「平成29年度日本機械工具工業会賞受賞者」を発表 日本機械工具工業会

 日本機械工具工業会(会長=牛島 望 住友電気工業専務)はこのほど、平成29年度日本機械工具工業会賞の受賞者を発表した

 今年度の受賞者は業界功労賞(2名)、技術功績賞(10社14件)、環境賞(環境大賞1件、環境特別賞4件)が受賞した。

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業界功労賞(2名)

171128賞1
〇鈴木規方 氏(元株式会社 鈴木工機製作所 )
 平成 8年5月~平成23年3月 日本工具工業会 東京支部長 14年10月
 平成 4年5月~平成13年5月 同理事 9年 0月
 平成13年5月~平成23年3月 同副理事長 9年10月

■企業経歴
 昭和51年4月~平成23年3月
 株式会社 鈴木工機製作所代表取締役社長

【功績の概要】
 平成4年5月日本工具工業会理事に就任以来、副理事長5期約10年、東京支部長7期約14年に亘って日本工具工業会の役員を務め、平成11年からは、理事長が2年交替制になり、平成13年から約10年副理事長として理事長を補佐した。また、日本工具工業会創立60周年記念事業実行委員長として活躍した。平成20年2月には急な理事長退任があり、6月の定時総会まで理事長代行を務め、工業会の窮地を救った。平成23年3月に事業を整理されて会員を辞した以後も賀詞交歓会に出席し、工業会の歩みを見守っている。


〇松本康三氏(株式会社共立合金製作所 取締役会長)

171128賞2

 昭和62年6月~平成 3年6月 理事 4年 0月
 平成 3年6月~平成19年6月 常任理事 16年0月
 平成19年6月~平成27年6月 理事 8年0月
 平成27年6月~平成29年6月 日本機械工具工業会理事 2年0月

■企業経歴
 昭和54年6月取締役社長、平成20年6月取締役会長、現在に至る。

【功績の概要】
 昭和62年6月に旧、超硬工具協会の理事に就任。協会創立以来、先代の創業者同様、理事会社として協会活動にさまざまな面で活躍した。特に、平成3年に関西地区担当常任理事就任を皮切りに、同担当を3期6年、協会賞担当理事(選考委員長)を2期4年、特許担当理事2期4年、関連団体担当理事を1期2年担当した。関西地区担当理事時代には全員参加の理念のもと会合出席者の増員に、協会賞選考委員長としては、技術関係の賞の選考に公正で忌憚のない活発な意見交換をモットーに委員会をリードした。また、その間2期4年副理事長の重責も務めるなど、永年協会中枢の幹部として業界運営を主導した。また、平成27年旧、日本工具工業会との統合後は、日本機械工具工業会理事として幅広く活動してきた団体活動の経験から様々な場面で意見を具申した。

技術功績賞

「スレッドミル用径補正ツールの開発」オーエスジー
・相川拓也

171128賞3
【技術の特徴】めねじを加工する工具として、同一ピッチであれば様々なサイズのめねじをミリング加工できる「スレッドミル」という工具があり、その経済性、切り屑トラブルの少ない安定加工、更には困難な難削材加工と、加工品位の向上という利点から、幅広い分野で需要が伸びている。しかし、NCプログラムを使用した自由度が高い加工の為に、めねじを狙いの有効径に加工する為の段取りが非常難しく、時間がかかる加工であることも広く知られている。DCTはこの困難な段取り作業を大幅改善させる為のツールアイテムである。


「超硬ドリル用被膜『EgiAs』の開発」オーエスジー
・王 媺 ・杉田博昭

171128賞4
【技術の特徴】自動車、産業機械などの分野で鋼製部品の機械加工に用いられる超硬ドリルの長寿命化を実現するためには、耐酸化性を向上させ刃先の硬度低下を抑制することやさらに靱性を損なわず耐摩耗性を向上させた新種被膜が必要とされた。新開発したEgiAsは、被膜をナノ周期で積層された事でクラックの伝播を防ぎ、高硬度で耐酸化性の優れた層を交互に積層させることで耐摩耗性と靱性をバランスよく向上させ、従来製品のWDⅠに対しドリルの耐久寿命を2倍以上に延長させることに成功した。


「アルミ加工用高能率仕上げカッタ MFAH型の開発」京セラ
・出口 慎 ・山本雅大 ・小山 嶺

171128賞5
【技術の特徴】アルミ部品の面加工は、高品質と高能率加工が求められる。特に能率向上に伴うバリ・コバ欠けが発生しない工具が要求されている。本開発は、アルミ部品のフライス加工における、高能率で高品位な加工を実現することを目的とし、従来製品に対し、バリ・コバ欠けを抑制、カッタ刃振れ調整の操作性を大幅に改良した点に特徴がある。
 ・低抵抗設計とチップ稜線形状により、バリ・コバ欠けを抑制
 ・独自機構により、簡単な刃振れ調整を実現。操作性を大幅改善
 ・豊富なレパートリーによる多様な加工への対応


