牧野フライス製作所が富士勝山オープンハウスを開催

セミナーの様子
セミナーの様子
 牧野フライス製作所が、11月28日(火)~29日(水)の両日、富士勝山事業所(山梨県南都留郡)で、最新マシニングセンタによる生産性向上を目的とした加工技術を紹介するオープンハウスを開催した。

 新製品の5軸制御横形マシニングセンタ「a500Z」ほか、5軸制御立形マシニングセンタ「DA300」、横形マシニングセンタ「a71nx」、横形マシニングセンタ「a81nx」、横形マシニングセンタ「a40」、立形マシニングセンタ「L2」が展示された。

 普段は見られない組立工場もオープンにした。工作機械を生産するための同社の設備も披露した。機外測定装置(ATOS+ロボット)は、材料の鋳肌面を3Dスキャナーでワークを旋回させ加工面を測定できる技術であり、スピーディに仕事をこなすことができる。また、同社では自社性の高品質焼入れの自動化技術を有しており、深さ・硬度が均一で高精度な焼入れを達成している。これにより同社のマシンは摺動面の長寿命化、高精度化を実現しており、来場者にマキノの生産技術がつまった設備を見せつけた。

 大型機をつくる工場内では天井高さ7.5m、空調±1℃に保たれていた。この空間にスパイラル状に空気が流れる仕組みだ。全長ストロークは20mの巨大マシンも見ることができた。

 開催中、1日2回実施されたセミナーのテーマは、「マキノの5軸加工機開発コンセプト及び最新技術による部品か高コスト削減のご提案」。多くの聴講者で賑わいをみせた。

今回の目玉である「a500Z」
今回の目玉である「a500Z」
 今回の目玉は、「a500Z」。このマシンは、俊敏な軸移動により、非切削時間を大幅に短縮していることに優位性がある。特に注目したいのは、ROIデザインの傾斜テーブル。C軸は傾斜構造を採用してイナーシャを小さくしている。DDモータと合わせて応答性の高い回転動作も実現した。

 横形マシニングセンタでイケールを使用した加工では情報位置で切削条件を落とす場合があったとのことだが、このマシンが高い切削条件での加工を可能にしている理由のひとつに、“傾斜テーブルとスラントベッドの組合せ”が挙げられる。パレットの周りは3方向がオープン。テーブルより上に干渉物はない。嬉しいことにプログラミングや取付具作成時の干渉把握が容易になる。

 工具交換時間の短縮にも注目したい。サーボ式ATCシャッタ、カム式ATC機構で、工具の長さに合わせてATCシャッタを最短幅で開閉するなど短時間で工具交換ができることも嬉しい。

 また、CCDカメラによる工具破損検出装置「Vision B.T.S(特許出願中)」を標準搭載。「Vision B.T.S」はATCマガジン内にあるため、サイクルタイムに影響を与えることなく、工具の状態を確認できる。非接触式なので、高価な工具を欠損させる心配もない。

 時は金なり――。「a500Z」は、無駄な時間を徹底排除し、生産性とともに経済効果を高めるためにつくられたマシンだ。

 なお、同社では、日刊工業新聞社主催の「2017年日本産業広告賞」において、雑誌部門で佳作、新聞部門でモノクローム広告賞 佳作を受賞している。

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