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【JIMTOF2018まとめ①】「工作機械編」~特別レポート~

 「日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)が、11月1日(火)から11月6日までの6日間、東京ビッグサイトで開催され、JIMTOF史上最大の5,525小間で、先端技術がつまった製品を世界に向けて発信し、入場者数は過去最高の15万3000人を突破した。具体的な商談に結びついた例も多く見られ、会場内では本気の設備投資意欲に溢れていた。通常は混雑のピークをみせる土曜日も、今回は金曜日の来場者が多く、この現象を“働き方改革”の影響と見ている向きも多かった。前回同様、将来性の観点からIoTを視野に入れた展示が目立ち、特にロボットを活用した自動化ソリューションをはじめ省人化、加工工程短縮にみる経済効果へのアプローチや製造現場の課題解決に向けたソリューションを提案していた。各社における“つながる社会”への貢献はますます高まりをみせている。

工作機械編:アマダグループ<アマダ/アマダマシンツール/アマダサンワダイヤ>、オークマ、OKK、岡本工作機械製作所、キタムラ機械、黒田精工、清和鉄工、DMG森精機、ナガセインテグレックス、不二越、牧野フライス製作所、三井精機工業、安田工業、ヤマザキマザック、碌々産業)

181202機械1MEISTER G3 UP アマダグループ<アマダ/アマダマシンツール/アマダサンワダイヤ>は、グループの総合力を見せつけた。まず目についたのは、進化を遂げた新商品「ENSIS3015 AJ(9kW)」。なんと鉄板25mmを1秒で穴開け! 「厚板加工の速度・品質・コストを克服した!」と同社も自信が溢れるマシンだった。注目したのは新製品の高精密成形研削盤「MEISTER G3 UP」。これは全自動1チャック5面研削システムで、大径から小径砥石まで用途に応じた自動交換ができるもの。ATC・AWCストッカーを搭載し、多関節ロボットが砥石・ワークの自動交換を行ってくれるので高能率生産が可能になる。他にも斬新だった新製品は、新素材を高品位かつ高能率に切断できるダイヤモンドバンドソーマシン「DBSAW500」。石英ガラスをとても薄く切断していく様は圧巻! 次の展開がとても楽しみだ!

181202機械2MCR-S 未来へ向かった取り組みが著しかったオークマでは、大きな5面加工門形マシニングセンタ「MCR-S」に来場者は足を止めていた。この特長は、平均連続送り20m/minの高速送りで加工時間を25%も短縮するという。また、加工データのバラツキを補正し、手仕上げ工程の時間を削減するのも魅力だ。同社で最も画期的だと感じたのはロボットとの“超融合”が見られたこと。工作機械とロボットを完全融合させた「LB3000EXⅡ ARMROID」は、熟練作業者の加工ノウハウをロボットが代行し、位階操作と同じ感覚でロボットを操作するというデモ加工があった。「時間外業務ゼロを支援する」とうたっているだけあって、昼は作業者による多品種少量加工、夜間はロボット自動化セルで量産加工も実現できるという話題性も抜群で、写真撮影が困難だったほど!

181202機械3VC-X350 OKKは5軸制御立形マシニング「VC-X350」と自動搬送台車、ロボットアームを掛け合わせた省力化を提案。加工したワークをロボットアームで取り出し、加工が完了したワークを自動搬送台車で運ぶ。多品種対応の煩わしい段取り替えのロスを最小限に抑えるうえ、“投資も最小限”に抑える治具クィック交換システムが嬉しい。また、同社では品質安定化技術にも注力しており、環境熱変位補正に、マシンに実装されたセンサーから得られる温度変化上方をもとにリアルタイムで加工点の変位を補正する「ソフトスケールCube」を提案しているが、今回これに新しく“被削材別補正機能”が付いた! 被削材と加工機械の線膨張係数の違いを補正する。


 
181202機械4全自動平面研削システムSELF 研削加工全体の提案をしていた岡本工作機械製作所。今回は「研削革命~TOTAL SOLUTION OF GRINDING~」をテーマに合計7機種の研削盤を展示した。同社は研削盤メーカーでありながら研削盤だけでなく砥石・研削液・チャック・加工ノウハウ・周辺機器を含めた研削加工全体の提案を行って来場者が持参する課題に解決型の提案を行い大好評! 全自動の提案を2通り分けて展示、「全自動平面研削システムSELF」ではセンシング技術とIoT技術を活用した研削盤の自動化に挑戦。研削加工は0.1μmというサブミクロンの精度を実現するため非常に自動化が難しい分野だが、センサー類を活用して数字の見える化に成功、研削の自動化に結びつけた最新技術を展示した。前回JIMTOFから更に進化して段付き平面加工・振動・熱の見える化に挑戦した同社、近未来の研削盤の提案で見る者を魅了した。

181202機械5Medcenter 5AX 中小企業の味方的なマシンを展示していたキタムラ機械は、独自性という点ではキラリと光っている。遠隔機械稼働管理アプリ「Anywhere-Remote」(商標登録)は、加工完了を予測して知らせるAI機能の他、スマートフォンやPCで世界のどこでも即時に機械の稼働状況を把握できる画期的なシステム。これがあれば心配することなく海外旅行だって行けてしまう。そして注目のマシンは、「Medcenter 5AX」。なんと2mの奥行きしかないコンパクトさでありながら、3万回転の高速主軸回転標準装備! ツールは省スペースでありながら40本も収納できる。機械の後ろに回ってみると、なんと、ツール20本を2段にしている工夫! 省スペースでありながら使い安いマシンの提案は、まさに隙間を突いたマシンだった!

181202機械6GS-86CVs 見どころが豊富な黒田精工のマシンは2台展示されていた。左右送り機構に同社製高精度ボールねじを採用した同社史上最小サイズの成形研削盤「GS-30Vs」は、省スペース・省エネルギー・エコロジーが特長だ。もうひとつは、豊富なアプリケーションによる操作性向上と自動化に貢献する新シリーズ第一弾の精密平面研削盤「GS-86CVs」。特にこだわり抜いたというのは操作性。作業姿勢が取りやすいハンドルはもちろん、ワークの脱着や覗き込み動作、加工作業時に自然とハンドルやスイッチ、画面に手が届くという人に優しい人間工学に基づいたレイアウトが魅力だった。新技術として、消費電力をダウンさせるために左右送りにACサーボモータを採用し、自社性精密ボールねじダイレクトドライブ機構によりフリクションロスを低減した高効率駆動も実現している。

181202機械7Artis HB056 清和鉄工の注目したいマシンは「Artis HB056」。従来のHBシリーズ機と同様に剛性を最優先させクローズドループ構造を踏襲している。同社が自信をもって自負しているのは“価格以上の価値”。高剛性構造はもちろんのこと、スラントベッド構造による快適な作業性とスムーズな切り屑処理が特長だ。このマシンのビルトインスピンドルは、ホブ軸MAXで6000回転、ワーク軸MAXで1000回転。高速・高精度・高効率を誇っている。また、オプションで熱処理後のワークのブツ切りおよびスカイビング加工もできる。最長500mmのシャフト状ワークの加工も可能だ。

