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台湾TMTS展が6年ぶり単独開催 7万人が来場、オンライン展には11万人
工作機械の輸出額で世界5位、生産額で世界7位の台湾で台湾国際工作機械展(TMTS2024)が3月27日から31日までの5日間、台北市東部の台北南港展示センター1、2号館で開かれた。6年ぶりの単独でのリアル開催に631社が3,350小間を超える規模で開催され、国内外から7万人が来場し、オンライン展には123カ国から11万人がアクセスした。今回展のテーマは「DX & GX 持続可能な未来」で、各出展者がDX(デジタルトランスフォーメーション)とGX(グリーントランスフォーメーション)の2つを軸に、製品とサービス、自動化や省人化に向けたソリューションを競った。台湾の工作機械業界にとり最大の輸出先の中国が不動産不況を受け、設備投資が急減速して販売を落とすなか、台湾メーカー各社が何を目指しどう取り組むのかを現地で取材した。【台北=是州煩太(文・写真)】
ファンを引き付け知名度も向上
TMTSは2010年に台湾中部の台中市で初開催され、今回で7回目の開催。6回目となるはずだった20年展は新型コロナウイルス感染症の拡大で中止に追い込まれ、2年前の22年展は会場を台北に移し、30回の節目を迎えた台北国際工作機械見本市(TIMTOS)との合同で、「TIMTOS×TMTS2022」として国内向けの開催を強いられた。海外の在住者に対しては、同時開催されたオンライン展での視聴参加の呼びかけを余儀なくされた。
半世紀を超える長い歴史を持つTIMTOSに比べ、台中で開催されるTMTSの知名度はかつては今ひとつ。初期の開催時には日本で開催される日本国際工作機械見本市(JIMTOF)の知名度と集客力を利用し、JIMTOF閉幕の翌日をTMTSの開幕日に当て、各国からのJIMTOF来場者に帰国前の立ち寄り、寄り道での来場を促した時期もあった。主催の台湾区工作機械工業会(TMBA)が編み出した秘策だった。
産業用機械を広範に展示するTIMTOSに対し、切削を中心とした金属加工用の工作機械と周辺機器に絞って展示するTMTSは、初開催から14年を経てより熱心なファンの引き付けに成功し、今や知名度も上げて来場者数を増やしてきた。
開催地の台中は、工作機械や周辺機器の各主要メーカーの本社と工場の集積地でもある。工場の見学も兼ねて、TMTSを目当てに台湾を目指す来場者も増えた。あえて例えるなら、TIMTOSが台湾版JIMTOFなのに対し、TMTSは台湾版メカトロテックジャパンの位置づけだ。今回はかつての台中の会場が取り壊され、新会場の建設計画の遅れも重なり、台北での開催となった。
意欲的な新興国の需要捉える
今回展には7万6776人が来場。台湾各地からはもちろん、68ヵ国・地域から3,319人の外国人が来場した。外国人来場者数の上位10カ国は、インド、日本、中国、マレーシア、フィリピン、米国、インドネシア、タイ、ベトナム、トルコで、多くの国が視察団を組織して会場を訪れた。
大手自動車メーカーが工場を持つポーランドやチェコ、メキシコやアフリカなどからも来場した。既存の工業国はもちろん、設備投資への意欲が高い、新興工業国の需要をしっかり捉えた印象だ。つまり、これらの国々が今後、日本の工作機械業界が挑むべき市場、いわば「お得意さま」へと導く国だ。台湾製の工作機械を導入したら、次は必ずより高性能な日本製の工作機械が欲しくなるはずだからだ。
TMBA理事長でYCMブランドを展開する永進機械工業の陳伯佳総経理は開会式で「今回のTMTSは、従来の台中での開催から台北での開催に変わっただけでなく、多くのユニークな取り組みに挑戦した。最新の機械の展示だけでなくソリューションを提案し、DXとGXを軸に持続可能な未来社会を提案する。ユーザーの経験や体験を基に分析を重ねて機械を改善した。これまでとは違った斬新なものづくりの世界を披露したい」と意気込みを述べた。
