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台湾TMTS展が6年ぶり単独開催 7万人が来場、オンライン展には11万人

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会場となった台北南港展示センター1号館

 

 工作機械の輸出額で世界5位、生産額で世界7位の台湾で台湾国際工作機械展(TMTS2024)が3月27日から31日までの5日間、台北市東部の台北南港展示センター1、2号館で開かれた。6年ぶりの単独でのリアル開催に631社が3,350小間を超える規模で開催され、国内外から7万人が来場し、オンライン展には123カ国から11万人がアクセスした。今回展のテーマは「DX & GX 持続可能な未来」で、各出展者がDX(デジタルトランスフォーメーション)とGX(グリーントランスフォーメーション)の2つを軸に、製品とサービス、自動化や省人化に向けたソリューションを競った。台湾の工作機械業界にとり最大の輸出先の中国が不動産不況を受け、設備投資が急減速して販売を落とすなか、台湾メーカー各社が何を目指しどう取り組むのかを現地で取材した。【台北=是州煩太(文・写真)】

ファンを引き付け知名度も向上

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台北南港展示センター2号館

 TMTSは2010年に台湾中部の台中市で初開催され、今回で7回目の開催。6回目となるはずだった20年展は新型コロナウイルス感染症の拡大で中止に追い込まれ、2年前の22年展は会場を台北に移し、30回の節目を迎えた台北国際工作機械見本市(TIMTOS)との合同で、「TIMTOS×TMTS2022」として国内向けの開催を強いられた。海外の在住者に対しては、同時開催されたオンライン展での視聴参加の呼びかけを余儀なくされた。

 半世紀を超える長い歴史を持つTIMTOSに比べ、台中で開催されるTMTSの知名度はかつては今ひとつ。初期の開催時には日本で開催される日本国際工作機械見本市(JIMTOF)の知名度と集客力を利用し、JIMTOF閉幕の翌日をTMTSの開幕日に当て、各国からのJIMTOF来場者に帰国前の立ち寄り、寄り道での来場を促した時期もあった。主催の台湾区工作機械工業会(TMBA)が編み出した秘策だった。

 産業用機械を広範に展示するTIMTOSに対し、切削を中心とした金属加工用の工作機械と周辺機器に絞って展示するTMTSは、初開催から14年を経てより熱心なファンの引き付けに成功し、今や知名度も上げて来場者数を増やしてきた。

 開催地の台中は、工作機械や周辺機器の各主要メーカーの本社と工場の集積地でもある。工場の見学も兼ねて、TMTSを目当てに台湾を目指す来場者も増えた。あえて例えるなら、TIMTOSが台湾版JIMTOFなのに対し、TMTSは台湾版メカトロテックジャパンの位置づけだ。今回はかつての台中の会場が取り壊され、新会場の建設計画の遅れも重なり、台北での開催となった。

意欲的な新興国の需要捉える

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「これまでとは違った斬新なものづくりの世界を披露したい」と語る陳伯佳TMBA理事長

 今回展には7万6776人が来場。台湾各地からはもちろん、68ヵ国・地域から3,319人の外国人が来場した。外国人来場者数の上位10カ国は、インド、日本、中国、マレーシア、フィリピン、米国、インドネシア、タイ、ベトナム、トルコで、多くの国が視察団を組織して会場を訪れた。

 大手自動車メーカーが工場を持つポーランドやチェコ、メキシコやアフリカなどからも来場した。既存の工業国はもちろん、設備投資への意欲が高い、新興工業国の需要をしっかり捉えた印象だ。つまり、これらの国々が今後、日本の工作機械業界が挑むべき市場、いわば「お得意さま」へと導く国だ。台湾製の工作機械を導入したら、次は必ずより高性能な日本製の工作機械が欲しくなるはずだからだ。

 TMBA理事長でYCMブランドを展開する永進機械工業の陳伯佳総経理は開会式で「今回のTMTSは、従来の台中での開催から台北での開催に変わっただけでなく、多くのユニークな取り組みに挑戦した。最新の機械の展示だけでなくソリューションを提案し、DXとGXを軸に持続可能な未来社会を提案する。ユーザーの経験や体験を基に分析を重ねて機械を改善した。これまでとは違った斬新なものづくりの世界を披露したい」と意気込みを述べた。