「新旋削加工用工具CoroTurn® Prime」サンドビック
・井原明彦

171128賞6
【技術の特徴】高速・高能率化による生産性向上、工具寿命の向上は永遠の追求するテーマである。本製品の開発の狙いは、旋削加工で、その飛躍的な生産性向上、なおかつ工具寿命の大幅UPを目的として開発した。全方向旋削加工方法によるPrime TurningTMにより、あらゆる方向に1つの工具で旋削加工が可能となり、低切り込み角による高い送り条件で生産性向上、長寿命の実現に成功した。また従来引き加工時に問題視されていた切りくず処理も改善した。


「鋼旋削汎用コーテッド材種AC8025Pの開発」住友電工ハードメタル
・金岡秀明 ・小野 聡 ・北海道住電精密 子吉雄太

171128賞7
【技術の特徴】機械加工の現場においては、リードタイム短縮、加工コストの低減に加え省人化(自動化、無人化)へのニーズが強まっており、切削工具に対しては高能率化や長寿命化に加え、加工時に突発的なトラブルを起こさず、安定して使用できることへの要望が従来にも増して強くなっている。このような要望に対し、工具寿命の安定性、信頼性を著しく向上させた新CVDコーティング技術「Absotech Platinum」を適用した鋼旋削汎用「AC8025P」を開発した。


「精密加工用旋削コーテッド材種AC1030Uの開発」住友電工ハードメタル
・山西貴翔 ・北海道住電精密(竹下寛紀 藤原賢司)

171128賞8
【技術の特徴】近年、自動車部品加工の現場では部品の小型・軽量化が進んでおり、切削工具には幅広い被削材に対し、長寿命且つ優れた加工面品位が得られる切削工具が求められている。そこでこれらの要望に対応すべく、新PVDコーティング技術「Absotech Bronze」を適用し高い刃先品位と耐摩耗性を両立した精密加工用旋削コーテッド材種AC1030Uを開発した。


「高硬度材加工工具用被膜『DH1』の開発」ダイジェット工業
・春日良一 ・住田輝幸 ・竹田容大

171128賞9
【技術の特徴】加工能率を向上させるため、焼入れ後の切削による直彫り加工が主流となり、金型材の高硬度難削化への対応がますます要求される。金型の高速、高精度、高能率仕上げ加工に使用されるボールエンドミルにおいては、先端中心切刃付近の低速加工域での密着性と、外周切刃部の高速加工域 での耐熱性を兼ね備えた新被膜が必要とされ、また、荒加工工具においては、クラックの伝播を抑制する必要もある。新被膜『DH1』は、ボールエンドミルによる加工において、摩擦力の大きい低速域 側での膜剥離を抑制し、加工熱の発生が大きくなる高速域側での耐酸化性を大幅に改善した、高硬度難削材加工用新被膜である。


「小径カッタ『Tung Force Rec』の開発」タンガロイ
・雲井春樹 ・山田洋介 ・小泉智幸

171128賞10
【技術の特徴】 従来、金型等小物部品に用いられる小径刃先交換式カッタは本体の剛性不足によるびびり発生とインサートの強度不足により、高能率加工には限界があった。開発では、小径刃先交換式カッタによる高能率加工の実現を目的に、"強ネガラジアルレーキのカッタボディ"と"底面にV字形状を有する新形状インサート"の組み合わせにより、びびりの発生を抑制し、高能率加工を実現した。さらに、従来製品では困難であったインサートおよびねじサイズを大きくすることが可能になり、強度不足を解消し、高信頼性も実現した。


「ラフィングカッタ『 Tung Tri Shred』の開発」タンガロイ
・阿曽孝洋 ・大塚 潤 ・阿部晋介

171128賞11
【技術の特徴】肩削り加工は工具軸に対して、曲げ方向に大きな切削抵抗を受けるため、びびりが発生しやすい加工の一つである。そのため、特に重切削条件下では高能率加工がおこなえなかった。この対策として、従来よりニック付インサートを用いた加工があるが、低抵抗化には限界があった。そこで本開発では、重切削条件下での高能率加工の実現を目的に、最新の”波形切れ刃を持ったインサート”と”独自のインサート配置”により、びびりを抑制して高能率加工を実現した。