日本の首相に相当する陳建仁行政院長や官房長官に相当する林佳龍総統府秘書長らがあいさつし、官民挙げた応援体制もアピールした。蔡英文総統こそ来場しなかったものの、開会2日目には5月に次期総統に就任する頼清徳副総統、5日目の最終日には頼政権下で副総統に就任する蕭美琴前駐米大使も会場を訪れた。
サンドビック・コロマント 「CoroMillⓇ MR20」を新発売

サンドビック・コロマントがこのほど、新型ラジアスカッター「CoroMillⓇ MR20」の販売を開始した。この製品は、正面フライス、ポケット、プランジミリングなど多様な加工領域において、独自の最新テクノロジーを採用することで、これまでよりも工具寿命を延伸し、加工中のトラブルを防止する。これにより、顧客の加工部品あたりの加工コスト低減、生産性向上、消費エネルギーおよび工具消費量の削減といった高い持続可能性を提供する。
カッターボディには、チップとの接触面積を拡大し形状を最適化することで、応力集中を40%以上低減する革新的なチップシートを採用した。さらに、チップを簡単かつ確実に位置決めするロック機構を組み合わせることで、加工中のチップの微小な動きを抑制し、工具自体のロバスト性を大幅に向上させたことにより信頼性の高い加工を実現した。また、切れ刃振れ精度も従来品よりも大幅に改善し、工具寿命の予測可能性を高め、計画的で効率的な工具寿命管理に貢献する。
また、高生産性のために切削速度を大幅に上げることが難しいステンレス鋼(ISO-M)、耐熱合金(ISO-S)の加工においては、多刃クロスピッチ設計により優れた加工能率を発揮する。さらに、逃げ面側からクーラントを供給する画期的なアンダークーラント機構(DCX 50~80mm)を搭載し、効率的な冷却性能とクーラント吐出量の増加によって、チップの熱亀裂のリスクを最小化する。
チップは、ステンレス鋼(ISO-M)、耐熱&チタン合金(ISO-S)、鋼(ISO-P)加工向けに最適化された新型低抵抗ブレーカを備えた片面6コーナ仕様。特許取得済みの精密プレス技術「フラッシュライトテクノロジー」により、ダイレクトプレスでありながら研磨級と同等の精度を実現する。さらに、厚肉設計とすることで、耐欠損性と耐久性を強化し、安定した性能を発揮する。
ラインナップは、カッター径φ32~φ125㎜、シャンクは、アーバ取付け、円筒シャンク、Coromant Capto、EHカップリング、ねじ式カップリングの5種類を用意。チップは、12、16mmサイズを展開し、鋼(ISO-P)、ステンレス鋼(ISO-M)、耐熱合金(ISO-S)向けに最適化された30品目を取り揃えている。
ダイジェット工業 「マックスマスターミニ」を新発売

ダイジェット工業がこのほど、好評を博している高能率荒加工用刃先交換式カッタ「マックスマスター(GMX/MXG形)」に、小径多刃仕様の「マックスマスターミニ」本体(MXG-07形)及びインサート(ENMU07形)を新発売した。
この製品は、従来のマックマスターも高能率に荒加工ができることで好評だったが、「より高能率に粗加工を行いたい」、「小径タイプのラインナップの追加を希望」とのニーズを多く受けたことらか、これらを実現するべく開発したもので、炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、焼き入れ鋼、ステンレス鋼、鋳鉄の平削り、曲面加工、ポケット加工、ヘリカル加工、溝削りに威力を発揮する。特長は以下の通り。
(1)従来品マックスマスター(GMX/MXG形)と比較して、小型インサート採用かつ小径多刃仕様により、さらに加工能率がアップ。
(2)インサートは、両面使用可能な4コーナ仕様で経済的(φ10本体に対応した両面4コーナ仕様のインサートは同社初登場)。
(3)高剛性な本体設計により、ボディの本体剛性は従来品比44%アップ。
(4)細目ねじの採用とクランプねじを太くすることで、ねじの折損を防止。並目ねじよりもかかり量が増加し、ゆるみを防止。
