「海外への躍進が鍵」新会長に牛島 住友電気工業常務 日本機械工具工業会が第3回定時総会を開く

 日本機械工具工業会が6月7日、都内のアーバンネット大手町ビルで第3回定時総会を開いた。役員の任期満了に伴う改選で、牛島 望 住友電気工業常務が新会長に就任した。

 また、副会長に石川則男 オーエスジー社長が留任、鶴巻二三男 三菱マテリアル常務、生悦住 歩 ダイジェット工業社長、岩田昌尚 イワタツール社長が新任した。

 平成29年度生悦住賞並びに新庄(陰徳の士)賞の表彰式が行われ、懇親会が開かれた。

170626工具1あいさつする牛島新会長 懇親会の席であいさつに立った牛島新会長は、「本間前会長が力を入れられた国際委員会を柱とする会員各社のグローバル展開を支援することは非常に重要である。このビジネスは国内だけだと、2007年のピークを越えるのは難しい。海外でどれだけ躍進するかが工具業界に限らず重要なことだと考える。今後も国際委員会を軸としたこの活動に注力したい」と今後の活動について述べ、業界の課題については、「タングステン、コバルトの問題のリスクが避けて通れない。コバルトの値段が高騰しており、今後どうなるか各社は注視しているところであろう。また、90年代半ばから超硬のスクラップの回収とリサイクルの取り組みを加速させようと取り組んだが、この活動は手を緩めることなく、力を入れていく必要がある。また、昨今のEV化でコバルトが使われて高騰しており、本間前会長もEV化によって工具の需要が減るリスクがあると何度も仰っていた。EV化の今後についても気になるところだが、中国やアメリカはある地域だけ突拍子もなくEV化が進んでいるのが現状だ。香港、上海、北京等は空気も悪く、行政がEV化を推奨していくだろうと思われる。ドイツは有力な自動車メーカーも多く、ここの動向も将来は大きく影響するであろう」と話した。

170626工具2片岡経産省産業機械課長 続いて来賓を代表して片岡隆一 経済産業省製造産業局産業機械課長が、「アベノミクスがはじまり4年半が経過した。その期間で名目GDP47兆円増、企業収益は過去最高水準、さらに雇用は170万人増で、経済の好循環に踏み込んだが、この先が重要である。足元は工作機械の受注でいくと、昨年末以降5カ月連続前年比増で、特に中小企業からの発注が増加しているとのことで、確実に業績は回復基調にあるとみているが、同時に中長期に向けた成長の礎をこの1、2年で着実に築かなければならない」とあいさつをした。

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 鶴巻新副会長が乾杯の発声を行い開宴した。
 宴もたけなわの頃、本間博夫前会長(不二越会長)の中締めで閉会した。

平成29年度生悦住賞受賞者

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 この賞は、生悦住禎太郎ダイジェット工業(株)会長が、1978年に傘寿を迎え、同年は超硬工具協会創立30周年にあたることを記念して、協会に多額の寄付をした。この意向に則り、有効活用を目的として生悦住基金が設けられた。この賞は、①会員で草の根的に功労のあった人、②会員内外を問わず業界発展に貢献された人を顕彰するために制定された表彰制度である。

◎近藤 豊 氏(日本新金属株式会社 元東京支店長)

功績の概要
 超硬原材料メーカーの委員として約17年間にわたり超硬工具協会の資材、業務及び「関東地区懇」委員として協会活動に参画。それぞれの委員会活動を通じて、主要原料のタングステン、コバルト等の需給動向について会員企業に的確な情報提供をされた。また、タングステン・モリブデン工業会会員の立場から、2005年年頭から始まるタングステンの急騰にあたっては、逐次、商社、現地企業をはじめ各方面から情報入手に奔走された。また、「関東地区懇」には約17年委員として参加され、特にソフトボール大会では各社の支店、営業所等をまとめられ、合同チームを結成されるなど、全員参加の理念を基に、歴代の関東地区担当理事を側面からバックアップされた。

◎細島圭三氏(株式会社彌満和製作所 元専務)

功績の概要
 昭和38(1963)年頃より、会員代表者の代理として日本工具工業会の通常総会、常任理事会等に出席。また、ねじ切り工具部会、ドリル部会にも参画。その経歴は21年に及ぶ。平成元年からは、ねじ切り工具部会貿易委員長を22年間務め、平成15年から総務・企画委員を10年、平成16年からはMyツール編集委員を10年務め、新工業会でも引き続き、機関誌編集委員会を今年2月に退職されるまでに委員として活躍された。
 本年2月末に勤続60年で彌満和製作所の顧問を退職したが、会社での経歴のみならず、工業会活動も永年に亘って参画し、業界の生き字引という存在である。永年に亘る工業会への貢献は、生悦住む受賞者として相応しいものである。