 日本の首相に相当する陳建仁行政院長や官房長官に相当する林佳龍総統府秘書長らがあいさつし、官民挙げた応援体制もアピールした。蔡英文総統こそ来場しなかったものの、開会2日目には5月に次期総統に就任する頼清徳副総統、5日目の最終日には頼政権下で副総統に就任する蕭美琴前駐米大使も会場を訪れた。

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BIG DAISHOWAが欧州攻略を加速 ドイツに旗艦拠点新設、2030年売上高1.5倍へ

 

 BIG DAISHOWA(社長=仲谷開人氏)は、このほど欧州事業のさらなる拡大に向け、物流・販売の旗艦拠点となる新会社「BIG DAISHOWA Europe」をドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州に設立し、本年7月から営業を開始した。欧州全域の統括機能をスイスから移管し、物流と販売体制を大幅に強化することで、2030年までに欧州売上高を現在の1.5倍へ引き上げる計画だ。

 欧州では、航空宇宙や防衛、医療機器、半導体製造装置、精密機械など高付加価値産業への投資が活発化しており、高精度加工を支えるツーリングへの需要も堅調に推移している。同社はこうした市場の成長を見据え、欧州事業を一段と加速させるため、物流・販売体制の抜本的な強化に踏み切った。

 これまで同社では、欧州地域全体の物流・販売はスイスの現地法人が統括していたが、今後は新会社がその役割を担う。EU域内に統括機能を置くことで物流の効率化を図るとともに、迅速な製品供給とサポート体制を実現し、顧客対応力を一層高める狙いだ。

 新会社には約25億円を投じ、事務所と倉庫を備えた新社屋を建設した。敷地面積は約6,000平方メートル、延べ床面積は約5,000平方メートル。製品ショールームも併設し、顧客への提案力を強化する。

 物流面では、倉庫の保管能力を大幅に拡充。在庫は金額ベースで従来の約5倍まで保有できるようになり、これまで欧州では必要最小限に抑えていた在庫に加え、保管スペースの制約から断念していた型式の製品など取り扱いを見送っていた製品も常時在庫できる体制を整えた。これにより、多様化する顧客ニーズへ迅速かつ柔軟に対応できるようになる。

 また、これまでドイツ国内の物流・販売を担っていた同州内の現地法人は、移転・統合する形で営業を開始した。一方、スイスの現地法人は今後、スイス国内の物流・販売を担当する。

 欧州全体の統括機能をスイスからドイツに移すことで、EU圏内の物流がスムーズになるなどのメリットを踏まえ、同社では、ドイツ、イタリア、フランス、スイスをはじめ欧州全域の現地企業や日系進出企業への提案活動を強化する方針だ。世界有数の製造業集積地である欧州で供給力とサービス体制を高める今回の投資は、同社のグローバル戦略を加速させる重要な一手として期待される。
 

【動画】不二越、富山女子×NACHIの“ガチ検証”動画を公開! ~失敗しない最強ドリル完全攻略シリーズでDIYユーザーへ工具の魅力を発信~

 

 不二越はこのほど、DIYユーザーに向けた動画シリーズ「富山女子×NACHIのガチ検証!失敗しない最強ドリル完全攻略シリーズ」を公開した。ドリル選びや穴あけ作業に不安を感じる初心者にも分かりやすく、実際の検証を通じて工具の性能や正しい使い方を紹介する内容となっている。

 DIY人気の高まりに伴い、家具製作やリフォームに挑戦するユーザーが増えている一方、「どのドリルを選べばよいのか分からない」「きれいに穴をあけられない」といった悩みも少なくない。今回のシリーズでは、そうした疑問に応えるため、NACHIブランドのドリルを実際に使用しながら、加工性能や使い勝手を検証している。

 タイトルにもある「ガチ検証」では、富山女子がユーザー目線でドリルの違いや加工時のポイントを体験。単なる製品紹介ではなく、初心者にも理解しやすい形で工具のポイントを見せてくれる。

