「グローバル化した社会経済の動きに迅速に対応していく」 日本フルードパワー工業会が賀詞交歓会を開く
梶本会長は、日頃の感謝の意を表したあと、「昨年12月に米国のゼロ金利政策が終了し、その影響が新興国にどのように影響するか各国が見守っている中、今年は年明け早々、サウジアラビアとイランとの国交断絶のニュースが飛び込み、中東地域に一段の緊張が走った。また原油安からの資源国経済の低迷やGDP世界第二位の中国の成長鈍化など新興国景気の減速などを背景にアジアや日・米・欧株が大きく下がるなど波乱含みの状況でスタートした。このような世界情勢の中、新年早々に招集された国会では3.3兆円規模の補正予算、そしてTPP関連、また、GDP600兆円を目指す来年度予算などのわが国経済を大きく左右する多くの重要な審議がされると聞いている。安倍内閣は今年を内外課題に対する挑戦の年、経済最優先の年と位置付けており、デフレ脱却を目指すアベノミクス政策の更なる進化とその果実に期待したい。さて、私たち日本フルードパワー工業会は、今年創立60周年の節目を迎える。もはや戦後ではないといわれた昭和31年に前身である油圧機器工業会、日本自動機器工業会が設立され、お陰様で、今や販売高約7000億円にまで発展した。しかし、周囲の環境は大きく変化をしている。世界経済の一層のグローバル化の進展により様々な地域のリスクなどが世界経済に大きな影響を与える時代である。フルードパワー業界が今後とも成長発展していくためにはこのようなグローバル化した社会経済の様々な動きに迅速に対応していかなければならない。その意味でも新技術への挑戦、どこにも負けない生産効率の向上、新規市場開拓などの持続的活動が求められる。そのためには学会の先生方をはじめとした多くの学校による産学連携研究開発の推進や工場の革新、そして、女性やシニアの方々の働きやすい環境作りが大切であり、工業会としてもこれらをサポートする活動を強化していきたい。今年は参議院選挙の年である。初めて18歳以上の若者が参政権を得て国政に関与する選挙であり日本の政治も変化する予感がしている。昨年の北陸新幹線の開業に続き、今年3月には北海道新幹線が函館まで開通する。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催、2027年のリニア新幹線開業に向けて東京をはじめ国内各地で様々な工事が始まってきており、日本の都市の姿が大きく変わりつつあるが、日本の国民が忘れてはならない東日本大震災から早5年が経とうとしている。交通網などのインフラは計画通りに復旧しているようだが、被災された方々が1日も早くもっと安心して暮らせる街になって欲しいと願っている」とあいさつした。