181202機械8「NTX2500|700」 JIMTOF史上初となる東8ホールでの単独展示を行ったDMG森精機。今回、同社のお陰で人の流れが変わった! と言わしめるほどこの展示は大成功との声も多かった。混雑を予想し、前回よりも通路スペースを多く取ったとのことだが、大勢の来場者が押し寄せる人気ぶり。まず目に飛び込んできたのは、「DMU340 Gantry」。日本初披露となる大型の5軸加工機だ。このマシンは同社のデジタルツインの技術を活用し、かなりの部分をシミュレーションで行い開発期間を短縮することに成功している。これで培った技術を顧客に展開していくことも計画しているとのこと。その他、「NTX2500」にも要注目! このマシンは刃物台が回転するものだが、機械の中にセンサーが埋め込まれ、なんと工具の温度センサーを用いてAIを使った熱変位補正がなされている。今後ますますセンサーを活用した熱補正技術は高まりをみせるだろうと感じた。

181202機械9SGi 520α 新規開発5機種を初披露したナガセインテグレックスは、“10年、20年後も価値の変わらない加工システム”をモットーに開発しており、展示しているマシンはS/N比が高く、優れた繰り返し再現性を発揮するのが特長だ。ブースでまず目を奪われたのは、キャリアの中にワークを置くだけでセッティングが完了する「NSF440WS」。6面体の基準となる2面を同時に超精密研削加工ができる未来志向のマシンだ。オプションの多関節ロボットによるワークの自動供給にも対応していた。もうひとつ注目したのは“可能な限りの無駄をそぎ落としてたどり着いた理想的な機械構造”と自信を見せた超精密成形平面「SGi 520α」。独自の非接触油圧案内と高出力リニアモータの組合せでサブミクロンの形状精度、ナノオーダの加工品を実現する。平面・溝・成型・コンタリングまでマルチに対応。従来機の44%の省スペース化を実現していた。

181202機械10「GMS200」に「バリ取りセル」 不二越は機械も同社ならではの総合力を見せつけてくれた。目に付いたのは工程集約型歯車複合加工機「GMS200」。驚いたのは世界最小!(同社調べ)というそのコンパクトさ。ハードスカイビング加工で焼入れ済み歯車の高精度加工ができ、小規模設備での多工程・多品種に対応している。しかも、同社製ロボットと組み合わせてワーク搬入を自動化もできる。このマシンの横には、これまた同社のロボット「MZ07」を活用した「バリ取りセル」があった。エアフローティングユニット付きスピンドル、バリ取りに必要な機器をパッケージングしている。ツール設定、加工条件出しもセットで提供してくれる。バリ取りも、ファインテクノ製エアフローティングユニットAFを採用し、対象ワークの材質や形状などに合わせてエア圧でツールの押付力の変更ができ、全方向からのバリ取りが可能だ。

181202機械11LFS300 牧野フライス製作所のブースは女性の意見を取り入れて展開したという。澄みわたる空気が流れていると思わせるエコな雰囲気の中で、かつてない取り組みを見せつけた。コンセプトステージでは、ロボットが考えて障害物を避けながら進み、マシンの窓もロボットが閉めるといった省人化・自動化を視野に入れた取り組みは画期的だった。数多く展示されている機種の中でも、特に目に付いたマシンは、レーザ加工機「LFS300」(参考出品)で、ジルコニウム、ガラス、セラミック系など様々な材料を加工するためのマシンだ。同社では特に医療産業などへの貢献を考えていた。医療機器は体液や血液が付着すると当然だが全てを交換しなければならない。もし、メスの先端に優れた撥水機能があれば、体液も血液も付着しなくなるうえ、刃先へのダメージも少ない。医師も長い時間手術ができる可能性を秘めているのだ。マキノの未来志向のマシンに期待大だ!

181202機械12GSH200A 三井精機工業のブースで多くの来場者が足を止めたマシンは、精密ねじ研削盤「GSH200A」。このマシンは同社が、「精度、生産能力をそれぞれ倍にする。」という目標を掲げてつくった渾身のマシンなのだ。高精度へのこだわりは、三井らしく、“きさげ”によるV-F摺動面にあるという。ベルト仕様だと振動の原因になるので、砥石軸も主軸もビルトインモータにしていた。ベッドの設計や解析については3次元のCADとCAEをフル活用し、熱解析も行っている。さらに、有効径のばらつきを自動で測定して補正するうえ、ねじの寸法出しも自動化し、段取りの向上も図った。また、難削材加工でも生産性が上がるようにCBN砥石を使えるようになっている。「お客様が育ててくれたマシンです。」というだけあって、使う方の意見をふんだんに取り入れて開発したマシンだった。

181202機械13YBM Vi40 VerⅡ ますます進化を遂げている安田工業。中でも「YBM Vi40 VerⅡ」に注目が集まった。同社製の5軸テーブルユニットを搭載することで円錐加工の真円度で2.32µmという抜群の5軸加工精度を備えたマシンだが、今回は、B・C軸にDDモータ駆動を採用したことが特長(参考出展)。B軸連続運転時の熱変位を75%も大幅低減したという。機械温度制御システムを採用しており、機械のメインコンポーネント内に冷却液を循環させることで熱変位を抑制していることも魅力だ。ワーク積載時の変位も従来機の50%に削減できる。また、旋回中心、回転中心のズレを芯出し装置で測定・補正するソフトウェアを標準搭載しており、5軸加工の精度をより高次元へと引き上げてくれる。まさに高精度加工分野で活躍する来場者にはたまらないマシンとなっていた。

181202機械14INTEGREX e-1250V/85 AG サンダーバードとのコラボで来場者を楽しませたヤマザキマザックは計23台の最新鋭マシンをズラリと展示。ロボットティーチング作業を不要とした旋盤の小ロット自動化システムやレーザ加工機用汎用システム、そしてAIを活用し、生産性や加工面品位の向上など効率的な工場運営を実現するソリューションが満載だった。中でも、複合加工機「INTEGREX」にギア加工とギア計測機能を融合させた「INTEGREX e-1250V/85 AG」は、従来の切削加工に加え、1台でギアスカイビング加工、ホブ加工、エンドミル加工の3種類のギア加工を実現する画期的な工程集約が魅力的。他にも世界初のブルーレーザ積層造形技術と切削加工を融合したハイブリッドな同時5軸加工機「VARIAXIS J-600/5X AM」も、従来技術では困難だった純銅の3D積層造形を実現できるマシンとして注目が集まった。