 同社は、長年培ってきた切削工具技術を背景に、産業分野だけでなく、幅広いユーザーに向けて工具の価値や正しい使用方法の発信にも力を入れている。今回の動画シリーズは、専門的な工具技術を身近な視点から伝えることで、DIYを楽しむユーザーの工具への理解を深める狙いがある。

 「失敗しない最強ドリル完全攻略シリーズ」は、ドリルの選び方から使い方までを楽しく学べるコンテンツとして、DIY初心者から工具に関心を持つユーザーまで幅広い層への情報発信を目指している。

▼動画はコチラ▼
 


▼シリーズ再生リストはこちら▼
https://www.youtube.com/playlist?list=PL8qAVx3hWtQaBA3pJwwSrr7wN0YNrr5qx
 

三菱マテリアル、1GPa級超高強度銅合金を開発 AI時代の電子部品を支える「MSP®5-SSH」

 三菱マテリアルはこのほど、電子機器の小型化・高性能化ニーズに対応する超高強度銅合金「MSP®5-SSH(Super Spring Hard)」を開発した。従来の「MSP®5」シリーズが持つ高い導電率を維持しながら、1GPa(1,000MPa)級の超高強度を実現したのが最大の特長。AIサーバーやデータセンター、ロボティクス、車載機器などで需要が高まる電子部品のさらなる小型化と大電流化を支える材料として期待される。

 近年、AIの普及に伴うデータセンター投資の拡大や、自動車の電動化・高度化、産業用ロボットの高性能化を背景に、電子部品には高い導電率を維持しながら、より高い強度を備えた材料が求められている。端子やコネクタには、小型化とともに大電流への対応が求められる一方、発熱抑制や電力損失の低減も重要な課題となっている。

 こうした市場ニーズを踏まえ、同社は「MSP®5」シリーズの性能をさらに高めた「MSP®5-SSH」を開発した。導電率43%IACSを維持しながら1GPa級の引張強さを実現し、電子部品のさらなる小型化と高性能化を後押しする。

 同社は2021年に、マグネシウムを添加元素とする固溶強化型銅合金「MSP®5」の量産を開始した。同材料は、強度、導電率、成形性を高いレベルで両立する材料として市場で採用が進み、さらに2025年には高強度タイプ「MSP®5-ESH(Extra Spring Hard)」を投入し、高強度用途への適用領域を拡大してきた。

MSP5との特性比較
 
〈技術的特長〉

(1) 1GPa級の超高強度と高導電率を両立

「MSP®5-SSH」は、1GPa級の引張強さと導電率43%IACSを両立している。従来のMSP®5シリーズが持つ高い導電率を維持したまま強度を向上させることで、電子部品の小型化や大電流化を可能にする。また、ベリリウム銅やチタン銅が使用されてきた高強度用途において、端子・コネクタの発熱低減や電力損失の抑制にも貢献する。

(2) 超高強度化しても優れた成形性を実現

「MSP®5-SSH」は、1GPa級の超高強度を実現しながら、MSP®5シリーズの特長である優れた成形性を維持している。高強度材料は一般的に加工時の割れが懸念されるが、端子成形で求められる箱曲げ加工においても最小曲げ半径R=0の加工に対応可能。また、プレス打抜き加工においても高い寸法精度を実現し、バリの発生を抑制する。これにより、複雑形状部品の安定した量産を可能にする。

(3)シンプルな製造プロセスで環境負荷を低減

「MSP®5-SSH」は、1GPa級の超高強度を実現しながら、MSP®5シリーズの特長である優れた製造性を維持している。固溶強化型銅合金であるため、ベリリウム銅やチタン銅などの析出強化型(析出強化型=固溶後、母相〈溶媒原子〉の中で別の原子〈溶質原子〉を析出させることにより、材料を強化する手法)材料で必要となる複雑な熱処理を必要としない。これにより、製造プロセスの簡素化が可能となり、エネルギー使用量やCO₂排出量の低減に貢献する。

