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牧野フライス製作所 超短パルスレーザ加工機「LUMINIZER LF400」の販売を開始

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 牧野フライス製作所は、このほど超短パルスレーザ加工機「LUMINIZER LF400」の販売を開始した。

 同社は2020年11月にレーザ加工機事業へ参入して以降、多くの問い合わせを受けており、近年、切削加工や放電加工では対応できない形状・材質の加工要求の高まりや、現在トレンドでもある半導体関連産業と医療機器分野市場の活況を背景に、将来的な市場拡大を睨んでいる。

 同社では、「〝今まで出来なかったことを可能にすることで産業の発展に貢献する〟ことで産業の発展に貢献する。」と意気込みを示している。

主な特長

(1)超短パルスレーザ(フェムト秒レーザ)の採用
 

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ファムト秒レーザ(イメージ)

 照射時間が極めて短い(1fs=10 のマイナス15 乗秒)レーザを用いることで、熱拡散を低減し、変質層やクラックを発生させない加工が可能。微小形状の加工を高品質に仕上げることができる。

(2)ガルバノスキャナの活用
ガルバノスキャナを搭載し、加工内容に適したレーザ制御を行う。

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(3)レーザ加工に適した機械筐体設計
 加工実績に基づいた光学機器のレイアウトを採用。マシニングセンタで培われた高精度位置決め技術の活用で、高精度で安定した加工を実現する。恒温チャンバ(※オプション
仕様)も準備し、外気温変化の影響も最小化する。

(4)ユーザーフレンドリーなソフトウェア
 

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操作画面

直観的な操作が可能なオペレーションパネルを採用し、オペレータを迷わせない。周辺機器含めて同じシステムからの操作が可能。

主な仕様

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岡本工作機械製作所 精密平面研削盤『PSG6B形 1号機』が 日本機械学会「機械遺産」に認定

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 2007年に創立110周年記念を迎えた日本機械学会は、その記念事業の一環として、歴史に残る機械技術関連遺産を保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に「機械遺産」を認定しているが、このほど、岡本工作機械製作所の安中工場内に所蔵されている『精密平面研削盤PSG6B形1号機』が「機械遺産」第114号として認定された。

 同機は、同社が1953(昭和28)年に製作した『PSG6B形』の初号機にあたる。日本の高度経済期の機械工業の発展を、1/1000mm台の精密加工を実現するという確かな制度で支えた歴史的工作機械である。テーブルの駆動装置に油圧シリンダを採用するなど、現在普及している平面研削盤の基本構造を画した最初の平面研削盤である。

主要スペック

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タンガロイ 三次元倣い加工で驚異的な信頼性! ラジアスカッタ 新「FixRMill」シリーズを発売

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 タンガロイがこのほど5軸加工機での三次元形状の倣い加工や、ステンレス鋼・難削材加工で抜群の性能を発揮するラジアスカッタ「FixRMill」(フィックス・アール・ミル)の新シリーズを発売した。

特長

 「FixRMill」は、丸駒インサートを使用するラジアスカッタで、金型の意匠面などの三次元曲面の倣い加工等で高い切削性能を誇る。丸駒インサートを使用して倣い加工を行うと、インサートの締付けねじが緩む等の問題が生じやすいとされているが、同製品は独自のインサート回転防止機構によりこの問題を解決している。

 インサートはR=6mm仕様で、8回のインデックス(コーナーチェンジ)が可能で非常に経済性の高い「C8タイプ」と、切込みを大きくしても6回のインデックスが可能な「C6タイプ」の2形状を設定。どちらも同じボディを共用できる。

 チップブレーカには、切れ味と刃先強度を併せ持つMM形を採用しており、切れ刃にかかる負荷の変動が大きな倣い加工においても高い信頼性を発揮する。また、インサート材種には汎用性の高いAH3135と、特に難削材で優れた寿命性能を誇るAH8015を設定し、幅広い被削材の加工をカバーしている。

■主な形番と標準価格(税抜き)
・RQMT1204ENC8-MM AH3135:1,310円
・RQMT1204ENC6-MM AH8015:1,310円
・TRRQ12M050B22.0R06(φ50mm):54,100円
・ERRQ12M040C32.0R04(φ40mm):33,000円

イスカルジャパン 自動盤用ヘッド交換式旋削工具「ネオスイス」が大好評!

