〈平成30年 年頭所感〉日本歯車工業会/日本金型工業会/全日本機械工具商連合会

「“規格、技術、教育”の3つの柱を中心に機械産業の発展を願う」
日本歯車工業会 会長 栄野 隆

18年年頭所感 日本歯車工業会 栄野会長 新年おめでとうございます。平成30年の年頭にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
 旧年中は、当会の事業運営に格別のご支援、ご協力を賜りまして、厚く御礼申し上げます。

 昨年は、生産性向上と省力化ニーズの追い風もあり、概して需要堅調の中で推移し、本年は予断は難しいとは言え、成長力の底上げを図るべく将来を見据えた着実な投資拡大が期待されるところです。

 今年、当会はおかげさまで80周年の節目を迎えます。昭和13年(1938年)に「東京歯車製造工業組合」として発足し、昭和33年(1958年)に、現在の名称の「日本歯車工業会」として社団法人化した後、60年が経過するという重ねて記念すべき年となりました。当会及び歯車産業は、戦前の発足以来、戦後の復興と高度成長経済の拡大基調の長い歴史を経て機械産業を支え、技術革新及び品質信頼性の実績を評価頂いて今日に至ったものと考えております。

 今、時代は変化のスピードを更に増しておりますが、当会は変えるべきこと、変えてはならないことを見極めつつ、以下の3つの原則を貫くことで更なる貢献を持続して参ります。

 一つは、当会が永年継続して担って参りました機械要素「歯車」に関する日本工業規格(JIS)及び国際規格(ISO)の制定或いは改訂に深くかかわるという基本的役割でございます。技術の進歩と共に例えばエンジンから電気にシフトしていく等のメガトレンドのなかにあって、日本の産業のいわば足腰となり、競争力の源泉である信頼性を担保する規格制定は、当会の変わらぬ取組みであり、継続して参ります。

 第二は、当会を構成する多くの歯車メーカー及び関連ものづくり企業の経営にも関わる新技術、技術動向を踏まえた調査、研究に関連する活動や取組み等、言わば競争力強化につながる事業に関しても、従来からの30回を超えて継続する経営研修会等の開催に加えて、近年には各企業が自ら容易に高度な評価を行える鋼材品質評価装置及び評価法の開発と実用化に向けた事業が、着実に成果を上げております。

 第三は、産業競争力の源泉となる人財教育であり、当会の重要な事業の一角を占めております。例えば、当会で主催する「JGMAギヤカレッジ」は、各企業を将来担っていく技術者を対象とする歯車技術教育と歯車の加工実技・実習を含めた講座として継続し、修了者は500名を超えるまでになりました。更に、初心者対象の入門勉強会や修了者を対象とするフォローアップ研修等、より広く、より深い学びの場として提供しており、会員各社はもとより一般企業にも活用頂ける教育の取組みとして好評を頂いております。

 当会は80周年を一つの通過点と捉えて、「規格、技術、教育」の3つの柱を中心に、歯車産業ひいては日本の機械産業の発展を願い、創業の精神「技術水準の向上と経営の合理化の促進に業者は一致団結の努力を傾倒せねばならぬ」を思い起こして、皆様のお役に立てる工業会をめざし努めて参りたいと存じます。皆様方の温かいご協力をお願い申し上げます。

 今年が皆様にとって良い年になりますよう祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

「元気な業界として乗り越えていく」
日本金型工業会 会長 牧野俊清

18年年頭所感 日本金型工業会 牧野会長 平成30年の新春を迎えるにあたり、謹んで会員の皆様、関連官公庁、関連業界の皆様にお慶び申し上げます。
 
 日本の金型業界はリーマンショックによる世界同時不況の影響により大打撃を受けましたが、2010年の底から自動車用を中心に少しずつですが回復を続けています。しかしながら、ショック前のピーク2007年と比較して64%から87%に戻したところで、さらなる回復を期待します。
 
 一昨年、米国の大統領にトランプ氏が選任され、保護主義等で世界経済に悪影響が無ないか懸念されました。また、昨年は、中国では習近平第2期指導部が発足し体制が強化され、韓国は文在寅大統領、フランスはマクロン大統領が就任しました。一方、北朝鮮は核実験・ミサイル発射を続け、世界・日本に脅威を与え続けています。その中で株式市場を見ると、昨年年初と12月初旬で比較して、ダウ平均は初めて24,000ドルの大台を突破し19,763→24,232ドル(123%)、日経平均19,114→22,819円(119%)、上海総合3,104→3,318元(107%)、韓国総合2,026→2,475ウォン(123%)といずれも活況を呈しています。

 昨年は、国内車両生産台数が回復したこともあり、我々の需要業界である素形材産業の景況が、前年比102%~110%といずれも好調でした。また、中国の日本からの工作機械輸入は2015年3月301億円でしたが、中国経済の悪化で2016年3月136億円となりました。2017年3月は367億円となっています。中国経済が好転していると思われます。株価は景気の先行指標とも言われており、本年は日本経済が良くなる期待が大であります。