【サイズと価格】
■マックスマスターミニ モジュラーヘッドタイプ
・形番・サイズ:MXG-07形…φ10~φ16 (計4形番)
・標準価格:23,380円~40,440円(税抜き)
■マックスマスターミニ インサート
・形番:ENMU07T207ZER-PM ・材種:JC8118、JC8050
・標準価格:1,320円(税抜き)
アマダ土岐事業所が「ぎふ脱炭素トップランナー表彰」を受賞 ~99.8%のCO₂削減と先進的取り組みが高く評価~
アマダの主要生産拠点である土岐事業所、および同拠点内に所在するアマダツール土岐事業所がこのほど、「ぎふ脱炭素優良事業者」として認定された。その中でもアマダの土岐事業所は、特に優れた取り組みを行う事業者として、岐阜県が新設した「ぎふ脱炭素トップランナー表彰」を受けた。これに伴い、本年、2月20日に岐阜県庁にて表彰式が行われた。
「ぎふ脱炭素トップランナー表彰」は、岐阜県が県内の事業活動に伴う温室効果ガス排出抑制を促進することを目的に、先進的な取り組みを行う事業者を表彰する制度。土岐事業所は、サプライチェーン排出量の算定やカーボン・オフセットの実施に加え、温室効果ガス排出量を令和3年度比で99.8%削減した成果などが高く評価されたことにより、今回の選定となった。
設備面では、安価な深夜電力で蓄えた冷温熱を日中のピーク時に供給する「竪型水蓄熱槽・循環システム」を運用しているほか、事業所内の全照明をLED化し、センサーを用いた照明集中制御システムを導入することで大幅な電力量削減を図っている。さらに、再生可能エネルギーの導入も加速させるため、本年1月よりオンサイトPPAモデルを導入し、従来の300kWの太陽光発電設備に加えて新たに1,875kWを増設した。これにより、展示・商談施設を備えるテクニカルセンター棟においては、年間消費エネルギー量を上回る創エネを行い、自給率111%という高い実績を達成し、自給したクリーンエネルギーで全消費電力を賄うことで、実質的な「カーボンニュートラル」を実現している。
アマダグループは、自社拠点における環境負荷低減を加速させるとともに、製品の省エネ性能向上を通じて、顧客の製造工程における脱炭素化を支援していく方針。
DMG森精機「健康経営銘柄」に3年連続で選定、「健康経営優良法人(大規模法人部門(ホワイト500))」に4年連続で認定

DMG森精機がこのほど、健康経営に優れた上場企業として昨年に続き 経済産業省と東京証券取引所による「健康経営銘柄」に、3年連続で選定された。同銘柄は、社員等の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する健康経営の考え方に基づき、長期的な視点からの企業価値向上が期待される企業を、投資家にとって魅力ある投資対象として紹介されるもの。また、日本健康会議により、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する「健康経営優良法人(大規模法人部門(ホワイト500))」にも4年連続で認定された。
会社の安定した事業運営と持続的な発展成長にとって、社員が心身ともに健康であることは必要不可欠としている同社は、2018年に12時間勤務間インターバルを義務化、2019年に全社員に人間ドック方式の各種がん検診を含めた健康診断を個人負担額なく導入、2020年に敷地内全面禁煙化を実現し、さらに健康管理増進センターを設立している。2021年には「DMG森精機 健康経営宣言」を発表し、順次、社内健康データの見える化、ラインケアのヘルスリテラシー向上を目的とした管理職のためのWebinar研修の開始、要二次健診者の追跡や服薬アドヒアランスの確認、40歳未満有所見者に対する保健指導、運動・栄養教室の開催などを継続して実施している。