平成29年度新庄(陰徳の士)賞受賞者(6社6名)

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 この賞は、新庄鷹義氏が55年在任された冨士ダイス株式会社社長職から会長職へ昇格された年、合わせて米寿の慶事にあたり、同氏からの多額の寄付を元に新庄基金が儲けられたことからはじまる。受賞資格者は会員企業(正会員)の“陰徳の士”的立場にある人(一般には目立たないながら、会社にとって非常に有用なことを実践している人、ボランティアを含む)で、所属企業から趣旨にそった方の推薦を受け表彰する制度である。

〇馬庭典子 氏(アライドマテリアル・住友電気工業)
 1975年に住友電気工業に入社以来、粉末合金製品の生産管理業務に従事し、業務の標準化や事務改善に取り組み、同部門の体質強化に貢献された。また、生産拠点のグローバル化が進む中、新たな基幹システムの構築にも中心的な役割を果たしてこられた。2014年~アライドダイヤモンドで生産管理業務に従事し仕組みづくりや納期改善に取り組んでいる。誰からも信頼が厚く、真摯で緻密な仕事ぶりと家事と育児を両立されてきた姿は、他社員の模範となっている。

〇鈴木成和 氏(イワタツール)
 1994年に入社して以来、20年以上にわたり、一貫してハイスソフトバス熱処理の業務に従事してきた。ハイスソルトバス熱処理業務は室温が40度を超える過酷な職場環境の中で、シビアな温度管理や時間管理などが必要な職人技であり、その技術・技量を有しているだけではなく、ひたむきで真摯な姿勢は同僚や後輩のよき手本になっており、取引先からの人望も厚い。こうした人間性が、縁の下の力持ちとなってイワタツールの成長を支えてきており、欠かせない存在である。

〇藤井守正 氏(サンアロイ工業)
 2010年入社以来6年間にわたり総務の一員として、従業員の作業服などの洗濯業務に従事してきた。粉末が付着するため汚れは落ちにくいが、作業服がより美しくかつ清潔に仕上がる用土力と工夫を重ねてきた。また、従業員の目線に立ち、快適に着用できる独自のたたみ方と保管方法を確立した。このように常に心のこもった対応に他の従業員からの信頼と指示には絶大なものがあり、自身の業務に真面目かつ真摯に取り組む姿勢は従業員の模範となっている。

〇田中 章 氏(日本タングステン)
 1970年に入社し、研究補助員として30年にわたって超硬製品の開発における試作実務を担当してきた。数多くの試作で培った技量と試行錯誤、それらで得られた経験、幅広い知識を活かし、その後、2000年から現在まで、品質管理グループに在籍し、超硬材料の検査担当者として、合金異常を確実に検知・発見するなど、そのまじめな仕事に打ち込む姿勢は、生産現場、営業担当者の双方からの信頼は絶大である。またその真摯な対応は、顧客の信頼獲得に大きく貢献してきた。

〇曲馬容子 氏(瑞穂工業)
 1999年入社以来17年間にわたり営業事務を担当。各営業担当者の業務を支援し、その仕事内容は丁寧かつ正確なばかりでなく、長年培ってきた業務経験と販売管理ソフト使用に関する知識を全員に共有させるため努力を惜しまず根気よく説明した。また、日頃は事務所の整理整頓やトイレの清掃を欠かさず続けるなど、社員が仕事に専念できる環境、体制づくりにも配慮氏、会社の発展に貢献してきた。同僚や後輩の良き手本となっている。まさに縁の下の力持ちとして欠かせない存在である。

〇豊田喜恵子 氏(三菱日立ツール)
 1992年入社以来、24年の長きに亘り、切削工具営業事務として、代理店、販売店、ユーザーへの顧客サービスに徹した心配り・気配りで顧客との絶大な信頼関係を築いている。営業活動のサポートとして何事にも真剣に行動する姿勢や、その一方、社内の事務改善活動にも積極的に取り組むなど、上司、同僚、後輩から模範的社員として誰からも尊敬され、また慕われている。まさに模範となる社員であり、成長を陰ながら支えてきた存在である。