 同製品は、三菱マテリアルグループが中期経営戦略で掲げる「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」の取り組みの一環として開発された。同社は「量から質への転換」を進め、高付加価値製品へのシフトを加速しており、「MSP®5-SSH」についても、成長が続く車載、産業機器、AIサーバー関連市場を中心に展開を進める方針だ。
 

オーエスジーが面取り用超硬Qボールエンドミル「HY-QCC」にサイズラインナップを追加

 

 オーエスジーがハイプロ面取り工具シリーズの面取り用超硬Qボールエンドミル「HY-QCC」にサイズラインナップを追加した。「HY-QCC」は、ボール部282°の刃付けで、自由自在にさまざまな形状のバリ取りが可能となる。

 裏バリや側面のバリ取りにも有効で、パイプ材のクロス穴面取りも可能。今回12サイズを追加し、合計19アイテムになった。

 

■追加サイズラインナップ
 R0.4(全長50、60)、R0.65(全長60)、R0.9(全長50、60)、R1.4(全長50)、R1.9(全長50)、R2.4(全長60)、 R2.9(全長60)、R3.9(全長70)、R4.9(全長70、120)の計12アイテム。

 


 

芝浦機械 SHIBAURA MACHINE EUROPE S.R.L.合弁会社化の検討開始 ~南欧市場における射出成形機事業の収益基盤の強化へ~

 芝浦機械(社長=坂元繁友氏)は、本年7月2日付けで南欧市場における射出成形機事業の収益基盤の強化に向け、スマートファクトリー向けの自動化ライン構築支援などを手掛けるイタリアのE.P.F. Elettrotecnica S.r.l.(以下「EPF」)との間で、EPFが営む射出成形機事業の同社の完全子会社であるSHIBAURA MACHINE EUROPE S.R.L.(以下「SME」)への統合及びSMEの合弁会社化の検討を開始することを決定し、同日付で覚書(Memorandum of Understanding、以下「本MOU」)を締結したと発表した。 同社グループは、2026年度を最終年度とする中期経営計画「中計2026」に基づき、事業ポートフォリオの変革を中心とした各種施策を遂行しており、その施策の1つとして欧州市場開拓の取り組みを強化している。これまでイタリアを含む南欧市場における射出成形機事業は、SMEと、その販売代理店を務めるEPFを通じ拡販をしていたが、近年、顧客からの自動化・省力化のニーズが高まっており、機械装置の単体売りではなく、前後工程を含めた製造ライン全体を販売するシステムエンジニアリングの強化が求められている。このような市場ニーズを受け、現在EPFが担っている射出成形機の販売・サービス機能はSMEが担当し、EPFが自動化ラインの構築支援にリソースを特化するという体制を築くことで、両社の役割分担を明確化し、それぞれの強みを活かした事業展開が可能になると考え、検討に至った。 基本合意書では、EPFがその射出成形機事業をSMEに移管するとともに、EPFがSMEに資本参加することを通じ、SMEを、同社とEPFの双方を株主とする合弁会社とすることを企図している。現時点では、SMEは、当社が60%程度の持分を保有する、イタリアを拠点とする射出成形機の販売・サービス会社となる予定。EPFはSMEの40%程度の持分を保有することで、引き続き当社と密接に連携しながら、EPFが提供する自動化ラインの構築支援と射出成形機を組み合わせた提案を行うことにより、共同での顧客開拓を進める予定。 なお、今後は、基本合意書に基づき、EPFとの協議を進め、2026年後半に最終契約を締結する予定。■E.P.F. Elettrotecnica S.r.l.の概要【名 称】E.P.F. Elettrotecnica S.r.l.【所在地】Via Langhe, 24 - 12061 Carrù (CN) Italy【代表者の役職・氏名】Franco Filippi (CEO & Chairman)【事業内容】射出成形機向けターンキー・ソリューションを始めとする工場の自動化ライン構築支援や、関連機器の販売・サービス【資本金】78,520 ユーロ【設立年月日】1961年9月1日■日程【覚書締結日】2026年7月2日【最終契約締結日】2026年後半(予定)【取引実行日】2026年末(予定) 

DMG森精機 CELOS Clubに「Condition Agent」を搭載 ~工作機械の予兆保全を標準機能へ~

ERGOline X with CELOS X搭載機で標準搭載

 