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 イスカルジャパンが販売している自動盤用ヘッド交換式旋削工具「ネオスイス」が大好評だ。この製品の特長は機上で簡単にヘッド交換可能なクイックチェンジシステムを採用ることで、ヘッドのクランプはレバーロックの要領で引き込むタイプになっているため、ヘッド交換は簡単なのも嬉しい。

 ホルダーとヘッドは4点で当たるように設計されており、クランプ剛性が高いので安心できる。また、ダブテイル形状のヘッドZ方向位置決め部にて刃先位置が決まるため、ヘッド脱着時の繰り返し精度は良好である。

 ヘッド部の幅は20mmであり、一体型ホルダ(ヘッド部の幅:12mm)と比べて大きいためZ方向に対する工具剛性が高く、高負荷加工においてビビりなく安定した加工が可能だ。

 ネオスイスは、高い生産性とクイックチェンジを特長とした、自動盤の新たなスタンダードを実現する工具として、現在、注目の工具である。

■レパートリー
 ヘッド:豊富なヘッドレパートリーを順次拡大中

イスカル最新カタログはこちら↓
https://www.iscar.co.jp/Catalogs/publication-2022/japan-10/2022NewProdu…
 

DMG森精機 製造業のDXを目的に新会社を設立

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建物外観

 DMG森精機は、2022年4月1日にAI・IoT・クラウドコンピューティングを中心とした先端技術を用いて、製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するソフトウェアサービスを開発・提供する新会社「株式会社WALC」(ウォルク)を設立し、7月15日に開所式を実施した。

 同社は、2017年に製造業のデジタル革命を主導する人材の育成の場として、東京グローバルヘッドクォータ内に「先端技術研究センター」を設立し、その後2018年に東京デジタルイノベーションセンタに拠点を移し、活動してきた。WALC設立の目的は、この理念を継承し、製造業のDXを推進するソフトウェアサービスを提供することで、IT企業が多く集まる渋谷という立地を活かして、IT人材の採用や積極的なインターンシップの受け入れを行い、優秀な人材を発掘し、育成・支援する。

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オフィス内の様子

 “WALC”はポーランド語でワルツを意味している。AI・IoT・クラウドコンピューティングを主要な三拍子として使いこなせる人材を育成・集積し、切磋琢磨することで未来を切り拓いていくことがWALCの創業理念である。

 WALCでは、同社の自立走行ロボットWH-AMRの自動運転と高精度把持を行う「BR Controller」、工作機械の予兆保全を行うヘルスモニタリングサービス「WALC CARE」、画像自動認識技術を用いて基板や外観の検査を行う「WALC VISION」、人の作業や機内の状態などを人間の代わりに分析する「WALC EYE」、文章データから知見を引き出す「WALC COMPREHEND」を始めとするサービスを開発・提供している。

■会社概要
社  名 株式会社WALC
事業内容:ソフトウェアサービスの開発、提供
設  立: 2022年4月1日
所 在 地:東京都渋谷区桜丘町13-15
代 表 者:代表取締役会長 森 雅彦、取締役社長 櫻井 努
資 本 金:10百万円 (DMG森精機100%出資)
社 員 数:15名(他、インターンシップ8名) ※2022年7月15日時点
延床面積:約720㎡(地下1階、地上5階)
施設概要:オフィス、実験スペース、会議室、カフェエリア
H  P:https://walc.co.jp/

ダイジェット工業 会長 生悦住 望氏 「お別れの会」開く

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 ダイジェット工業の代表取締役会長を務め、令和3年12月8日に87歳で亡くなった生悦住 望氏のお別れの会が、去る7月27日、大阪市内のシェラトン都ホテル大阪で開かれた。親交のあった多くの業界関係者などが参列し、遺影に献花をして故人との別れを惜しんだ。お別れの会は、新型コロナウイルス対策で参列者が集中しないよう配慮がなされ、あいさつの言葉などの読み上げは行わず、参列者への礼状に綴られた。