「超硬ソリッド 千鳥刃面取りカッターの開発」東陽
・中田 歩 ・檞原弘睦

171128賞12
【技術の特徴】開発は、小径面取り工具に千鳥刃を採用し、表面・裏面共に加工時のビビリや2次バリを抑制して工具の長寿命化並びに、加工品質向上を図ったものである。 工具の特徴として、①切りくずの生成・排出が円滑に行われる、②ネジレ刃にする事で切削抵抗が少なく長寿命、③表面・裏面取りの刃形状を同形状にする事で表裏同等の切削条件で使用可能となった。


「ハイドロサポートボーリングホルダの開発」富士精工
・小島秋広 ・川瀬翔太

171128賞13
【技術の特徴】製品はエンジン部品であるシリンダブロックのクランク穴を仕上げる長尺ボーリングホルダである。近年、汎用機仕様のツールが設定されているが、高価な専用の支持治具が必要となり、設備投資の面で不利である。本製品の流体軸受けセルフサポートにより、上記専用治具は不要となり、安価な汎用ツーリングを提供することが出来る。


「ラジアスミル『RD16B形』の開発」三菱日立ツール
・高橋勇人 ・飯嶋和久 ・小林弦幸

171128賞14
【技術の特徴】航空機および発電業界では難削材の加工が多く、工具寿命の短い難削材の加工では工具費低減のためインサートの多コーナー化の強い要求がある。本製品は両面仕様のネガタイプインサートを使用するが、逃げ面はポジ形状とし、低切削抵抗かつ、掘り込み加工が可能な多機能性を両立させた。またインサートおよびホルダーの拘束面の形状を工夫し、取付角度の最適化により、確実な回動防止を可能とするとともに操作性も改善した。さらに使用条件によっては、最大16コーナー使用でき、従来の丸駒インサートと比べると、より高いコストパフォーマンスを実現したラジアスミルである。


「SR加工用超硬ドリルの開発」三菱日立ツール
・藤原繁栄 ・居原田有輝 ・末原 要
171128賞15
【技術の特徴】ダイカストやプラスチック金型では、冷却穴の穴底近傍の角立ちや穴壁面の加工傷から応力腐食割れが発生することがある。そこで本製品は穴底を丸く加工(SR加工)するとともに、従来品(先端R形状のガンドリルやユーザーで先端R形状に研磨されたハイスドリル)では困難であった穴壁面の仕上げ加工を同時に行うことで、加工傷も低減可能な工具として開発した。これらの効果により、応力腐食割れをより一層抑制することで、型寿命を約2倍に向上させる効果が期待できる。


「鏡面加工用ボールエンドミル VFR2SBFの開発」三菱マテリアル
・渡邊博史 ・橋本達生

171128賞16
【技術の特徴】本製品は高硬度鋼の切削加工において、被削物の加工面改善を目的として開発した超硬エンドミルである。これまで加工面の面粗さ及び光沢が必要な場合、切削加工後の長時間の手仕上げあるいはPCD等の高価な工具による仕上げ加工が必要であった。これに対し加工面へ鏡面性を付与するには切削工具の切れ刃平滑化が必須であることを見出し、新しく開発した独自の平滑化処理技術により切削での鏡面加工を実現した。

環境大賞

〇京セラ 八日市工場
 高レベルの環境マネジメントのもと地球温暖化防止、廃棄物削減の各環境活動に積極的に取組まれ組織的な仕組み(基盤)が確立されており、改善の推進力も高いと判断する。生産拡大の局面にあっても改善実績を着実に積重ね、今回の環境調査で昨年に続き連続で総合評価第1位の実績である。これらの環境管理活動は他社の規範となるものである。

■環境特別賞■
〇京セラ 岡谷工場
2015年度40%、2016年度は20%と、2年連続で CO2原単位排出量を大幅に削減さ、それに加えて、廃棄物においても再資源化率100%を維持しながら、3年連続で排出量を大幅に削減するなど効果をあげている。

〇三菱日立ツール 成田工場
 再資源化率はほぼ毎年100%を達成しており、エネルギーの生産高原単位も2012年から毎年減少し、2016年の2012年比は10.8%向上した。現状の高いレベルに満足することなく、改善活動を更に活性化し、効果をあげている。

〇三菱日立ツール 野洲工場
 廃棄物対策に継続的に取り組み、5年間以上の長期にわたり再資源化率99%以上を達成している。さらに2016年度には、総廃棄物量で前年度比19%削減、再資源化率でも前年度比0.4%向上と、現状の高いレベルに満足することなく改善活動を更に活性化し、効果をあげている。

〇レッキス工業
 従来より環境管理活動に継続的な取組みを実施し2014年から(3年)連続してCo₂原単位排出量を削減している。廃棄物対策の取組みについても継続的な活動が顕著にみられ5年間以上の長期にわたり、ゼロエミッションに対する取組みをされており効果が確認できる(過去6年再資源化率99%以上)。現状の高いレベルを維持しながら更に継続的な効果をあげている。