 工作機械単体の性能向上にとどまらず、自動化やソフトウェア、サービスを融合し、顧客の製造プロセス全体を最適化するMX(マシニング・トランスフォーメーション)を推進するDMG森精機。このほど同社は、その中核となるデジタルサービス「CELOS Club」の機能を拡充し、新たな予兆保全サービス「Condition Agent」の提供を開始した。ヒューマンマシンインタフェース「ERGOline X with CELOS X」搭載機では標準機能として採用し、2026年4月受注分から適用している。

 近年、工程集約や自動化の進展に伴い、設備停止が生産へ与える影響はこれまで以上に大きくなっている。一方で、保全業務の属人化や機械の高度化に伴う保全人材不足も製造現場の大きな課題となっており、突発的な設備トラブルを未然に防ぐ予兆保全の重要性が急速に高まっている。

 こうした課題を背景に、同社は従来提供してきた予兆保全サービス「WALC CARE」をさらに進化させ、診断対象や分析機能を大幅に強化した「Condition Agent」を開発した。工作機械の状態を可視化するとともに、熟練者の勘や経験に依存しない高精度な設備診断を実現し、計画保全の高度化を支援する。

 「Condition Agent」は、主軸や送り軸に加え、ツールチェンジャやパレットチェンジャなど幅広いコンポーネントを診断対象とする。専用NCプログラムを実行して取得したデータをクラウド上で分析し、経年変化や異常の兆候を高精度に把握する。

 分析には、同社が長年にわたり工作機械の設計・製造を通じて蓄積してきたデータとAI技術を活用。異常の兆候を自動で検知し、高い信頼性を備えた診断を可能にしている。診断結果はカスタマーポータル「my DMG MORI」で確認でき、工作機械本体はもちろん、コンポーネント単位の状態も一覧で把握できるため、設備管理の効率化にもつながる。

 さらに、特別な測定機器を必要とせず、現場で数分程度の簡単な操作で診断できる点も大きな特長だ。設備状態を日常的に把握できるため、保全業務の属人化を抑えながら、診断データに基づく計画保全を実現。突発的な故障によるダウンタイムの削減と、生産性向上に貢献する。

 また、「Condition Agent」はDMG森精機製だけでなく、対象機種であれば他社製の既設機にも専用キットで後付けが可能。工場内の保有設備を横断的に予兆保全の対象とできるため、生産現場の監督者やオペレーターのメンテナンス負荷軽減にも寄与する。

同社既設機・他社機にもキットで追加搭載可能

 

 DMG森精機では、設計寿命の長期化やキーコンポーネントの保証期間延長にも取り組んでいる。今回の「Condition Agent」の投入は、単なる保全サービスの拡充にとどまらず、MXの考え方に基づき、工作機械のライフサイクル全体を通じた安定稼働と生産性向上を実現する。

■動画はこちら↓(カタログはWeb会員限定で公開。無料の会員登録を行うと限定コンテンツが見られる)
https://www.dmgmori.co.jp/movie_library/movie/id=8406

主な特長

  Webアプリケーション画面(コンポーネントの状態表示)

 

①工作機械の状態を定量的に把握し、計画的な設備保全を実現
 ・送り軸・主軸・ツールチェンジャ・パレットチェンジャなど幅広いコンポーネントを診断
 ・診断結果は分かりやすいWebアプリケーション画面で確認可能
 ・異常兆候検知時に通知し、迅速な対応を支援

②ERGOline X with CELOS X搭載の製品に標準搭載(2027年までに全機種展開予定)

③他社機を含む既設機にも追加搭載で導入可能

Webアプリケーション画面(各軸の分析結果)


 

コマツ シンガポール国家級インフラ「チャンギ空港ターミナル5」でスマートコンストラクション®導入 

施工の様子

 

 コマツ(社長=今吉琢也氏)は、シンガポールの国家的大規模インフラ整備である「チャンギ空港ターミナル5建設プロジェクト」において、同社の施工管理デジタルソリューション「スマートコンストラクション®」の導入を開始した。シンガポールにおける同ソリューションの本格導入は今回が初となる。