181202機械15Vision 碌々産業は会期中、「AI MachineDr.」を新たに発表し、話題を呼んだ。これはクラウドを利用した微細加工機に特化したIoTアプリケーション。遠隔医療をヒントに構築したものだという。ミクロン台の超精密加工の安定を維持するための加工に焦点を当てているのが最大の特長だ。また、機械とシステムを活用して作り上げた貴重な時計も展示され、来場者も興味津々の様子。マシンは、荒加工から小径の微細加工まであらゆる加工を1台でこなす超高精度高速微細加工機「Vision」に来場者は足を止めた。このマシンは、各軸ともに2基ずつのリニアモータを搭載し、移動物や案内面への偏荷重を抑制していることが特長。熱対策も徹底しており、コイル内部と取り付け部のダブル冷却を行っている。同社では、ユーザーが常に最高のパフォーマンスで加工に取り組むよう、様々な独自の工夫を凝らしていた。

【JIMTOF2018まとめ②】「切削工具・周辺機器編」~特別レポート~

切削工具・周辺機器編:イスカルジャパン、イワタツール、栄工舎、オーエスジー、北川鉄工所、黒田精工、住友電気工業、タンガロイ、大昭和精機、ダイジェット工業、日進工具、不二越、ブルーム-ノボテスト、三菱日立ツール、三菱マテリアル、ユキワ精工)

181202工具1LOGIQ3CHAM(ロジック3カム) イスカルジャパンは“賢い機械加工”をキーワードに最新工具群を展示。モバイル並びにウェブアプリケーションで使いやすい“デジタルワールド”も提案していた。注目の商品は、三枚刃の最新穴あけ加工用工具「LOGIQ3CHAM(ロジック3カム)」。刃振れを最小にし、高い再現性を実現する独自の“ポケットデザイン”を採用している。切削抵抗は3枚刃で均等に分割され、従来の2枚刃設計と比較して生産性を最大50%もアップした工具だ。他にも、人気のスモウカムシリーズに世界最小ヘッド径4.0mmが登場! 各ヘッドは個々のクランプキーにあらかじめセットされているため、簡単に装着できる。セットアップタイム不要で機械稼働率が向上する嬉しい工具だ。また、工具被膜もどんどん新しい材質が登場していた。

181202工具2GPドリル 加工における新提案を豊富に展開していたイワタツール。ロボットによる高精度な複合加工システムを使用し、切削加工、穴あけ加工、バリ取り加工、タップ加工、小径穴あけ加工を実演し、来場者を魅了していた。同社を代表するドリルといえば、トグロンハードシリーズだが、中でも注目を集めていたのは、「トグロンⓇハードロングドリル」で、SKD11 HRC60の焼入れ鋼にφ1.2mm深さ60mmの貫通穴加工のデモ加工を行っていた。また、人気の「GPドリル」でもφ1mm深さ4mmの超高速穴加工を行い、来場者の度肝を抜いた。同社ではお馴染みの“秘密の部屋”も大繁盛。この中に足を入れると、同社が非公開にしている撮影禁止の工具群がズラリと並んでいる。その中で、「トグロンハードロングドリル100D」が展示されていたが、ものすごく微細に出来ていた。最近はユーザーの声に応えて設備も増設した同社。その人気ぶりが分かる展示内容だった。

181202工具3樹脂用高硬度工具「スーパーミニスロットカッター」 毎度マニアックな工具を展示し、ファンを喜ばせている栄工舎の注目したい商品は、近日発売するという樹脂用高硬度工具「スーパーミニスロットカッター」だ。同社の最大の強みは、「ワンランク上の高精度化と高能率化に貢献するための工具」を目指しており、“ありそうで、ない”という、加工現場の痒いところに手が届くニッチな工具を製造していることだろう。また、不動の人気を誇る「タップリムーバー」は、タップが折れてしまった時の絶望感から解放してくれる心強い商品である。来場者の加工の悩みや質問に対して、ひとりひとり親切丁寧に対応している担当者の姿も印象的だった。

181202工具4ADO-TRS オーエスジーは会期中にかねてから一般公募していた同社のAブランドに加わる新商品のニックネームを発表するなど、企画力にも注目が集まった。最も注目された3枚刃油穴付き超硬ドリル「ADO-TRS」は、他社3枚刃ドリルに対してスラスト抵抗を30%以上低減し、自信の工具。通常はトラブルの元になる長い切り屑や繋がった切り屑が混在しているが、この商品は、抜群の切り屑分断製と形状安定性が魅力だ。また、耐摩耗性・靱性の高い「EgiAs(イージアス)コーティング」が工具の長寿命と寿命安定化を実現してくれる。他にも超硬防振型エンドミル「AE-VMSシリーズ」にロング刃長「AE-VML」が加わり新登場! さらに、来春販売予定のアディティブ・マニュファクチャリングエンドミル「AM-EBT/AM-CRE」が目に止まった。

181205工具5クィックチェンジジョー トレンドに見事にマッチした展示を行っていたのは北川鉄工所だ。本年同社はカンパニー制を導入し、工機事業部はグローバルハンドカンパニーへと生まれ変わり新たな飛躍を見せたが、展示内容も豊富だった。同社のテーマは、「開発・品質・グローバル」。特に時流に乗っていると感じたのはグリッパ「Promano」シリーズの「クィックチェンジジョー」。なんと1種のジョーで複数種の把握面の設定ができるのだ。驚くほど簡単な仕組みでジョー交換時間の短縮が実現している。これがあれば、多品種少量生産でのロボット活用に多大な貢献をもたらすだろうと確信した。このように自由度の高い設計で安定した作業を実演していたが、軽量化と高剛性の相反する特性を両立できたのは高張力アルミニウム合金の採用によるもの。したがって重量ワークにも対応できるのだ。他にも注目したいのは段取り替え時のジョーの再成形が不要な次世代の標準チャック「BRシリーズ」。これまでの標準チャックの常識を覆す把握精度で“仕上げ加工にも使える”とのこと。今後のグローバルハンドの活躍に期待が膨らむ!

181202工具6商品写真はNGのためご勘弁を! 油圧拡張式のハイドロリックツール 展示会では、目立たぬところにひっそりと革新的な商品を展示している場合がある。黒田精工もそうだった。マシンと加工サンプル品がズラリと並ぶ中、奥のほうに油圧拡張式の「ハイドロリックツール」があった。精度は1µm。大きな把握力を持ちながら、誰でも簡単に高精度クランプを実現できるという商品で、肉の薄いワークでも均一に高精度クランプができるものだが、実はこの商品、ありそうで無いという、見る人が見れば飛びつくような商品なのだ。ポイントは、“丸を丸のままに広がる”ところ。さすがはクロダ! 目の付け所が違う! と感心してしまった。用途に合わせた仕様と形状で製作してくれるオーダーメイドだ。軽く回すだけでクランプできるので、高精度化、段取り時間の大幅な短縮、作業効率の改善、自動化などに貢献する。

181202工具7ALNEX(アルネックス) 住友電気工業のブース内で最も来場者の興味を引いたのは、アルミニウム合金加工用高性能カッタ「ALNEX(アルネックス)」。振れ調節時間を大幅短縮するという。この仕組みは、ねじ止めシンプル構造と容易な微調整機構。ボディの高剛性化も一役買っている。また、刃先のクーラント供給を確実にして切り屑を分断。これが高品位な加工面を生み出してくれるというわけだ。また、再研磨量を大幅に増量してランニングコストを低減していることも見逃せない。1回の再研磨量を0.2mmで計算すると、初回使用時と合わせ、なんと5回までの仕様が可能だというから経済効果は高い! さらに今回、難削材旋削用コーティング材種「AC5015S/AC5025S」も新登場。新PVD被膜技術「AbsotechⓇBronze」の対摩耗性に優れるAlTiSiN系の超多層薄膜構造により優れた耐クレータ摩耗、耐逃げ面摩耗性能を実現している。