 生悦住氏は、昭和9年に東京世田谷区で生まれ、昭和33年慶應義塾大学法学部卒業後の昭和36年にダイジェット工業に入社して先代の貞太郎氏とともに同社の礎を築き上げた。また、超硬工具協会(現日本機械工具工業会)副理事長、大阪府障害者雇用促進協会会長、大阪工作機械健康保険組合理事長など、長年にわたり業界の発展に尽力してきた。これらの功績がたたえられ、平成10年に通商産業大臣表彰、平成11年に国税長官表彰、平成24年に財務大臣表彰、平成26年に超硬工具協会表彰などを受賞した。

 会場内には生悦住氏の仕事に邁進する姿などが写されたパネルが展示され、参列者は懐かしみながら故人を偲んだ。

あいさつ ダイジェット工業 代表取締役社長 生悦住 歩

 本日はご多用中のところ、弊社 代表取締役会長 生悦住 望の「お別れの会」にご来臨賜り、誠にありがとうございます。

 故人は昭和9年、東京都世田谷区に生まれ、大学を卒業の後、昭和36年にダイジェット工業株式会社に入社、先代貞太郎と共に弊社の礎を築き上げて後に、先代が果たせなかった株式の東証1部上場を成し遂げました。

 またその朗らかな人柄は社業でご縁のあった方々をはじめとして、多くの友人、知人から愛されておりました。

 ここに、生前故人が皆さま方から賜りましたご厚情、ご高配に対しまして深く感謝申し上げます。

 社員一同遺志を受け継ぎ、社業発展に邁進していく所存でございますので、今後とも変わらぬご支援ご鞭撻を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

DMG森精機 豊富な受注残高により安定成長を見込む

 DMG森精機(社長:森 雅彦氏)は、8月4日、2022年12月期第2四半期(1月~6月)の連結決算を発表した。

 当第2四半期連結業績(累計)は、売上収益2,182億円、営業利益177億円、税引前四半期利益163億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益113億円となった。これは工程集約、自動化、DX化による粗利益率の改善が持続したことによるもの。

 当第2四半期の連結受注額(累計)は、好調持続により前年同期比37%増の2,993億円となった。5軸加工機、複合加工機を中心に自動化、フルターンキー化の需要が加速し、また、グローバル企業からの大型プロジェクトが寄与した。特に、顧客への付加価値提供が浸透していることに加え、円安の影響もあり、機械1台当たりの受注単価が49.6百万円(2021年度平均:39.4百万円)へと上昇した。

 地域別受注は全体的に増加し、日本が前年同期比54%増、米州が同49%増、欧州が同32%増、中国が同20%増、中国を除くアジアが同51%増となった。産業別でみても、引き続き全産業とも好調で、なかでも、医療、航空、宇宙、金型、EV関連、脱炭素関連、半導体製造装置向けが牽引した。

 今後も、工程集約、自動化、DX化を促進する工作機械の受注拡大が継続するものと思われ、2022年12月期の連結受注見通しを再度増額修正し、5,300億円を超えるものと見込んでいる。受注残高は、2021年末の1,640億円から2022年6月末には2,440億円まで増加し、2022年12月末では2,500億円程度になる見込み。

 同社は、経営理念にも掲げているとおり、「工作機械・独自領域・内製コンポーネント・周辺機器などのハードウエアおよびソフトウエアと、加工システムの構築・高効率な加工プロセスの提案・保守保全・ファイナンスなどのサービスを組み合わせた最善の加工オートメーションを提供し、顧客の生産性向上に貢献すること。」を目指している。

 また、「よく遊び、よく学び、よく働く」を経営理念に掲げ、従業員の健康な心身から生まれる活力が、企業の持続的な発展成長にとって重要な経営資源の一つであると認識し、従業員の健康管理サポートや男性の育児休業取得を奨励している。社会に対する責任を果たすことで信頼が醸成されるとの考えのもと、地域貢献を積極的に進め、同社創業地で本社所在地でもある奈良において、地元食材を使用するレストランをオープンし、国内最大の工場が位置する伊賀においても最寄り駅周辺の景観整備を行うなど、地域活性化にも取り組んでいる。

マパール 「トリタン-ドリル-リーマ」(Tritan-Drill-Reamer) ~3枚刃ドリル-リーマでワンステップの穴仕上げ加工を実現~

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トリタン-ドリル-リーマ(Tritan-Drill-Reamer):3枚の切れ刃と6つのマージン(外周ランド)により、高精度で経済的な基準穴加工を実現