 チャンギ空港ターミナル5は、シンガポールの国家航空戦略を支える重要インフラプロジェクトとして位置づけられている。2025年5月に着工し、2030年代半ばの完成を予定しており、次世代の国際ハブ空港として同国の経済成長と国際競争力を支える中核施設となることが期待されている。

 今回のプロジェクトでは、コマツの「3D Machine Guidance」「3D Machine Guidance Flex」「SC Dashboard」などの先進的なスマートコンストラクションソリューションを導入する。これらの技術により、建設機械による施工量をリアルタイムで把握するとともに、機械間でのデータ連携や施工情報の一元管理を実現。現場全体の施工効率向上と、データに基づく迅速な意思決定を支援する。

 チャンギ空港ターミナル5は、総開発面積約1,080ha(10.8平方キロメートル)に及ぶ世界最大級の空港開発プロジェクトの一つで、ターミナル1~4を合わせた規模を上回るメガターミナルとして計画されている。年間5,000万人の旅客受け入れ能力を備え、将来的には7,000万人規模まで拡張可能となる予定だ。

 近年、シンガポールでは建設業界におけるデジタル技術の活用が急速に進んでいる。コマツはこれまで、シンガポール政府や主要建設会社に対してICT施工技術やデジタルソリューションを提案し、建設現場の高度化を推進してきた。

 こうした取り組みの実績を背景に、今回のターミナル5建設プロジェクトでは、スマートコンストラクションソリューションの開発・提供を担う子会社EARTHBRAINと連携し、同ソリューションを展開する。すでに同プロジェクト向けに多数の建設機械を納入しており、その一部工区でスマートコンストラクションソリューションの活用を進めている。
 

工作機械受注2兆円時代へ! 日本工作機械工業会が総会を開く 

上方修正を発表した坂元会長

 日本工作機械工業会(会長=坂元繁友 芝浦機械社長)が、6月5日、ホテルニューオータニ(東京都千代田区紀尾井町)で第17 回定時総会を開いた。総会終了後、あいさつに立った坂元会長は、今年度の見通を1兆7000億円から2兆円に大幅上方修正を発表し、予想を上回る見通しが示されると、会場からは驚きと期待が入り交じった空気が広がった。

 坂元会長は、工作機械産業を取り巻く環境について、「中東情勢をはじめとする地政学リスクの顕在化や国際社会の分断、通商環境の複雑化、世界的なインフレなどにより、政治・経済・社会の各側面で不安定な状況が続いている。」との認識を示した。

 また、米国の関税政策に関して、通商拡大法232条による鉄鋼・アルミニウムへの追加関税や、通商法301条調査への対応について触れ、「日本の工作機械産業としての意見や、米国製造業への貢献度、必要性についてパブリックコメントにてそれぞれ回答した。」と説明した。また、中東情勢の緊迫化に伴うホルムズ海峡封鎖の影響についても言及し、「石油由来製品の供給に不透明感があるなか、政府当局とも状況を共有し、生産体制の維持に努めていく。」と述べた。

 一方で、好調に推移している工作機械受注について、「本年4月までの累計受注額は6748億円となり、高水準を維持している。その背景は、データセンタ、ロボット、航空・宇宙分野などの成長産業向け投資が牽引している。」と述べた。また、国内市場では、「自動車産業におけるICE(内燃機関)関連投資が顕在化しつつあるほか、省エネ補助金や特定生産性向上設備等投資促進税制などの後押しを受け、老朽設備の更新需要が本格化する。」との見方を示した。

 さらに、「世界の製造業では、生産工程の省人化やAI活用によるDXを核としたイノベーションが加速している。人材不足や人件費高騰、熟練技能者の減少といった課題への対応を目的とした設備投資が拡大している。日本の工作機械産業は今後も高付加価値な製品・技術を開発し、世界のユーザーへ提供していく。」と強調。輸出管理や経済安全保障への対応、人材育成の重要性についても言及した。

 今後の取り組みとしては、「工作機械産業ビジョン2030」に基づき、デジタル・グリーン・レジリエンスを柱とした活動を推進し、国際競争力の強化を図る考えを示した。また、10月26日から31日まで開催する「JIMTOF2026」では、世界最先端の工作機械技術や製品を披露するほか、国際技術者会議や学生向けセミナーなども実施するとした。