181202工具8T9200シリーズ ブース内ではVRアーティストのせきぐちあいみさんのLIVEパフォーマンスもあり、大きな盛り上がりを見せたタンガロイ。今回の目玉となったのは、次世代鋼旋削加工用CVD材種「T9200シリーズ」だ。最外層にTiN被膜、その下にはTi系セラミクス被膜、Al₂0₃被膜、Ti系加工物被膜、そして専用母材と、新被膜処理技術の採用が高い靱性を備えた工具を構築している。この高硬度な外層は、耐逃げ面摩耗性を大幅に向上させた新開発の高硬度被膜。高熱とクレータ摩耗に強く、特に高速加工において威力を発揮する。この効果はAl₂O₃被膜の厚膜化によるもの。これらの技術が工具の長寿命と高速・高送りでも安定加工を実現する。機械停止時間の削減や生産性が向上するので、経済効果が抜群の工具なのだ。

181202工具9Cカッターミニ BIGの愛称で親しまれている大昭和精機は、今回も大賑わい! 今回、新商品として特に目に付いたのは、超高送り面取りカッタ「Cカッターミニシリーズ」。ユニバーサルタイプは、スリムボディで面取り角度が自由自在、干渉回避が実現できる。アングルアジャスタを手動で回し、本体の目盛り線と合マークを合わせることで、面取の角度を5°~85°の範囲で調節することができるのが特長。座ぐり穴用タイプは、チップセットのオフセット量を大きくし、座ぐり穴の面取を実現する工具で、幅広い穴サイズに対応している。他にも「スイス型自動旋盤用ハイドロチャック」に注目が集まっていた。CNC自動旋盤における高精度ドリル・リーマ加工を実現するとして、狭い機内でもレンチ1本で確実に刃具の着脱がスピーディーかつ安全に行えるうえ、繰り返し振れ精度3μm以下を実現している。

181202工具10SKS-Ⅱ チタン加工インサート カフェを想像させる洗練されたブース展開を見せたダイジェット工業。同社の若い社員がプロデュースしたとのこと。新製品工具を目立つようにスッキリと展示し、希望のカタログを取りやすいように工夫があった。目当てのカタログがスッと取れる点もセールスポイントが高い! 今回、最も来場者が興味を引いた商品は、「SKS-GⅡ」。これは、金型材の掘り込み加工や航空機部品等に使用されるチタン合金・ステンレス鋼などの難削材の高能率加工に優れた威力を発揮する工具。4コーナ仕様の四角ポジインサートを採用し、安定した高送り加工を実現している。同社でも「驚異の切り屑排出量を実現する革新的高送りカッタ。」として自信の一品だ。PVDコーティング材種「JC8118」、「JC8050」、「JC7550」の3材種が幅広い被削材に対応している。長寿命なのも嬉しい。他にも新製品「ヘプタミル」が注目されていた。

181202工具11銅電極加工用ロングネックエンドミル 微細・精密切削加工に強い日進工具。今回大きな注目を浴びたのは、隙間を突いた新製品「銅電極加工用ロングネックエンドミル」だ。「銅電極加工に圧倒的な長寿命と高品位を実現する。」と同社も自信の商品。銅電極加工に特化しているこの商品の出現を待ち望んでいたユーザーも多く、加工の救世主的な役目を果たす。この工具、微小なギャッシュランドの採用で、切れ味を保ちつつもコーナ部の強度がアップするという考え抜いた工具設計に優位性がある。銅の加工に最適な刃先形状の開発で、バリの発生を最小限にしているのだ。切り屑のスムーズな排出も魅力。切れ味と良好な加工面品位を保つために刃先形状とDLCコーティングの相乗効果が高品位な電極加工を可能にしている。難削材でも安定加工ができるのは嬉しい。

181202工具12アクアREVOドリル 会期中、超硬材料の内製化を発表し、大きな注目を浴びた不二越。工具の目玉となったのは、超硬素材から超硬ドリルを一貫生産し、全てを一新した新超硬ドリル「アクアREVOドリル」だ。硬さと靱性を両立した超硬母材を新開発し、耐摩耗性と耐チッピング性を向上し、直線刃形で応力を分散。これにより、コーナーの欠損強度を向上している。被膜も新たに開発しており、耐酸化性と耐摩耗性に優れた「REVO-Dコート」でさらに超平滑化処理によるスムーズな切り屑排出を実現した。今回、いかにこの工具が滑らかなのかを手に取って触れられるように展示してあったが、触ると驚くほどツルツル! これには来場者も驚きを隠せない様子。「工具に革命を起こす!」という同社の意気込みを知ることができた。今後、工具部門のニーズに対応したオリジナル高性能材種の開発とともにラウンドツール以外の超硬合金素材の開発も進めるとしており、目が離せない!

181202工具13LC50-DIGILOG ブルーム-ノボテストの注目の新製品は「LC50-DIGILOG」。最先端を行く次世代工具測定レーザだ。最大のメリットは、①自動計測による大幅な生産時間、②不良最小化に貢献、③連続したプロセスチェーンの実現、④省人化・自動オペレーション、⑤あらゆるタイプ、形状、材質の工具測定とモニタリング、⑥主軸熱変位と工具刃先の振れ補正など。同社はこの商品の目的について、「生産現場が良品をつくるスピードを上げること。そして時間をかけずに誰もが簡単に不良率をゼロにできること。」とコメント。この商品は、1秒あたり何千もの測定値を提供するデータベースを基に生産イノベーションを実現する技術を搭載している。機械メーカーや加工現場がこのデータを使用することにより、さらにデータを活用できるという。これらのメリットは生産現場に多くの可能性を与えてくれる。自動化や省人化が進む中で加工の測定信頼性の確保は絶対に欠かすことができないのだから。

181202工具14EBB4HR-ATH “MOLDINO”ブランドが定着してきた三菱日立ツールは、「金型業界にさらなる加工イノベーションを!」と意気込みを見せているだけあって、金型加工時間の短縮による生産性改善やコスト削減へのニーズに対応した商品が数多く見られた。その中でも特に注目を浴びたのは、高精度リブ溝加工用テーパボールエンドミル「EBB4HR-ATH」。等高線加工+テーパエンドミルの新しいリブ加工法を提案していた。優位性は、直彫り加工で磨き工数を削減することだ。この工具、外周刃をテーパ刃形状とすることで、工具交換時に発生する嫌な段差を低減してくれるというから、頼もしい。しかも荒加工から使うと、削り残り量も低減し、高精度な仕上げ加工を実現する。工具交換による段差を抑えるうえ、次工程の磨き時間の削減ができるというのは、トータル加工時間を削減できるということ。生産性向上にはもってこいの工具だ。

