【注目の新製品レポート】ヤマザキマザックが次世代のレーザ技術を採用した「OPTIPREX 3015 DDL」の国内販売を開始! ~DDLを採用した切断加工機では初の量産化に成功~

注目の新製品に多くの来場者が釘付けになった。
注目の新製品に多くの来場者が釘付けになった。
 ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏、本社:愛知県大口町)は、最新のレーザ技術であるDDL(ダイレクト ダイオード レーザ)を採用した新型レーザ加工機「OPTIPREX 3015 DDL」の日本での販売を開始するにあたり、3月2日~3日の2日間、同社美濃加茂製作所ワールドテクノロジーセンタで新機種発表会を開催し、多くの来場者で賑わった。

 DDLは、現在主流となっているCO₂レーザやファイバーレーザに次ぐ、次世代のレーザ技術で、CO₂レーザやファイバーレーザに比べて波長が短く各種材料での熱吸収率が高い(反射率が低い)ことから、高反射材の切断や薄板・中板の高速切断に適していることが特長とされている。例えば、薄板の加工でファイバーレーザに比べ、アルミで18%アップ、ステンレスで14%アップの高速加工が可能なのだ。また、エネルギー変換率はCO₂レーザの4~5倍と省エネ性も高い。

 同社の中西正純営業本部長は今回の新製品について、「満を持して次世代の発振器を搭載したレーザ加工機をご紹介することができた。切断機にDDLを採用し量産化に成功したというのは他にはない技術であり、一足早く発表した海外では、すでに大きな反響を呼び、販売が加速しています」とコメント。同社では昨年ドイツで行われた国際板金加工見本市「EuroBLECH2016」と米国で開催された「FABTECH2016」に「OPTIPREX 3015 DDL」を出展し、既に海外での販売を開始している。この好評を受け、本年7月12日~15日に東京ビッグサイトで開催される国際鍛圧機械見本市「MF-Tokyo2017プレス・板金・フォーミング展」に出展する前に急遽、先行してお披露目となった。

満を持して世界最高峰のレーザ加工技術を集結した「OPTIPREX 3015 DDL」とは!?

満を持して登場した「OPTIPREX 3015 DDL」
満を持して登場した「OPTIPREX 3015 DDL」
 さて、エネルギー効率やパワー密度に優れているDDLが生み出すメリットといえば、①エコ(省電力)、②高生産性、③厚板切断面の向上、④ワイドで安定した切削条件(安定した長時間切断が可能)――とされているが、「OPTIPREX 3015 DDL」は、DDLのこれらの特長を活かした高速・省エネ加工に加え、レーザ光を制御するマルチコントロールトーチや各種インテリジェント機能による高品質かつ段取り時間を短縮した高効率な加工を実現するマシンとなっている。

 一体どのくらいの省エネに繋がるか―――。消費電力(kW)で、CO₂、Fiber、DDLで比較した表は下記の通り。

消費電力(kW比較)

(出所:ヤマザキマザック)

 Co₂と対比して加工電力は49%、待機電力は47%の節約となっている。

 省エネ効果が高いDDLだが、優位性はそれだけではない。Fiberレーザよりも美しい切断面が得られ、特に軟鋼中板ではCo₂に近い切断面が得られるのも魅力だ。しかもワイドな切断条件で安定した長時間切断が可能になる。切断速度に幅があり、材料の品質が変わっても条件を変えることなく加工が継続できるという大きなメリットがあるのだ。

今回、このマシンには、高速・高精度制御を可能とする新開発のCNC装置「MAZATROL PreviewG」を搭載している。19インチの大型タッチパネルやエルゴノミクスデザインの採用で操作性能がさらにアップしているのも見逃せない。

 マザック独自のアイデアから生まれた数々のインテリジェント機能が、段取りから加工に至るプロセスをサポートし、さらなる生産性向上と高品質な部品加工を実現してくれる――。そもそもインテリジェント機能とは、技術者の高度なノウハウや五感に代わって機械自身が加工プロセスのサポートや操作自体を行う機能を指す。同社は、「革新的な生産性の向上、高品位な加工技術の確立のために様々な新機能開発や独自性のある製品づくりに挑戦し続けている」と意気込みを見せつけた。

 次世代のレーザ技術を採用した「OPTIPREX 3015 DDL」は、単体セルへの対応や、複数台への対応、パレットチェンジタイプ、シートチェンジタイプ等、顧客の設備に合わせて提供してくれるフレキシブル仕様となっている。将来の拡張が可能なタイプもあるので、未来志向の製造現場には頼もしいマシンであった。

マシンの特長

(1)高速
 Co₂レーザやファイバーレーザに比べて波長が短く様々な材料での熱吸収率が高い(反射率が低い)ことから、高反射材の切断や薄板・中板の高速切断に適している。

(2)省エネ
 同出力の各種レーザ発振器の中で、DDLはエネルギー変換効率がCo₂レーザの4~5倍で最も高く、省エネによるランニングコスト削減に貢献。

(3)高品質な加工と段取り時間の削減
 マルチコントロールトーチとインテリジェント機能を標準搭載し、高品質な加工と段取り時間を削減する。
 ①マルチコントロールトーチ
 厚板から薄板へと材質が変わっても厚板にあわせ最適なビーム径や焦点距離を設定することができるため段取り時間を削減できるとともに、高速・高精度な加工が可能。
 ②インテリジェント機能
 a.)インテリジェント セットアップ機能
 板厚や材質が変わるたびに作業者が都度行う段取り作業や調整作業を自動化し、生産性を向上させる。
 ・自動焦点位置決め
 ・ビーム径変更機能
 ・オートキャリブレーション機能(自動倣い設定機能)
 ・オートノズルクリーニング機能
 ・自動ノズル交換機能
 ・焦点検知機能
 b.)インテリジェント モニタリング機能
  作業者に変わり、加工の状態を自動監視する。加工ヘッドに搭載したセンサがピア寝具貫通や加工異常(バーニング、プラズマ)を検知し、是正や加工の一時停止など最適な加工を実現する。
 c.)インテリジェントカッティング機能
 マザックの蓄積した技術・ノウハウによって最適なレーザ加工を実現する。

(4)新開発のCNC装置「MAZATROL PreviewG」を搭載
 高速・高精度制御と19インチの大型タッチパネルやエルゴノミクスデザインを採用氏、生産性と操作性をさらに向上させた。

主な仕様
最大加工寸法=1525mm×3050mm
早送り速度=X、Y:120m/min、Z:60m/min
発振器出力=4.0kW
CNC装置=MAZATROL PreviewG
機械寸法(W×L×H)=3485mm×8490mm×2010mm

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