 その後、坂元会長は2026年の工作機械受注見通しについて、「年初時点では1兆7000億円としていたが、4月までの受注実績や5月の動向、市場調査委員会の分析結果などを踏まえ、上方修正したい。」と述べ、受注見通しを2兆円へ引き上げると発表した。

積極的な挑戦に期待

積極的な挑戦に期待を寄せる経産省 伊吹製造産業局長

 続いて来賓を代表し、経済産業省の伊吹英明製造産業局長があいさつした。伊吹製造産業局長は、製造業を取り巻く環境について、「米中対立や各国の輸出管理強化などにより、依然として厳しい状況が続いている」との認識を示した一方で、今後も深刻化が見込まれる人手不足への対応を重要課題に挙げ、「省人化は大きなテーマだ。デジタル技術やAIをいかに製品やサービスへ取り込んでいくかが極めて重要になる。」と強調した。

 また、脱炭素化についても、「一時的に関心が後退しているように見えるかもしれないが、政府としては引き続き重要な政策課題と位置付けている。」と説明。「現在検討が進められている産業政策においても、エネルギーとDXは重要テーマとして掲げられている。政策面からも引き続き支援を強化していきたい。」と述べた。

 さらに、今年開催されるJIMTOF2026に触れ、「日本の工作機械業界が持つ高い技術力やサービス力を世界へ発信する絶好の機会だ。」と期待を寄せた。そのうえで、「ロボットとの連携や自動化技術など、日本のモノづくりが持つ強みを積極的にアピールし、新たなビジネス機会の創出につなげてほしい。」と呼びかけた。

 一方、中東情勢の緊迫化への対応については、「エネルギーやナフサ由来の石油化学製品について、全体として供給量は確保されている。」と説明。そのうえで、「一部では供給の偏りや物流の目詰まりも見られるため、原因をしっかりと把握し、安定供給の確保に万全を期していく。」と述べ、世界市場を見据えた積極的な挑戦に期待を寄せた。

 

「輸出規制の影響深刻化 リサイクル促進を加速」 日本機械工具工業会 通常総会ならびに2026年度「生悦住賞」「新庄(陰徳の士)賞」表彰式を開く

リサイクル促進の重要性を話す佐橋会長

 日本機械工具工業会(会長=佐橋稔之 住友電気工業 常務)が6月2日、東京マリオットホテル(東京都品川区北品川)で第12回定時総会をオンライン併用で開いた。

 総会であいさつに立った佐橋会長は、景況について「国内では雇用・所得環境の改善や各種政策効果を背景に緩やかな回復基調が続いている。一方で海外では中東情勢や米国の通商政策など、不透明要因への注視が必要な状況にある。」との認識を示した。

 同工業会の2025年生産額については、年初見通しの4840億円を上回る4899億円となったことを報告。「昨年度は後半から業界全体に持ち直しの動きが見られた。」と振り返った。

 一方、2026年度については、タングステンをはじめとする原材料価格の急騰により市場環境の先行きが極めて不透明になっているため、例年公表している生産額見通しについては、「原材料価格の動向が読みづらく、業界の実態とかけ離れた数字となる可能性がある。」として、公表を見送る考えを明らかにした。今後の状況次第では改めて公表する可能性もあるという。

 また、業界を取り巻く最大の課題として、タングステン原材料の安定調達とリサイクルの推進を挙げた。中国による重要鉱物の輸出規制やデュアルユース規制の影響で、原材料の供給不足や価格高騰が深刻化しているとし、「特定国への依存低減は重要だが、資源に乏しい日本にとっては、国内で発生する超硬スクラップを海外へ流出させず、循環利用することが極めて重要だ。」と強調した。

 こうした状況を踏まえ、工業会は経済産業省の支援を受け、「超硬工具スクラップのリサイクル促進に向けたガイドライン」を改定し、同日付で発行した。佐橋会長は「リサイクルのあるべき姿や拡大の方向性をより明確に示した内容となっている。」と説明。「業界全体でユーザーや関連団体にも働きかけながら、タングステンの国内循環を一層推進していきたい。」と述べ、会員各社に協力を呼び掛けた。