181202工具15WJXシリーズ 加工現場が求める“高能率加工でも経済的な工具”を展示していたのは三菱マテリアル。目玉となったのは高送り加工用両面インサート式ラジアスカッタ「WJXシリーズ」だ。高送り両面インサートなのに食い付きの抵抗上昇が少なく、連続切削や高切り込みでも安定した“静かな加工”を実現。この工具の特長は切れ刃設計にある。急角度のランピングでも切れ刃が直線なので安定した切り屑を出す副切れ刃、また、さらい刃により、荒加工領域での良好な仕上げ面を実現している。驚いたのはインサートの厚みが従来品より増していること。これで欠損および本体の破損を防止するという。独自切れ刃稜線により、切り屑はコンパクトなカール状になるため、工具本体やチップコンベアの切り屑詰まりを抑制することも嬉しい。

181202工具16グリーンG1チャック ユキワ精工は、コスト低減に直結するツールホルダとして人気を博している「スーパーG1チャック」を展示し、来場者の足を止めていたが、緑色が美しい「グリーンG1チャック」にも要注目だ。この商品のキーワードは“速くキレイに削れるecoなホルダ”。ホルダ内部に振動減衰構造を設け、重切削の振動を抑えるので加工送り速度を上げられる。重切削でも工具が倒れにくいのは、ホルダ部の肉厚を厚くしたことと、二面拘束により高い剛性を確保したことによる。1/10テーパとダブルテーパ式による高把握力で定評のSGコレットを使用しているので、抜けにも強い! 「工具の刃持ちが良くなります!」と同社も自信の一品だ。嬉しいことに、ホルダにコレットをセットした状態での総合芯振れ精度5µmを保証してくれるのは、ユキワならでは! 

大澤科学技術振興財団が「平成30年助成費贈呈式」を開く

181202OSG1 大澤科学技術振興財団(理事長=大澤伸朗 オーエスジー常務)が、11月7日、オーエスジー ゲストハウス(愛知県豊川市)で「平成30年度助成費贈呈式」を開催した。本年、オーエスジーは創立80周年を迎え、平成33年には財団も30周年を迎えることを記念し、今年から平成33年までの4年間で総額1億円を助成するとした。この日は30周年記念事業の第1回目となる。なお、30年度は次の2課題を指定して募集を行った。

 課題1:金型の切削加工技術に関する研究
 課題2:航空機部材の切削加工技術に関する研究

 大澤科学技術振興財団は、平成3年7月18日に設立され、日本のものづくりを支える科学技術の振興に寄与したいという趣旨から、国内の大学・研究所など、非営利の研究機関に所属する研究者に助成を行っている。今年度は23件の研究開発助成および、10件の国際交流助成を行い、助成金の合計は7,296万2,000円となった。なお、設立来28年間の研究開発助成は368課題、国際交流助成も268件となり、助成累計額は7億5,679万8,000円に達している。

181202OSG2あいさつする大澤理事長 あいさつに立った大澤理事長は、「昨年は台風に見舞われ、昨年の贈呈式は中止となったが、今年は台風の時期を若干ずらして開催した。お陰様で当財団は2021年に30周年を迎える。それと併せて今年はオーエスジーも80周年を迎え、なにか記念事業を興そうと今年から4年間、重点研究開発という企画を設け、従来の一般研究開発と国際交流助成を含めて助成枠を拡げた。4年間に亘って行う重点研究に対する助成は総額で1億円と決定している。お陰様で、今年度は重点研究開発助成で2件、一般研究開発助成で21件、国際交流助成で10件、合計33件に対して助成を行った。引き続き、皆様に対して精力的に助成をしていく。」と力強く述べたあと、「先日、JIMTOFが開催された。今年のテーマは未来につなぐ 技術の大樹。昨今、つなぐ、というワードが様々な分野で使われており、ここ数年でわれわれを取り巻く生産現場が大きく様変わりをしていることを実感している。今回の展示会もIoTを軸とした、より実用的な提案が目立っていた。今後は自動化、省力化に進んでいくと思われるが、あくまでもこれらは手段であって、ものづくりの一番の根底にある技術的・科学的な重要性は今後ますます高まるだろう。」との認識を示した。

181202OSG3説明する帯川選考委員会委員長 帯川利之選考委員会委員長(東京大学名誉教授)が選考過程について説明をしたあと、「ある町工場の話だが、60歳代の熟練が多い会社だった。経営陣はなんとか生産性を上げたいがなかなか実現できずにいた。そんな折りに、昨年高圧クーラントの工作機械を導入し、高能率加工を実現した。この設備を導入したときに、週休二日を達成したとのことだった。技術でないと得られない部分を目指して皆様には精進していただければ非常にありがたいと思っている。」と期待を込めた。

 大澤理事長から助成決定書の交付が行われた。

 来賓を代表して浅野勝人顧問(元内閣官房副長官)が、あいさつをしたあと、糸魚川文広 名古屋工業大学・大学院工学研究科 教授が謝辞を述べた。

 場所を移して懇親会が開かれた。乾杯の発声は大澤二朗オーエスジー常務が行った。宴もたけなわの頃、散会した。

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平成30年度助成課題

●重点研究開発助成
1.「難削性金型材料の次世代超精密・微細形状創製技術の研究開発」
名古屋大学・大学院工学研究科 助教 鄭 弘鎭

2.「超短パルスレーザを用いたCVDダイヤモンドコーティング工具の高性能化」
名古屋工業大学・大学院工学研究科 教授 糸魚川文広

●一般研究開発助成
3.「モード変換型マイクロ波プラズマCVDによる窒化ホウ素の合成」
千葉工業大学・工学部 教授 坂本幸弘

4.「ファブリ・ペロー方式婦ロープを用いた微細3次元加工形状測定システムの開発」
北九州市立大学・国際環境工学部 准教授 村上 洋

5.「畳み込みニューラルネットワークを用いた研削性能低下要因の抽出」
佐世保工業高等専門学校・電子制御工学科 准教授 坂口彰浩

6.「へら絞り法によるテラヘルツ通信アンテナの開発(Ⅱ)」
国立天文台・電波研究部 助教 三好 真

7.「マイクロ波励起高密度基材近傍プラズマを用いたナノダイヤモンドの合成」
兵庫県立大学・工学研究科 助教 田中一平

8.「歪速度に茶宇目した局所的塑性加工による工具用表面力学設計の構築」
東北大学・大学院工学研究科 教授 祖山 均

9.「エンドミル加工の工具変形および振動を考慮したボクセルモデルによる切削現象の予測」
神戸大学・大学院工学研究科 助教 西田 勇

10.「PCD/BL-PCD工具のフェムト秒レーザ成形と超硬合金加工における微視的摩耗挙動に関する研究」
理化学研究所・大森素形材光学研究室 専任研究員 片平和俊

