況は次のとおり。

 国内市場は年前半から年央にかけて需要の調整局面があったが「JIMTOF2016」の効果もあり、期末にかけて受注に動きがみられた。北米市場は、直接販売・サービスのビジネスモデルへの変更が順調に進展し、受注は前年比でプラスを維持している。欧州市場は、引き続き堅調であり受注はプラスに推移しており、今後も緩やかな伸長が見込まれる。中国市場は、ほぼ底打ちを確認しており、年央以降は前四半期比でほぼ横ばいで推移している。まだ本格回復は期待できないものの、2017年4月に開催される北京ショー(CIMT)は需要の刺激要因になる。その他アジア、オセアニア市場においては、需要は総じて低迷している。その中で台湾、ベトナム、インド、オーストラリアは比較的健闘している。

 今後については、「IoT、インダストリー4.0の高まりを背景に、ターニングセンタ、マシニングセンタ、複合加工機、5軸加工機、研削盤分野等の製品群とソフトウエア、計測装置、サービスサポート、アプリケーション、エンジニアリングを駆使したトータルソリューションの提供を基本姿勢に、開発・製造・販売・サービスの各分野でAG社と連携を進め、営業サービス拠点がフルに稼働し、さらなる企業価値の向上に努めていく」としている。

 次期連結業績(通期)見通しは、日本、米州、欧州の各地域とも受注環境が引き続き堅調に推移するものと思われ、売上収益は3800億円、営業利益は220億円、親会社の所有者に帰属する当期利益110億円を見込んでいる。なお、米ドルレートは110円、ユーロレートは120円を想定している。

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