同社の健康経営の取り組みは昨年で5年目を迎え、健康施策を系統的かつ、より広い領域へと発展させてきた。有給休暇や育児休業の取得促進はワーク・ライフバランスの向上に寄与し、各種がん検診の負担ゼロなどの定期健康診断は、高い社員満足度を得ている。また、治療や育児・介護と仕事との両立支援や、女性特有の健康課題への理解も進み、職場のストレス対策にもつながっている。
同社では今後も経営理念に掲げる「よく遊び、よく学び、よく働く」を体現する社員の意欲的な働きに期待するとともに、会社をあげて組織的な健康増進施策を推進することにより、社員が高いワーク・エンゲイジメントを持ちながら、健康に個々の能力を発揮できるよう取り組んでいく方針。
アマダが湘南ベルマーレの株式取得
アマダ(社長=山梨貴昭氏)がこのほど、フジタ、産業能率大学、日本端子、マッケンジーハウス、およびAuthense Holdingsと共同で、2026年2月20日にRIZAPスポーツパートナーズより湘南ベルマーレの発行済株式の50.002%を取得することで合意し、株式譲渡契約を締結したことを発表した。同社はこれまでの協賛の枠を超え、株主という立場からクラブの自立した運営を尊重し、その社会的信用の向上を側面から支援していく。地域社会のからの期待に応え、安定した経営基盤の維持・向上に寄与することで、ファンやサポーターの方々が将来にわたって安心して応援できる環境を次世代へつなぐことを目指す。
オーエスジー 第113回 定時株主総会を開く

オーエスジーが2月20日(金)にホテルアソシア豊橋(豊橋市花田町西宿)で「第113回定時株主総会」を開いた。
事業報告では、経済環境は世界的に緩やかな回復基調のなか、インフレは前年と比較して落ち着きを見せ、米国や欧州では金融環境の改善が進んだ。国内では景気・物価見通しが概ね計画通りに推移し、金融政策の正常化に向けた動きが見られた。また、米国の関税引き上げによる景気の下押しが懸念された者の、影響は当初の想定よりも緩和され、加えてAI関連需要の拡大も下支えとなり全体的に底堅い成長を維持した。同社グループにおいては、国内ではAブランドの新製品を世界展開したことにより、増収増益となった。
この結果売上高は1,606億1,900万円、営業利益は203億3,000万円、経常利益は223億5,400万円となった。また、海外売上高比率は前期と比較して増加し、68.2%となった。
日立建機 マイニング製品開発責任者ミーティングで事業の展望などを説明
日立建機が本社(東京都台東区東上野)にてオンラインとのハイブリッド形式「マイニング製品開発責任者ミーティング」で、ダンプトラックを中心としたマイニング製品開発戦略の説明を行った。
同社執行役の兼澤 寛 マイニングビジネスユニット副ビジネスユニット長は、鉱山業界のネット・ゼロ・エミッションの動向について説明をした。これによると、多くの鉱山企業が2050年ネット・ゼロ・エミッションを掲げていることに触れ、CO2排出量の半分や、掘削・積み込み工程、そのうち約40%が運搬だとし、鉱山ではマイニングショベル1台に対してダンプトラックは数台から数十台が稼働、「ダンプトラック1台あたりの年間CO2排出量は約3,000トン」と説明し、ダンプトラックの脱炭素化の重要性を述べた。
また、鉱山企業の電動化ニーズに対し、多様なアプローチの中で同社はハイブリッド式とフル電動ダンプトラックに標準を当てるとした。同社がこれまで製造・販売してきたACドライブシステムの車体をベースに様々な動力源に対応出来る製品開発を推進するという。
また、顧客の地域の電力事情において最適な選択肢を提案し、ターゲット市場については以下のとおりと説明した。
(1)フル電動
トロリー式が多く稼働する地域、電力供給インフラが充実している地域
(2)ハイブリッド
電気代が高い地域
また、ダンプトラックの電動化における課題として、①バッテリーが重く運搬料が低下、②充電停車時間で稼働率が低下、③電力使用量の変動幅が増加、大容量充電インフラが必要―――としたうえで、同社では解決策として次の3つをまとめた。