11.「ダイクエンチ鋼板、超高張力鋼板の穴縁の遅れ破壊を抑制する穴抜き加工の開発」
豊橋技術科学大学・工学部 准教授 阿部洋平

12.「グラフェンを活用した擬音低減及び放熱型切削工具の開発」
東京大学・生産技術研究所 教授 臼杵 年

13.「ダイヤモンドCVD膜の超高速成長技術の開発」
金沢大学・理工研究域 准教授 徳田規夫

14.「ホットカソード法による切削加工用酸化物・窒化物被膜の高速スパッタ成膜技術の開発」
東北大学・大学院工学研究科 教授 斉藤 伸

15.「連続繊維強化樹脂加工用 有気孔メタルボンド砥石の開発」
山形県工業技術センター・化学材料表面技術部 専門研究員 村岡潤一

16.「超ナノ微結晶ダイヤモンド膜の切削工具への適応」
九州大学・大学院総合理工学研究院 准教授 古武 剛

17.「膜厚分布に対応できる一品処理型・超高速・工具除膜技術の開発」
岐阜大学・工学部 教授 上坂裕之

18.「レーザークリーニング援用ドレッシング法による超精密研削加工技術の開発」
富山県立大学・工学部 准教授 岩井 学

19.「複合砥粒砥石を用いた高速固定砥粒研磨によるダイヤモンドの鏡面仕上げ」
京都工芸繊維大学・機械工学系 教授 太田 稔

20.「バインダレスナノ多結晶ダイヤモンドを材料とする極微小切削工具および極微小金型の製作加工技術の開発」
慶應技術大学・理工学部 教授 青山英樹

21.「表面波の伝播速度による超砥粒ホイール砥粒層の弾性係数導出に関する研究」
芝浦工業大学・デザイン工学部 准教授 澤 武一

22.「対向型デュアル電極放電プロセスによる恒温潤滑窒化バナジウム含有コーティング膜の開発」
金沢大学・理工研究域 教授 細川 晃

23.「光ファイバ型二色温度計によるワイヤ放電加工中のワイヤ電極温度計測の高精度化」
金沢大学・理工研究域 助教 小谷野智広

●国際交流助成
K-1.「第2回建築材料と材料工学に関する国際会議(ポルトガル)」
奈良工業高等専門学校・機械工学科 教授 和田任弘

K-2.「国際材料研究協会―電子材料国際会議(韓国)」
豊橋技術科学大学・電気・電子情報工学系 助教 谷本 壮

K-3.「第13回先進材料の超塑性に関する国際会議(ロシア)」
富山県立大学・工学部 准教授 伊藤 勉

K-4.「第21回先進材料・加工技術に関する国際会議(アイルランド)」
岐阜大学・地域連携スマート金型技術研究センター 特任教授 土屋能成

K-5.「第21回国際先端砥粒加工シンポジウム(カナダ)」
一関工業高等専門学校・未来創造工学科 准教授 原 圭祐

K-6.「第21回国際先端砥粒加工シンポジウム(カナダ)」
京都工芸繊維大学・機械工学系 准教授 江頭 快

K-7.「第21回国際先端砥粒加工シンポジウム(カナダ)」
山梨大学・工学部 准教授 孕石泰丈

K-8.「第21回国際先端砥粒加工シンポジウム(カナダ)」
岐阜大学・地域連携スマート金型技術研究センター 特任教授 深川 仁

K-9.「第21回国際先端砥粒加工シンポジウム(カナダ)」
日本工業大学・基幹工学部 教授 二ノ宮進一

K-10.「第21回国際先端砥粒加工シンポジウム(カナダ)」
秋田県立大学・機械工学科 准教授 野村光由

三菱マテリアルがJIMTOFツアーを開催

181202三菱マテリアル1会場内の様子 

 三菱マテリアルが本年11月1日~6日まで、東京ビッグサイトで開催された「JIMTOF2018」の会期中に流通代理店・ディーラーへ向け手JIMTOFツアーを企画した。

 11月4日はグランドニッコー東京台場において懇親会が開かれ、親睦を図った。


181202三菱マテリアル2あいさつする中村加工事業カンパニープレジデント 中村伸一 三菱マテリアル常務・加工事業カンパニープレジデントは、「今回のJIMTOFキャンペーンに多大なるご協力をいただき、目標を達成することができた。日本機械工具工業会が発表した2018年上期は、対前年比8.2%増と聞いている。弊社の国内販売においては、若干上回っている。これもひとえに皆様方の活動のお陰だとありがたく思っている。一方、海外に目を向けると、アメリカ、ヨーロッパ、中国、東南アジア、非常に堅調に推移している状況である。計画した設備投資をしっかり確実に実行し、さらなる拡販に結びつくよう体制を整備している。今後とも安心して“ダイヤエッジ製品”の拡販にさらなるご尽力を賜ればありがたい。」とあいさつした。

 乾杯の発声を梅村龍盛 梅村本店社長が行い開宴した。女優の吉谷彩子さんやお笑いタレントのカール北川さんが登場し、会場を盛り上げ、宴もたけなわの頃、散会した。

碌々産業が微細加工機に特化したクラウドサービス『AI MACHINE Dr.』を開発

181202碌々産業1写真左:碌々産業 海藤社長 右:CORE CONCEPT TECHNOLOGIES INC.田口 取締役CTO 碌々産業(社長=海藤 満氏)が、11月4日、IT企業のCORE CONCEPT TECHNOLOGIES INC.(社長=金子武史氏)との協業で、微細加工機に特化したクラウドサービス『AI MACHINE Dr.』を開発したと発表した。

 発表のあった11月4日は、東京ビッグサイトで開催された「JIMTOF2018」の会期中で、会見は同社のブースで行われた。

 海藤社長は、「一般のIoTアプリケーションは、稼働率を上げることを目的としているので、異常検知や予防保全といった機械に焦点をあてていますが、『AI MACHINE Dr.』は、ミクロン台の超精密な加工をどう安定して維持するか、という加工に焦点をあてているのが最大の特長です。」と話す。

 181202碌々産業2加工室内の温度や機械設置場所の室温も監視するこのサービスは、「ミクロン単位の加工精度を担う微細加工機は大変繊細なため、入念な機体管理が必要。最大36項目に亘る機体情報をセンサリングすることにより、ユーザーとメーカーが一体となって機体を厳格に管理・監視することができます。また、クラウドを利用するため、機械がどこにあってもリアルタイムで遠隔監視が可能です。」と優位性を示す海藤社長は、この開発の趣旨について次のように述べた。

 「良品が出来た時の機体状態を常に監視し、キープすれば、機械による不良は出なくなるという考えです。クラウド上のサーバーを使用するため、微細加工機が生まれてからの機体情報をリアルタイムで取得しビッグデータ化することが可能なため、予防保全やAI投入による不良加工予知なども出来るようになります。」