経産省も業界と連携強化へ

「業界と連携しながらタングステンの国内還流促進に取り組む」と経産省 須賀産業機械課長

 経済産業省製造産業局の須賀千鶴産業機械課長があいさつの中で、タングステンの安定供給確保に向けた取り組みについて説明した。

 須賀課長は、「昨年来の重要鉱物に対する輸出管理措置などにより、タングステンの安定供給確保が大きな課題となっている。」と指摘。その上で、経済安全保障上の観点から、特定国への依存低減を目的とした重要鉱物の調達先多角化に向け、経済産業省が企業の調達ルート切り替えに伴う費用支援を進めていることを紹介した。

 また、「タングステンについてはリサイクルの活用が極めて重要だ。」と強調。リサイクルの推進により、需給逼迫の緩和につながるとの認識を示した。

 さらに、同工業会がこのほど「超硬工具リサイクルガイドライン」を改定したことに触れ、「業界全体としてタングステンの国内循環・還流を推進する方針が明確になった。」と評価。経済産業省としても、改定ガイドラインをユーザーであるものづくり企業へ広く周知するなど、業界と連携しながらタングステンの国内還流促進に取り組む考えを示した。

苦労を糧に業界発展へ

業界の発展に向けた取り組みを話す田野井副会長

 総務、技術、環境、国際の各委員会から活動報告が行われた後、田野井優美副会長(田野井製作所社長)が総括を述べた。

 田野井副会長は、業界の最重要課題としてタングステン資源の確保を挙げ、「タングステン原材料のリサイクルを推進し、超硬スクラップを海外へ流出させることなく、確実に国内循環させていくことが極めて重要だ」と強調し、また、今年10月に開催されるJIMTOFや、会員企業の海外展開支援を目的としたドイツ・AMB、インド・IMTEXへの共同出展計画にも言及。業界のさらなる発展に向けた取り組みを進めていく考えを示した。

 さらに、「定期総会では全ての議案を滞りなく承認いただいた。」と報告。その上で、「タングステンや石油製品の供給不安など、業界を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いている。しかし、このような時だからこそ、官民および正会員、賛助会員を含む133社が一体となり、連携をさらに深めていくことが重要だ。」と述べた。

 最後に、「現在の苦労を将来の糧へと変え、業界の発展と日本のものづくり競争力の向上に貢献していこう」と呼び掛け、総会を締めくくった。

2026年度「生悦住賞」「新庄(陰徳の士)賞」

 2026年度「生悦住賞」は田中博信氏(オーエスジー)が受賞した。
 
 

謝辞を述べる田中氏

【功績の概要】
 田中氏は、2017年からの2年間、国際委員長として活躍。IMTS2018(米国国債機械見本市)ではJTAブース出展や会員による視察ツアーを行った。2019年から2年間は総務委員長に就任。新型コロナ感染症拡大の影響で全ての会合が活動制限されるなか、厳しい舵取りを強いられたが、WEB併用によるハイブリッド会合開催など先を見据え、各企画を継続させた。そのコロナ禍においてもJTA諸規程の改定整備を実施し、またクラウドを利用した会員統計システム運用を実現することで、プログラムによる自動集計と会員各社がいつでも統計データを取り込めるJTAデーターベースを国からの補助金でほぼ完成させた。現在も2025年6月から国際委員長としてConnected Industries委員会でのデータ連携やAMB(欧州金属加工国際見本市)の会員共同出展を実現させるなど永年の経験を活かし手腕を発揮されている。

 

〈新庄(陰徳の士)賞〉

・内田正利氏(京セラ)
・村尾博明氏(共立合金製作所)
・鈴木陽一氏(サンドビック)
・杉浦ミカ氏(ニチアロイ)
・中澤幸二氏(マコトロイ工業)
・髙橋摩美(三菱マテリアル)

 懇親会では、張 守斌副会長(三菱マテリアル常務)が乾杯の発声を行い、参会者は交流を深めた。