(1) 最低限のバッテリー搭載・積載量確保
(2) 走行しながら充電し、高稼働率を維持
(3) 電力使用量の変動幅を抑制、周辺動力インフラへの負荷低減
また、重電大手ABBと協業し2027年度中のスピード開発で商品化を目指す。スピード開発のポイントとしては、日立建機のACドライブ駆動技術を活用し、バッテリー駆動式路線バス・鉄道車両の尿入実績があるABBとの協業、長寿命、安全性の高いチタン製リチウムバッテリーを採用するなどを挙げた。
また、世界初となる実証試験の概要と成果についても説明した。それによると、2024年6月~2025年8月まで、ザンビア共和国 カンサンシ 銅鉱山で実証試験を行い、①CO2排出量ゼロ、②早強距離4,413km達成、加速性能、静音性の向上、総運搬量3万トン以上達成(注:2025年1~7月の実運用試験に基づく)と、環境負荷低減と可動性能向上を認め、走行ルートに応じたバッテリー充電を実証した。
ハイブリッドについては、フル電動単プトラックに次ぐCO2排出量低減のキーアイテムとして提案し、メリットについては、①新規インフラを必要とせずに導入可能、②既存のダンプトラックをレトロフィット可能、③回生エネルギーを有効活用し、燃料消費量10%以上削減、④日立グループと共同開発、オープンイノベーションを推進する、とした。2030年には実用化を目指すとしている。
今後は鉱山機械のサポート中心から、鉱山運営の最適化に貢献するソリューション提供を目指し、安全性・生産性の向上、ライフサイクルコストの低減+環境負荷の低減に応える開発を推進する方針。
2026年1月分工作機械受注総額は1,455.8億円
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2026年1月分の受注実績は以下の通り。
2026年1月分工作機械受注総額は、1,455.8億円となった。季節要因から前月比は△8.2%、前年同月比は+25.3%で受注総額は2カ月ぶりの1,500億円割れも、前年同月比では7カ月連続増加となった。1月期としては2018年の1,544億円に次ぐ、2番目に高い受注額となり、外需を中心に需要の高まりが感じられる。
このうち内需は、326.2億円で、年始の影響もあって前月比△18.2%と2カ月ぶりに減少した。前年同月比は+2.0%と3カ月ぶりに増加したが、依然として横ばい基調が続いている。半導体製造装置関連の需要の高まりを受け、「電気・精密」が前月比33.1%(2カ月連続増加)、前年同月比+20.6%(5カ月ぶり増加)の52億円と伸び、「航空機・造船・輸送用機械」も2カ月ぶりに30億円を超えた(34億円)。一方、最大需要区分である「一般機械」(120億円)は、データセンター向けの発電機等一部の分野で動きが感じられるものの、産業機械全般としての盛り上がりを欠き、12カ月ぶりに120億円を下回った。また、中小企業ユーザ比率が高いと見られる「金属製品」(18億円)は、前年同月比で7カ月連続減少するなど、他の区分と比較してもやや低迷感が強い。「自動車(66億円)も2カ月ぶりに70億円を下回ったが、前年同月比は4カ月連続で増加しており昨年秋からの緩やかな改善が持続しているとみられる。
外需は前月比で△4.9%(2カ月ぶり減少)、前年同月比で+34.2%(16カ月連続増加)の1,129.6億円となった。2カ月連続で1,100億円を超え、昨年12月に次ぐ歴代2位の受注額を記録した。欧米で期末効果が剥落した一方、中華圏では2月中旬からの春節入りを前に受注が増加した。海外比率は77.6%と2カ月ぶりに過去最高を更新した。