 また、外にクラウドを繋ぎたくない――という顧客のためには、独立サーバーを使った自己完結型の“On-Premise版”も現在、準備中とのことだ。

181202碌々産業3 CORE CONCEPT TECHNOLOGIES INC.の田口 紀成 取締役CTOは、「1機種あたり最大36項目にわたる機体情報を最小10msの時間感覚で取得し、これらの全てをクラウドに保存しつつ、リアルタイムな状態を可視化するために、通信処理の効率化や最適化を行っています。数分・数秒単位の時系列なデータでは見逃してしまうような異常を『AI MACHINE Dr.』は見逃さずに保存することができます。さらにこの高解像な時系列データをAIで分析することによって、これまでは見逃していたような異常信号を事前に察知し、ユーザーに知らせることが可能になります。」と説明した。

ダイジェット工業が高能率肩削りカッタ「ショルダーエクストリーム」を新発売

181202ダイジェット工業 ダイジェット工業(生悦住 歩氏)が、このほど高能率肩削りカッタ「ショルダーエクストリーム」(EXSAP/MSX 形)の販売を2019年1月から開始すると発表した。

 この商品は、荒加工~中仕上げ加工の領域において生産性の向上を実現するために、高能率・高精度な肩削り加工を可能とした刃先交換式肩削りカッタ。特長は以下の通り。

 (1)肩削り軸方向切込み量(Ap)が最大15mmと大きく、平面削り・溝削り・プランジ加工など幅広い用途で使用可能。
 (2)インサートは両面4コーナー使用可能で経済的。コーナーRは、R0.8とR1.6の2種類をラインナップ。高精度な外周研磨級で、荒加工だけでなく、中仕上げ加工領域においても適用可能。
 (3)インサート刃先形状は低抵抗な三次元ブレーカー形状で強度を有する。カッタ本体セット時強固にクランプできる機構により、荒加工での高能率加工を実現。
 (4)インサート材種は、耐欠損性と耐摩耗性のバランスに優れた材種「JC8050」と一般鋼・プリハードン鋼および50HRC程度の焼き入れ鋼が加工可能な、汎用性材種「JC8118」を採用。

 炭素鋼、工具鋼、プリハードン鋼、鋳鉄、ステンレス鋼等の肩削り、平面削り、溝削り加工等の荒~中仕上げ加工に威力を発揮する。

■サイズ・価格
・本体モジュラーヘッドタイプ:φ25(2 枚刃)~φ40(4 枚刃)
・本体ボアタイプ :φ50(4 枚刃)~φ80(7 枚刃)
・本体標準価格:φ25 28,500 円~φ80 57,800 円(税抜き)
・インサート形番: ZNGU 形 材種:JC8050、JC8118(PVD コーティング)
・インサート標準価格:1,710 円(税抜き)

ヤマザキマザックが工作機械の設置・据付を効率化する据付部品キットをナベヤと共同開発

 ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)はこのほど、工作機械の据付作業を効率化する据付部品キットをナベヤ(社長=岡本知彦氏)と共同開発したと発表した。

 ヤマザキマザックは共同開発の背景を、「高精度な工作機械が設計通りの性能を安定して発揮するには、設置される工場のフロアに正確かつ強固に固定されている必要がある。一般的に産業機械を工場に設置する際は、機械レベル(水平)を調整する「レベリングブロック」、機械と基礎を締結する「アンカーボルト」とそのボルトを基礎に固定するためのコンクリートや樹脂「エポキシグラウト」が使用される。機械の設置に使われるこれらの部品や部材については、さまざまな産業機械を対象とする汎用品が多く、1/1000mm単位の精度が求められる工作機械の据付に特化したものは、これまでほとんどなかった。また、工作機械には恒久的な高精度が要求されるが故に、繊細かつ確実な作業が要求され、機械固定やレベル調整などの作業効率には改善の余地が残されていた。」としており、このような中で、マザックとナベヤは工作機械に特化した正確かつ強固な設置を効率的に行うことができる据付部品キットを開発したとしている。

 ナベヤは工作機械用の精密治具ユニットや防振・機械要素部品の専門メーカであり、それらを通じて工作機械ユーザの生産性の向上と高品質化に貢献してきた。ナベヤが長年培った要素部品設計のノウハウと鋳造技術を生かし、より高精度化した工作機械の据付ニーズに対応すべく、今回のマザックとの共同開発に至った。

181202マザックカットモデル 共同開発した据付部品キットは、機械と設置されるフロアとを強固に締結するのはもちろん、マザック製の工作機械に最適化した設計となっており、静的な剛性だけでなく、荷重が大きく変動する加工時の動的な剛性や安定性も高め、恒久的な精度維持に貢献する。また、工作機械の据付に必要な1/1000mm単位のレベル調整を正確かつ迅速に行えるほか、基礎に固定する為の樹脂の流動性を高めるなど、据付作業全体を効率化することで、作業者の負担を軽減すると同時に工期の短縮と早期の機械稼働を実現する。

 今回開発した据付部品キットは、マザック製工作機械の推奨品として純正採用していく予定。マザックとナベヤは今後も、工作機械ユーザの生産性の向上と高品質化に貢献していく――としている。

オークマが次世代ロボットシステム「STANDROID (スタンドロイド)」を開発 ~革新的ロボット操作系を世界に先駆けて実現。自動化・働き方改革を推進~

181202オークマ1全景 オークマ(社長=花木義麿氏)は、このほど自動化システムを容易に導入できる次世代ロボットシステム「STANDROID(スタンドロイド)」を開発した。「STANDRO」は、ロボットのティーチングレスを志向し、工作機械と同じ操作感で 安心・容易に操作できる“革新的ロボット操作系”を世界に先駆けて実現した革新的な 次世代ロボットシステム。さらにシステム構築に必要な装置一式をパッケージ化した“省スペース自動化セル”により、トータルシステムインテグレーションを提供する。

 「STANDROID」は、システムインテグレータ(システム構築業者)を介さず容易に省スペース自動化システムの立上げを実現し、世界の中小規模の事業所を始めとした幅広い顧客のロボット活用による自動化・省力化の普及を促すに加え、働き方改革を強力にサポートし、スマートファクトリー化を加速させる。

 この開発の背景について同社では、「労働力人口の減少に伴い、ものづくりの現場では、人材不足が大きな問題となっている。働き方改革により、労働時間短縮への取り組みが進む中で、大企業だけでなく、中小規模の事業所においても自動化・省力化への導入が急務である。従来、工作機械とロボットは、別々の制御システムで動作しており、ロボットによる自動化システムは、専門技術を有するシステムインテグレータにより構築されていた。」としている。ロボットにおける自動運転の現状については、「狭い加工室内への進入や回避動作時に機械と干渉しないように ロボットの姿勢を保ちながら最短の距離で動作をさせるプログラムが必要のため、数ポイントから数十ポイントの位置と姿勢の設定(ティーチング)が必要で、これには高いスキルが要求され、システムインテグレータなしでの導入は困難となっている。そのため中小規模の事業所は、ロボット採用のハードルが高く、これが普及を妨げている要因だと考えられる。したがって、現在、加工現場では、操作が簡単で、導入が容易な自動化システムが求められている。」と、今回の開発に至った経緯を述べている。