 平成30年の干支は「戊戌(つちのえいぬ)」で、60年に一度巡ってきます。昨年の「酉」は、果実が極限まで熟した状態とのことで、「戌」は収穫するという意味もあるそうです。
良いこと、悪いことがあるが、草木が再生するために地に還るように、不要なものは切り捨てることで新たなチャンスが得られ、何を取って何を捨てるかを明確に定めるのが大事だと干支の解説にはありました。

 昨年は、金型工業会にとって記念すべき年でした。11月に創立60周年記念式典を行い、「金型マスター認定制度」をスタートさせました。また、一時的に脱会していたISTMA(国際金型協会)に復帰いたしました。6代目会長に南アフリカ、副会長にポルトガル、ブラジルが選出されるように新市場BRICSへの関心が深くなっています。海外展開、周辺分野への事業展開にご活用いただけたら幸いです。

 グローバルでは、製造業に関する技術戦略の競合があり、日本では、人、モノ、技術、組織等が様々につながることにより新たな価値創出を図る「Connected Industries」が提唱されていますが、ドイツの「インダストリー4.0」、中国の「メイド・イン・チャイナ2025」、米国の「先進製造業戦略(AMI)」等も出ています。いずれも、「 IoT( Internet of Things)」、「AI(人工知能)」をキーワードとしています。環境対応車両、自動運転、次世代材料等技術的課題は大きいですが、金型技術は大きな役割を果たします。

 2014年に「新金型産業ビジョン」を作成いたしましたが、営業力(提案力)、海外展開、周辺分野への事業展開、人材確保・人材育成、技術研究開発、連携・提携(Connected)のキーワードの重要性はさらに高まっています。また、新興国の成長を見ると設備力も重要なファクターで、補助金の有効活用等の検討が必要です。

 日本金型工業会は、現在、会報・ホームページのリニューアル等、サービスの拡充を進めており、全国からのご入会が増え、金型業界がより活性化することを期待しております。経済産業省では中小企業のため取引条件改善に注力していただいておりますが、会員、賛助会員、顧客、経済産業省素形材産業室を始めとした監督官庁、学会の大きな応援により、この難局を、「元気な業界」として乗り越えていきたく思う所存でございます。皆様のご理解ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げ、年頭の挨拶とさせて頂きます。

「業界全体で情報を共有しながら業務効率の向上と各会社の発展を」
全日本機械工具商連合会 会長 坂井俊司

18年年頭所感 全日本機械工具商連合会 坂井会長 明けましておめでとうございます。
 皆様におかれましては、健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。
 
 昨年は、政治的には海外においても国内においても大きな体制の変化もなく、また経済においては世界的に景気が堅調に推移しており、国内景気もかなり上向いてきた一年ではなかったでしょうか。全業種、全企業がリーマンショック以前の状況に戻ったとは言えませんが、これから東京オリンピックに向けてさらに好景気が続いてくれるものと期待しています。
 
 さて、昨年11月18日に東京において『全機工連若手交流会 in TOKYO』が開催されました。その中では「働き方改革について」をテーマに掲げ、これからの会社経営のあるべき姿、経営者の意識向上等が議論されました。日本の製造業の生産性は先進諸国と比較して1人当たりでも時間当たりでも低いというデータがあります。我々機械工具商の業界でも恐らく同様な結果だと想定できます。また就労者人口も就業時間も減少する中、益々一人あたりの労働負荷が増加しています。そうした中、我々はこれまで以上に知恵を絞り、努力していかなければなりません。お客様、メーカー様がグローバル化し、また作業の自動化を推進し、業務のAI化を進めている中、機械工具商の業界も様々な仕事のシステム化はもちろんのこと、これまで蓄積してきた業務や営業方法までもデーターベース化を進めていかなければなりません。そうした基本的なベースを底上げしたうえで、各会社においてこれまで培った営業のノウハウや経験・コツが活かされ、そして技術的な専門性の向上が業界で生き残れる手段と他社との差別化を図るポイントだと感じます。またそういった取り組みが、我が国の就労者人口が減少する中で有望な人材の確保とその貴重な人材の効率的な育成につながっていくものと確信しています。
 
 私も50歳代半ばであり、もう若手ではありませんので、「最近の若い人は・・・」なんていう言葉がたまに出たりしますが、私も若い時には上司から同じことを言われていたんだなと思います。当時の私と比較すると、今の若手の方の方がずっと一人あたりの仕事量も、また生産性も向上していると思います。当然そこには作業のOA化と業務の標準化があるのでしょうが、各個人の能力もUPしているように思います。若手交流会と言いながらも、御出席されていた私と同世代の方々も、きっと同じ感覚ではないでしょうか。今回の若手交流会をきっかけに逆に若手経営者の方からも教えてもらえる事がたくさんあると感じていただけたことはたいへんよかったのではないでしょうか。
 
 働き方改革の取組みは皆さんも手探りの状態かもしれません。まだまだ取り組めていない方もいらっしゃるかもしれません。業界全体で情報を共有しながら諸施策を行い、業務効率の向上と各会社の発展、業界全体のイメージアップにつながればと感じております。
 
 皆様のご協力をお願い申し上げます。