ヤマザキマザックが多品種少量生産の自動化を一台で実現する「VARIAXIS i‐300 AWC」をリリース

 ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)は、このほど省スペースな自動化システムと一体化した同時5軸加工機「VARIAXIS i‐300 AWC」の販売を全世界で開始した。

 近年、航空機や医療機器分野で使われる小型・複雑形状ワークにおいて、多品種少量生産を省スペースで実現する自動化システムへのニーズが高まっていることを受け、これらのニーズに応えるため、同社では長年に渡り蓄積した自動化ノウハウの応用により、「VARIAXIS i‐300 AWC」を開発した。

 このマシンは、新開発の多段ワークストッカ「オートワークチェンジャー(以下AWC)」と拡張型工具マガジン「多連式ドラムツリーマガジン」を搭載した、自動化システム一体化型の同時5軸加工機。AWCはストッカ内に準備された素材と機内で加工が完了したワークを自動交換・収納する装置で、最大60Kgまでのワークに対応。多段式ストッカを採用することで、省スペースで多数(標準32個、オプション40個)のワーク交換・収納を可能としている。

 多連式ドラムツリーマガジンも従来型の大容量マガジンと比較し大幅な省フロアスペースを実現、また生産状況に合わせて工具収納本数を段階的に拡張することが可能である。これらの自動化システムを機械本体のCNC装置に組み込まれた自動運転ソフトウェア「Smooth AWC」により統合管理し、ワーク・工具・プログラムなど作業者の段取りを支援することで長時間のスケジュール運転を容易に実現する。

 主軸は標準タイプ(12000min-1)のほか、高速タイプ(オプション)を3種類ラインナップし、精密部品の加工面品位の向上など、さまざまな加工ニーズに合わせた仕様選択が可能である。

特長

(1)機械本体と一体化された省スペースな自動化システム
 a)オートワークチェンジャー(AWC)
 AWC はストッカに準備された素材と機内で加工が完了したワークとを交換・収納する装置。寸法φ 350mm×H315mm、重量60Kg までの中小型ワークに対応、導入後でも生産状況に合わせてストッカ数を32→40(オプション)へ増やすことが可能。


多段式ストッカの採用により、省スペースで多数のワークハンドリングを実現

 b)省スペースで段階的な拡張が可能な「多連式ドラムツリーマガジン」
 従来型の大容量マガジンに比べて省スペース(※)な、新開発「多連式ドラムツリーマガジン」を採用。次回工具のみならず、更にその次に使用する工具までを待機させるシフター構造を採用し、工具待ちアイドルタイムを短縮。生産状況に合わせ、工具収納本数を145 本(標準)から最大で505 本(オプション)まで段階的に拡張可能。



(※)従来型TOOL HIVE(240 本仕様)と多連式ドラムツリーマガジン(265 本)に対し、フロアスペースを約40%削減



145本から505本まで、工具収納本数の段階的な拡張が可能


 c)簡単に長時間のスケジュール運転を可能とする自動運転ソフトウェア「Smooth AWC」
 「Smooth AWC」は機械本機のCNC 装置「MAZATROL SmoothX」に組み込まれたワーク・工具・プログラムの管理を支援する自動運転ソフトウェア。工具寿命までを考慮したシミュレーションを行うことで不足工具を予測し準備を促すなど、作業者の段取りを支援し長時間の自動運転を実現する。

(2)さまざまな加工ニーズに対応する、豊富な主軸仕様展開
主軸には振動を最小限に抑えるビルトインモータ構造を採用。標準タイプ(12000min-1)の他に、高速タイプ(オプション)を3 種類(18000min-1・ 25000min-1・30000min-1)ラインアップ。加工ニーズに合わせた仕様選択が可能。

主な仕様

moldino_banner

 

 

intermole2024_大阪