特長と優位性

(1)システムインテグレータ不要。導入が容易ですぐに使える簡単自動化システム
 ティーチング作業を最小限とし、機械への接続もロボットとストッカが一体となった「省スペース自動化セル」を設置するだけで完了。システムインテグレータを介さずに簡単に自動化システムを立ち上げることができる。
(2)ティーチングレスを志向。容易に自動化できる革新ロボット操作
 ロボット操作の専門知識がなくても工作機械の操作感覚で簡単ロボット操作。ワーク品種の変更に際し、ロボット言語を知らなくても作業者が容易にロボット動作を設定できる。準備・確認期間を大幅に削減し、多品種少量生産へのロボット活用を促進する。
(3) 設置面積半減!省スペース自動化セル
 ロボットやストッカ等の装置一式をわずかパレット約2枚分のスペースに極小化。従来、安全柵で囲っていたロボット可動範囲分のスペースが不要になる。

●実演技術
① 簡単システム導入、生産性を革新するロボットパッケージ
 ・システム構築の装置一式をパッケージ化。出荷時にはロボットの信号確認も実施済。据付け時は、電源とネットワークケーブルをつなぐだけで接続完了。 システムインテグレータ不要で、3日間を要する据付動作確認作業もわずか一日で 終了。
 ・顧客のニーズを満足する機能拡張パッケージをラインナップ。 顧客の自動化要求に合わせて、加工物の品質チェックやエアブロー洗浄などの周辺装置を選択しやすい機能拡張パッケージとしてあらかじめ準備。仕様検討から 据付までの期間を短縮する。

② ロボット操作の革新。中間ティーチングポイント設定が不要
181202オークマ23Dシミュレーションで事前に動作確認(MU-S600V+STANDROID)
 ・専門スキルがなくても使いこなせる新感覚のロボット操作。ティーチングレスの革新。 NCの対話入力画面から、動作の始点と終点の位置等の必要情報を入力するだけで、干渉しない最短動作を自動作成する「干渉レス制御」。時間と経験を要する従来のティーチングから革新的な進化。
 ・加工物や取付け位置が変更されても、設定変更だけで変更プログラムを作成。
 ・工作機械のパルスハンドルやJOG送りボタンでの手動操作が可能。微小な位置あわせもらくらく実施。

③ 省スペース自動化セルを実現する「干渉レス制御」
181202オークマ3 ・システム拡張領域 従来比55%減(*同社実績比:従来ロボット+ワークストッカのスペース(2.1m×2.5m = 5.25m2)との比較)。干渉レス制御により、狭い空間でも動作確認なしで干渉しない最短動作を実現。わずか2.4m2(1.2m×2.0m)のスペースに装置一式を収納し、ロボット可動範囲全体を囲う安全柵が不要でワークストッカもコンパクトに最小化した。
 ・「STANDROID」を機械の側面に設置。作業者の操作を阻害しないレイアウト。作業者が行う加工物の手着脱作業と、自動化対応を自由に切替え可能。

主な仕様
181202オークマ4
 

タンガロイが刃先交換式サイドカッタ 「TecTangentialSlot」インサート新材種「AH3135」拡充!

180201タンガロイ タンガロイ(社長=木下 聡氏)は、このほど刃先交換式サイドカッタ 「TecTangentialSlot(テック・タンジェンシャル・スロット)」インサートAH3135材種を順次発売すると発表した。

 優れた性能で発売以来高い評価を博している先交換式サイドカッタ「TecTangentialSlot」は、高い信頼性と加工能率を誇る刃先交換式サイドカッタ。サイドカッタは、発電機用シャフトや、ブレーキ部品の溝・幅決め加工などに多く使用され、切りくずの噛込みによる破損が生じやすいので、優れた切りくず排出性と高い信頼性が求められる。

 この商品は、理想的なポケット形状を有し、最大刃数と切りくず排出性の両立で高能率溝加工を可能にしている。また、高強度な縦インサートの採用と、大きなインクリネーションによる加工時の衝撃緩和をすることで驚異的な信頼性を確立。従来のサイドカッタは、幅広の溝形状を形成するために2個以上のインサートを並列させる必要があり、その場合には右勝手専用と左勝手専用の2種類のインサートが必要だったが、「TecTangentialSlot」のインサートは、片面を右勝手、もう片面を左勝手とした左右両勝手タイプで、計4コーナが使用できる。これにより優れた経済性を発揮し、同時にインサートの集約にも大きく貢献する。

 今回はインサート材種に高い耐欠損性を誇る新材種AH3135を追加設定した。AH3135材種は、靭性の高い超硬母材と耐欠損性に優れる積層構造を有したコーティング膜を採用している。高い欠損性を持つ母材とコーティングの組み合わせにより、不安定な加工条件でも抜群の安定性を誇り、インサートのチッピングや欠損が起こりやすい加工状況でも安定した長寿命を実現する。

 同社では、「高強度なインサート設計および長寿命を実現する新材種の採用で、TecTangentialSlotは極めて信頼性の高い加工を市場に提供し、お客様の加工費低減に大きく貢献します。」としている。主な特長は以下の通り。

(1)高強度な縦インサートにより、高い信頼性を実現
(2)多刃仕様と優れた切りくず排出性を両立し、高能率溝加工が可能
(3)左右両勝手仕様のインサートは、4コーナの使用が可能で経済的が高く、工具管理も容易
(4)独自の切れ刃形状は、さらい刃も備え、優れた壁面品位を提供
(5)耐欠損性に優れた新材種「AH3135」を追加設定

■主な型番と標準価格
LMEU100808ZNEN-MJ AH3135:1,980円
LMEU120808ZNEN-MJ AH3135:2,130円
LMEU150908ZNEN-MJ AH3135:2,280円
(いずれも税抜き価格)

三菱マテリアルが難削材旋削加工用インサート材種“MP9000/MT9000シリーズ”に断続切削加工用材種「MP9025」を追加発売

181202三菱マテリアル商品 三菱マテリアル 加工事業カンパニー(カンパニープレジデント=中村伸一氏)は、このほど難削材旋削加工用インサート材種“MP9000/MT9000シリーズ”に断続切削加工用PVDコーテッド材種「MP9025」を追加し、販売を開始した。

 顧客から高い評価を得ている難削材旋削加工用インサート材種“MP9000/MT9000シリーズ”は、航空機部品や医療器具などに使用されているチタン合金、耐熱合金、耐食合金などの難削材の加工に適したインサートシリーズ。耐欠損性、耐溶着性を向上させたことで、突発欠損を抑制し、専用ブレーカにより、切りくずトラブルを防止する。人気の同シリーズに、今回、断続切削加工用PVDコーテッド材種「MP9025」を追加することで、使用領域を拡大した。特長は、以下の通り。

(1)刃先安定性重視のローグレード材種。
(2)軽切削領域から荒切削領域までの断続切削加工用。

■標準価格
CNMG120404-LS MP9025:940円
(代表型番) DNMG150408-MS MP9025:1,300円
SNMG120412-RS MP9025:1,100円
(いずれも税抜き価格)