地域別にみると、北米(346億円)は、「一般機械」(82億円)が2カ月ぶりに80億円を超えたものの、その他の主要業種で昨年12月に複数見られた大型受注が剥落したのが響き、前月比で△16.6%の減少となった。欧州(151億円)は、同△32.2%と北米よりも減少率が大きく、4カ月ぶりに160億円を下回った。昨年12月に複数の大型受注があったフランスをはじめ多くの国・地域で受注が減少したなか、イタリアは政策動向を見据えた動きもあって増加した。なお、北米・欧州は前年同月比でみると引き続き増加しており、1月の前月比減少は季節要因による一時的なものとみられる。「アジア」(618億円)は、これまでの過去最高額(2017年11月:569億円)を大きく更新し、初めて600億円を超えた。中国(433億円)は「自動車」が過去最高の147億円となったほか、その他の主要業種も高水準での受注が持続し、同国としても過去最高額を更新した。また、台湾も「電気・精密」が牽引役となり41カ月ぶりに30億円を超え、インドもIMTEX展に関連した受注等が支えとなり60億円弱と高水準を保った。
1月の工作機械受注は内外需ともに前月比はマイナスも前年同月比ではプラスとなった。特に外需の伸びが寄与し、堅調に推移。受注の先行きは、世界経済に不透明感のあるなか、概して設備投資は堅調な動きとなり、今後の需要増に期待。
受注額の月別推移

(出所:日本工作機械工業会)
1月分内需 326.2億円(前月比△18.2% 前年同月+2.0%)
内需総額は、326.2億円(前月比△18.2% 前年同月比+2.0%となった。
先月の反動減か前月比で減少も、前年同月比では増加と堅調に推移した。主な需要業種は低調ながら前年同月比では増加と横ばい基調の推移。厳しさが続く現状から政策措置による強い回復絵の転換に期待したい。
・⼀般機械は1月期としてみると、やや低い水準ではあるが、昨年と同程度の受注額。
・建設機械は9カ⽉連続10億円には届かず、前月比で増加も、前年同月比では大きく減少と低調な推移。
・⾦型は、5カ月ぶりに14億円割れも、前年同月比では20%超えの増加と今後の推移に期待。
・⾃動⾞向けは、前⽉⽐減少も、前年度同月比は増加し、1月期としてみると依然低い水準ではあるが堅調に推移している。
・依然低水準ながら、昨年後半からの能増投資(一部新車対応の投資)の継続が見られ、今後に期待。

(出所:日本工作機械工業会)
1月分外需(1,129.6億円 前月比△4.9% 前年同月比+34.2%)

(出所:日本工作機械工業会)
外需総額は1,129.6億円(前月比△4.9% 前年同月比+34.2%)となった。
・前⽉⽐は2カ⽉ぶりの減少も、前年同⽉⽐では16カ⽉連続の増加、4カ⽉連続の1,000億円超えで、1,100億円超えは2カ月連続と好調な推移。
・外需は、国際情勢の不透明感が払拭されないなかでも、欧米の投資喚起策効果と、アジアで投資が持続し、増勢は増している。
①アジア
アジア計は、過去最高の600億円超え。
・東アジアは3カ月連続の400億円超え。過去最高の受注額(2017念11月487億円を更新)。
・中国は3カ月連続350億円超え、過去最高の受注額。
・その他アジアは9カ月連続の100億円超え。
・インドは2カ月ぶりの60億円割れ。
②欧州
欧州計は、前月比で減少も5カ月連続150億円超え。
・ドイツは4カ月ぶりの40億円超え。
・イタリアは7カ月連続増加と堅調な推移。
③北米
北米計は前月比で減少も前年同月比で増加し、12カ月連続の250億円超。2カ月連続300億円超え。
・アメリカは前月比で減少も。前月(415億円)に次ぐ過去2番目の受注額。
・メキシコは前月比で大幅減。2カ月ぶりの20億円割れも、1月の受注額としては平均並み。
・⼀般機械は、2カ⽉ぶりに300億円を超え、2025年後半の平均並みの堅調な推移。
・⾃動⾞は、前年同⽉⽐で12カ⽉連続増加し、6カ⽉連続200億円超え。2カ月連続の260億円超え。
・電気・精密は、前⽉⽐で減少も、前年同月比では3カ月連続増加し、堅調な推移。
・航空・造船・輸送⽤機械は、2カ月連続の100億円超え。

(出所:日本工作機械工業会)
今後の見通し
