「AMADA INNOVATION FAIR2019」で見た金属加工の最適ソリューション! 世界初のLBCテクノロジーとは!?

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写真左:アマダホールディングス 岡本会長兼CEO 右:磯部社長

 アマダグループが伊勢原事業所のアマダ・ソリューションセンターにて5月18日から6月22日まで開催している「AMADA INNOVATION FAIR2019(略称:AIF2019)」が、開催に先立ちメディアDAYを開き、アマダグループの戦略やLBCテクノロジーの紹介をした。

今年のAIFのテーマは、「進化が加速する」。注目すべき点は、革新的な光技術と自動化ソリューションで、変種変量生産への対応や人手不足の解決に向けた提案をしていることだ。特に注目する点は、独自に開発した「軌跡ビームコントロール(LBC)テクノロジー」と、高速・高品位・高い安定加工で定評のビーム制御技術「ENSISテクノロジー」の2つの光技術だ。AIF2019をレポートする。

進化が加速する

190605top1除幕式であいさつをする磯部社長 AIF2019に先立ち、5月17日に開いたメディアDAYの中で、磯部 任 アマダホールディングス社長は、「昨年のAIFのテーマは進化だったが、この進化がどこまで加速したのかという点をご披露できるのではないか。進化のひとつは、革新的に日々進化しているレーザ技術。われわれは機械メーカーとして初めて1980年にレーザ加工機を出し、現在累計で2万台を超えるレーザ加工機を世界に供給させていただいた。そこから大きく変化し、2010年に自社製のファイバーレーザを搭載した新たなイノベーションを起こしたが、ここ数年でさらに進化している。」と話した。

 現在、同社の商品で大きなボリュームゾーンを占めているのは『ENSIS』というベースの交換なしにひとつの発振器で薄板から厚鉄板までを切る同社独自のビーム制御テクノロジーを搭載したマシンだ。昨年には発振器の出力が6kW、9kWに拡大したものがリリースされ、高速安定加工を実現したとして大きな注目を浴びたが、今回のAIFでは、さらに進んで光を自在にコントロールできる“LBCテクノロジー”を世界で初めて開発したと発表した。

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190605topz会場内の様子 磯部社長は、「光の軌跡をコントロールすることによって様々な加工に対応し、加工に広がりを持つことができる。」と機械のお披露目に自信を示した。また、同社のIoT技術を搭載した『V-factory』についても、「現在弊社では約100社のお客さまとIoTつながっている。ここをさらに一気に進化させるべく、4月から“つながる機能”をマシンに標準搭載した。これを“VFマシン”と呼んでいる。」と説明した。これにより一気に“つなぐ”を拡大する方針だ。

 今回のAIFでは板金以外でもホットな話題が豊富だったのも印象的だ。昨年、オリイメックがアマダグループに参画してアマダのプレス事業を一体化し、新しくアマダオリイが誕生した。プレスマシンのアマダと周辺装置のオリイが合体することによって、画期的なプレス・ソリューションに期待が高まる中、今回、アマダオリイとして初の展示となっている。また、昨年7月末にアマダグループに加わった米国現地法人アマダマーベルの堅型チルトバンドソーを国内初も展示されている。

「軌跡ビームコントロール(LBC)テクノロジー」とは

190605top2開発責任者の山梨開発本部長 山梨貴昭 アマダ 上席執行役員 板金開発本部長(以下山梨開発本部長)から新技術について説明があった。それによると、LBCは、Locus Beam Control、軌跡ビームコントロールと訳す。レーザの光を自在に、その軌跡を無限大に動かすことができる革新的な技術なのだ。

 具体的には、ヘッドから光が一直線に材料にあたり母材を溶かしていくのが従来のレーザ切断の方法だったが、これに対して新開発のLBCテクノロジーは、光をノズルの中で自由自在に動かすことができる。エネルギー密度の高い効率的な光を高速振動させ、加工技術に合わせてビーム軌跡をコントロールし、革新的な加工技術をつくり出す。これこそが無限の可能性を秘めた新しい光コア技術なのだ。

190605top3VENTIS-3015AJ 山梨開発本部長は、「従来の切断は、レーザ光が材料の波面までしっかりと照射されて、溶融率を排出する環境で切断をする。従来ではその速度がスピードアップするとカッティングフロント(上面から下面までの面)が、速度が速くなるほど下面においては遅れが出てしまった。この下面の傾き感が大きくなると、下面が溶融される前に光が通り過ぎてしまうので良好な切断が得られないといった現象があったが、この“LBCテクノロジー”を使うと、ビームを高速に振動させることによって、カッティングフロントの速度が速くなってもしっかりと溶融させることができることが可能になり、より速く、そしてよりきれいな加工ができる。」と新技術の優位性について述べた。また、LBCテクノロジーは、溶融金属の温度を高い状態で下面まで当然維持することができることで、4kWという従来のスピードの発信器でありながら、速度が2倍から3倍の切断速度にすることができるという。しかも最大で、ランニングコストが75%ダウンという驚きのコストを実現した。

190605top5今回初出展となるアマダオリイの坂木社長。 世界初のLBCテクノロジーが搭載された第一弾ファイバーレーザマシンである『VENTIS-3015AJ』のアンベールセレモニーが行われた。あいさつの中で磯部社長は、「昨年日本に先行してドイツ ハノーバーで開催されたEuroBLECH2018でお披露目をしたが、このVENTIS-3015AJがMM賞を受賞した。」と話した。このMM賞は、ドイツで最も権威のある機械業界誌「Maschinen Markt(MM)」が革新的な製品に対して表彰するもので、EuroBLECHに出展されたマシンの中から毎回審査・選出されている。

 本年4月1日からスタートしたアマダオリイは初展示。同社の坂木雅治社長が、自動化ソリューションとして複数のプレスマシン間を材料搬送ロボットでつなげたタンデムラインシステムを披露。アマダオリイでは他にもシンプルなデザインで操作性も抜群のばね成形機『VM-26』を展示していた。

AIF2019の主な見どころ一覧

テーマ:「進化が加速する」
日 程:2019年5月18日~6月22日(土)
場 所:アマダホールディングス伊勢原本社アマダソリューションセンター(伊勢原市石田200)

●光技術
・軌跡ビームコントロール(LBC)テクノロジー
・ワイドレンジ安定加工 ENSISテクノロジー

●ファイバーレーザマシン
・ファイバーレーザマシン VENTIS-3015AJ、ENSIS-3015AJ、他
・パンチ・ファイバーレーザ複合マシンEML-2512AJ、他
・ファイバーレーザ溶接システム FLW-3000ENSIS、他

●ベンディングマシン
・多品種少量対応ベンディングマシン HG-2204ATC、他
・小物対応全自動曲げシステム EG-6013AR、他

●V-factory(IoTソリューション)
・マシンのポテンシャルを生かすIoTツール My V-factory、IoTサポート

●切削マシン
・超硬丸鋸盤 CMⅡ-100DG、他
・堅型チルトバンドソー VT3850A、他

●プレスマシン
・デジタルサーボプレスSDEシリーズと材料搬送ロボット RHQ-120を組み合わせたタンデムライン、他