 マパールの「トリタン-ドリル-リーマ」(Tritan-Drill-Reamer)が注目を集めている。経済効果を高めるため、複数の加工工程を一種類のツールの加工で統合することは有効とされているが、同社が提供するドリル-リーマによって、リーマ仕上げの穴あけがワンショットで可能となる。

 今回は、従来のドリル-リーマを進化させ、より高精度の基準穴の穴あけを実現するため、さらに一つの切れ刃を追加した「トリタン-ドリル-リーマ」(Tritan-Drill-Reamer)を開発した。内部クーラント穴付きのこの製品は、 タップ、ドリル、リーマ穴加工に対応するため 3xDおよび 5xD加工穴深さがラインナップされている。穴壁とのガイド性を向上させた 6つのマージン(外周ランド)、切りくずの排出性向上のための高精度に研削されたドリル溝形状および高い求心性のチゼルエッジの採用によって、あらゆる加工要求に高い加工性能を発揮する。

 特長は、求心性の高いチゼルエッジの採用で高い加工穴位置精度が保証され、3枚の切れ刃により加工穴は高い真円度の穴形状と同時に最高の加工能率が実現されること。またリーマ加工用切れ刃により、最高品質の穴加工面が生成される。
 

経産省・2022年6月度機械統計 機械工具生産動態調査

経済産業省の2022年6月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。

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(表出所:日本機械工具工業会)
 

2022年4~6月期 マニピュレータ、ロボット統計 受注・生産・出荷実績まとまる 日本ロボット工業会

 日本ロボット工業会がこのほどまとめた2022年4~6月期のマニピュレータ、ロボットの受注・生産・出荷実績は次のとおり。

■業況
 2022年4~6月期は、受注額が対前年同期比3.3%の減少、生産額が5.7%の増加となった。生産額は四半期では過去最高となった。

 出荷実績をみると、国内向けは自動車製造業向け中心に勢いに欠けるものの、半導体用や実装用等の好調さは継続した。輸出は前年同期が好調だった中国や韓国向けで減少したもののアジア向けトータルで微増、欧米向けは引き続き伸長し、輸出台数、金額ともに四半期で過去最高となった。

 新型コロナウイルス感染症や地政学的緊張等の各種リスク環境下においてもロボット需要の回復・拡大は継続しているものの、今後の動向については引き続き注視する必要がある。

 受注・生産・出荷の各状況は以下のとおり。

1.受注
 ・受注台数:71,860(台)(前年同期比+0.3%)【7四半期連続の増加】
 ・受 注 額:2,420(億円)(同▲3.3%)【8四半期ぶりの減少】

2.生産
 ・生産台数:64,251(台)(前年同期比+8.1%)【7四半期連続の増加】
 ・生 産 額:2,217(億円)(同+5.7%)【7四半期連続の増加】

3.出荷
 ・総出荷台数:63,343(台)(前年同期比+6.1%)【7四半期連続の増加】
 ・総出荷額 :2,198(億円)(同+5.2%)【7四半期連続の増加】
  ー国内出荷台数:9,146(台)(同+1.4%)【5四半期連続の増加】
  ー国内出荷額 :400(億円)(同+3.0%)【5四半期連続の増加】
  ー輸 出 台 数 :54,197(台)(同+7.0%)【7四半期連続の増加】
  ー輸   出   額:1,798(億円)(同+5.8%)【7四半期連続の増加】

3.1 国内出荷内訳
電気機械製造業向け
 ・国内出荷台数:2,998(台)(前年同期比+0.8%)【6四半期連続の増加】
 ・国内出荷額 :133(億円)(同+7.6%)【5四半期連続の増加】
自動車製造業向け
 ・国内出荷台数:2,469(台)(前年同期比▲0.3%)【4四半期ぶりの減少】
 ・国内出荷額 :110(億円)(同▲0.4%)【2四半期連続の減少】

3.2 輸出内訳
電子部品実装用
 ・輸出台数:5,262(台)(前年同期比▲1.9%)【3四半期連続の減少】
 ・輸出額 :730(億円)(同▲5.9%)【2四半期連続の減少】
溶接用
 ・輸出台数:9,232(台)(前年同期比▲8.4%)【7四半期ぶりの減少】
 ・輸出額 :217(億円)(同+14.5%)【7四半期連続の増加】