設備投資の周辺環境を見渡すと、恒常的に自動化・高効率化、環境対応に関する需要が見られ、長らく設備投資を抑制してきたユーザを中心に老朽機更新の必要性が高まっている。各国の通商政策や国際関係、主要業種の需要動向に不確実性がある中、依然として中小企業ユーザを中心にタイミングを測る様子も窺えるが、世界各地で生産拠点の多角化・分散に伴う設備需要の増加も想定される。地域別に見ると、日本国内は、明確な回復感を感じるには至っていないが、データセンター関連、半導体製造装置、自動車、航空・造船などでの前向きな動きが次第に広がっていくものと期待される。北米は、原材料価格の高騰、トランプ政権の関税措置の動向に懸念を残すも、エネルギー、自動車、航空・宇宙関連等での旺盛な需要と、即時償却恒久化措置や利下げの後押しが引き続き高水準での受注持続に寄与すると思われる。中国は、2 月は春節休みの関係で一時的に受注が減少すると見られるが、自動車関連需要が今のところ高止まりしている他、エレクトロニクス製品や半導体製造装置、その他の機械部門も含め設備需要の根強さから、3 月以降再び活況を呈すると見られ、インドも引き続き安定的に推移すると予想される。
我が国では衆議院議員選挙の結果、第2 次高市内閣が発足した。高市内閣は昨年12 月に、2026 年度税制改正大綱に、企業規模を問わず、原則として全業種を対象に、即時償却又は7%の税額控除を可能とする「大胆な投資促進税制」の創設を盛り込むなど、国内の設備投資喚起の必要性を明らかにしている。2 月20 日の施政方針演説においても、我が国の潜在成長率が伸び悩んでいる主因として、国内投資が圧倒的に不足しており、その促進のために徹底的なテコ入れを行うと、改めて強い意欲の表明があったことは大いに注目に値する。1 月27 日の記者会見で坂元会長が指摘したように、国内製造業が設備投資に振り向ける経営余力は低く、座視していては国際競争力を大きく損ないかねない、危機的状況に差し掛かりつつある。国内企業が安心感をもって思い切った設備投資を実行するための、腰の入った基盤づくりがなされるか、強い期待感をもって政策動向を注視していく。
日本機械工具工業会 2026年1月分 会員統計生産額まとまる
日本機械工具工業会がこのほどまとめた2026年1月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。■生産額 切削工具 365.5億円(105%)、耐摩耗工具 31.8億円(106%)、総合計 405.1億円(105%)。■ドリル生産額 特殊鋼工具 12.4億円(104%)、超硬工具 45.6億円(127%)、ダイヤ・CBN 1.2億円(148%)、総合計 59.2億円(122%)。■エンドミル生産額 特殊鋼工具 4.2億円(91%)、超硬工具 37.5億円(111%)、ダイヤ・CBN 1.4億円(112%)、総合計 43.1億円(109%)。■カッタ生産額 特殊鋼工具 1.4億円(98%)、超硬工具 6.5億円(125%)、ダイヤ・CBN 0.4億円(78%)、総合計 8.3億円(116%)。■ギヤカッタ生産額 総合計 5.5億円(100%)。■ブローチ生産額 総合計 8億円(111%)。■ねじ加工工具生産額 特殊鋼工具 30.7億円(100%)、超硬工具 3.5億円(113%)、総合計 34.2億円(101%)。■バイト生産額 特殊鋼工具 0億円(64%)、超硬工具 9.1億円(119%)、総合計 9.2億円(119%)。■リーマ生産額 特殊鋼工具 0.9億円(90%)、超硬工具 2億円(101%)、総合計 2.9億円(97%)。■鋸刃カッタ生産額 特殊鋼工具 1.3億円(101%)、超硬工具 0.6億円(143%)、総合計 1.9億円(112%)。■インサート生産額 超硬工具 131.6億円(91%)、ダイヤ・CBN 20.7億円(102%)、総合計 152.4億円(92%)。■ボディ関係生産額 総合計 15.3億円(101%)。■超硬合金生産額 切削用 123億円(105%)、耐摩耐触用 15.5億円(104%)、総合計 141.2億円(105%)。
